薬の大人向けと子供向けは、用量の違いだけじゃありません

 足の甲が痛むとのことで、お客様から相談を受けた。
 キッカケは分からず、サリチル酸系の温感湿布を使っていて、実際に温めると楽になるそう。
 本人は神経痛と言っていたけど、病院には行っていないそうなので、本当のところは不明。
 ただ、痛みとともに痺れ感もあるらしい。
 鎮痛効果が少し強めて浸透力があるフェルビナク製剤を提案し、血流改善も期待できる『ほぐリラ温感』をお勧めしてお買い上げ頂いた。
 それと、痺れ感については内服薬の『疎経活血湯』を紹介した。
 お客様はお風呂に入らずシャワー派ということだったので、血流改善とマッサージを兼ねるために膝裏や足首などに浴びるよう伝えたところ、足の甲には当てているとのこと。
 それは良いことなので、続けて下さいな(⌒▽⌒)
 そのさいには、あまりシャワーの首を振らずに同じ場所に当てるように伝えた。

 お客様から、乗り物酔いの相談。
 バス旅行らしく、『アネロンキャップ』や『センパア』などは眠くなることを気にされていたので、水分代謝の調整で乗り物酔いを防ぐ『五苓散』と、神経的な症状に適応する『苓桂朮甘湯』を案内してみた。
 でも、以前に子供用の酔い止めを使った時には眠くならなかったそう。
 本人は子供向けの用量だったからと考えているらしい。
 まぁ、酔い止めの主成分からすると確かに子供向けも大人用も内容は変わらないため、そう考えても間違いじゃないんだけれど、それを薬全般のように思われると事故を起こしかねないので、その点は注意してもらうようお話した。
 例えば、成分によっては未発達の脳や内臓に悪影響があり、同じブランド名でも大人向けと子供向けでは内容が全く違うという薬は多い。
 それを、「量を減らせば子供にも使える」と考えたら大変だし、反対に子供向けを多く飲めば適応するかというと効かないなんてこともあるので。
 成分が分かれば同じ物を探せることをお話したけど、覚えていなかった。
 市販薬でも、使った薬は記録をしておくのを習慣づけてもらいたいところ。
 そして漢方薬を酔い止めに使うというのを考えていなかったそうで、お客様はいまいち踏み込めない模様。
 これはもう仕方無いので、『トラベラドロップQQ』を勧めて購入して頂いた。
 d-クロルフェニラミンマレイン酸塩は、眠気が少ないとされているので。
 ただ、吐き気を抑えるスコポラミン臭化水素酸塩水和物は、持続性が無いらしいんだけど。
 これは、効き目に影響すると困るから、黙っておいた。
 乗り物酔いは、酔うと思うと酔うものね。

 やや高齢のお客様が、ご主人の代わりに水虫の薬を求めて来店された。
 患部は足の指で、痒みは弱く、乾いていて白いそう。
 本当は、水虫か分からないところに抗真菌剤を使うのは心配だし、痒みが少ないというのに尿素がかえって刺激になると困るんだけど、頼まれ物じゃ他の痒み止めというのは本人に納得してもらえないかも。
 一度は病院に行ってみるように伝えて下さいとお話して、『ダマリンL』を購入して頂いた。

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