• タグ別アーカイブ: 風邪
  • 見立て違いもありまして

     やや高齢のお客様が『ホッカイロ』を求めて来店され、足の甲の痛みということだったので『桂枝加苓朮附湯』も案内しようかなと思ったら、以前に『疎経活血湯』を紹介したお客様だった。
     『疎経活血湯』は病院で処方してもらったそうなのだが、合わなかったのか効果が出ず、現在は代わりに処方された『芍薬甘草湯』を頓服的に用いて少し効いているとのことだった。
     ありゃん、見立て違いだったかしらん(^_^;)
     季節的にカイロが売っているか心配されていたけれど、通年で置いておきますと伝えた。
     私が初めてこの店に来た頃には、本部の指示で全部返品していたのだが、翌年に上司の目を盗んで保管しておき、その翌年は売り場を確保して置いておいたら、通年で定期的に売れるようになった。
     そりゃそうだよね、梅雨寒の頃や夏場でも冷房が効き過ぎてる施設で過ごした時なんかには必要になるもの。

     お客様が『ベンザブロックS』をレジに持ってきたさいに症状を確認すると、11歳の子供が頭痛を訴えていて、いつも鼻から風邪になるため選んだというのだが、今は頭痛だけというお話から『バファリンルナJ』を提案した。
     すると、成分を『バファリンA』と同じだと思われているようだったため、病院で子供用の解熱鎮痛剤として処方される『カロナール』と同じことを説明すると、自分が処方された分が家にあるとのことだった。
     自分に処方された薬を、家族とは言え他の人に使うのはもちろん好ましくない。
     なので、『葛根湯』を提案し、改善しなければ『カロナール』の使用を検討するということをお話しして、『葛根湯』をお買い上げいただいた。
     あと、食欲があっても食事の量は控えるように伝えたところ、すでに食べた後だった。
     消化にもエネルギーを使うから、風邪を治すエネルギーが消化に取られちゃうのが困るんだけど、まぁ仕方がない。
     この後は、安静にさせてくださいな。

     お客様から『ナイトミン』(酸棗仁湯)の効果を効かれ、不眠の状況を確認したところ、寝つきが悪いというよりウツラウツラと眠りが浅く疲労感があるというお話だった。
     眠りが浅いのは胃か心臓が弱っていると考えられるので、疲労感を伴う不眠に『酸棗仁湯』は適用するだろうと考えられる。
     ただ念のため、比較としてイライラして眠れない場合は肝臓を助ける『柴胡加竜骨牡蛎湯』と、些細なことが気になって眠れないような胃を悪くしている場合には『桂枝加竜骨牡蛎湯』をと紹介したうえで『ナイトミン』をお買い上げいただいた。

     

  • 勝率3割は高いか低いか

     やや高齢のお客様から、水虫の薬をとの注文を受け『ダマリンL』を案内したうえで菌の有無を確認したところ、水虫になったのは10年以上前のことで今は痒くもないとのこと。
     それならどうして薬をと思ったら、予防薬が欲しいというお話。
     予防薬は無いことと、予防法としては殺菌消毒の薬用石鹸を使うよう伝えたところ、公衆浴場の足拭きマットなどが気になっているようだった。
     そういうことだと、やはり家に帰ってから足だけを洗うくらいしか対策は無いかも(^_^;)
     ただ、洗いすぎて体を守る常在菌がいなくなってしまうのも好ましくないことを説明した。

