• タグ別アーカイブ: 小青龍湯
  • 症状を語ることは原因の種別の目安になります

     『ファイチ』を購入されるお客様に、病院で診察を受けたことがあるのかを尋ねたところ、以前に鉄不足とは診断されたそう。
     主訴はというと、貧血と目眩(めまい)だそうなので、症例として「気が遠くなるような」とか「天井が回るような」というのを挙げたら、「そこまで酷くない」という。
     ただ、貧血や目眩に限った話じゃないけど、症状は強弱ばかりでなく、原因の種別の目安でもあることを説明した。
     例えば「気が遠くなるような」というのは、鉄不足や鉄だけではなく栄養不足と考えられるため、『ファイチ』のような鉄剤や『人参養栄湯』などが適応する。
     しかし、「天井が回るような」場合には、三半規管の異常といったメニエール病も疑われ、漢方的には水分代謝の異常が考えられるため『苓桂朮甘湯』が適応し、鉄剤の出番ではない。
     他に、「雲の上を歩くような」フワフワした目眩もあり、これは血圧が関係するケースが多く『釣藤散』『七物降下湯』の出番となるが、脳内出血といった重大な病気が隠れている可能性があるので、まずは受診した方が良い。
     お客様に詳しくヒアリングしてみると、目の前がチカチカする感じがしたり、運動した後に乗り物酔いみたいになる他に、頭がボウッとするという話が次々と出てきた。
     先に挙げた三種類の目眩のうち、複合的に現れることがあるのが目眩の難しいところ。
     このお客様の場合、目元に力が無く声が弱々しいことからすると、鉄不足だけでなく栄養が循環していないように思える。
     『ファイチ』は適応するだろうけど、それなら改めて受診して病院で処方してもらったほうが良いのではと提案したうえで、お買い上げ頂いた。
     食事では、サラダが好きというお話だったので、レタスやキャベツなどは根に近い部分を積極的に摂るよう勧めた。

     やや高齢のお客様から、「鼻風邪の薬を」と注文を受けて鼻水の状態を尋ねると、透明で垂れてくるとのこと。
     このタイプの鼻水は風邪ではない可能性が高いが、昨日には風邪ということで病院に行き、喉の痛みと咳の薬を処方されたそう。
     お薬手帳は持っていなかったけど、薬の現物を持っていたので内容は確認できた。
     そうなると鼻水は風邪とは別に内臓が冷えているからだろうから、飲食を温かい物にして入浴や厚着で対応するだけで充分なように思える。
     しかし、仕事中に何度も鼻を噛むのが煩わしいので、どうしても薬が欲しいと食い下がられたため、処方薬との併用を考えると色々と成分の入っている風邪薬より、成分の種類の少ない鼻炎薬のほうが良いでしょうとお話した。
     そして、仕事中にということであれば眠くなる成分が入っていない漢方薬をと勧めると興味を持たれたので、『小青龍湯』をお買い上げ頂いた。
     そして、入浴するよう勧めたところ、37.5度ほどの発熱があり入らなかったという。
     風邪で疲労しているのでなければ、入浴はしたほうが良い。
     風邪の際に風呂に入ってはいけないというのは、日本家屋が風通しが良くて湯冷めが心配だった頃の話。
     まぁ、私が今住んでる借家は、部屋の扉を閉めてもどこからともなく風が入ってきますが(^_^;)
     なんにしても、湯冷めにさえ気をつければ入浴は大事なので、よろしくお願いします。

     

  • 人には時として増長も必要?

     高齢のお客様から、病院で『ビオフェルミン』を処方されているものの、便秘に効かないと相談を受けた。
     病院で処方されている薬の代わりなんて、ドラッグストアーでおいそれと提案できるもんじゃないけど『ビオフェルミン』は、まぁ乳酸菌だから、ちょっと考えてみよう。
     症状を詳しく訊いてみると、腸が動かない感じだそうなので、『桂枝加芍薬湯』を案内してみた。
     内臓が未発達な幼児の便秘には水飴の入った『小建中湯』を使うが、その『小建中湯』から水飴を抜いたのが『桂枝加芍薬湯』で、本来はストレス性による便秘や下痢を正常の状態に戻す漢方薬である。
     他に、食事の量が減っているというお話もあったため、腸内の水分を吸収して便の嵩を増やす『サトラックス』も紹介した。
     とはいえ、病院に通っているのであれば、加齢による体内の水分の不足で起きる便秘を改善する『潤腸湯』を処方してもらうという手もある。
     なので、担当医に『潤腸湯』『桂枝加芍薬湯』の処方について相談してみるよう勧めた。
     自信は必要だけど、天狗になっちゃ駄目なんである。

