• タグ別アーカイブ: 五苓散
  • 症状の名称は同じでも原因が違えば対応も変わる

     鉄剤を求めて来店したお客様に、ひとまず『ファイチ』を案内。
     目眩(めまい)や貧血の相談でいらっしゃるお客様は、例外無く「鉄不足」と考えているので。
     しかし実際には、内耳機能の異常や水分代謝の異常など多くの原因があり、それぞれに対処は変わる。
     それでも、お話を聞いてもらえるようにするには、最初にお客様のリクエストに応えておかなければならない。
     本質的には、人間嫌いで引き篭もり体質の私には、このプロセスだけで重労働なんですが……。
     言い訳は駄目ですか、そうですか(;´・ω・)
     今回のお客様の主訴は目眩で、病院での診断の有無を尋ねたところ、ヘモグロビンの不足は指摘されたものの、特に治療の必要性や養生についての話などは無かったという。
     担当医に尋ねても答えてもらえなかったのか、その辺の事情は不明。
     初対面のお客様の場合は、どこまで踏み込んで良いのかの見極めが難しい。
     目眩は大きく分けて、起立時に目の前が暗転して落ちるような立ち眩みの目眩と、天井が回っているような回転性の目眩と、雲の上を歩いているような浮遊性の目眩の三種類。
     このうち危険なのが、浮遊性の目眩とされていて、脳梗塞や脳内出血が疑われる。
     今回の場合は、回転性の目眩だそうで、水分代謝の異常やメニエール病の可能性があり、『苓桂朮甘湯』も候補になることを伝えたうえで、『ファイチ』をお買い上げ頂いた。
     ヘモグロビンの不足があるのなら、まったく外れているという事もあるまい。
     ただ、やはり水分代謝の異常も気がかり。
     梅雨に差し掛かる時期は、特に湿気と関わりがあるので。

     やや高齢のお客様から、目眩の相談を受けた。
     やはり季節と関係あるためか、1人の患者さんが来ると同様の症状の患者さんが続いたりする。
     今回のお客様は、若い頃に回転性の目眩を患ったことがあるそうで、最初に『苓桂朮甘湯』を案内してみた。
     しかし、現在の症状を確認してみると、回転性の目眩ではあるものの、梅雨雨時と秋口になるというお話から余分な湿が体内に溜まっていると思われ、同じ水分代謝の異常の改善でも、体内を昇ってくる水分を抑える『苓桂朮甘湯』よりも、偏った水分を廻す『五苓散』の方を勧めて、試して頂くことにした。
     水分代謝の異常を改善する漢方薬でも、降ろす物や、廻す物、排出する物とで使い分けがあるため、結構難しい。
     後でまた復習しておかないと、梅雨時と暑気あたり対策に困るかも。

     やや高齢のお客様が、『柴胡加竜骨牡蛎湯』『桂枝加竜骨牡蛎湯』を見比べて、違いを質問してきた。
     どちらも神経性の不眠に用いるが、柴胡は肝臓に働きかけることでイライラしたりして寝付くまで時間が掛かる場合に神経を沈静化させて、桂枝は胃に働きかけることで色々と起きてもいないことを思い悩んだりして眠りが浅い人に適応することを説明した。
     お客様の体格はガッシリタイプで、教科書通りなら『柴胡加竜骨牡蛎湯』というところなれど、声は体格に反して弱々しく、睡眠時もウツラウツラしているという話から、『桂枝加竜骨牡蛎湯』をファーストチョイスに選んで購入して頂いた。

     

  • 日焼けした肌の痛みを治す飲み薬って!?

     小学生の子供の引っ掻き傷に使いたいとのことで、お客様から『キズパワーパッド』の種別と使い方について質問された。
     ところが、製品の説明をしつつ傷の状態を確認したら、虫刺されで患部を掻き崩しているというのが分かった。
     そこで、虫刺されの痒み止めよりもステロイド剤をと案内すると、以前に子供に病院で処方されたステロイド剤が未開封で残っているそうな。
     それでしたら、ステロイド剤を普通の絆創膏に塗って使い、痒みが落ち着いてから傷口の回復に『キズパワーパッド』を使う方が良いですよと提案した。
     ちなみに、『キズパワーパッド』は湿潤療法で患部を治すため、傷薬のたぐいは併用してはいけない。
     それと、虫刺されで怖いのは痒みとかより何より、虫が運んでくる病原菌の感染なので、虫除けが重要ですとお話した。
     すると、子供はアトピー性皮膚炎だとのこと。
     必ずしもディードを避けなければならない訳ではないけれど(私自身アレルギー性皮膚炎を患っていたが、ディードを使っていて問題は無かった)、心配な気持ちは分かるので、『ユーカノン虫除けウェットティッシュ』を案内して、それのみをお買い上げ頂いた。