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     夫婦の客様から、湿布剤の種類と効果を尋ねられたので、鎮痛剤の強弱と浸透力の違いを説明した。
     いわゆる『トクホン』や『サロンパス』はサリチル酸製剤で、鎮痛効果は一番弱いものの、肩こりなどで常用するのであれば、弱い物から段階を踏んだほうが良い。
     鎮痛効果の強い物に慣れてしまうと、その先が無いので。
     そして、市販薬で鎮痛効果が真ん中ほどである一方、浸透力があるのがフェルビナク製剤。
     もっと鎮痛効果があって有名なインドメタシン製剤との治験データによると、効き始めの早さと継続時間の長さからすると、インドメタシンよりも有用なケースが多いそう。
     ただし、浸透力があるということは血液中に薬剤が混入する割合が高いとも考えられ、安全上過度な心配は無いものの、妊娠中や授乳中の女性は避けたほうが良いという見解もある。
     その点からすると、浸透力で劣るインドメタシンは、そういうケースでこそ有用ということになる。
     そして鎮痛効果が強く浸透力も高いのがジクロフェナクナトリウムで、打撲やギックリ腰といった急性症状には短期決戦で臨むのが良い。
     冷感や温感は、現在では初期症状にはあまり関係無く、薬剤の種類のほうが大事。
     ただ、お風呂に入ったりすると症状が軽減するのであれば、温感を選ぶ意味がある。
     あと、「肌が弱いから」という理由で、鎮痛効果の弱い物を選ぼうとするお客様は多いが、実のところ肌の敏感さと薬剤の強さは必ずしも関係しない。
     アレルギーがそうであるように、相性のほうが重要なため、主成分ではなく添加物に反応している事もあるので、成分表示は残しておいてもらいたいところ。
     また、現在のところ湿布を貼ることによる皮膚炎は、成分によるアレルギー性皮膚炎よりも、「貼る前に皮膚についていた物質」を「湿布剤で患部に封入」したことによって起こる刺激性接触皮膚炎の方が多いとされている。
     要するに、一度湿布を貼った後に入浴などをして貼り替えるのは多くの人がやるとしても、最初に貼るときに先に患部を洗うのを怠ると、かぶれやすいということ。
     今回の患者は奥さんで変形性関節炎と診断され、以前に病院で『モーラステープ』を処方されたそうだが、効いた感じがせず、その後は病院に行っていないという。
     ううん、『モーラステープ』はケトプロフェン製剤で、ロキソプロフェン製剤の『ロキソニン』と同じくらい強いから、それが効かなかったとなると、先に挙げた製剤ではどれも効き目が弱いかも……。
     ただ、これまた薬が効くかどうかは相性なので、実は鎮痛効果の強さと浸透力だけでは確定できないのだ。
     今までの話は、なんだったのかと自分を小一時間問い詰めたいσ(^◇^;)。
     ご本人が、これまで使ってきた中では『トクホン』の方が効く気がすると選ばれて購入を決めた。
     でも、処方された薬が効かなかった場合には、担当医に伝えるのも大事なことをお話しした。
     病気を治すには医師とのコミュニケーションは大事だし、同じ病院で使用した薬の効果を伝えれば、それは記録に残る。
     記録というのは積み重ねていかないと意味が無いので、報告はしたほうが自分のためにもなるのだ。
     一発でバシッと治してもらいたいという気持ちは分かるけれど、実のところ薬が効く確率は30~60%とされている。
     つまり最低値では3人に1人にしか効かないし、最高値でも3人に2人が効けば良い方。
     ということは、薬を使うというのある意味、博打のようなもの。
     じゃあ、初めから薬なんか使わないという選択もある訳だけれど、例えば薬の場合の副作用が起きる確率は、添付文書に「まれに」と書いてあれば0.1%以下、「ときに」と書いてあれば……0.1~5%未満だから1,000人に1人以下で、そこからすれば勝率が30%に賭けるのは悪くない選択のはずである。
     そして、成分を確かめて乗り換えるのは、その勝率を上げることであり、記録を取っておけばさらに勝率は上がる。
     もし担当医の態度や性格的な相性に不満があるのであれば、医師なんて腐るほどいるんである。(大失言)
     1回で諦めずに、他の病院を頼ってみて勝率を上げてもらいたいと思う。

