• タグ別アーカイブ: 桂枝加芍薬湯
  • 手の洗い方をちゃんと知っていますか? 厚生労働省の「手洗いガイドライン」

     お客様からマスクと『クレベリン』の問い合わせを受け、どちらも新型コロナウイルスやインフルエンザによる“自身の感染予防”としては効果が期待できないことを説明した。
     マスクの方は、自分の口元を触らなくなるから手が汚染されていることを考えれば意味はあるが、空間除菌の方は空中に浮遊してるわけでもないウイルスを、人体に害の出ない程度の濃度の塩素を振りまいたところで意味は無い。
     お客様は息子さんの受験が心配だというので、対策としては喉を潤すために小まめに水分補給することと、手洗いを30秒以上して、手の触れる所の拭き掃除をするようお話した。
     特に手洗いは、手を合わせて擦らせるだけになりがちだから、爪の間と指の間を洗うことと、忘れがちなのが手首であることを伝えた。
     以前に、息子さんの神経性の下痢の相談を受けて『桂枝加芍薬湯』を案内したとこがあり、「セカンドオピニオンみたいで助かりました」と言っていただけた。
     恐縮です(・_・;)

     新型コロナウイルス対策で、マスクとアルコールスプレーを探しにいらしたお客様に説明をした。
     マスクは人に移さない物で、感染予防全体としては意味があっても、自身が安心するためにする物ではない。
     うがい薬を使っても有効な感染対策にはならないので、こまめな水分補給の方が大事。
     そして新型コロナウイルスはエンベロープと呼ばれる脂の膜で覆われており、この膜は石鹸でも破ることが可能。
     つまり一番の対策は、とにかく手洗い。
     アルコールは、水が使えない場合の応急的な対応となる。
     そしてウイルスは布よりもツルツルした面に付きやすいので、手の触れるところの拭き掃除をする。
     子供連れのお客様や、以前に肺炎になったというお客様などからは「安心しました」と言っていただけた。

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     とにかく、マスクとアルコールスプレーを探しにいらっしゃるお客様が多いもんだから、同じ話しの繰り返し。
     一人一人にするのは大変になってきたので、人が売り場に集まってる時には、1人のお客様に対しての説明でも、少し大きめの声で他の人たちにも伝わるようにした。
     一番怖いのは、マスクと消毒用アルコールがあれば安心と油断することである。
     なにしろ、男子トイレの側だけではあるが、お店のトイレを使って出ていく人の殆どが禄に手を洗っていない。
     それでいて、マスクと消毒用アルコールを買い求めるのだから、それは滑稽というもの。

     

  • 薬だけでなく養生法などの周辺情報の提供には、患者本人の詳しい症状や生活スタイルの情報が必要です

    高齢のお客様から、目の前が急に見えなくなるという相談を受け少し驚くと、友人から「ドラッグストアで店員に勧められた目薬でスッキリしたから、お前も行ってみろ」と言われて来店したとのことだった。

    自分の目薬を貸さずに、お店に行くように勧めた点は良かったけど、「スッキリした」は余計(;^ω^)

    お客様は、目の前の私の顔も見えないほどだというから、条件付けが違う。

    そして、さらに詳しく話を聞いてみると眼科を受診中で、処方された目薬が不明なうえ、お薬手帳は持ってきていなかった。

    医師がどのように診断したか不明なため、確認してから薬を買った方が良いとお話したものの話がループしてしまい、お帰りになった。

    他のお店に行くにしても、使ってる目薬を確認してもらうよう伝えたけれど、背を向けたまま手を振り去っていかれてしまった。

    ほぼ他の薬と影響しない人工涙液も考えたのだが、友人の「スッキリした」という言葉もあるから、勧めにくかった。

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    お客様から目薬を求められ、中学生の子供が花粉症というため『ロートアルガード』を案内し購入を決められた。

    そして花粉症対策は、腸の働きを助けることが大事とお話した。

    外敵に襲われたとき、攻撃が必要かを判断するのには第二の脳とも云われている腸が関わっている。

    腸の状態が悪いと、敵ではない花粉に対して過剰な攻撃を加え、それが花粉症として現れる。

    目鼻を炎症させるのは免疫機能を高め、血流を良くして壊れた部分を修復する材料を運び、不要な老廃物を回収するため。

    鼻水やクシャミは、敵を追い出すため。

    腸が正常に働きやすい環境を整えるには、入浴したり下半身に厚着をして体内の温度を高めに保つことが必要で、温かい物を積極的に飲むのも有効。

    よく、ヨーグルトが花粉症に効く言われてるのは、ヨーグルトが直接的に効いているのではなく、腸の働きが正常になれば敵味方の識別も正しく行なわれるからだ。

    そう説明すると、子供は電車でも通学中に便意を催してしまうため『セイロガン糖衣A錠』を使っているというので、水無しで飲める『小中学生用ストッパ下痢止めEX』と、予防に『桂枝加芍薬湯』を紹介した。

    また、『セイロガン糖衣A錠』は『正露丸』から、炎症を抑える成分と痙攣を鎮める成分を抜いてある簡易版の処方なことと、腸には味覚も嗅覚もあるので、あの独特の匂いが効果には有益なことを説明した。