     日焼けケアのローションをと来店した女性のお客様、見るからに顔も二の腕も真っ赤で、それはもはやヤケドの域だった。
     日焼けをヤケドと認識していない人は、結構いる。
     お客様は、『SEABREEZE(シーブリーズ)』のような物を考えていたみたいだけど、これはもうヤケドと同じですから炎症を抑えないと駄目ですとお話した。
     昨年はこれで、「薬が欲しいわけじゃない!!」と怒って帰られてしまうケースもあり、私としては「ドラッグストアーに来ておいて、薬が欲しいわけじゃない」というのが理解できなかった。
     後で、登録販売者のSNSで質問したら、「ボディローションが欲しかったんじゃないですか?」と諭されて、やっと理解した次第。
     世の中には、「薬以外で症状を治したい人がいるんだ」という新鮮な驚きと共に、そういうリクエストにも応えなきゃならないんだなぁと、この仕事の難しさを痛感したもんである。
     しかし同時に、「自分の方針というものも持たなければ駄目だ」と思うようにもなってきた。
     それはつまり、「お客様の要望に応えることだけが、お客様のためになる訳でもない」ということ。
     だって、この仕事のお客様は同時に患者さんでもあるので。
     まぁ、こちらも人間なので、怒られるのは嫌だし、怒鳴られるのは小心者で苦手だから、そういうお客様には要望の物を案内して放置したいところ(o ̄∇ ̄)o
     とはいえ、職務を全く果たさない訳にもいかないため、一応は説明したり提案はする。
     ただ、引き際はだいぶ早くなったと思う(笑)
    「この人は話を聞が気が無いな」と悟ったら、怒られる前にサッと引くε≡≡ヘ( ´Д`)ノ
     で、今回のお客様は実際に肌がピリピリ痛むそうで、「日焼け=ヤケド」と理解して頂けて、抗炎症成分の入っている『桃の葉ローション』を案内すると、そのまま購入された。
     それと内服薬として、『黄連解毒湯』という体の中も外も炎症を抑える漢方薬を紹介した。
     興味は持ってもらえたようだけど、本日のところは『桃の葉ローション』のみをお使い頂くことに。
     まぁ、これは仕方がない。
     そもそも日焼けをヤケドと思わない人が多いのだから、日焼けを飲み薬で治すなんて、それこそ「知らない世界」であろう。
     外でのスポーツなどをする人は、暑気あたりを防ぐ『五苓散』と一緒に、『黄連解毒湯』も常備しておくと夏を乗り切るのに良いと思われます。
     注意点としては、『黄連解毒湯』の生薬構成は極めてシンプルで、冷やす物に冷やす物と冷やす物が三重に入っているため、ものすごく虚弱体質であるとか、胃腸が弱い人や痩せ型の人は、お腹を下す可能性があること。
     一応は、下痢を抑制する黄柏(オウバク)も入っているから、そこまで心配はいらないはずだけど、そういう人が初めて服用する時には、規定の容量より少なめから服用した方が良いかも。
     心配な場合は、『七物降下湯』で代用して下さい。
     使用目標に「高血圧」とありますが、日焼けでの熱を下げるのが目的なため、その点は気にせず。
     虚弱な人の、のぼせ症状を下ろすのが効能だから、それを転じて日焼けの熱を下ろすのに使おうという事なので。

     『カコナール』を購入されるお客様に、発熱後は他の漢方薬への乗り換えを検討することと、夏風邪には向かないことを伝えた。
     余計なことかもしれないけど、「風邪には葛根湯」が世間に浸透しすぎて、特に胃腸に来る夏風邪にも使うようなことがあると不都合があるので。
     昨日今日と『葛根湯』を求めるお客様が続いてるのは、先日の雨で冷えたからだろうけど。
     それだけに、梅雨が明けて一気に暑くなると今度は暑気あたりで食欲を落とし、夏風邪の人が増えるはず。
     その時にまた、何も確認せずに『葛根湯』を夏風邪にと買われると困る。
     もちろん患者さんも困るだろうけど、せっかく夏風邪向けに『柴胡桂枝湯』『かっ香正気散』を多めに発注した私が困るヽ( ´ー`)ノ

     