     『ルルアタックNX』を購入されるお客様に念のため症状を尋ねると、主訴は鼻水と咳であるものの、鼻水は透明なサラサラで咳もそれほどではないそう。
     ふむぅ、そういうことでしたら体内を温めるだけで改善しそうにも思えます。
     そうお話して『葛根湯』を勧めると、一緒にお買い上げになった。
     勿論、上半身を温める『葛根湯』は咳には適応しないんだけど、咳がそれほどでもないというのは、単純に寒暖差によるものか、花粉などの異物を吸って反応しているだけかもしれず、そういう場合には無視しても構わないので。
     一応の咳についての鑑別方法としては、冷たい水と温かいお湯のどちらを飲むと楽になるかで試すというのがあることを、お客様に伝えた。
      冷やして咳が楽になるようなら『五虎湯』か適しているし、温めて楽になるのなら『葛根湯』『小青龍湯』となる。
     今回の場合は、内臓が冷えていると出る透明でサラサラな鼻水ということだったので、その点は考えなかったけど。

     やや高齢のお客様がサプリメントの『ノコギリヤシ』をレジに持ってきて、「夜飲べば効くか」と質問されるので症状を尋ねると、夜間にトイレで起きてしまうからとのことだった。
     確かに『ノコギリヤシ』は、アメリカなどではそういう用途で処方される薬だけど、日本では医薬品としての効能は、まだ認められていない。
     効能が認められている漢方薬のほうが良いのではないと話すと興味を持たれたので、『八味地黄丸』を紹介すると購入を決められた。
     また、『八味地黄丸』で効果がイマイチと感じる場合には、高齢でもあるから『サモンエース』(知柏地黄丸)や『ジェントスルー』(八味地黄丸加五味子麦門冬)というような乗り換え先もあることを伝えた。

     『チクナイン』(辛夷清肺湯)を購入されるお客様に使用経験を確認したところ、初めてとのこと。
     ただ、蓄膿症と診断されたことはあり、鼻汁が喉に落ちるというから、適応から考えても最初の候補となるので、そのままお買い上げ頂いた。
     そして、鼻汁が喉に落ちてくるのは胃が弱っているためと考えられるので、胃に優しい食事に切り替えることと、蓄膿症は上半身に不要な熱が篭るのが原因だから、上に昇る熱が循環するように下半身を温めるよう勧めた。

     

  • 慎重であることに越したことはなし

     夫婦で来店したお客様、奥さんが風邪とのことで相談を受けたけど、鼻水は透明なサラサラタイプだそうなので、風邪ではなく内臓の冷えか、早い花粉症と考えられることを説明した。
     ご主人が「体のだるさもあるみたい」と言っていたことについては、日中と夜との寒暖差に体がついてこられないのだろう。
     当初は風邪薬を求められたが、総合の風邪薬には解熱剤や咳止めなどの成分も入っているため、敵がいないのに武装して体の中で暴れさせるような事になり、むしろ体へのダメージが大きいことを伝えると、鼻炎への対応に限定することになった。
     とはいえ、鼻水もクシャミも軽いようだから、『小青龍湯』でなくとも『葛根湯』で充分かもしれず、むしろ薬を使わずに入浴や下半身を厚着するだけでも対応できそうではある。
     一応、そうお話して『葛根湯』をお買い上げ頂くことになり、家に置いておくよりも持ち歩いて、出先で寒いと感じたら服用するように勧めた。