    子供は、入浴せずにシャワーで過ごしていると分かり、入浴したほうが良いことをお話したうえで、太い血管の通っている背中側に重点的に浴びるよう勧めた。

    そしてなによりも、こうした周辺情報のお話をするためにも、患者自身の生活スタイルが分からないと情報の取捨選択が難しいので、本人の来店が望ましいことを伝えた。

    夫婦のお客様が来店し、奥さんが鼻炎薬を選んでいたので、てっきり患者本人かと思い『フェキソフェナジン』をレジに持ってきたさいに、『パブロン鼻炎カプセルSα』などの他の鼻炎薬とは用途が異なることを伝えたところ、別の売り場に行っていた旦那さんを呼びで戻してもらうことになってしまった。

    フェキソフェナジンは『アレグラFX』の主成分であり、エピナスチンの『アレジオン』と同様に、花粉に反応させないのを目的とした予防薬として使うのが効果的。

    だから毎日、花粉が飛んでいようがいまいが欠かさずに服用する必要があるし、すでに症状が激しく出ているようだと使うには遅い。

    その場合には、点鼻薬や目薬などを併用するか、いったん症状をすぐに抑える別な薬を使って落ち着いてから乗り換える。

    旦那さんにヒアリングすると、主訴は鼻水と鼻づまりとのことだったが、鼻づまりの方が顕著なようなので『アネトンアルメディ鼻炎錠』を勧め変更となった。

    処方の特徴は、現代薬と生薬を合わせてあること。

    鼻水は分泌する穴をキュッと締めてやれば済むから現代薬は得意なのだけれど、鼻づまりの方は鼻の奥の血管が炎症して膨らんでいる状態なため、炎症を抑えるとなると現代薬は苦手なんである。

    そして養生法として、腸の働きを助ければ症状が軽減することをお話すると、シャワー派だそうなので入浴を勧めたうえで浴び方を教えた。

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  • 毎日の排便は必要ない!? 出しやすいトイレでの姿勢と、漏らしそうなときの歩き方

     やや高齢のお客様から便秘薬を求められ、売り場を案内してヒアリングしたところ、毎日出ていたのが2日に1回になったものの苦満感は無いというため、排便は週に2回でも大丈夫なことを説明した。
     毎日の排便をというのは、子供に習慣づけさせるための教育が目的で、実際には個々人でサイクルが異なって当たり前。
     この手の誤解の広がりは他にもあって、「テレビを見すぎると目が悪くなる」というのもそう。
     あれは教育的な指導が独り歩きしてしまったけれど、長時間目を見開いて疲労するのは間違いないものの、走りすぎたからといって足が悪くなる訳ではない。
     もちろん回復のための休息やケアは必要だし、度が過ぎれば怪我もする。
     しかし、運動しないと急速に筋肉が痩せ衰えバランス感覚も低下して歩けなくなるのと同様に、目は使い過ぎよりも暗いところで物を見るほうが視力の低下につながる。
     深海魚の目が退化するようなものである。
     だから、節電のつもりで昼間に窓からの日光だけ取り入れて薄暗い部屋で過ごすのもNG。
     そして便通の話に戻ると、お客様には加齢により睡眠時間が短くなるのと同じで赤ちゃん返りみたいなものと説明した。
     赤ん坊は内臓が未発達だから、回数が増えるか少ないかの極端な状態になりやすく、歳を取ってくると内臓の機能が低下して1回の量が減ったり間隔が空いたりする。
     そして、腸内の水分を吸って便を柔らかくする『酸化マグネシウム』と、腸内の滑りを良くする麻子仁を主体とする『オイルデル』の他に、植物の種が水分を吸って便の量を増やす『サトラックスビオファイブ』を紹介したところ、食べる量が減ったということから『サトラックスビオファイブ』を試していただくことになった。
     排便はトイレでの姿勢も大事とお話すると「色々やった」とのことだったけれど、洋式便器に座ったら胸が膝につくくらい前屈みになるか、足を台に乗せる方法を教えると、「知らなかった」と言われた。
     人間の直腸は立っているときには肛門に蓋がされるような仕組みになっており、そのおかげで人間は立ちションベンはできても立ちグソはできないようになっている。
     そういう意味では、膝を抱える姿勢になる和式便器は排便に向いていると言える。
     だから急な便意に襲われたさいに、お腹を押さえるように前屈みになると漏らしてしまうので、背筋を真っ直ぐに伸ばしたほうが長く耐えられる。
     そしてトイレに入ったら、下半身を出すときに要注意。
     ここで脱ごうと前屈みになると悲劇が起こる。
     姿勢を正したまま、まっすぐの姿勢を崩さずに下半身を脱がなければならない。
     また、お客様はトイレで新聞読むというので、それは体が「トイレで排便する必要が無い」と学習してしまうから、やめるように伝えた。
     寝室で寝転がりながらスマホを見たり本を読んだりすると、寝室を寝る場所と体が認識できなくなって眠りの質が下がるのと同じである。