  • 薬の大人向けと子供向けは、用量の違いだけじゃありません

     足の甲が痛むとのことで、お客様から相談を受けた。
     キッカケは分からず、サリチル酸系の温感湿布を使っていて、実際に温めると楽になるそう。
     本人は神経痛と言っていたけど、病院には行っていないそうなので、本当のところは不明。
     ただ、痛みとともに痺れ感もあるらしい。
     鎮痛効果が少し強めて浸透力があるフェルビナク製剤を提案し、血流改善も期待できる『ほぐリラ温感』をお勧めしてお買い上げ頂いた。
     それと、痺れ感については内服薬の『疎経活血湯』を紹介した。
     お客様はお風呂に入らずシャワー派ということだったので、血流改善とマッサージを兼ねるために膝裏や足首などに浴びるよう伝えたところ、足の甲には当てているとのこと。
     それは良いことなので、続けて下さいな(⌒▽⌒)
     そのさいには、あまりシャワーの首を振らずに同じ場所に当てるように伝えた。

     お客様から、乗り物酔いの相談。
     バス旅行らしく、『アネロンキャップ』や『センパア』などは眠くなることを気にされていたので、水分代謝の調整で乗り物酔いを防ぐ『五苓散』と、神経的な症状に適応する『苓桂朮甘湯』を案内してみた。
     でも、以前に子供用の酔い止めを使った時には眠くならなかったそう。
     本人は子供向けの用量だったからと考えているらしい。
     まぁ、酔い止めの主成分からすると確かに子供向けも大人用も内容は変わらないため、そう考えても間違いじゃないんだけれど、それを薬全般のように思われると事故を起こしかねないので、その点は注意してもらうようお話した。
     例えば、成分によっては未発達の脳や内臓に悪影響があり、同じブランド名でも大人向けと子供向けでは内容が全く違うという薬は多い。
     それを、「量を減らせば子供にも使える」と考えたら大変だし、反対に子供向けを多く飲めば適応するかというと効かないなんてこともあるので。
     成分が分かれば同じ物を探せることをお話したけど、覚えていなかった。
     市販薬でも、使った薬は記録をしておくのを習慣づけてもらいたいところ。
     そして漢方薬を酔い止めに使うというのを考えていなかったそうで、お客様はいまいち踏み込めない模様。
     これはもう仕方無いので、『トラベラドロップQQ』を勧めて購入して頂いた。
     d-クロルフェニラミンマレイン酸塩は、眠気が少ないとされているので。
     ただ、吐き気を抑えるスコポラミン臭化水素酸塩水和物は、持続性が無いらしいんだけど。
     これは、効き目に影響すると困るから、黙っておいた。
     乗り物酔いは、酔うと思うと酔うものね。

     やや高齢のお客様が、ご主人の代わりに水虫の薬を求めて来店された。
     患部は足の指で、痒みは弱く、乾いていて白いそう。
     本当は、水虫か分からないところに抗真菌剤を使うのは心配だし、痒みが少ないというのに尿素がかえって刺激になると困るんだけど、頼まれ物じゃ他の痒み止めというのは本人に納得してもらえないかも。
     一度は病院に行ってみるように伝えて下さいとお話して、『ダマリンL』を購入して頂いた。

     

  • 健康情報は必ず「自分に引き寄せて」

     湿布を求めて来店したお客様は、膝の痛みに使うということだった。
     私は普段は、常用するのなら鎮痛効果の弱い物から段階を踏んで乗り換えることを提案して、打ち身とか急性であれば短期決戦に強い物をと勧めている。
     そのうえで漢方薬を紹介して、興味を示されるかを探ってみる。
     漢方薬というと、「長く飲む物」とか「すぐには効かない」と思い込んでいて、全く話を聞いてもらえないことも少なくない。
    「風邪には葛根湯」という言葉もあるくらいで、誤解なんだけどねー。
     湿布を常用するのなら、飲み薬の方も検討してみてはと思う。
     今回のお客様は興味を持ってもらえたので、お風呂で温まると楽になるというお話から『桂枝加苓朮附湯』を候補にした。
     しかし、詳しくお話を訊くと、立ち仕事で足が浮腫むということが分かり、外見的に水太りの傾向も見られたため、水分代謝を改善して痛みを緩和する『防已黄耆湯』の方を勧めて、お買い上げ頂いた。
     あと、あまり水分を摂らないというお話で、そうするとむしろ体の方は保水しようとするため、量は必要無いので小まめに飲むよう伝えた。
     ちなみに、飲み薬については全く考えていなかったそう。
     選択肢は、多い方が良いですよん(´∀`)

     お客様から、以前に治療した奥歯が痛むので、何か塗り薬をと要望された。
     うちには『デンタルクリーム』が置いてないから、『新今治水』を案内してお買い上げ頂いた。
     飲み薬を避ける理由は、話を振ってみても何も答えてくれなかったため不明。
     何か他の薬を飲んでるのを、隠したかったのかなぁ。
     服用している薬の種類によっては、鎮痛剤なんて売れないからね。
     一応、歯科医に行くのを優先するようには伝えたけど。