     『ルキノンせき止め』をレジに持ってきたお客様から、授乳中に使えるか質問されたので、避けるようにと答えた。
     そのうえで症状を確認すると、主訴の咳は夜中に強く出るらしい。
     ふむぅ、厳密には母乳に麻黄の影響が出が出て子供が興奮して寝付かなくなる可能性があって勧めにくいけど、『五虎湯』が使えそうではある。
     普通は本人の食間(空腹時)に服用するのを、授乳した後に服用するという手はあるし。
     ということを考えていたら、家にあった『葛根湯』を服用したけど良くならなかったと言われた。
     ありゃん(;´Д`)
     上半身を温める『葛根湯』は、咳を悪化させてしまうから駄目ですよぅ。
     家にある物を使いたくなる気持ちは分かるので、営業時間中であれば電話で問い合わせてくださいな。
     ひとまず、授乳後に『五虎湯』を服用する方法を話して、咳が落ち着いた後も喉の違和感が残るようであれば、『麦門冬湯』に乗り換えるよう伝えた。
     すると、お客様は以前に薬剤師さんから、漢方薬も授乳中は避けたほうが良いと言われたそうな。
     じゃあ、なんで『葛根湯』を服用したのかは訊かない(笑)
     いずれにせよ、その薬剤師さんの認識は正しいし、慎重であることは大切ですとお話すると、今回は購入を取りやめて、様子を見ることに決められた。
     そして咳の原因として、胃炎により上から被さっている肺が乾燥している可能性を付け加えたところ思い当たるようだったため、消化に良い食事をするよう勧めた。

     

  • 現代の日本で漢方薬を使う難しさ

     『コルゲンコーワIB透明カプセルα』をレジに持ってきたお客様から、以前に買ったパッケージの違う物は無いかと尋ねられた。
     銀色のパッケージのかな?
     確か、すでに終売になっている物と思われ。
     そうお話しつつ症状を詳しく訊いてみると、喉は痛いというよりカサカサする感じで、他には症状は無いそう。
     そこで、体内が乾燥している可能性を説明したら、病院で抗生剤を処方されているとのこと。
     抗生剤を処方されているのに総合の風邪薬を使うのは体への負担が大きいうえ、抗生剤はなおさら体内を乾燥させてしまう。
     すると急にお客様の態度が変わって、『コルゲンコーワIB透明カプセルα』を置いて帰られてしまった。
     あうっ、何か怒らせてしまったか、面倒くさいと思われたのか、不要と考えたのか……。
     何も言わず、顔色も読めなくて、よく分からなかった(;´Д`)

     『ストナアイビージェル』を購入されるお客様に症状を確認すると、喉の痛みと発熱ということで、そのままお買い上げ頂いた。
     ただ、「いつも喉から風邪がくるの。扁桃腺持ってるから」と言われたことには、原因のウイルスによって発症する部位が違うことと、扁桃腺炎が風邪とは限らないため、総合の風邪薬を使うのも気をつけるようお話した。
     いや、ホント、この辺のことは難しいんだよねぇ。
    「英雄色を好む」のが事実だとしても、「スケベ者が英雄になる」とは限らないように、喉の痛みは風邪の症状の一つであって、喉が痛くなったら風邪の前兆とは限らない。
     だから、喉が痛むだけとか扁桃腺炎のみなら『駆風解毒湯』や『ペラックT』で充分だし、先のお客様のように体内の乾燥による喉のカサカサ感には上半身に保水する『麦門冬湯』の方が適応する可能性が高い。
     今回のように発熱があるのだって、「風邪を治す」という観点で見れば、実のところ風邪を治すのは自身の体だから、一番苦しい症状、喉の痛みや咳だとか鼻炎だとか、症状の一部だけ抑えて、ただひたすら体を休め、「体が風邪を治すのを邪魔しない」のが一番治りが早い。
     でもそれを、「薬を買う気になってる」お客様には話しても通じないし、それはいわば「目的外」だから、言うことすら憚られるというジレンマ。