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     高齢の夫婦のお客様が来店し、ご主人が便秘に『酸化マグネシウム』が効きすぎてトイレに着く前に漏らってしまったとのことだったのだが、1日に5錠飲んでいたという。
     規定の用量の範囲内ではあるけれど、大人なら初回は3錠から使い、適宜増減するのが運用方法である。
     しかし奥さんが「弱いのを」と言われるため、薬は強いか弱いかよりも、体の中での効き方と使用する量が大事なことを説明したうえで、『オイルデル』と『サトラックスビオファイブ』を紹介したものの、私の話は聞いてもらえず最初の話にループしてしまった。
     なにしろご主人にヒアリングしてみても奥さんが割って入って、肝心の本人と会話ができなかった。
     便秘は1週間くらい続くとのことだったが、肝心の出たときの便の状態も分からなかった。
     最初が固くて後は柔らかいのか、出ても軟便なのか、コロコロ便なのかなどでも対応が変わってくるのだが。
     最初だけ硬いようなら滑りを良くする『オイルデル』だろうし、出ても軟便なら便を増やす『サトラックスビオファイブ』が候補になり、コロコロ便だと腸が変に痙攣している可能性が考えられるから『桂枝加芍薬湯』も選択肢になる。
     他のお客様がレジにいらしたので、少しお待ちいただいてるあだに『新ビオフェルミンS』を選ばれ、指定医薬部外品は一般の商品と一緒にお会計ができるものだから、そちらで買って帰られてしまった。
     ううん、ご主人大丈夫かしら。
     奥さんも、ご主人を心配してのことだと思うのだけれど、釈然としない。

     

  • レジでお会計する間だけでも、いったん電話はお切り下さい。薬の購入は相互確認が必要です

     高齢のお客様から下痢の相談を受け、すぐに止めたいとのことだったが高齢で痩せ型のうえ声も弱々しかったため、『エクトールDX』を、昔ながらの『赤玉』と同じ処方なことを説明してで勧め、お買い上げいただいた。

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     若いお客様から『ナイシトールZ』を求められたので、中身は本来は風邪の漢方薬の『防風通聖散』であり、便秘しがちで体力のある人向けと説明したところ、下痢と便秘を繰り返しているとのことだった。
     それでは適応しないため、水分代謝を改善して水太りに効果のある『防已黄耆湯』と、ストレスが元で食べ過ぎてしまう場合に用いる『大柴胡湯』との比較もお話したうえで、ストレスが思い当たるというため下痢の面倒も見る『桂枝加芍薬湯』を勧めて、試していただくことになった。
     上記のお客様の相談に対応していてお待たせしてしまったのだけれど、そのやり取りを見ていただいていたおかげか、お話をしっかり聞いてもらえたように思える。
     だからこそ、なおさらお客様にはネットでの薬の効果の検索の仕方を伝えた。
     まず、個人の感想は当てにならない。
     もし参考にするのなら、体格など周辺情報から自身の体質や起きている症状と、どのくらい類似点があるのか探るのが重要。
     そして、効果については薬の名前ではなく、成分ごとの身体での働き方を調べる。
     先の『防風通聖散』ならは、まず便秘していて体力が充実していることが使用する条件で、内臓脂肪を燃焼するという根拠は、もともとが風邪の漢方薬だったことから分かるように、体を冷やすことにより対抗して熱を出しエネルギーを無駄遣いさせるという、副作用を利用していることに注意しなければならない。
     もっとも大事なのは、ネットで情報を得て特定の薬にすぐ飛びつくのではなく、店頭で専門家である登録販売者や薬剤師に相談することである。

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     お客様が『太田胃散』を購入されるさいに、耳と肩の間にスマホを挟んで通話しながらで、血圧を下げる薬や鼻炎薬の使用の有無を確認するとキョトンとされた。
     総合胃腸薬の中には、『太田胃散』や『キャベジンコーワα』など血圧を上昇させてしまうナトリウム製剤が入っていることがあり、また鉱物のミネラル成分は胃腸で鼻炎薬の成分を引き寄せて効果を弱めてしまうため、飲み合わせのチェックが欠かせない。
     また、総合胃腸薬は胃酸の出過ぎを抑えるのと、消化を助けるという真逆の効果の成分が複合されていることが多く、本来は起きている症状との突き合わせが必要。
     簡易的に胃の状態を鑑別する方法としては、お湯と冷たい水のどちらを飲むと楽になるかを確かめるという手がある。
     お湯を飲んで温めると楽になるようなら、内臓が過度に冷えているか疲労していて、血流が良くしたり健胃剤で助けるのが有効。
     冷たい水を飲んで楽になるようだと、胃の働き過ぎか胃炎を起こしていることが考えられ、胃酸の出過ぎを抑えたり、わざと胃の働きを落として症状を緩和してあげる必要がある。
     ところが今回のお客様はスマホでの話に夢中で、お湯と水のどちらで楽になるかと尋ねても聞いていないようで、無視された。
     これで職務を全うしたことになるのかどうか(;-_-)=3

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     お客様がウェットティッシュを購入されるさいに、風邪やインフルエンザなどの感染症対策には、手洗いと手の触れたところの相似が大事なことをお話した。
     すると、インフルエンザの予防接種をしたのに30年ぶりに発症してしまったと嘆かれたので、ワクチンの効用は重症化を防ぐのと他者への感染を防ぐのが目的だから、受けたのは無駄ではなく感染を拡大させなかったことで、何らかの事情で受けていない人を守ったことになり、感謝してもらっても良いくらいとお話した。
     しかも、家に病人がいて予防接種を受けさせられないとのことで、なおさら自身が発病してしまったとしても受ける意味があったと伝えると、「勉強になった」と言っていただけた。