     やや高齢のお客様が、漢方薬の棚をウロウロ。
     声を掛けてみても、「大丈夫」と断られた。
     そしてしばらくすると、「漢方薬あるのに、芍薬甘草湯は置いてないの?」と訊かれた。
     私がこの店で働き始めて漢方薬の種類を充実してきたけど、『芍薬甘草湯』は置けない物の一つで困る。
     というのも、本部から大量の『コムレケア』が送り込まれていて在庫を抱えているから。
     中身は、同じ『芍薬甘草湯』なんですけどね。
     『コムレケア』のパッケージは、こむら返り専用のようなデザインだし、『芍薬甘草湯』の名前は成分表示を見て分かる程度で、『芍薬甘草湯』を探しているお客様からすると、「置いてないの?」となってしまう。
     お客様には同じ物であることを説明して、お買い上げ頂けた。
     ただ、よく足が攣るというので、ちょっと心配。
     脹脛(ふくらはぎ)は「第二の心臓」とも呼ばれていて、下半身に降りた血液を筋力をポンプ代わりに使って上半身に戻す補助をしている。
     足が攣るというのは筋肉の疲労が関係する訳で、脹脛が疲労するほど働くのは、本物のポンプの心臓の機能が低下している可能性があるのだ。
     頻繁に足が攣る人が、病院で調べてみたら心臓の血管の一部が詰まっていることが判明して、手術を受けた例もある。
     怖がらせるつもりは無いですが、薬に頼ってばかりだと重大な病気を見逃してしまいがちなので、病院を受診することも検討するようにお話した。
     現代薬より漢方薬を勧める私だけど、漢方薬を常用している人の中には、「病院嫌いだから」と頼っている人もいるので、注意喚起はしておかないと。
     何ごとも、一辺倒とか極端なことは良くありません。

     とか思っていたら、やや高齢のお客様が同じく『芍薬甘草湯』を求めて来店した。
     それで先のお客様と同じように、よく足が攣る場合には気をつけて下さいねとお話したら、テレビ番組で『芍薬甘草湯』が紹介されていたと分かった。
     なるほど(。_。(゚д゚(。_。(゚д゚ )
     番組の内容は分かりませんが、それこそ薬を指名で買う前に、症状については店頭で相談して下さいね。
     『芍薬甘草湯』自体は、頓服として一時的な筋肉の痙攣による疼痛に使う物で、だから下痢や嘔吐の無い腹痛に使う訳ですが、漢方薬だからと「長期連用しても安心」では無いですし。
     それこそ足が攣る原因は、怖い心臓疾患より水分代謝の異常で血中の水分不足で起きることの方が多いから、水分代謝を改善する『五苓散』の方が適していたり。
     そういや前に、健康番組で糖尿病予防の特集をやっていた時に、「サラダを最初に食べることで、血糖値の急激な上昇を抑えられる」と紹介していて、その後にお店に来たお客様の何名かが口を揃えて「サラダを最初に食べると健康にいいんだってね」と言っていたっけ。
     ちゃんと番組中ではテロップで「糖尿病予防」って出ていた通り、それは「血糖値の急激な上昇を抑える」のが目的の食べ方で、「健康に良い食べ方」じゃないのに、どうも頭の中で自動変換されてしまうらしい。
     胃の働きを良くするために、味噌汁などの温かい物を最初に飲むという方法もある訳で、「自分の身体状況に合わせる食べた方」をすることが大事なので、健康情報は必ず「自分に引き寄せて」検討したうえで実践しましょう。
     それはともかく、やっぱり薬を指名で買う前に、症状については店頭で相談して下さいね。
     今まで知らなかった薬なら、なおさらのこと。

     

  • 「毒親」になっていませんか?