     以前にビロリ菌が原因の胃炎を患ったことがあるというお客様から、ゲップの相談を受けたので、最初の候補として『半夏瀉心湯』を案内した。
     『半夏瀉心湯』の瀉心というのが「胸のつかえを下ろす」という意味で、「上がってくるモノ」を下ろす時に適応する。
     しかし以前に『セルベール』を使ったことがあり効いたという話が出たため、『六君子湯』も候補にした。
     『セルベール』は弱った胃の働きを助ける健胃剤で、『半夏瀉心湯』が過剰に働き過ぎる胃を抑制する制酸剤の働きをするのに対して、『六君子湯』は健胃剤でありながら『半夏瀉心湯』と同じように逆流性食道炎にも使えて、応用範囲が広いため。
     ただ今回は、そのあたりも説明したうえでお客様が『半夏瀉心湯』を選び、試して頂くことになった。
     本来なら漢方薬は、患者さんの体質などを考慮した証を読むことが大事なんだけど、実のところ試してもらうしか無いんだよね。
     いや、私も中医学は少し齧ってはみましたが、前提となる昔の中国と日本の風土が異なるし、さらに冬でも温かい環境や夏でも温かい環境で生活し、常時冷たい物を飲む機会が多い現代では、原点における証の読みだけでは対応できないのですよ(´・ω・`)

     お客様から『ゼナジンジャー』を風邪に使えるかと質問され、総合風邪薬を使うよりは有益だと思いますが、症状はどうでしょうと確認すると、主訴は鼻水で、その鼻水は透明なサラサラタイプだという。
     花粉症などでなければ内臓の冷えが原因だと思われますから、『葛根湯』で温めてみてはと提案すると、『葛根湯』の方を購入された。
     まぁ、温めるのには『ゼナジンジャー』でも良かったんだけどね。
     ただ、温めるのには色々と余計な物が入っていて穏やかすぎて、主訴の鼻水を抑えるまでにはいかないだろうから。
     ふむぅ、鼻水をピタリと止めるには『小青龍湯』の方が良かったかな……。
     胃への負担が『葛根湯』より掛かるから、個人的には勧めるのを躊躇しちゃうんだよね。
     自分が証で云えば虚証だから、余計にそう考えてしまう。
     とある漢方薬に詳しい薬剤師さんからは、「そんな弱いのを勧めても効かないよ」と言われたことがある。
     その薬剤師さんは、もっと患者さんの証を読み込んで、ガンガン攻めていくスタイルで、私には、とうてい真似できないσ(^◇^;)。

     

  • 第二世代抗ヒスタミン薬は先に先にと備えましょう

     他店で購入した『アレグラ』が鼻水に効かなかったとのことで、お客様から相談を受けた。
     サラサラの透明な鼻水は、風邪などではなくアレルギー反応や内臓の冷えが原因の可能性が高い。
     そして、アレルギー性鼻炎に使う『アレグラ』は急性症状には効かず、予防薬としてこそ役に立つ。
     既存の抗ヒスタミン薬との違いを例えるならば、既存の抗ヒスタミン薬は怪我をして出血した時に出血を止める物で、『アレグラ』や『アレジオン』といった第二世代抗ヒスタミン薬は、怪我をしないように膜を張っておきましょうというような物であり、出血してからでは手遅れという訳。
     だからアレルギー性鼻炎を発症してから使っても、効果を発揮するのは1週間以上経ってからとなるので、使いたい人は花粉情報とニラメッコして先に先にと使うようにしなければならない。
     そして今ひとつ、内臓の冷えが原因の場合の鼻水にも効果を発揮できない。
     そのためお客様には、内臓を温める『小青龍湯』と、最初に現代薬をチョイスしていることから『ルキノン鼻炎カプセル』を案内した。
     でも、『パブロン鼻炎速溶錠』が目に付いたらしく、それを購入された。
     この辺の心理は、未だに分からない(´・ω・`)
     とりあえずお客様には、入浴するなり下半身を厚着するなりで体を温めるよう重ねて勧めた。

     お客様から、足の底面の痛みの相談を受けた。
     原因は不明で、お客様自身がネットで調べたら、大変な病気かもしれないという情報に当たったらしく、ものすごく心配していた。
     なんの病気を疑っているのかは分からなかったけど、ネットの情報であまり心配しすぎても仕方ないことをお話して、整形外科などの専門医を受診するよう勧めたうえで、フェルビナク製剤を案内した。
     あと、靴底の減り方は観察しておいた方が良いことを伝えた。
     靴底の減り方で歩きの癖が分かるし、その歩き方が足に負担を掛けていたり、あるいは逆に無意識に体の何処かを庇う歩き方をしていて、それが足へ負担を掛けているということも考えられ、その場合は別な疾患を抱えている可能性もある。
     ………余計に心配させてしまったかも、と後で反省(^_^;)