     

  • その薬、合ってる? 合ってない? 捻挫や打撲には強めの薬から、水虫は病院で確定してから

     外用消炎剤の棚でサリチル酸系のパップ剤を見較べていていたお客様が、『スキュータムA』をレジに持ってきた。
     同じ系統だから間違えではないものの、用途に合っているかを確認するために、弱めの薬で良いか尋ねると、昨日に捻挫したばかりだと分かり、初期には強い薬を使うほうが良いとお話して、インドメタシン製剤の『ハリックス55ID』に変更となった。
     捻挫や打撲のような急性症状は、弱い薬をダラダラと長く使うよりも最初に強い薬を使って、痛みが和らいだら薬も弱い物に乗り換えていくステップダウン方式にするのが基本。
     最初に強めの薬を使うことにより、それで痛みが軽減しなければ骨に異常が起きているかもといった、受診の判断も早めにできるという利点もある。
     またお客様には、本来は初日に患部を氷水で感覚が無くなるまで冷やすと、痛みの伝達成分の生成を抑えられ、予後の痛みの残り方が軽くなることを伝えた。
     無いほうが良いけれど、次の機会にはお試し下さいな。

     お客様から『手ピカジェル』のミニタイプを求められ売り場を案内したところ、受験生の子供が学校に行くのに持たせるというため、机をアルコールタイプのウェットティッシュで拭いた方が感染症対策になることをお話しすると、両方の購入を決められた。
     お会計中に、子供が腹痛を起こしやすく『セイロガン糖衣A錠』を飲ませているというお話が出たので、『正露丸』とは処方内容が異なることを説明した。
     腸を消毒し異常な動きを整える『正露丸』は、下痢止めであるのと同時に食中りに対処する薬でもある。
     食中りの場合は、悪いモノを早く排泄したほうが良いので、下痢をピタリと止めてしまってもいけない。
     『正露丸』は、まさにその条件にうってつけなのだけれど、腹痛に対応する抗炎症と鎮痙攣の生薬は『セイロガン糖衣A錠』には入っていないから、腹痛が目的ならば適応しないと考えられる。
     また、腸にも嗅覚器官が備わっているので、あの独特の匂いもまた効き目のうちなんである。
     腹痛のみで下痢はしないのであれば、こむら返りにも使う『芍薬甘草湯』の方が合いそうだが、どうやらストレス性のようなので『桂枝加芍薬湯』を紹介すると、そちらも購入された。
     また、本人は冷たい飲み物が好きなようなので、せめて食事にスープや味噌汁など温かい物をと勧めた。

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     若いお客様が『小青竜湯』を購入されるのでヒアリングしたところ、主訴は鼻水との事から合うようであれば内臓が冷えている可能性を伝えたところ、寒暖差アレルギーのようだった。
     そういう時には、寒い日は当然として暖かい日にも温かい物を積極的に飲んで、お風呂に入り、お腹周りを保温するために下半身に厚着をして、内臓を温かく保つほうが良いことを教えた。
     そうすることによって、体の中での温度差を最小限にするのだ。

     夫婦のお客様が来店し、『ラミシールAT』をレジに持ってきたのでヒアリングしてみると、患者はご主人で水虫に使い切ったから追加にとのことだったが、病院の診察を受けていないというため、湿疹だった場合のリスクをお話したところ取りやめになった。
     皮が剥けているとか、白くなったり赤くなったりといった見た目では、水虫かどうかは分からない。
     真菌がいるかどうかは、病院で調べてもらわないと確定できない。
     湿疹の薬には痒み止めや恋炎症剤が入っているので、症状を抑えるという目的では水虫に使っても一定の効果があり、副作用の点でも心配は少ない。
     ところが、水虫の薬はいわば殺菌剤だから湿疹には刺激物だし、皮膚が再生しようとするのを邪魔してしまう副作用が起きる。
     長らく水虫の薬を使っていた患者さんが、湿疹の薬に乗り換えたら症状が治まったなんて事例もあるから、やはり水虫かは確定してから薬を使いたいところだ。
     店頭で勧められない良くない鑑別方法としては、ステロイド剤を患部に塗るという方法がある。
     あくまで理論上であって、倫理上は問題があるから試さないようにしてほしいのだけれど、炎症を抑える効果の高いステロイド剤の副作用は、患部の免疫機能を落とすことなので、水虫だった場合には患部が悪化する。
     つまり、薬の使い方を間違えると怖いですよというお話。
     登録販売者の教本にも、湿疹なニキビなどの解説はあっても、水虫の項目が載っていないことがある。
     理由は、水虫と確定していない患者さんに安易に水虫の薬を販売してはいけないからだ。

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  • 病院から処方されている薬があれば、市販薬を使う前の相談と使った後の報告を忘れずに

