• タグ別アーカイブ: 神秘湯
  • 薬は効能に書いていない症状に効くことも

     疲労感と精神安定のために『十全大補湯』を継続していたお客様に、使っていた製品がメーカー終売になったことを伝え、同じメーカーの『十全大補湯』の別製品を案内すると内容の違いを心配されたためメーカーに問い合わせたところ、製造工程は全く同じとの返答を得て、乗り換えていただくことになった。
     また、イライラが軽減し足の痛みが抑えられるとのことで、その件もメーカーに訊いてみると、足の痛みに効いたのは冷えを取る効能が作用したのではないかとのことだった。
     薬は効能に書いていない症状に効くこともあり、好ましい効果を他の疾患に応用し、好ましくない効果が副作用と呼ばれる。
     お客様には、疲労が食欲にも及ぶようであれば『人参養栄湯』も候補になることを伝えたところ、以前に足の痛みには効果が無かったものの気持ちを落ち着かせるのに『半夏厚朴湯』を使ったことがあるというため、うちのお店には置いていないものの『神秘湯』を紹介した。
     『神秘湯』も精神安定の作用にプラスして、冷えを取る効果があるので。
     それから、今までは精神安定剤を使うのを怖がっていたそうだが、初めて病院で処方してもらったところ眠りの質が良くなったという。
     精神に作用する薬を使うことを、やたら危険視して恐怖感を煽る輩がいるが、使い方の問題なんである。

     虫刺されの薬をお客様から求められたので売り場を案内し、薬の強さが大きく分けて3段階あることを説明したところ、患者は子供で、蚊に刺されたにしては患部が腫れているというため、『ムヒアルファEX』を勧めて、お買い上げいただいた。
     手持ちの虫除けスプレーが効かないというので見せてもらったところディート3%の物で、これが濃くなると医薬品扱いになることを説明し、体に吹きかけるのではなく、掌に出して直接塗る方法を教えた。
     それから家に『キンカン』があるとのことだが、『キンカン』には痒み止めの成分が入っておらず、灼熱感で痒みを誤魔化すだけなので、弱い痒みにしか効かないことを伝えた。
     個人的には、『キンカン』は肩こりに向いてると思う。

     

  • 患者本人が気がついていない原因を想像できるか

     お客様から病院で処方されている目薬と同じ物をと注文されたのだが、一つは炎症を抑えるステロイド剤で、もう一つはドライアイ用の物が処方されており、ステロイド剤については市販されていないことを説明したうえで『新緑水』を案内した。
     ただ、主訴は目のゴロゴロ感とドライアイということだったので、他に『スマイルコンタクトEX』も候補に挙げ、コンタクト専用という訳ではなくコンタクトをしていなくても成分による効能で検討することになりますとお話しした。
     今回は『新緑水』をお買い上げいただいたが、週の半分はシャワーだそうなので入浴が大事なことと、目の周囲にシャワーを浴びてみたりして温めるよう勧めた。
     目の材料を運ぶのも不要な物を回収するのも血液だから、とにかく血流を良くしなければ。

     やや高齢のお客様から、咳と喉の痛みに漢方薬を希望されたのが、高血圧の薬を服用しているそうで他店の薬剤師から『麦門冬湯』を紹介されたものの、売ってはもらえなかったとのこと。
     随分と慎重な薬剤師さんなんだなぁと、感心してしまった。
     そこは、見習わなければいけないかもしれない。
     心配であれば半包から試してみてはと提案したうえで『麦門冬湯』を勧めてみたが、やはり薬剤師さんの発言には重みがあり避けたい様子だったのと、咳よりも喉の痛みの方が今は気になるというお話から『駆風解毒湯』を紹介して試していただくことになった。
     また、同様の症状は風邪ではなく、逆流性食道炎でも起きることを伝えておいた。
     一般に、健康な人でも一日に50回くらいは胃液が逆流しているくらい珍しくないことで、それが症状として現れるのは過食や疲労、年を取ってくれば機能低下により修復が追いつかなくなるから。