     お客様から、『パブロンSゴールドW』と『パブロンSα』の違いを尋ねられたので、前者は痰の絡む咳に向いていて、後者はコンコンと繰り返す咳に適応することを説明した。
     すると、主訴は鼻水と喉の痛みということで、『パブロン』シリーズよりも『ルルアタックNX』を紹介したが、家族で同じ薬を使いたいらしく『パブロンSゴールドW』を購入された。
     う~ん、お客様本人は自分の選択だからそれで良いとしても、家族には各自で薬を選んでもらいたいところ(^_^;)
     家の薬を、家族の誰かに任せっきりにしている人は多そうだ……。

     お客様が『葛根湯』を購入されるさいに、喉の痛む風邪や咳、発熱をしてしまってからでは適応しないことを伝えると、喉の痛みにいつも使っているというので『桔梗湯』を紹介した。
     まぁ、『葛根湯』も熱を散じるので喉の痛みに効かなくはないけど、先の話で言えば、上半身を温める『葛根湯』よりも、『桔梗湯』で冷やした方がバシッと決まる確率が上がる。
     あと、喉の痛みは花粉症や胃炎などでも起きることを伝えると興味を示されたので、『葛根湯』は風邪の予感がする時に早め早めに服用して予防的に仕えることを説明すると、『葛根湯』『桔梗湯』をお買い上げいただけた。
     なお、喉の痛む風邪の初期には『銀翹散』が適応するけど、鼻水が出ているような体が冷えている時には使えないから、体を温めつつ喉を冷やしたい場合には、『葛根湯』『桔梗湯』の併用がお勧め(*´∀`*)

     

  • 患者さんに合う物をコーディネートするということ

     お客様から、成人の息子さんの鼻づまりに漢方系でと指定された。
     しかし、症状を確認すると「花粉症ではない」と言うものの、鼻づまり以外の症状は不明。
     こういう時は、現代薬の方が選ぶの楽なんだけどな(苦笑)
     とりあえず、風邪にも花粉症にも使える『葛根湯加川きゅう辛夷』を案内してお買い上げいただいた。

     やや高齢のお客様から、成人の息子さんがだるさを訴えているということで「感冒薬でいいんだけど」と注文されたが、本人からは電話で頼まれたという以外に詳しい症状は分からない模様。
     疲労はしているみたいというお話からすると、総合風邪薬は勧めにくい。
     解熱鎮痛などの薬は神経に働きかけるから疲労感が増すし、現代薬の風邪薬には疲労の面倒を見れる物は無い。
     だから、風邪薬と一緒に栄養ドリンクをという使い方が世間に流布する訳で。
     そう説明して、風邪にも疲労にも使える『柴胡桂枝湯』を案内して、お買い上げ頂いた。
     それと、本人に食欲はあっても量を控えるように伝えた。
     疲労している時に栄養をつけようと思って食べ過ぎると、消化をするのに余計に体に負担が掛かるので。

     風邪薬の棚で『銀翹散』を見ていたお客様が『新ルルA錠s』を選ばれたので、症状を尋ねてみた。
     『銀翹散』は喉の痛む風邪の初期に適応するもので、『新ルルA錠s』は総合風邪薬としては咳止めに偏らせたものだから目的が違う。
     すると、高校生の息子さんが喉の痛みと微熱を訴えているらしい。
     咳は無いそうなので、現代薬なら『ルルアタックEX』の方が適応しそうなことをお話ししたところ、『銀翹散』との違いを質問されたので、風邪との喧嘩を止めさせて症状を抑えるのが『ルルアタックEX』(名前はアタックだけど)で、体と一緒に戦うのは『銀翹散』ですと説明。
     一般論としては、現代薬で風邪との戦いを一時休戦に持ち込むと、症状はすぐに収まっても持久戦となって長引いたり、ぶり返しやすくなる可能性があるため、後々のスケジュールを考慮したほうが良い。
     明日は休めるということで、『ルルアタックEX』を購入された。