     お客様から咳に病院で処方されたのと近い薬をとの要望を受け調べてみると、定番の麻薬系と覚醒剤系だった。
     いわば、麻薬系で咳を司る神経の働きをわざと悪くして抑制し、それだけでは呼吸が苦しくなってしまうため覚醒剤系で喉を開く。
     総合風邪薬の多くに入っている咳止めも同様なので、注意が必要だ。
     お客様は声帯炎症と診断されていて、痰が引っかかるというため喉を潤す成分の入っている『ブロン錠エース』を案内して、お買い上げいただいた。
     もし反対に、咳をすると水のような薄い痰が出るのであれば、同シリーズの『ブロン錠』が選択となる。
     名前が紛らわしく、両方ともパッケージには「せき・たん」と書いてあるので、どちらが自分の咳に適しているか分からない時には、やはり相談してもらうのが一番。
     お客様は咳が長引いていて、医師も対応に迷っているようだというため、『柴朴湯』を紹介し担当医に相談してみるよう勧めた。
     また咳は胃の不具合も関係するし、炎症してる喉を食べ物で刺激するのも良くないので、消化しやすい食事をしばらく続けてみるようお話した。
     発熱したり寝込んだりすればともかく、咳があるからといって食事を変えようと思う人はまずいないが、実はコレは「効く」んである。
     例えば胃炎を起こすと、胃に覆いかぶさっている肺が乾燥して咳の原因となる。
     特に、麻薬系の咳止め成分は体内の水分代謝を狂わせてしまうから、体内を乾燥させて便秘を招くこともある。
     だから本当は、今回のように「病院で処方されたのと近い薬を」というお客様の要望による縛りが無ければ先に、生薬構成が胃薬に近く上半身を潤す咳止めの『麦門冬湯』を勧めたかったところ。
     病院と同じ薬をという気持ちは分かるけれど、選択肢が狭まってしまうから、そういう指定はあまりしないほうが宜しい。

     涙に近い目薬を購入された常連のお客様から、耳が急に聞こえなくなり受診したところステロイド剤の内服薬が処方されたとのことだった。
     ステロイド剤が怖いと思ったのか漢方薬でも治るかを尋ねられ『苓桂朮甘湯』が思い当たったけれど、医師の治療に割り込む訳にもいかないので、ステロイド剤自体は医師の管理下であれば怖くはないことを説明した。
     特に突発性難視聴は、しばらくすれば治るだろうと様子を見てしまう人もいるようだが、ステロイド剤で治療する場合には48時間以内が望ましいと言われているので、すぐにでも病院に飛び込んだほうが良い。
     今回はまさに治療中で、その目的で来られていると市販薬の紹介はしにくい。
     せっかく常連でもあるから、普段から通われている中でなら、知識の一つとしてお話することはできるのだけれど。
     しょっちゅう顔を出して下さいな。
     お大事にm(_ _)m

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     お客様から、10歳の子供の便が緩く、市販の『桂枝加芍薬湯』を使っており、継続して良いか質問された。
     継続しても問題は無いけれど、市販では価格がお高め。
     詳しくヒアリングすると、1日に何回もトイレに行くものの、休みの日は大丈夫だそうで、他に処方されている薬があると分かり調べてみると、精神系で劇薬に分類されている物だった。
     『桂枝加芍薬湯』を使っていることは医師に話していないというし、年齢からすると『小建中湯』の方が合う可能性も考えられ、担当医に相談してみるよう勧めた。
     また、吐くこともあるというため『柴胡桂枝湯』も紹介し、肉が好きというお話があったため胃腸の負担を軽くするために同じ肉でもハンバーグなどの挽き肉をと提案した。
     また、野菜は根菜をメインにして、キャベツは芯の近くを細切りにして料理に使ってみるよう勧めた。
     お客様はストレスを心配していたけれど、実はストレスというのは楽しいことも同じように体に負担がかかることを説明した。
     大変だとは思いますが、こういうことは少しずつ積み重ねて行くのが大事ともお話をした。

     

  • 栄養ドリンクは、冷やさずに常温で飲むのが効果的!!

     子供を連れたお客様が、販売許容期限が迫っていて値引きしている『ガストール』をレジに持ってきたけれど、適応する症状は「胸が焼ける感じがすると」とか「苦い水が上がってくる」といった胃酸過多のようなものであることを伝えたところ、二日酔いというため目的が異なることをお話した。
     漢方薬から『アルピタン』(五苓散)を、現代薬から『スクラート胃腸薬』を紹介した「お勧めのヤツで」と言われたので、『アルピタン』をお使いいただくことになった。
     ただ今回のお客様はヒアリングへの反応が薄くて、何を質問しても糠に釘のようだった。
     こちらからの質問に何も返事をしてくれず、微妙な表情の変化から読み取らなければならないうえ、こちらにお任せなのが疲れてしまった。
     それでもビール派ということが分かったので、先にお湯を飲んで胃腸の血流を良くしておくよう勧めた。
     冷たいビールから行っては、寒い中でマラソンを始めるようなもの。
     胃の働きを悪くしてから、飲食を始めることになってしまう。
     そこで、温かい物を飲んでウォーミングアップしておくのと、肝臓がアルコールを代謝するのに大量の水が必要なため、あらかじめ摂っておくのだ。
     また飲み会では、刺身のツマと揚げ物につくキャベツを食べるよう勧めたけれど、やはり反応は無し。
     無視されてるというよりは、ボーッとしてるというか、やはり掴みどころが無い。
     二日酔いだからだろうか。
     ツマに使われることの多い大根には消化酵素となる物が含まれていて、キャベツもまた胃薬として働いてくれるから、二日酔い対策のためにもしっかり食べておいてもらいたいのだけれど。