     『ナロンエース』の容量の多い方が安くなっている理由を、お客様から尋ねられた。
     まぁ、単純にうちのお店で、特価品になっているだけなんですが。
     そう説明すると、いつも使っていて、成人の息子さんや高校生の娘さんも一緒に使っているという。
     でも、『ナロンエース』を使っているのは特に理由がある訳では無く、『イブA』や『バファリンA』などを試したことも無いそうな。
     鎮痛剤は体が慣れてしまうと、将来的に鎮痛剤が効きにくくなってしまうことが考えられるため、家族でも使う薬を分けるように提案した。
     特に娘さんは生理痛にも用いていて、以前にはそれほど生理痛を訴えていなかったというお話から、「痛いのが当たり前」と思うようになると、成人してから重大な病気を見逃してしまう心配があることを伝えた。
     また、その娘さんは手足がかなり冷えていて、気圧の影響を受けているようなので、『当帰芍薬散』を案内してみた。
     ただ、本人が婦人科の病院を受診するのを嫌がっているらしかったため、内科ではあるけれど、漢方薬に詳しい医院を紹介した。
     そして、お客様自身の偏頭痛について尋ねてみると、ピルを服用してからが思い当たる模様。
     ううむ、単純に副作用か?
     痛みが強くなるタイミングや軽くなるタイミングを質問してみたけれど、意識したことが無いので分からないとの返事。
     ああ、まぁ、そうでしょうねぇ……(^_^;)
     胃が丈夫でないということで、「胃の不調から来る頭痛」と考えられることを説明して『五苓散』を案内したものの、漢方薬を使ったことが無いため、使用に踏み切れない様子。
     ここは、あまり強く勧めるのも良くないかなと引き。偏頭痛の頻度は多くないというお話から、『イブA』を案内して、お買い上げ頂いた。

     鼻炎薬の棚で迷っていたお客様から、どれが効くかと尋ねられ、「成分との相性次第です」と答えた。
     我ながら、不親切だと思いますが(;´∀`)
     一応は、『パブロン鼻炎カプセルS』や『ストナリニS』の他に、眠くなりにくい物としてメキタジンの『ロートアルガード鼻炎内服薬Z2』と、鼻水と目の痒みに使う『小青龍湯』と鼻づまりと鼻水を往来する時に使う『葛根湯加川きゅう辛夷』を案内した。
     最終的には、価格の安い物を希望されたため、『鼻炎Aクニヒロ』を勧めて、お買い上げ頂いた。
     予算のことを忘れがちなのが、私の悪いクセ。

     『のどスプレー』を求めて来店したお客様に、現に喉が痛む時には殺菌消毒のポピドンヨード系より、炎症を抑えるアズレン系が良いですよと勧めた。
     しかし、患者さんは一緒に来ている7歳児で、首の横を触ると腫れているのが分かるくらいというので、内服薬の方が効果的ですとお話して『駆風解毒湯』を案内した。
     でも、「薬を嫌がる」と言われれたため、同じくアズレン系の『パブロントローチAZ』を紹介すると、購入された。
     ただなぁ、本人が一緒にいるのに、いっさい本人に質問させてもらえなかったのが心残り。
     ほら、ドラマなんかであるでしょ。
     教師だとか医師だとか警察官なんかが子供に質問しても、親か答えてしまうパターン。
     本当に「薬を嫌がる」のか、確認するべきだったんじゃないかと自問自答。
     本人にしか分からない症状や感覚があるから、できれば本人とお話をさせてもらいたかった……。

     

  • セルフメディケーションは一手間かけて

     外からの電話で、薬の飲み合わせの問い合わせがあった。
     風邪と吐き気で病院を受診し、『カロナール』と『ホスミン』が処方されているそうで、熱は下がったものの頭痛がするため、引き続き『カロナール』を服用して良いかという内容。
     説明書に「38度以上の熱の時に」とあり、不安な思った模様。
     鎮痛と解熱に関わる神経は同じだし、子供の鎮痛剤にも使われていて、胃への負担も少ないから、そんなに心配する必要は無いんですけどね。
     ちゃんと確認して頂けて、なにより(´∀`)
     セルフメディケーションというのは、自己判断する前に、面倒臭がらずに確認することが大事。
     お客様に服用して大丈夫なことを伝えると、自宅には『ナロンエース』があるとのとこだったけど、そっちは胃への負担を考えて控えるようにお話した。
     あと、頭痛については頭全体がガンガンするそうで、胃を悪くして起きているとも考えられるため、『カロナール』を服用して改善しない場合は改めて相談して頂くよう伝えた。
     胃が悪い時の頭痛には、『五苓散』『苓桂朮甘湯』が候補になる。
     お客様は昨日は消化に良い食事をして、食欲は戻ってきていると言っていたけど、量を控えて消化に良い食事を継続するよう勧めた。
     うちのお店に入ってくる電話は、全部カスタマーセンターを通して掛かってくるので、こちらが応じる時にはすでに名前をオペレーターに名乗っているらしく、お客様の名前が分からないままってのが困る。
     改めて名前を尋ねるのが失礼かもしれず、毎回オペレーターから電話を引き継いだ時に聞きそびれ。
     もちろん、こちらは担当者として名乗る訳ですが。
     こうして薬を飲む前に問い合わせが入るようになったのは、私が勤め始めてからの事のようだから、もう少しちゃんと責任を持って対応できるようにならなものかな。
     確かに、直接電話が掛かって来ると困る場面もありそうだけど。
     たぶん、相談に応じたことのあるお客様だから、店舗の方に電話をして頂けたと思うので、どのお客様か分かった方が伝えた方が良い事柄の判断とかもできるはず。