     ご主人が頭痛と腹痛を訴えてるからと、お客様から風邪薬を注文された。
     でも、市販の現代薬には腹痛を伴う風邪薬は存在しないので、そう説明して『柴胡桂枝湯』を勧めると購入を決められたものの、合わせて現代薬も買っておきたいと希望されて困った。
     うむぅ、胃への負担を考えるとイブプロフェンが入ってる物は避けたいところだけど、頭痛にはイブプロフェンの方が良いだろうしなぁ。
     併用は避けるようにとお話して『ルルアタックEX』を案内し、一緒にお買い上げ頂いた。
     総合風邪薬よりは、処方内容が単純で体への負担が少ないかなと思って。
     あと、ご主人は食欲はあるというお話だったけど、消化に良い物にして量を控えるか、いっそ食べさせないで水分だけか、味噌汁やスープだけにするよう勧めた。
     体を治すためにエネルギーが欲しいから、脳は「お腹すいた~」と信号を送るだろうけど、体の方は消化するのにもエネルギーを使うため、治すエネルギーが削減されてしまうので。

     

  • 自分に合う薬をリサーチして候補を増やしておくというのは悪くない

     『バファリンルナi』をレジに持ってきたお客様から、『ロキソニン』を置いていないか尋ねられた。
     頭痛に使うのだそうで、見当たらないため『バファリンルナi』を選んだ模様。
     選んだ基準が謎なんだけど、『ロキソニン』の方も理由があって決めている訳ではないようなので、化学構造式では似ているイブプロフェンが入っている『バファリンルナi』も効果が期待できることを説明した。
     どうも、以前に『バファリンA』を使ったことがあり、効かなかった訳ではないものの、『バファリンルナi』の中身を似た物だと思っていて、効果に不安を感じて質問してきたみたい。
     ふむぅ、そういう事であれば最初から相談してくれればいいのに~(。・_・。)
     ともかく、『バファリンA』で効いていたのであれば、あえて乗り換える必要は無いことと、強い薬だから良く効くとは限らず、相性もあることを説明し、同じブランド名でも成分が全く異なる事も伝えた。
     そのうえで頭痛についてヒアリングすると、ズキズキよりも頭が重く下に引っ張られるようだというので、屋外と屋内や昼夜の寒暖差に体がついていけないか、胃を悪くしている可能性をお話したところ、元々胃が悪いというお話。
     それだとなおさら、胃に負担の掛かる『ロキソニン』は不適応なため、胃の不調による頭痛に用いる『柴胡桂枝湯』を紹介した。
     すると、頭痛と生理が連動していることが分かり、そういう時には疲労感もあるそうなので、『当帰芍薬散』を予定日の前から服用する方法があることを教えてみた。
     今日のところは、そのまま『バファリンルナi』を購入。
     まぁ、自分に合う薬をリサーチして候補を増やしておくというのは悪くないかと思う。

     鼻水とクシャミの相談をお客様から受け、鼻水の状態を訊くと透明で、これまで特にこれと決めて飲んでいた薬は無いそうなので、『ルキノン鼻炎カプセルLP』を案内した。
     そして、鼻水の原因は何かのアレルギーか内臓が冷えているのが原因と考えられるため、体を中から温める物として『小青龍湯』を紹介したところ、興味を持たれ、お買い上げ頂いた。
     また、入浴や温かい物を飲む他に、腹巻きをしたりして下半身を積極的に温めるよう勧めた。

     

  • お薬手帳は見せてもらえないと役に立ちません

     明けましておめでとうございます。
     本年もよろしくお願いいたします。
     1月いっぱいは正月だそうだから、間違ってないヽ( ´ー`)ノ
     まぁ、元旦出勤だから、まったく正月気分は無い訳ですが。
     奥さんと次郎が奥さんの実家に行ってて、一人を満喫できるのが楽しいから良し。

     『ベンザブロックSプラス』を購入されるお客様に症状を尋ねたところ、ご主人からの頼まれ物とのこと。
     しかし症状は確かめてきていないらしく、発熱も無いようなので、使う前に鼻水の状態を確認するよう勧めた。
     例外は当然あるものの、鼻水が透明でサラサラしていたりツーッと垂れてくる場合は、内臓が冷えているかアレルギー性鼻炎なので、鼻炎薬を使うか上半身を温める『小青龍湯』が適応するし、そもそも体を温めるだけで症状が緩和される可能性が高い。