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     お客様が『ストッパ下痢止めEX』を購入されるさいに、腹痛を伴う場合には『ストッパエル下痢止めEX』の方に芍薬が入っているぶんだけ向いてることを伝えると、病院で整腸剤を処方されてるというため『桂枝加芍薬湯』も紹介してみたが、どちらも興味は示されなかった。
     『ストッパ下痢止めEX』を常用すると、ロートエキスが腸の動きを抑えて症状を抑える物であるため、消化が悪くなり下痢の原因ともなり得るのが心配であることを伝えた。

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     お客様から『ナイシトール』(防風通聖散)を求められ、同じ処方の『コッコアポEX』も紹介したところ、小容量のお試し版に手を伸ばされたので、試すのは「効くかどうか」ではなく、使ってみて「具合を悪くしないか」であることを説明した。
     そして、水分代謝を改善して水太りに適応する『防已黄耆湯』と、イライラ感を伴う便秘の場合に用いる『大柴胡湯』も紹介した。
     いずれにしろ体質の検討と、効果を得るには3ヶ月を越える長期間の服用が必要でもあるため、まずは病院を受診するよう勧めたところお帰りになった。

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     お客様が『リポビタン8』の冷やしてある物を希望されたので売り場を伝えたけれど、常温のほうが吸収が良いことお話すると驚かれた。
     腸が体温より低い物を嫌がるため、胃に溜めて温めてから腸に送って効くのが遅くなるか、もしくは腸を早く通過させて吸収されないまま排泄してしまうのだ。
     そのどちらになるかは、胃腸の自動判別に委ねられ自分の意志ではコントロールできない。
     だから、常温で飲んでおいたほうが良い。
     また、効き目を尋ねられたので費用対効果では『キューピーコーワαドリンク』のほうが高いと考えられると答えたところ、そちらを購入された。
     それから、タウリン系と生薬系との使い分けを伝えた。
     タウリン自体は体の中にも存在し、疲労すると消費されるから補給しようという考え方なのだけれど、経口摂取した物が体の中で同じ働きをするとは限らない。
     吸収され、代謝され、再構成される仕組みは、まだまだ良く分かっておらず、効くと感じるのはカフェインによる錯覚の可能性が否定できない。
     その点からすると、最後のひと頑張り、ラストスパートに使うほうが適していると考えられる。
     一方、生薬系はそれこそいったん体内で分解される前提で摂る物だし、血流を良くするなど即効性のある生薬と、後から体を支えるために働いてくれる生薬とで構成されているので、まだ先が長いとか、これから何かを始めるという場合に向いていると云える。
     毎日、価格が安めのタウリン系を飲むのであれば、飲む本数を減らして生薬系を選んだほうが、カフェインや糖分を減らす事になるから体にも優しいはずである。

     

  • 同じ商品名の薬でも、会社が違うと注意事項も違うコトがあるのは何故?

     男性の親子が来店し、高齢である父親が『パンシロンG』を希望されたけれど、血圧の薬を飲んでいるというため併用は避けた方が良いかもしれないとお話したところ、今度は息子さんが『キャベジンコーワα』を父親に勧めたため、それも好ましくない事を説明した。
     私の存在って、いったい……(;´Д`)
     父親の主訴は朝方に胃痛がするという事なので、他の薬との併用に心配が少ない『新セルベール整胃』を案内し、お買い上げいただいた。
     医師が往診しているそうなので、『パンシロンG』でも良いか訊いておく事を勧め、市販薬も成分表示をおくすり手帳に貼って一元管理するよう、お願いした。
     こうして市販薬を買いに来る時にも、やはりお薬手帳が無いと困るんである。
     同じ血圧を下げる薬でも、血管を拡張しているのか、血液をサラサラにしているのか、利尿作用を利用しているのか、その下げ方が分からないと他の薬との併用の可否も判断のしようが無い。

    【第2類医薬品】《エーザイ》 新セルベール整胃 48錠

     お客様が『ボルタレンEXテープ』を手に胃腸薬の棚に移動したので気にかけていたところ、『大正漢方胃腸薬』と一緒に購入されるので、念のためジクロフェナクトリウム製剤の『ボルタレンEXテープ』は血液中にも成分が浸透することを説明し、飲み薬との併用にも気をつけるよう伝えた。
     今回の場合は心配はいらないのだけれど、一つ一つの薬の問題というより、貼り薬も飲み薬との併用を気をつけなければ危ない事もあるのを、知らないか意識していないのが問題。
     お客様の主訴は胃痛ということから、お湯と水のどちらを飲むと楽になるかを試してみる簡易的な鑑別法を教えると、慢性的に痛むというため『半夏瀉心湯』を紹介したうえで受診勧奨した。
     お湯を飲んでジンワリと楽になるようなら、胃が冷えているか疲れていると考えられ、今回の『大正漢方胃腸薬』が適応する。
     しかし、水を飲んで楽になる場合は胃炎を起こしている可能性があり、『半夏瀉心湯』が候補となる。
     お会計が済んでいたことから迷われた様子だったが、そのままお帰りになった。
     事前に相談してもらえば良かったのだけれど、私の方ももっと早く声をかけるべきだったか。
     案内を申し出ても大抵は断られ、心理的にシンドイもんだから疲れている時には、つい待ちの姿勢になってしまう(^_^;)