     以前に、長引く微熱と悪寒に『柴胡桂枝湯』を使っていただいたお客様が来店し、その時には天井にカビがあるという話からそれが原因ではないかと推測していたのだが、今日お話を伺ったところでは、糖分を控えるようにしたら治ったとのことで、それは自分で調べたのだそうだ。
     かなりの甘い物好きらしく、確かに甘い物はリラックス効果がある一方で体の機能も緩んで低体温になったり免疫力も衰えるため、ありえる話だと思う。
     知識としては知ってはいたが、当時は思いつきもしなかった。
     ううむ、ヒアリングが足りなかったか(^_^;)
     そういえば自分自身も、微熱と吐き気が続いていたことがあって『柴胡桂枝湯』を服用し、やがて吐き気のある咳に移行したため『半夏厚朴湯』に変更したのに回復せず、『神秘湯』に乗り換えてようやく改善したことがあるのだが、後で数日前に鉄道模型のレールを磨くのに溶剤を使っていたことに気がついた。
     私は溶剤アレルギーなので、それで喘息を起こしていたのだ。
     本人が気づかないくらいなんだから、もしその時の私が患者としてドラッグストアーを訪れたとしても分からなかったかもしれない。
     なので、患者さんには店頭で思いつく限りのお話をお願いしたいし、私の方も想像力を働かせてヒアリングしなければと思う。

     

  • 患者さんが目の前にいないと分からないことがあります

     『セイロガン糖衣錠』の携帯用をレジに持ってきたお客様に、普通の『正露丸』と違い炎症を抑えるカンゾウとチンピが入っていないことを伝えたところ、一旦はそのまま購入されようとしたものの、よく食中りを起こすと言われた。
     詳しく話を訊いてみると、普段は『ビオフェルミン』を飲んでいて、『ザ・ガード』を試してみたものの合わなかったという。
     よく食中りになるというのが、どのような状況でどんな症状になるのかまで踏み込めなかったけど、神経質そうにみえたため便秘と下痢の両方を整える『桂枝加芍薬湯』と、胃腸炎を起こしやすい場合の『柴胡桂枝湯』を紹介した。
     本日のところは、普通の『正露丸』の携帯用に変更して購入された。
     過敏性大腸症候群とかも考えられるから、受診勧奨しておくべきだったかなぁ……。
     お客様が自分から相談したいそぶりが無いと、なかなか店頭で踏み込めない。

     夫婦で訪れたお客様、最初はご主人から『ユーグレナ』(ミドリムシ)の取り扱いがあるか尋ねられて、扱っていないことをお話した。
     個人的には興味あるけど、仕入れルートが無いんだよね。
     そして、奥さんの方が常連で、以前に乾燥の咳に『麦門冬湯』を使って頂き、その後に『ダスモック』(清肺湯)に乗り換えてもらい、当時より症状は軽減したものの、まだ咳が続いていると相談された。
     ありゃん、それは申し訳ない。
     もちろん、長く続く咳は他の病気の可能性もあるから受診勧奨が視野に入るんだけど、咳は常時ではなく、たまに咳き込み、強く出るときのキッカケは分らないということで、快方に向かってはいるみたい。
     そして最近、手首をひねってしまい病院で鎮痛剤が処方される際に担当医から、風邪薬を使うようであれば漢方薬をと云われたそうな。
     うへぇ、責任重大だわ(;´Д`)
     目の前で咳が出ていれば咳の音で分かることもあるんだけど、あいにくと今は咳が出ないらしく、鼻水もあることからすると『小青龍湯』が考えられるものの、痰が喉に引っ掛かって出そうで出ないという話からすると、気道が狭くなっているのを痰の引っ掛かりと錯覚する梅核気(ばいかくき)かもしれず、それなら『半夏厚朴湯』の出番だしと迷いに迷った。
     すると、ちょうど咳をされて、ガラガラと喉に掛かる音がした。
     やぁ、これは『カンポアズマ』の適応ですね(゚∀゚)
     いや、患者さんを前に喜んじゃいけない。
     もし『カンポアズマ』が効くようであれば、冷えと疲労が原因と考えられるので対策を講じてくださいとお話をしたうえで、お買い上げいただいた。
     もし病院で処方をしてもらうのなら、『神秘湯』『柴朴湯』を担当医に相談してみてくださいませ。

