レジでお会計する間だけでも、いったん電話はお切り下さい。薬の購入は相互確認が必要です

 高齢のお客様から下痢の相談を受け、すぐに止めたいとのことだったが高齢で痩せ型のうえ声も弱々しかったため、『エクトールDX』を、昔ながらの『赤玉』と同じ処方なことを説明してで勧め、お買い上げいただいた。

 若いお客様から『ナイシトールZ』を求められたので、中身は本来は風邪の漢方薬の『防風通聖散』であり、便秘しがちで体力のある人向けと説明したところ、下痢と便秘を繰り返しているとのことだった。
 それでは適応しないため、水分代謝を改善して水太りに効果のある『防已黄耆湯』と、ストレスが元で食べ過ぎてしまう場合に用いる『大柴胡湯』との比較もお話したうえで、ストレスが思い当たるというため下痢の面倒も見る『桂枝加芍薬湯』を勧めて、試していただくことになった。
 上記のお客様の相談に対応していてお待たせしてしまったのだけれど、そのやり取りを見ていただいていたおかげか、お話をしっかり聞いてもらえたように思える。
 だからこそ、なおさらお客様にはネットでの薬の効果の検索の仕方を伝えた。
 まず、個人の感想は当てにならない。
 もし参考にするのなら、体格など周辺情報から自身の体質や起きている症状と、どのくらい類似点があるのか探るのが重要。
 そして、効果については薬の名前ではなく、成分ごとの身体での働き方を調べる。
 先の『防風通聖散』ならは、まず便秘していて体力が充実していることが使用する条件で、内臓脂肪を燃焼するという根拠は、もともとが風邪の漢方薬だったことから分かるように、体を冷やすことにより対抗して熱を出しエネルギーを無駄遣いさせるという、副作用を利用していることに注意しなければならない。
 もっとも大事なのは、ネットで情報を得て特定の薬にすぐ飛びつくのではなく、店頭で専門家である登録販売者や薬剤師に相談することである。

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 お客様が『太田胃散』を購入されるさいに、耳と肩の間にスマホを挟んで通話しながらで、血圧を下げる薬や鼻炎薬の使用の有無を確認するとキョトンとされた。
 総合胃腸薬の中には、『太田胃散』や『キャベジンコーワα』など血圧を上昇させてしまうナトリウム製剤が入っていることがあり、また鉱物のミネラル成分は胃腸で鼻炎薬の成分を引き寄せて効果を弱めてしまうため、飲み合わせのチェックが欠かせない。
 また、総合胃腸薬は胃酸の出過ぎを抑えるのと、消化を助けるという真逆の効果の成分が複合されていることが多く、本来は起きている症状との突き合わせが必要。
 簡易的に胃の状態を鑑別する方法としては、お湯と冷たい水のどちらを飲むと楽になるかを確かめるという手がある。
 お湯を飲んで温めると楽になるようなら、内臓が過度に冷えているか疲労していて、血流が良くしたり健胃剤で助けるのが有効。
 冷たい水を飲んで楽になるようだと、胃の働き過ぎか胃炎を起こしていることが考えられ、胃酸の出過ぎを抑えたり、わざと胃の働きを落として症状を緩和してあげる必要がある。
 ところが今回のお客様はスマホでの話に夢中で、お湯と水のどちらで楽になるかと尋ねても聞いていないようで、無視された。
 これで職務を全うしたことになるのかどうか(;-_-)=3

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 お客様がウェットティッシュを購入されるさいに、風邪やインフルエンザなどの感染症対策には、手洗いと手の触れたところの相似が大事なことをお話した。
 すると、インフルエンザの予防接種をしたのに30年ぶりに発症してしまったと嘆かれたので、ワクチンの効用は重症化を防ぐのと他者への感染を防ぐのが目的だから、受けたのは無駄ではなく感染を拡大させなかったことで、何らかの事情で受けていない人を守ったことになり、感謝してもらっても良いくらいとお話した。
 しかも、家に病人がいて予防接種を受けさせられないとのことで、なおさら自身が発病してしまったとしても受ける意味があったと伝えると、「勉強になった」と言っていただけた。

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