柴朴湯(さいぼくとう)
………小児喘息(ぜんそく)、気管支喘息、気管支炎、咳(せき)、不安神経症


適応症状

 気分がふさいで、咽喉、食道部に異物感があり、時に動悸、めまい、吐き気などを伴う次の症状:
 小児喘息(ぜんそく)、気管支喘息、気管支炎、咳(せき)、不安神経症

用方・容量(顆粒製品の場合)

 1日3回、成人1回1包(2.5g)を食前にお湯または水で服用してください。
 ただし、15歳未満7歳以上は2/3包、7歳未満4歳以上は1/2包、4歳未満2歳以上は1/3包。

組成(顆粒製品の場合)

 3包(7.5g)中、次の成分を含みます。
   サイコ(柴胡)7.0g     ハンゲ(半夏)5.0g
   ブクリョウ(茯苓)5.0g   オウゴン(黄ごん)3.0g
   コウボク(厚朴)3.0g    タイソウ(大棗)3.0g
   ニンジン(人參)3.0g    カンゾウ(甘草)2.0g
   ソヨウ(蘇葉)2.0g     ショウキョウ(生姜)1.0g
 以上の割合に混合した生薬より得たエキス5.0g含有します。

類似処方鑑別

神秘湯 体力中等度の人で、咳嗽、呼吸困難などがより顕著で、抑うつなどの精神神経症状や肋骨弓下部の抵抗・圧痛がともに軽度の場合に用いる。

小青龍湯 体力中等度の人で、咳嗽、喘鳴、呼吸困難などがあり、泡沫水様性の痰、水様性鼻汁、くしゃみなどを伴う場合に用いる。

麻杏甘石湯 比較的体力のある人で、咳嗽が強く、口渇、発汗傾向が認められる場合に用いる。

五虎湯 麻杏甘石湯に似ているが、咳嗽がより強く、慢性化している場合に用いる。

大柴胡湯合半夏厚朴湯 大柴胡湯半夏厚朴湯を合わせた処方。体力が充実した人で、季肋部の苦満感、肋骨弓下部の抵抗・圧痛が、より顕著な場合に用いる。

使用上の注意

1.次の場合には医師または薬剤師に相談してください
 (1)本剤を服用後、症状の改善が認められない場合は、他の漢方薬を考慮する事。
 (2)甘草を含有する漢方薬を長期服用する場合は、血清カリウム値や血圧の測定などを充分に行い、異常が認められた場合は、服用を中止する事。
 (3)複数の漢方薬を併用する場合は、含有生薬の重複に注意する事。(特に甘草を含有する漢方薬の併用には、より注意を必要とする。)


2.服用に際して、次のことに注意してください
 (1)長期連用により低カリウム血症、血圧上昇、ナトリウム・体液の貯溜、浮腫、体重の増加等の偽アルドステロン症が現れることがあるので、観察を充分に行ない、異常が認められた場合には、服用を中止すること。また、低カリウム血症の結果としてミオパチーが現れる恐れがあります。


3.保管及び取扱い上の注意
 (1)小児の手のとどかない所に保管してください。
 (2)直射日光をさけ、なるべく湿気の少ない涼しい所に保管してください。
 (3)1包を分割した残りを使用する場合には、袋の口を折り返して保管し、2日以内に使用してください。


4.その他
 本剤は生薬(薬用の草根木皮等)を用いた製品ですので、製品により多少色調等が異なることがありますが効能・効果には変わりありません。


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