     

  • 冷えの咳、乾燥の咳、炎症での咳、咳にも色々ありまして

     風邪薬の棚で迷っている様子のお客様がいたので声を掛けてみたけど、案内を断られた。
     そして『ベンザブロックS』をレジに持ってきたところで、改めて症状を尋ねてみると、鼻水と鼻づまりを行ったり来たりしている鼻炎だとのこと。
     鼻以外の症状が無く、鼻水と鼻づまりを行ったり来たりするのは体温調整が上手くいっていないからと考えられることを説明し、解熱剤や鎮咳薬なんかまで入っている風邪薬より鼻炎薬にしてはどうかと提案した。
     すると、そもそも症状は軽いらしく、どうも薬が必要なようにも思えない。
     入浴に関して確認したらシャワー派だというので、それなら体温調整を安定させるためには血流の改善が大事とお話して、熱すぎないお湯に、ゆったり入るよう勧めた。
     という訳で、本日のところはお買い上げは無し。
     去り際に、「勉強になりました!」と言われた。
     しまった~、鼻炎にも風邪にも使える『葛根湯加川きゅう辛夷』は紹介しておくべきだった。
     レジに来る前の段階だったら、紹介しやすかったんだけどなぁ(苦笑)

     成人の娘さんの肌の乾燥と痒みということで薬を買いにいらしたお客様、詳しく症状を訊くと患部を掻いた時にブツブツができるという。
     乾燥が原因で?
     それは、乾燥じゃなくて何かに反応しているのでは?
     いや、そうではなく先に痒みを感じて、その時点では皮膚に変化は無いという事なのか。
     だとすれば、寒暖差アレルギーのようにも思える。
     でもリクエストは乾燥の薬だから、ひとまず保湿にと尿素入りの『ケラチナミンコーワクリーム』を案内しつつ、今までに尿素入りの物を使ったことがあるか尋ねると、本人じゃないから分からないという。
     うん、まぁ……そうですよね。
     それで改めて痒みに適応する薬を候補に挙げようと思ったけど、お話からすると本人から頼まれた模様。
     本人からは、「何でもいい」と言われてるらしいのだが、患部の様子や症状が酷くなる時あるいは軽くなる時といった情報が無いのでは、範囲が広すぎて、薬の適応はもちろん、そんな当てずっぽうなことにお金を使って頂いて良いものなのかと。
     この頃になって、ようやく当初の疑問である「何かに反応しているのでは?」というお話をすることができて、お客様も「本人じゃないと分からないわね」と帰っていかれた。
     本当にそう考えたのか、私の対応を面倒くさいと考えたのかは、それこそ分からなかったけど(;´Д`)