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     お客様が『セイロガン糖衣A錠』をレジに持ってきたさいに『正露丸』との違いを説明したところ、病院では過敏性大腸炎かもと言われたというので、『桂枝加芍薬湯』を紹介した。
     保険の適応薬なので、病院で処方してもらえるか相談してみてはどうかとお話する迷われたが、『セイロガン糖衣A錠』と一緒に購入された。
     『正露丸』から抗炎症成分と鎮痙攣成分を抜いてあるのが糖衣錠で、腸には味覚も嗅覚もあるから、あの独特の匂いも効果のうち。
     そして、『桂枝加芍薬湯』には鎮痙攣成分が入っており気持ちも落ち着ける効果もある。
     そういう事では、『セイロガン糖衣A錠』より『正露丸』を使ってもらった方が良いのだけれど、最終的には患者さん自身の判断となる。
     ただ、そもそも違いを知らないとなると判断のしようが無いだろうから、こうして情報を提供している次第。
     すると、お会計の段になってから緑内障と分かり、お薬手帳を持ち歩くようお願いした。
     市販薬を選ぶ際にお薬手帳を見せてもらえれば、ある程度の病気の推測はできるし、併用についても調べられる。
     緑内障にも「閉塞隅角緑内障」と「開放隅角緑内障」とがあり、もし閉塞隅角緑内障だったら『正露丸』を使う場合、大幸薬品以外は念のため避けた方が良いと伝え忘れてしまった。
     下痢止めとして使われることの多い『正露丸』ではあるが、食中りの下痢は無闇に止めず悪いモノを早く排泄してしまった方が良い。
     だから実は、昔ながらの大幸薬品の『正露丸』には、下痢をピタリと止める成分は入っていない。
     しかし、キョクトウなど他社の『正露丸』には、下痢止め目的で使う人が多いからかロートエキスという少し強めの下痢止め成分が入っており、緑内障の場合は避けたほうが無難。
     実際に、大幸薬品と他社製品とでは『正露丸』の注意書きの内容が異なる。
     本来は私の方から積極的に持病や使ってる薬が無いか尋ねなければいけないのだけれど、一定の確率で不愉快な顔をされたり、個人情報だと激昂されたりいる事があって、気力が充実していないと訊きにくい。
     そのうえ、上記のお客様と重なって対応が大変だったのです……、と言い訳。

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  • 「不眠」は大きく分けると3種類!! あなたはどのタイプ?

     やや高齢の夫婦のお客様が来店し、奥さんから乾燥剤を求められて売り場を案内すると、携帯電話を水没させてしまったとのことだった。
     携帯ショップの人にアドバイスされたそうなのだが、目の前で電源を入れられてしまった。
     ああ~、乾くまで最低でも2日は電源を入れてはいけません(>_<)
     お客様には、乾燥剤を使うのも良いけれど、お米と一緒に密閉した袋に入れておく方法もあることをお話した。
     ご主人からは健康食品の『グリシン』を注文され、売り場を案内したうえで睡眠補助剤の『ドリエル』を紹介したところ、自然の物の方が良いと希望され、寝つきが悪いとのことから『柴胡加竜骨牡蛎湯』を案内すると、「あっ、これこれ! これを使ってたんだ」と言って購入された。
     どうも製薬メーカーの「クラシエ」と、「グリシン」とを勘違いしていた模様(^_^;)
     ついでながら、一口に不眠と言っても大きく分けると3種類あることを説明した。
     まず寝付きが悪い、寝るまでに時間がかかるタイプは「肝」が関係することが多い。
     この「肝」というのは、臓器としての肝臓そのものではなく「肝臓の機能」と考えたほうが分かりやすい。
     そして、単純に肝臓が悪くなってるという意味でも無い。
     例えば、脚の早い人と遅い人がいたとして、遅い人は「足が悪い」という訳ではない。
     また漢方においては、元気に働きすぎる状態も体には良くないと考えるので、「脚の早い人が優れている」ともならない。
     次に、寝ていてもウツラウツラとして意識がボンヤリとあり、寝た気がしないタイプは「脾胃」が関係する。
     腸も含めた消化機能を指すし、食べ過ぎると寝苦しいと考えたら分かりやすいだろう。
     最後に加齢とともに起こりやすくなる、朝まで寝続けていられない中途覚醒してしまうタイプは「腎」が関係し、小児の場合には腎機能が未熟なため、夜泣きや悪夢、オネショとなって現れる。
     また、人間の体は機械ではないから、これらの状態が複合して現れることも当然ある。
     今回のお客様が使っている『柴胡加竜骨牡蛎湯』なら柴胡が「肝」を助けるのだが、似た名前の『桂枝加竜骨牡蛎湯』は「桂枝」が「胃」を癒やすといったように、違いがあるので店頭で迷ったら、自己判断するより相談してもらいたい。
     そのさいには、生活スタイルや仕事の内容などのプライベートな情報があると、より選択の幅が広がる。
     タクシーの運転手や看護師などの夜勤が入って生活のリズムが取りにくい場合には、「脾胃」が影響を受けやすいから『加味帰脾湯』が候補になるし、起きてもいないことを悩んだりクヨクヨする人には『加味逍遥散』も考えられる。
     加齢による中途覚醒ならば『牛車腎気丸』を、小児の夜泣きやオネショには『小建中湯』『桂枝加芍薬湯』といった、今までの話とは少し違うチョイスもあって、かくも不眠対策は奥が深いんである。
     してみると、歳を取って中途覚醒したり尿漏れしたりするのは、赤ちゃん返りみたいなものか(・_・)←チガウ