     『イボコロリ』を求めて来店したお客様に症状を尋ねると、足の指の間と、足の内側の側面の2ヶ所にできているとのこと。
     患部の場所から、フリーサイズか液剤を使って普通の絆創膏で覆う方法を提案したところ、以前に液剤を使ってみて効果が無かったそう。
     ハテ、どういう事だろう?
     液剤を塗るだけで、患部を覆わなかったとかだろうか。
     病院を受診したことがあるか訊いてみたら、病院で処置してもらえるとは思っていなかったと分かり、反対に何科を尋ねたら良いか質問されたので、皮膚科を勧めた。
     しかし、病院に行くのは大袈裟じゃないかと言われる。
     いえいえ、治療の仕方を専門家からアドバイスしてもらうのは大事ですよ。
     あと、繰り返すようであれば靴をオーダーメードで作ることも検討したほうが良いかもしれません。
     もちろん価格が高いですけど、その分が治療費になってしまう訳ですし、患部をかばう歩き方が腰痛など別の症状を引き起こすかもしれませんし。
     とりあえず本日は、フリーサイズをお買い上げ頂いた。

     この間、ガラガラと喉に掛かる音のする咳に『カンポアズマ』を使って頂いたお客様が再訪し、咳は落ち着いてきたものの、鼻水が治まらないと相談を受けた。
     ありゃん、ちょっとした鼻水なら『カンポアズマ』も少しは面倒見てくれるはずなんだけど、『小青龍湯』にしておくべきだったかな(;´Д`)
     でも、詳しく訊いてみると、鼻水が垂れてくるのではなく、鼻の奥に溜まっていて、鼻をかむと多く出てくるというから、鼻水と鼻詰まりが往来している模様。
     そのため、『葛根湯加川きゅう辛夷』に乗り換えて頂くことにした。
     そしたら、お会計してから実は病院で血圧を下げる降圧剤が処方されていることが分かった。
     お薬手帳を持参していたので確認すると、カルシウムが細胞内に入るのを抑えて血管を広げる「カルシウム拮抗薬」だった。
     ギャッ∑(゚ω゚ノ)ノ
     それじゃ、鼻水が出るはずだよ……。
     常連さんだけど、通院している話を初めて聞いた。
     お薬手帳を持ち歩いてるなんて珍しいのに、使ってもらえないとどうにもならない。
     いや、持ち歩いてる人が少ないからと確認を怠った私が悪いんですが。
     新年早々、気を引き締めなさいという事なのかしらん。
     降圧剤の服用の中止は私の立場では言えないから、『葛根湯加川きゅう辛夷』を使って頂くとして、お薬手帳に記録したうえで担当医に報告するようお願いした。

     

  • 患者さんが目の前にいないと分からないことがあります

     『セイロガン糖衣錠』の携帯用をレジに持ってきたお客様に、普通の『正露丸』と違い炎症を抑えるカンゾウとチンピが入っていないことを伝えたところ、一旦はそのまま購入されようとしたものの、よく食中りを起こすと言われた。
     詳しく話を訊いてみると、普段は『ビオフェルミン』を飲んでいて、『ザ・ガード』を試してみたものの合わなかったという。
     よく食中りになるというのが、どのような状況でどんな症状になるのかまで踏み込めなかったけど、神経質そうにみえたため便秘と下痢の両方を整える『桂枝加芍薬湯』と、胃腸炎を起こしやすい場合の『柴胡桂枝湯』を紹介した。
     本日のところは、普通の『正露丸』の携帯用に変更して購入された。
     過敏性大腸症候群とかも考えられるから、受診勧奨しておくべきだったかなぁ……。
     お客様が自分から相談したいそぶりが無いと、なかなか店頭で踏み込めない。