     咳止めの棚を眺めているお客様に声を掛けた当初は案内を断られたけど、しばらくして相談を受けた。
     良かった。
     トイレに行きたくて、でもお客様が売り場にいる間はレジを離れられないから困ってたのσ(^◇^;)。
     冷たい物を飲むと咳が出るというお話で、今日も子供が飲み残したジュースを飲んだら咳が酷くなったそう。
     冷えが原因の咳となると、いつもの体内の乾燥を改善する『麦門冬湯』や、寝る時に咳き込むような炎症での咳に用いる『五虎湯』ではなく、上半身を温めて咳を止める『小青龍湯』の出番か。
     そう考えて案内しようと思ったら、お客様は薬局勤務だという。
     あれ?
     それでしたら、薬によっては自店で購入できるのでは?
     すると、「うちの薬剤師さん意地悪だから、相談できないんです」というお答え。
     え~と、あまり踏み込まないほうが良いのかしらん(^_^;)
     でも周辺情報も重要だったたりするため詳しくお話を訊くと、ホントにそんな薬剤師さんが居るんかいなと思うような話が次々と……。
     一発アウトではないだろうけど、問題アリ……いや、たぶん大丈夫… きわどいけどオーケー、違法ではないしギリで平気……?(『人類は衰退しました』の私ちゃん風に)
     もちろん、それは一方的な話を聞いた範囲でだけど。
     少なくも、職場環境は悪そうである。
     ううむ、なんというタイミング。
     いや、実は先日、ピッタリな漢方薬を入荷したばかりで。
     別にお客様から『カンポアズマ』を取り扱ってないかと問い合わせがあり、その時には生憎と置いていませんとお詫びした。
     そして、その時点では入荷するつもりも無かった。
     というのも、この『カンポアズマ』は、抑うつなどの精神神経症状がある人が呼吸困難になった時に用いる『神秘湯』と、これまた緊張性の喘息を患っている人に適応する『半夏厚朴湯』を合わせた処方。
     要するに、そんな症状の人は病院に掛かっているケースが考えられ、店頭で応対する機会は多くない。
     でも、市販薬で販売しているからにはメーカー側では、何か広範囲な適応を想定しているのではないかと気にもなっていた。
     そしたら、某会合で『カンポアズマ』とは別なメーカーの学術部の人と逢う機会があり、使いどころを尋ねてみた。
     他のメーカーの製品なのに、詳しく教えてくれた(笑)
     いや、その節はありがとうございましたm(_ _)m
     その人の話によると、冷えが原因の咳に適応するという。
     例えば今の季節なら、暖かい部屋の中にいて寒い外に出ると咳き込むとかである。
     多くの咳は、気管支の炎症や乾燥によるものだけど、確かに冷えが原因の咳というのはあるものの、それは細胞が縮こまり防御態勢になるからで、そういう時には『小青龍湯』で温めてやるものと思っていた。
     じゃあ『カンポアズマ』との使い分けはどうかというと、『小青龍湯』が上半身に働きかけるとすれば、『カンポアズマ』は柴胡剤でもあり肝臓に働きかける『神秘湯』と、喉のつかえ感を改善する『半夏厚朴湯』との組み合わせにより咳を抑える。
     というのも、肝臓は暑さにも寒さにも極端に弱く、肝臓を傷めると抑うつ状態になることがある。
     そういう事では、『小柴胡湯』『半夏厚朴湯』を合わせた『柴朴湯』に近い使い方が考えられる。
     なので、以前に何度か『柴朴湯』が適応しそうな患者さんがいらした時に、うちのお店では『柴朴湯』を入荷できるルートが無く病院で処方してもらうよう案内するしか無かったのだが、『カンポアズマ』て代用できるかもと考えたのだ。
     そして試しに仕入れてみたら、今回のお客様の来訪。
     冷えが関係する咳で、ストレスも加わっているとすれば『カンポアズマ』が適応しそうである。
     乗り換え先として『半夏厚朴湯』と、薬局は店内が乾燥しがちだから『麦門冬湯』を紹介し、『カンポアズマ』を試して頂くことになった。

     

  • 神秘湯(しんぴとう)
    ………小児喘息(ぜんそく)、気管支喘息、気管支炎


    適応症状

     小児喘息(ぜんそく)、気管支喘息、気管支炎

    用方・容量(顆粒製品の場合)

     1日3回、成人1回1包(2.5g)を食前にお湯または水で服用してください。
     ただし、15歳未満7歳以上は2/3包、7歳未満4歳以上は1/2包、4歳未満2歳以上は1/3包。

    組成(顆粒製品の場合)

     3包(7.5g)中、次の成分を含みます。
      マオウ(麻黄) 5.0g    キョウニン(杏仁) 4.0g 
      コウボク(厚朴) 3.0g   チンピ(陳皮) 2.5g 
      カンゾウ(甘草) 2.0g   サイコ(柴胡) 2.0g 
      ソヨウ(蘇葉) 1.5g
     以上の割合に混合した生薬より得たエキス2.75g含有します。