    グリシンl

     お客様が『セナキュア』を購入されるので、顔につけないことと、新陳代謝を良くするためには体温を上げる工夫をするよう伝えたところ、『アットノンEX』との違いを質問された。
     私が先程『セナキュア』を顔につけないように注意したのは、言ってしまえば表面の皮膚を早く腐らせて剥がれ落ちるようにし、下から新しい皮膚ができるのを促す成分だから、目に入ると危ないから。
     また、自力で治すのがメインだから、新陳代謝を良くするように使用者自身の努力も必要。
     一方、『アットノンEX』は皮膚を潤して血流を良くし、皮膚の材料が運ばれやすくなるようにする。
     そこからすると『セナキュア』の方が、やや乱暴なやり方と言えるかもしれない。
     しかし、先に『セナキュア』を使って荒れた肌の表面を壊してから、『アットノンEX』に乗り換えて整えるという考え方もある。
     お客様は中学生の子供の、背中のニキビに使うつもりで、以前は『クレアラシル』を使っていたというため、「それは良い選択」と答えて、『ペアアクネクリームW』との違いも説明した。
     思春期の頃のニキビは、成長過程であるがゆえに皮膚の成長の歪んだところに皮脂が溜まってアクネ菌が増殖し炎症を起こすことが多いため、『クレアラシル』などを使って炎症を抑えるのが先決。
     内服薬として、『清上防風湯』を併用するのも良い。
     一方、大人になってからのニキビは偏食や化粧品の刺激などで荒れた皮膚の皮脂の溜まり場でアクネ菌が増殖し、殺菌しつつ新陳代謝を上げるのが重要で『ペアアクネクリームW』が向いている。
     内服薬には、皮膚の材料を含んだ『桂枝茯苓丸加ヨクイニン』やビタミン剤があり、併用するのが効果的。
     ただ、今回のお子さんは病院に行ったことが無いというため、専門家の話を聞くためにも受診勧奨するよう勧めた。
     また、余計なことではあるけれど、年齢的には本人に薬を買う練習をさせてみるようお話した。
     なにしろ、私の息子もニキビの薬を買いにドラッグストアーに行かせたら、『ペアアクネクリームW』を買ってきたんで理由を尋ねると、店員に声をかけられなくて自分で選んできたという始末。
     普段、私から何を聞いていたのかと。
     しかし、言って聞かせても練習させなければ、何事もできる訳は無いんである。
     お客様からは、「普通言ってもらえないから」とお礼を言われた。 

    セナキュア

     

     

  • 店頭で病気の診断はできないからこそ、症状に合わせた薬の検討が大事です

     お客様から喉の痛みを相談されて『ペラックT』を案内すると「風邪かもしれない」と言われたけれど、咳が無ければ総合風邪薬を使うのは時期尚早とお話して鎮痛剤を提案し、『バファリンルナi』を紹介したところ購入された。
     しかしお会計後に鼻炎もあると言われ、鼻づまりだというので『バファリンルナi』でも消炎効果は期待できることを伝えた。
     鼻炎と言っても鼻水と鼻づまりとでは起きていることが違い、胃などの内臓が冷えると鼻水として現れ、鼻の奥の血管が炎症して膨らむと鼻づまりとなる。
     つまり鼻づまりの場合には抗炎症作用のある鎮痛剤であれば、鼻づまりへの効果も期待できるのだ。
     そして喉の痛みは風邪とは限らず胃炎でも起こることをお話しすると、「そうかもしれない」と心当たりがあるようだった。
     また、喉の痛みが風邪と胃炎との見分けがつきにくいように、鼻炎も胃の不具合と連動してることが多くて、喉の痛みと鼻炎があるからといっても、やはり風邪とは限らない。
     本来、それほど風邪というものは診断が難しいんである。
     ただし風邪でも胃炎でも、内臓を休めるのが最善なので、消化に良い食事に切り替えるよう伝えた。

     お客様が『セイロガン糖衣A錠』を購入され、『正露丸』との違いを伝えると、中学生の子供が腹痛を伴う下痢が登校前に起きるというため『桂枝加芍薬湯』を紹介したのだけれど、「本人に言っておく」と足早に帰られた。
     ううん、もう少し詳しくヒアリングしたいところだったんだけどな。
     『正露丸』の独特の匂いを嫌って糖衣錠を選ぶ人がいるけれど、『正露丸』の基本処方から抗炎症と鎮痙攣の成分を抜いたのが糖衣錠だから、今回のように腹痛を伴うなら糖衣錠は適さないと考えられる。
     なにより、腸にも味覚と嗅覚があるから、『正露丸』の独特の匂いは効果を発揮するのに必要なのだ。
     そして、登校や通勤時に下痢や腹痛になるというのは神経性の可能性があるから、気持ちを落ち着かせ筋肉の痙攣を抑える芍薬の入った『桂枝加芍薬湯』の方が向いている。
     本人が行動を起こして来店してもらえないことには詳しくヒアリングできないし、親御さんも子供のためであれば相談してもらいたいところ。

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