     お客様から、初めに『ノーシン』の場所を尋ねられたので棚を案内し、『ノーシン錠』と『ノーシンAI』を紹介すると、後者の購入を決められた。
     単純に解熱鎮痛効果の高さだけを考えた場合は、『ノーシンAI』の方が期待できるので。
     すると、『葛根湯』も一緒に買おうとされたので、咳や喉の痛む風邪や、すでに発熱している風邪には適応しないことを説明したところ、数日前から咳と頭痛があるというお話だった。
     そして、ちょうど咳をされたので、その音を聞くと『麦門冬湯』が適応しそうなカラ咳だったため案内してみると、『ノーシンAI』と一緒に服用して良いか質問され、咳が胃炎とも関係することから、むしろ一緒に服用するのが望ましいことを説明して、お買い上げ頂いた。

     

  • 買わなくたって良いんですよん

     うがい薬を求めて来店した、やや高齢のお客様に現に喉が痛む時には避けるようお話ししたところ、イガイガするとのことだった。
     風邪で病院から処方されている薬があるらしく、内容は覚えていないようだが抗生物質は出ているようなので、副作用で体内が乾燥してる可能性を伝えて『麦門冬湯』を紹介した。
     担当医からは、うがいを勧められたそうだが、それも薬を使っての話ではなかったそう。
     だから私からも、水道水で十分なことをお話し、本日は何も買わずにお帰りになった。

     お客様から、11歳の子供が一週間くらい前から便秘で出口の便が固く、後は軟便とのことで『コーラックファースト』の効果を尋ねられた。
     もちろん適応はするが、便秘の状況からするとストレス性と考えられることをお話して、『桂枝加芍薬湯』も紹介した。
     本当は、子供には水飴の入った『小建中湯』があると良いのだけれど、うちのお店には置いていない。
     お客様は子供にストレスは思い当たらないと言っていたが、ストレスというのは楽しいことも含まれる。
     興奮することが、内臓の負担になるので。
     子供を旅行に連れて行くと、便秘するのはそういうことなんである。
     そうお話すると、腕白坊主であるらしい。
     腕白坊主にストレスが無いとは、限らないのだ。
     そしてお客様は、便秘薬を使うことでの腹痛などについて心配されたため、整腸剤に『ザ・ガード』も紹介した。
     しかし、薬を使うことそのものにも迷いがあるようだったので、温かい牛乳を提案したらヨーグルトで試してみるとのことで何も購入せずにお帰りになった。
     ストレスがあるのは、親であるお客様の方かもしれんなぁと思ったり。

     お客様から、片手で張り替えできるガーゼを探してると相談を受けた。
     祖母のガーゼを交換していた母親が片手を骨折してしまったそうで、『ワンタッチパッド』を案内したのだけれど、お客様が電話で母親に訊いたところによると、探してる物と違うらしく、改めて調べてみますと帰られた。
     母親は、看護師からそういう物があると言われたようなのだが、なにしろ製品名が不明。
     片手で張り替えができるのは便利そうだから、あるのなら仕入れてみたいのだが。
     しかしなんだ、今日は何も買われないまま帰られてしまうな(´・ω・`)←ほとんど自滅

     中学生の親子が、金具の包帯止めを探しに来店した。
     あいにくと置いていないので、紙テープと包帯を案内するとそちらをお買い上げ頂いた。
     子供は足を打撲して、患部が腫れて水が溜まっていると診断されたらしい。
     水分代謝と血流促進のために、食事は夏野菜を避けて根菜と豚肉に思いっきり偏らせるよう勧めた。
     なんだか、私がトン汁好きみたいである。
     いや、好きだけど。

     

  • イメージが先行する薬

     高齢のお客様が来店し、ご主人が退院してきて口内炎のようだというお話で相談を受けたのだが、どうも舌が乾くか炎症している模様。
     本人は唾が出るように「ガムでも」と頼んだらしいのだけれど、入れ歯だという話なので抗炎症剤であるアズレンの『のどスプレー』を提案してみたものの、病院から処方されている薬が多いようなので、お薬手帳を見せていただくか病院に市販薬で使って良いものがあるかを問い合わせてみるよう勧めた。
     ところが、処方された薬をお薬手帳には一切記入していないようだった。
     お薬手帳に記載しないと点数が付かず、それにより料金が少し安くなるということの弊害。
     本日のところは、お買い上げなし。