    類似処方鑑別

    柴朴湯
     体力中等度の人で、肋骨弓下部の抵抗・圧痛がより顕著で、咳嗽、呼吸困難が比較的軽度な場合に用いる。

    小青龍湯
     
    体力中等度の人で、泡沫水様性の痰、水様鼻汁、くしゃみなどを伴う場合に用いる。

    麻杏甘石湯
     比較的体力のある人で、咳嗽が強く、口渇、発汗傾向が認められる場合に用いる。

    五虎湯
     麻杏甘石湯に似ているが、咳嗽がより強く、慢性化している場合に用いる。

    使用上の注意

    1.次の場合には医師または薬剤師に相談してください
     (1)本剤を服用後、症状の改善が認められない場合は、他の漢方薬を考慮する事。
     (2)複数の漢方薬を併用する場合は、含有生薬の重複に注意する事。(特に甘草を含有する漢方薬の併用には、より注意を必要とする。)
     (3)甘草を含有する漢方製剤を長期間投与する場合は、血清カリウム値や血圧の測定などを充分に行い、異常が認められたときには投与を中止すること。


    2.次の患者には慎重に投与すること
     (1)著しく胃腸虚弱な患者(軟便、下痢、腹痛、胃部不快感、食欲不振等の胃腸障害を起こすことがある)
     (2)狭心症、心筋梗塞なとせ循環器系の障害のある患者、又は既往歴のある患者


    3.副作用
     (1)電解質代謝:長期連用により低カリウム血症、血圧上昇、ナトリウム・体液の貯留、浮腫、体重の増加等の偽アルドステロン症が現れる事があるので、観察を充分に行い、異常が認められた場合には投与を中止する事。また、低カリウム血症の結果としてミオパチーが現れるおそれがある。
     (2)自律神経系:不眠、発汗過多、頻脈、動悸等の症状が現れる事がある。
     (3)相互作用として、交感神経興奮薬との併用により、動悸、頻脈等の症状が現れるおそれがある。


    4.保管及び取扱い上の注意
     (1)小児の手のとどかない所に保管してください。
     (2)直射日光をさけ、なるべく湿気の少ない涼しい所に保管してください。
     (3)1包を分割した残りを使用する場合には、袋の口を折り返して保管し、2日以内に使用してください。


    5.その他
     本剤は生薬(薬用の草根木皮等)を用いた製品ですので、製品により多少色調等が異なることがありますが効能・効果には変わりありません。


     

  • 柴朴湯(さいぼくとう)
    ………小児喘息(ぜんそく)、気管支喘息、気管支炎、咳(せき)、不安神経症


    適応症状

     気分がふさいで、咽喉、食道部に異物感があり、時に動悸、めまい、吐き気などを伴う次の症状:
     小児喘息(ぜんそく)、気管支喘息、気管支炎、咳(せき)、不安神経症

    用方・容量(顆粒製品の場合)

     1日3回、成人1回1包(2.5g)を食前にお湯または水で服用してください。
     ただし、15歳未満7歳以上は2/3包、7歳未満4歳以上は1/2包、4歳未満2歳以上は1/3包。

    組成(顆粒製品の場合)

     3包(7.5g)中、次の成分を含みます。
       サイコ(柴胡)7.0g     ハンゲ(半夏)5.0g
       ブクリョウ(茯苓)5.0g   オウゴン(黄ごん)3.0g
       コウボク(厚朴)3.0g    タイソウ(大棗)3.0g
       ニンジン(人參)3.0g    カンゾウ(甘草)2.0g
       ソヨウ(蘇葉)2.0g     ショウキョウ(生姜)1.0g
     以上の割合に混合した生薬より得たエキス5.0g含有します。