     『葛根湯』をレジに持ってきたお客様に、発熱してからでは遅いことを伝えたところ、発熱してからの漢方薬を尋ねられた。
     そこで、発熱してからの風邪の中期に用いる『麻黄湯』と、解熱後の後期に用いる『柴胡桂枝湯』を案内しすると、すでに熱が出ているとのことで、『麻黄湯』を一緒に購入して頂けた。

    Screenshot of jsmi.jp

     

  • 症状から推理する謎解きの快感

     やや高齢のお客様が、肘のサポーターを求めて来店した。
     ご主人が使うそうなのだけれど、適応するサイズが分からず、私の肘周りのサイズを元に『バンテリンサポーターひじ用大きめ』を購入して頂くことになった。
     ただ、ご主人は半身が麻痺していて、今回サポーターを求めたのは、肘の痛みを訴えているからとのこと。
     念のため、動かさなくても痛むのか確認するよう、お話した。
     動かさなくても痛むようだと、血行不良が原因とも考えられるので。
     内科医の往診はあるらしく、その医師には「科が違うから」と、話していないそうな。
     いえいえ、科が違っても起きている症状については、どんどん伝えた方が良いですよ。
     よほどボンクラな医師でなければ、自分の領分でない相談でも応じて、適切な病院を紹介してもらえるはずです。
     ………してくれるよね(;・∀・)?
     もし対応してもらえないようでしたら、改めて相談して下さい。

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     ブルーベリーのサプリメントを求めて来店したお客様に、DHCと小林製薬の物を案内した。
     パソコンの使用による疲れ目というお話だったから、血流改善に良いとされている『アスタキサンチン』も紹介してみた。
     そして、お会計をしながら『ナボリンS』も眼精疲労の候補に挙げたところ、その時になって初めて、緑内障を患っているというお話が出た。
     ズゲッΣ(・∀・|||)!!
     詳しくお話を訊くと、どうやら緑内障だから薬を避けてサプリメントをと考えているらしい。
     いや、まぁ、ブルーベリーは大丈夫でしょうが、「サプリメントだから大丈夫」と考えていると、思わぬ事故もありえます。
     ネットの相談掲示板でも、平気で「植物性で化学物質ではありませんので、飲み併せても問題ありません。」とかテキトーな答えを書き込んでるのを見掛けますが、大変危険です。
     『ナボリンS』も、大丈夫っちゃ大丈夫だけど。
     担当医にも、相談するようにして下さいな。
     漢方薬では、『苓桂朮甘湯』『五苓散』などの水分代謝を調整してくれる物が、緑内障の治療に使えるけど、今回は黙っておいた。
    「サプリメントだから大丈夫」という考え方が、「漢方薬だから副作用が無い」にスライドされても困るので。

     成人の娘さんの咳の相談で、お客様が来店。
     まだ病院が営業開始していないせいか、なんだか忙しいぞ。
     今回は、風邪をひいた後に咳が残ったという話だったけど、詳しく症状の経過を訊いてみると、鼻水はあったものの発熱などは無かったそう。
     ううむ、判断に迷うなぁ。
     寒さもあるし、忘年会やら新年会やらで胃を悪くしてということも考えられる。
     咳は体内が乾燥してるからかもしれず、胃を悪くしている可能性もお話してみたところ、2日ほど前に唇の周りが荒れていたという答えが。
     それだーm9(゚д゚)っ!!
     胃の症状は、たいてい口に現れる。
     謎が溶けたので、胃を治して咳を鎮める『麦門冬湯』を勧めて、お買い上げ頂いた。
     娘さんは、お風呂が長めだそうだから、それは続けて下さいと伝え、しばらくは根菜でお腹に優しいメニューを組み食事を摂らせるよう提案した。

     

  • 二陳湯(にちんとう)
    悪心、嘔吐、感冒(風邪)で吐き気が強い場合、酔い止め


    適応症状

     悪心、嘔吐、感冒(風邪)で吐き気が強い場合、酔い止め

    用方・容量(顆粒製品の場合)

     1日3回、成人1回1包(2.5g)を食前にお湯または水で服用してください。
     ただし、15歳未満7歳以上は2/3包、7歳未満4歳以上は1/2包、4歳未満2歳以上は1/3包。

    組成(顆粒製品の場合)