     『セイロガン糖衣錠A』をレジに持ってきたお客様に、『正露丸』との違いを説明したところ、下痢止めと考えているようだった。
     『セイロガン糖衣錠A』は、『正露丸』から抗炎症の成分を抜いており、シクシク痛むような場合には効果が弱いと考えられる。
     『正露丸』は基本的に飲む消毒薬みたいなもので、食中りの場合には腸を消毒しつつ下痢は止めずに原因となった菌やウイルスを体外に排出するほうが良い。
     もし、あくまで下痢止めとして『正露丸』を使うのであれば大幸薬品ではなく、ロートエキスが入っているイヅミの『正露丸』の方が向いていることを説明した。
     本日は、そのまま『セイロガン糖衣錠A』をお買い上げ。
     別に大幸薬品の『セイロガン糖衣錠A』のネガティブキャンペーンをしている訳ではなく、あまり知られていない話題を振ることで、神経性の下痢など本当に『正露丸』が適応しない症状の患者さんを見つけたり、他の相談をしてもらえるようにするための演出みたいなもんである。

     お客様から、最初に「リコリスある?」と訊かれて、「花の名前ですよね」とボケた返答をしてしまった。
     全薬工業の液剤の風邪薬である『新リコリス』だと分かり、置いていないことを説明し用途を尋ねると、主訴は咳と疲労というお話だった。
     そこで、胃薬も兼ねているから疲労にも対応できる『麦門冬湯』を紹介すると、「薬は嫌」というお返事。
     どうやら『新リコリス』は液剤なので、栄養ドリンクと考えていたらしい。
     試しに、成分に麦門冬が入っている栄養ドリンクの『新ヒストミンゴールド液』を案内してみたら、まとめて購入された。
     一応ドリンク剤も、薬なんだけどね。
     咳については、体内が乾燥している可能性を伝え、胃炎が原因かもしれないというお話をして、消化の良い食事をするよう勧めた。

     

  • 個人輸入代行の薬はコワイよ

     やや高齢のお客様が『パブロン鼻炎カプセルSα』を2箱購入されるので、まとめ買いは好ましくない事と長期連用は避けるようお話ししたところ、 以前は『アネトンせき止めZ錠』を繰り返し使っていて、その目的は元気になるためだという。
     ミ( ノ_ _)ノ=3ズコーッ!!
     要するに、副作用として現れる興奮や反対の倦怠感を目的にしているのだ。
     この手の目的外使用に対しては販売を拒むのが本筋ではあるが、ちょうど近くで上司が作業していて販売を拒むこともできず。
     しかも、お話を聞くと『アネトンせき止めZ錠』では便秘をしたから『パブロン鼻炎カプセルSα』に乗り換えようと考えたという。
     便秘もまた副作用と考えられるし、それは『パブロン鼻炎カプセルSα』でも同様になる可能性があるとお話ししたが、そのまま購入されてしまった。
     そのうえ何故か、『バイアグラ』を個人輸入の業者から買ったということを自慢された。
     個人輸入の6割以上が偽物の薬という話もあるから、『バイアグラ』は病院で処方してもらうよう勧めると、「大丈夫」「めんどくさい」と受け入れてもらえなかった。
     なんたる敗北感……orz