    類似処方鑑別

    神秘湯 体力中等度の人で、咳嗽、呼吸困難などがより顕著で、抑うつなどの精神神経症状や肋骨弓下部の抵抗・圧痛がともに軽度の場合に用いる。

    小青龍湯 体力中等度の人で、咳嗽、喘鳴、呼吸困難などがあり、泡沫水様性の痰、水様性鼻汁、くしゃみなどを伴う場合に用いる。

    麻杏甘石湯 比較的体力のある人で、咳嗽が強く、口渇、発汗傾向が認められる場合に用いる。

    五虎湯 麻杏甘石湯に似ているが、咳嗽がより強く、慢性化している場合に用いる。

    大柴胡湯合半夏厚朴湯 大柴胡湯半夏厚朴湯を合わせた処方。体力が充実した人で、季肋部の苦満感、肋骨弓下部の抵抗・圧痛が、より顕著な場合に用いる。

    使用上の注意

    1.次の場合には医師または薬剤師に相談してください
     (1)本剤を服用後、症状の改善が認められない場合は、他の漢方薬を考慮する事。
     (2)甘草を含有する漢方薬を長期服用する場合は、血清カリウム値や血圧の測定などを充分に行い、異常が認められた場合は、服用を中止する事。
     (3)複数の漢方薬を併用する場合は、含有生薬の重複に注意する事。(特に甘草を含有する漢方薬の併用には、より注意を必要とする。)


    2.服用に際して、次のことに注意してください
     (1)長期連用により低カリウム血症、血圧上昇、ナトリウム・体液の貯溜、浮腫、体重の増加等の偽アルドステロン症が現れることがあるので、観察を充分に行ない、異常が認められた場合には、服用を中止すること。また、低カリウム血症の結果としてミオパチーが現れる恐れがあります。


    3.保管及び取扱い上の注意
     (1)小児の手のとどかない所に保管してください。
     (2)直射日光をさけ、なるべく湿気の少ない涼しい所に保管してください。
     (3)1包を分割した残りを使用する場合には、袋の口を折り返して保管し、2日以内に使用してください。


    4.その他
     本剤は生薬(薬用の草根木皮等)を用いた製品ですので、製品により多少色調等が異なることがありますが効能・効果には変わりありません。


     

  • 麻黄 (マオウ)

    麻黄根 業務用生薬 刻500gの価格参照

    (1) マオウ科、又はその他同属植物の地上茎。
    (2) 主成分:エフェドリン(アルカロイド)、多糖類、タンニンフラボノイドなど。
    (3) 性味:辛・微苦、温
    (4) 薬能:発汗解表・宣肺平喘・利水消腫、止咳、中枢興奮作用・交感神経興奮様作用・血圧降下作用・鎮咳作用・発汗作用・利胆作用・抗炎症作用・抗アレルギー作用・プロスタグランディン生合成作用・BUN(血液尿素窒素)低下作用
    (5) 帰経:肺・膀胱
    (6) 配合処方:越婢加朮湯葛根湯葛根湯加川きゅう辛夷五虎湯五積散小青竜湯神秘湯防風通聖散麻黄湯麻黄附子細辛湯麻杏甘石湯麻杏よく甘湯よく苡仁湯
    麻黄 (マオウ)
    麻黄根 業務用生薬 刻500gの価格参照

     

  • 厚朴(コウボク)

    生薬 粉末 500gの価格参照

    (1) モクレン科のホウノキの樹皮
    (2) 主成分:精油アルカロイドジフェニル化合物など
    (3) 性味:苦・辛、温
    (4) 薬能:燥湿除満・下気降逆・行気化湿、筋弛緩・抗痙攣作用、鎮静作用、抗消化性潰瘍作用、抗炎症・抗アレルギー作用、抗菌作用
    (5) 帰経:脾・胃・肺・大腸
    (6) 配合処方:胃苓湯、五積散潤腸湯柴朴湯神秘湯、大承気湯、通導散、当帰湯、半夏厚朴湯茯苓飲合半夏厚朴湯平胃散、麻子仁丸
    厚朴(コウボク)
    生薬 粉末 500gの価格参照