     夫婦で訪れたお客様、最初はご主人から『ユーグレナ』(ミドリムシ)の取り扱いがあるか尋ねられて、扱っていないことをお話した。
     個人的には興味あるけど、仕入れルートが無いんだよね。
     そして、奥さんの方が常連で、以前に乾燥の咳に『麦門冬湯』を使って頂き、その後に『ダスモック』(清肺湯)に乗り換えてもらい、当時より症状は軽減したものの、まだ咳が続いていると相談された。
     ありゃん、それは申し訳ない。
     もちろん、長く続く咳は他の病気の可能性もあるから受診勧奨が視野に入るんだけど、咳は常時ではなく、たまに咳き込み、強く出るときのキッカケは分らないということで、快方に向かってはいるみたい。
     そして最近、手首をひねってしまい病院で鎮痛剤が処方される際に担当医から、風邪薬を使うようであれば漢方薬をと云われたそうな。
     うへぇ、責任重大だわ(;´Д`)
     目の前で咳が出ていれば咳の音で分かることもあるんだけど、あいにくと今は咳が出ないらしく、鼻水もあることからすると『小青龍湯』が考えられるものの、痰が喉に引っ掛かって出そうで出ないという話からすると、気道が狭くなっているのを痰の引っ掛かりと錯覚する梅核気(ばいかくき)かもしれず、それなら『半夏厚朴湯』の出番だしと迷いに迷った。
     すると、ちょうど咳をされて、ガラガラと喉に掛かる音がした。
     やぁ、これは『カンポアズマ』の適応ですね(゚∀゚)
     いや、患者さんを前に喜んじゃいけない。
     もし『カンポアズマ』が効くようであれば、冷えと疲労が原因と考えられるので対策を講じてくださいとお話をしたうえで、お買い上げいただいた。
     もし病院で処方をしてもらうのなら、『神秘湯』『柴朴湯』を担当医に相談してみてくださいませ。

     

  • うがい薬の使いどころは?

     お客様から、『メンソレータムAD』と『ムヒソフトGX』の比較を質問され、基本処方は同じものの、前者には局所麻酔が入っていることを説明した。
     お客様の用途は脹脛(すね)の痒みだというので、皮膚の痒みへの対処は強めの薬でまず抑えて、症状に合わせ段階的に弱い薬に乗り換えていくのが適していますとお話し、『メンソレータムAD』を使って頂くことになった。
     ただ、詳しくお話を訊くと、寝る時に足の冷えのために靴下を履いているということと、痒みが強くなるのは寝る時と、お風呂に入っている時ということが分かった。
     ふむぅ、寒暖差アレルギーか血行不良が原因痒みかも。
     血液が多く流れようとするのに血管が開いていなくて、狭いところを一気に通ろうとする刺激を痒みとして感知してるんじゃないかと。
     湯船に入っている時間は10分くらいだというから、体が湯温に慣れる前に出てしまっている可能性がある。
     温めのお風呂に入って、20~30分くらい入っても痒みが続いてしまうか試してみるよう勧めた。
     もちろん、入浴時間を長くすることで痒みがより強まるようなら中断するということで。
     そして、寝る前に靴下を履くのはやめるよう伝えた。
     人間の体はサボりやすいので、靴下で保温していると自分で温めようとする努力をしなくなってしまう。
     寝る時に寒さをしのぐのには、熱ければ蹴り出せるアンカや湯たんぽのほうが良い。
     温かかったのが急に冷えると、やっぱり自分で温めなきゃと体が認識してくれる。
     寝る前に痒くなるというのは、副交感神経のスイッチが入るのと、靴下で血流が悪くなっているのとが重なっているのかもしれないし。
     あと、飲み薬として『十味敗毒湯』を紹介した。
     寒暖差アレルギーなら、『十味敗毒湯』が適応するので。

     鼻水と咳の相談をお客様から受け、症状の経過を確認すると3日前くらいからで、鼻水に色があるという。
     それなら風邪としての対処が適しているだろうと、『ルルアタックNX』と『エスタックイブNT』を比較しとして提示しつつ、眠くなりにくい物として『小青龍湯』も候補に加えた。
     すると、咳の方が鼻水より気になり、でも痰が絡むことは無いということから、『エスタックイブNT』を勧めて、お買い上げ頂いた。
     痰が絡むようなら、『ルルアタックNX』の方が向いていると思う。
     あと、お客様は食欲はあるというお話だったけれど、気管支の炎症というのは近くの食道から胃へも及びがちなため、食事は消化の良い物にして量を控えるように伝えた。

