十味敗毒湯(じゅうみはいどくとう)
化膿性皮膚疾患・急性皮膚疾患の初期、蕁麻疹(じんましん)、急性湿疹、アトピー性皮膚炎、水虫


適応症状 

 体力中等度の人の皮膚疾患で、患部は発散性あるいは、びまん性の発疹で覆われ、滲出液の少ない場合の次の症状:
 化膿性皮膚疾患・急性皮膚疾患の初期、蕁麻疹(じんましん)、急性湿疹、アトピー性皮膚炎、水虫

用方・容量(顆粒製品の場合) 

 1日3回、成人1回1包(2.5g)を食前にお湯または水で服用してください。
 ただし、15歳未満7歳以上は2/3包、7歳未満4歳以上は1/2包、4歳未満2歳以上は1/3包。

組成(顆粒製品の場合) 

 3包(7.5g)中、次の成分を含みます。
   桔梗(ききょう)3.0g
   柴胡(さいこ)3.0g
   せんきゅう(川きゅう)3.0g   
ぶくりょう(茯苓)3.0g
   ぼうふう(防風)1.5g
   甘草(かんぞう)1.0g
   けいがい(荊芥)1.0g      
しょうきょう(生姜)1.0g
   ぼくそく(樸そく)3.0g      
どっかつ(独活)1.5g
 以上の割合に混合した生薬より得たエキス2.25g含有します。

類似処方鑑別 

消風散  比較的体力のある人で、患部の湿潤と瘙痒感が顕著で痂皮(かさぶた)の形成と苔癬化があり、口渇を伴う場合に用いる。

温清飲  体力中等度の人で患部は赤味を帯び、熱感があり、瘙痒感がひどい場合に用いる。

黄連解毒湯  比較的体力があり、のぼせ気味で、イライラする傾向のある場合の瘙痒症に用いる。

葛根湯  多くは上半身の急性発疹で、発赤、腫脹、瘙痒感の強い場合に用いる。

使用上の注意 

1.次の場合には医師または薬剤師に相談してください
 (1)本剤を服用後、症状の改善が認められない場合は、他の漢方薬を考慮する事。
 (2)甘草を含有する漢方薬を長期服用する場合は、血清カリウム値や血圧の測定などを充分に行い、異常が認められた場合は、服用を中止する事。
 (3)複数の漢方薬を併用する場合は、含有生薬の重複に注意する事。(特に甘草を含有する漢方薬の併用には、より注意を必要とする。)
 (4)長期運用により低カリウム血症、血圧上昇などが現れる場合があるので観察を充分に行う事。
 (5)体力の無い虚弱な患者。(かえって皮膚の発疹が悪化することがある。)


2.服用に際して、次のことに注意してください
 (1)定められた用法、用量を厳守してください。
 (2)小児に服用させる場合には、保護者の指導監督のもとに服用させてください。
 (3)本剤は、2歳未満の乳幼児に服用させないでください。


3.服用中または服用後は、次のことに注意してください
 (1)本剤の服用により、発疹・発赤、かゆみ、悪心、食欲不振、胃部不快感等の症状があらわれた場合には、服用を中止し、医師または薬剤師に相談してください。 
 (2)本剤を服用することにより、尿量が減少する、顔や手足がむくむ、まぶたが重くなる、手がこわばる、血圧が高くなる、頭痛等の症状があらわれた場合には、服用を中止し、医師または薬剤師に相談してください。
 (3)1ヵ月位(感冒、鼻かぜ、頭痛に服用する場合には、数回)服用しても症状の改善がみられない場合には、服用を中止し、医師または薬剤師に相談してください。
 (4)長期連用する場合には、医師または薬剤師に相談してください。


4.保管及び取扱い上の注意
 (1)小児の手のとどかない所に保管してください。
 (2)直射日光をさけ、なるべく湿気の少ない涼しい所に保管してください。
 (3)1包を分割した残りを使用する場合には、袋の口を折り返して保管し、2日以内に使用してください。


5.その他
 本剤は生薬(薬用の草根木皮等)を用いた製品ですので、製品により多少色調等が異なることがありますが効能・効果には変わりありません。


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