     3包(7.5g)中、次の成分を含みます。
       ハンゲ(半夏)5.0g
       ブクリョウ(茯苓)5.0g
       チンピ(陳皮)4.0g      
       カンゾウ(甘草)1.0g
       ショウキョウ(生姜)1.0g
     以上の割合に混合した生薬より得たエキス3.0g含有します。

    類似処方鑑別

    小半夏加茯苓湯
     体力中等度の人で、悪心が強く、口渇・尿量減少を認める場合に用いる。妊娠嘔吐(つわり)。

    五苓散
     
    口渇が強く尿量減少はあるが、胃部不快感が軽度の場合に用いる。

    六君子湯
     体力の比較的低下した人で、食欲不振、心窩部の膨満感、倦怠感などを訴える場合に用いる。

    半夏瀉心湯
     体力中等度以上の人で、心窩部の抵抗・圧痛、膨満感、腹中雷鳴、下痢、食欲不振などを認める場合に用いる。

    使用上の注意

    1.次の場合には医師または薬剤師に相談してください
     (1)本剤を服用後、症状の改善が認められない場合は、他の漢方薬を考慮する事。
     (2)甘草を含有する漢方薬を長期服用する場合は、血清カリウム値や血圧の測定などを充分に行い、異常が認められた場合は、服用を中止する事。
     (3)複数の漢方薬を併用する場合は、含有生薬の重複に注意する事。(特に甘草を含有する漢方薬の併用には、より注意を必要とする。)


    2.服用に際して、次のことに注意してください
     (1)定められた用法、用量を厳守してください。
     (2)小児に服用させる場合には、保護者の指導監督のもとに服用させてください。
     (3)本剤は、2歳未満の乳幼児に服用させないでください。


    3.服用中または服用後は、次のことに注意してください
     (1)本剤の服用により、発疹・発赤、かゆみ、悪心、食欲不振、胃部不快感等の症状があらわれた場合には、服用を中止し、医師または薬剤師に相談してください。 
     (2)本剤を服用することにより、尿量が減少する、顔や手足がむくむ、まぶたが重くなる、手がこわばる、血圧が高くなる、頭痛等の症状があらわれた場合には、服用を中止し、医師または薬剤師に相談してください。
     (3)1ヵ月位(感冒、鼻かぜ、頭痛に服用する場合には、数回)服用しても症状の改善がみられない場合には、服用を中止し、医師または薬剤師に相談してください。
     (4)長期連用する場合には、医師または薬剤師に相談してください。


    4.保管及び取扱い上の注意
     (1)小児の手のとどかない所に保管してください。
     (2)直射日光をさけ、なるべく湿気の少ない涼しい所に保管してください。
     (3)1包を分割した残りを使用する場合には、袋の口を折り返して保管し、2日以内に使用してください。


    5.その他
     本剤は生薬(薬用の草根木皮等)を用いた製品ですので、製品により多少色調等が異なることがありますが効能・効果には変わりありません。


     

  • 柴苓湯(さいれいとう)
    ………水瀉性下痢、急性胃腸炎、暑気あたり、むくみ


    適応症状

     吐き気、食欲不振、喉の渇き、排尿が少ないなどの次の症状:
     水瀉性下痢、急性胃腸炎、暑気あたり、むくみ

    用方・容量(顆粒製品の場合)

     1日2回、成人1回1包(2.5g)を食前にお湯または水で服用してください。
     ただし、15歳未満7歳以上は2/3包、7歳未満4歳以上は1/2包、4歳未満2歳以上は1/3包。

    組成(顆粒製品の場合)

     3包(9.0g)中、次の成分を含みます。
       さいこ(柴胡)7.0g     たくしゃ(沢瀉) 5.0g
       はんげ(半夏) 5.0g     おうごん(黄ごん 3.0g
       そうじゅつ(蒼朮) 3.0g    たいそう(大棗) 3.0g
       ちょれい(猪苓) 3.0g    にんじん(人参) 3.0g
       ぶくりょう(茯苓) 3.0g    かんぞう(甘草)2.0g
       けいひ(桂皮) 2.0g
       しょうきょう(生姜) 1.0g
     以上の割合に混合した生薬より得たエキス6.0g含有します。