     家族連れのお客様で旦那さんが、『パブロンゴールドA』と『アデロンコールド』を比較していたので様子を見ていたところ、風邪薬の購入はやめたらしく、イソジンのうがい薬をレジに持ってきたので、喉が痛い時には使用を避けるようにお話した。
     消毒薬の刺激により痛みが一時的に緩和した感じはするとしても、粘膜を傷め、体を守る常在菌も倒してしまうため、常用するのも勧められない。
     毎日ちゃんと、欠かさずにうがいをしているというのなら、水道水で十分である。
     じゃあ、うがい薬はどういう時に使うかといえば、家族が風邪を引いたとか、職場で風邪が流行っているというような時に、期間を限定して集中的にというのが、お財布にも体にも優しい。

     

  • 患者さんの半分は顔が見えない

     成人の息子さんから、逆流性食道炎に効く胃薬をと頼まれたというお客様。
     今回も同じかは分からないものの、以前に診断されたことはあるという。
     胃液が昇ってくる感覚があると訴えているそうなので、胃自体は活発に働いているときに逆流を抑える『半夏瀉心湯』と、胃の機能が衰えていて逆流してくるのを抑えられないのを助ける『ギャクリア』(六君子湯)を案内した。
     どちらも逆流性食道炎に適応するけど、機能亢進で上昇してきてしまうのと、機能低下で逆流を抑えられないのとでは使い分けが必要な点に注意。
     この辺りは、頼まれ物だと判断できず困ってしまう。
     本人の顔色とかを見れば、疲労感とかも掴めるんだけどねぇ。
     一つの判断の基準として、『半夏瀉心湯』が適応するのは「胃の働き過ぎ」だから、刺激に対して敏感で、みぞおち辺りの肋骨の下側に指を入れてみて痛みを感じかるかというのがあるけど、これも本人が来てくれないことには分らない。
     営業時間中に本人が来店するのが難しいのか尋ねてみると大丈夫だというので、うちのお店でなくとも構わないから、本人に店頭を訪れるよう促してみてくださいとお話して、本日はお買い上げは無し。
     お客様曰く、自分が病院から処方されている薬を飲まれちゃうかもしれないと心配していた。
     息子さん、そういう人なんですか(^_^;)

     お客様から『メディクイックHシャンプー』と『コラージュフルフルネクスト』の違いを質問され、前者は抗菌作用がメインで後者には抗炎症成分が足されていることを説明した。
     用途はもちろん頭皮の痒みで、お客様自身はシャンプーを替えたからかもというお話。
     ううん、となると検証が必要ですねぇ。
     1週間ほどお湯だけで洗ってみるか、髪の汚れが気になるようであれば、髪だけシャンプーで洗って頭皮には付けないようにしてみるようお話した。
     試してみるとのことで、本日はお買い上げは無し。

     『五虎湯』を購入されるお客様に症状を尋ねると、以前にご主人が使って効いたので頼まれたそう。
     成功体験は大事だし、私も自身が飲む薬は以前に効いた物を候補にするから当然といえば当然。
     ただし、表に現れている症状化の原因が、いつも同じとは限らない。
     ことに、咳に関しては私は専門家である(`・∀・´)エッヘン!!
     ………喘息持ちってだけですが。
     『五虎湯』は上半身に熱が篭って夜中に咳き込むような場合に頓服的に用いる物で、少し落ち着いてきたら体内を潤す『麦門冬湯』に乗り換える方法もあることを案内した。
     今回はお会計の際の会話だったので詳しくは説明しなかったけど、他にも咳には寒冷によって起きる場合や、緊張などで気道が狭まって起きる咳というのもある。
     寒冷による咳には『小青龍湯』だし、緊張を緩和して気道を開くのは『半夏厚朴湯』が適応し、両方に跨ぐような『カンポアズマ』なんかもあり、効能の「咳止め」だけで適応を判断するのは難しい。
     変わったところでは、肝臓が疲れて起きる咳というのもあって『柴朴湯』の出番なんだけど、これなんかは咳以外の体調や生活環境なんかもカウンセリングしないと選択肢にも入らないだろう。
     そんな訳で、やっぱり可能であれば本人に店頭に来てもらいたいところである。
     咳の音で分かる事もあるしね。