    類似処方鑑別

    小柴胡湯
     体力中等度の人で、胸脇苦満、食欲不振、悪心、嘔吐、微熱などはあるが、口渇や尿量減少や浮腫などが無い場合に用いる。

    五苓散
     
    小柴胡湯とは逆に、口渇や尿量減少や浮腫などはあるが、胸脇苦満などの無い場合に用いる。

    半夏写心湯
     体力中等度以上の人で、胸脇苦満は無いが、心窩部の膨満感、抵抗・圧痛があり、腹中雷鳴、時に悪心、嘔吐、下痢、食欲不振などのある場合に用いる。

    使用上の注意

    1.次の場合には医師または薬剤師に相談してください
     (1)本剤を服用後、症状の改善が認められない場合は、他の漢方薬を考慮する事。
     (2)甘草を含有する漢方薬を長期服用する場合は、血清カリウム値や血圧の測定などを充分に行い、異常が認められた場合は、服用を中止する事。
     (3)複数の漢方薬を併用する場合は、含有生薬の重複に注意する事。(特に甘草を含有する漢方薬の併用には、より注意を必要とする。)


    2.服用に際して、次のことに注意してください
     (1)定められた用法、用量を厳守してください。
     (2)小児に服用させる場合には、保護者の指導監督のもとに服用させてください。
     (3)本剤は、2歳未満の乳幼児に服用させないでください。


    3.服用中または服用後は、次のことに注意してください
     (1)本剤の服用により、発疹・発赤、かゆみ、悪心、食欲不振、胃部不快感等の症状があらわれた場合には、服用を中止し、医師または薬剤師に相談してください。 
     (2)本剤を服用することにより、尿量が減少する、顔や手足がむくむ、まぶたが重くなる、手がこわばる、血圧が高くなる、頭痛等の症状があらわれた場合には、服用を中止し、医師または薬剤師に相談してください。
     (3)1ヵ月位(感冒、鼻かぜ、頭痛に服用する場合には、数回)服用しても症状の改善がみられない場合には、服用を中止し、医師または薬剤師に相談してください。
     (4)長期連用する場合には、医師または薬剤師に相談してください。


    4.保管及び取扱い上の注意
     (1)小児の手のとどかない所に保管してください。
     (2)直射日光をさけ、なるべく湿気の少ない涼しい所に保管してください。
     (3)1包を分割した残りを使用する場合には、袋の口を折り返して保管し、2日以内に使用してください。


    5.その他
     本剤は生薬(薬用の草根木皮等)を用いた製品ですので、製品により多少色調等が異なることがありますが効能・効果には変わりありません。


     

  • 自分の家の薬箱には漢方薬

     『小青龍湯』を買いにいらしたお客様のお話によると、今回は中学生の息子さんの鼻炎のためにとのことで、以前から家族でも使っており常備薬にしているとか。
     息子さんが受験生だそうなので、風邪の予防と疲労回復に『柴胡桂枝湯』を紹介し、試験での緊張を軽減するために『半夏厚朴湯』という物がありますとお話したら、実際に息子さんは、緊張すると声がかすれて出にくくなるというので、適応することを説明した。
     まぁ、今回は『小青龍湯』のみの購入だったけれど。

     薬箱を求めてお客様が来店したものの、うちには取り扱いが無くて、代わりに中においておく薬のアドバイスを求められた。
     自分の家じゃ、100円ショップで買ったプラスチックケースに、薬局で買い求めた漢方薬を詰め込んであるんで、こういうマトモな相談は困っちゃうなぁ(苦笑)
     常備薬は、応急として使うものだから容量の少ない物をと提案して、風邪に『パブロンSゴールド』を、お腹に『正露丸糖衣錠』、傷に『バンドエイドウォーターブロック』と『マキュロン』を勧めて、お買い上げ頂いた。
     ちなみに、自分の家だと、風邪だけでも『葛根湯』『麻黄湯』『柴胡桂枝湯』『銀翹散』『川きゅう茶調散』『麻黄附子細辛湯』『香蘇散』と解熱に『地竜』(ミミズの粉末)と、お腹は下痢止めの『即効丸』の他には『半夏瀉心湯』『安中散』『六君子湯』『五苓散』で、傷には『排膿散及湯』を備えている。
     あっ、あと喘息持ちなので『麦門冬湯』『五虎湯』『半夏厚朴湯』も。
     でもこれらを、初見のお客様には勧めにくい。
     というか、『地竜』の入荷ルートが無いんだよなぁ、うちのお店。
     あれば、便利なのに。

     高齢のお客様が、『手首用サポーター』をレジに持ってきて、「水仕事に使いたい」というので、『中山式ゲルサポーター』を案内した。
     ところが、目的は「親指に力が入らないから支えたい」とのことだった。
     どうも親指が腱鞘炎らしく、今まで使っていた親指用のサポーターのゴムが緩んできたため、新しい物を買おうといらしたそうな。
     ありゃん、それだと取り扱いが無いです……。
     入荷できるか調べてみますとお答えしたのだけれど、今日のところは『中山式ゲルサポーター』の手首用を購入された。
     ううん、余計なお金を使わせてしまったなぁ(;´・ω・)