     お客様から「強い風邪薬を」と注文され、発熱があるのかを尋ねると熱感はあるというのだが計ってはいないとのこと。
     主訴は鼻づまりと疲れ、そして熱感は微熱というところだろうか。
     風邪薬に強いも弱いも無いことを説明し、この後に休めるのなら現代薬を、休めないなら体力維持のため漢方薬をと提案した。
     というのも、風邪で起きる症状のうち発熱はウイルスの活動を鈍らせながら免疫機能を高め血行を良くすることで生命活動を活発にして、咳や鼻水などはウイルスを追い出すためだから、それらを薬で止めるというのは長期戦に入ることを意味する。
     確かに症状が抑えられると身体感覚としては楽になるが、ウイルスの活動を止められる訳ではないため、薬の効果が切れれば症状がぶり返すうえ、服用した薬の処理にも体力を使うことになり、疲労感は残る。
     漢方薬を使う場合は、一部に例外はあるものの『葛根湯』は上半身を温めて血行を良くすることで風邪と戦う体を支援し、『麻黄湯』は武器弾薬を補給して戦いを有利に運び、『柴胡桂枝湯』は損傷箇所(主に胃と肝臓)をメンテナンスして体力の低下を防ぐ。
     また、明日は用事があるというのであれば今夜は漢方薬で体には戦ってもらって、朝起きてから現代薬に乗り換えて表に出ている症状を軽減し、帰ってきてからまた漢方薬に乗り換えるという方法も考えられる。
     今回は、休めそうにないというので『葛根湯』で自身と一緒に戦うか、『柴胡桂枝湯』で体力を下支えするかという選択肢を挙げたところ、疲れてるというお話から『柴胡桂枝湯』を使っていただくことになった。
     微熱というのが曲者で、多くの人が微熱を「風邪の初期」と考え油断してしまいがちだが、疲労感があるようなときは、「熱を出す体力がすでに無い」という可能性がある。
     その場合、微熱が続くわりに症状が激しくならないため、さらに無理をして肺炎に進むケースもあるので気をつけてもらいたい。
     ええ、私なんですけどねソレやったの(;´Д`)

     高齢の父親が便秘ということでオリゴ糖を求めて、お客様が来店。
     しかし以前に、亡くなった母親に処方されていた漢方薬を使った時には良くなったというお話が出た。
     内容は覚えていなかったが、ツムラの青い帯のようなので『桂枝加芍薬湯』と予想されることと、他に『潤腸湯』というものがあることを紹介し、担当医に相談してみるよお勧めた。
     そこまで話したところで、父親は糖尿病を患っているという話が出た。
     オリゴ糖は消化されにくいため、だからこそ便秘への効果が期待されるわけで、だからこそ血糖値が上がりにくく糖尿病患者には最適。
     とはいえ、それを知っている様子ではなく知人から勧められたということから、まずは担当医に相談したうえでと伝えた。

     

  • 医者をドコで信頼するか

     3歳の子供の咳に病院で処方された薬が効かないということで相談を受け、現物を持ってきていたので調べたところ、咳止めの他にアレルギーの薬も出ているようだった。
     担当医が抗生剤を出してくれなかったと不満を漏らされたけど、それは悪いことではない。
     抗生剤は菌を倒す薬であって風邪の原因となるウイルスにはそもそも効かないし、主訴が咳だけだというのであれば抗生剤を使う理由がそもそも無い。
     そして、抗生剤は副作用として体の中を乾燥させてしまうため、咳を悪化させてしまう可能性すらある。
     薬が効くかどうかは相性も関係するから、効かなければ乗り換えを検討する必要はあるものの、安易に抗生剤を出さないその医師は信頼できると思う。
     そうお客様には説明したうえで、喘息があるようだったため胸に塗る『ヴィックスヴェポラップ』と体内を潤して咳を止める『麦門冬湯』を紹介したところ、後者を購入された。
     そして、処方された薬はおくすり手帳に記録しておくことと、購入した薬も一元管理するよう勧めた。
     特に、アレルギーのある子供には重要な事である。

     のどスプレーとトローチを買いにいらしたお客様に、消毒系と抗炎症系があることを説明すると抗炎症のアズレン製剤である『パブロントローチAZ』の購入を決められた。
     また、主訴の喉の痛みは強くはなくガサガサする感じがするというお話だったから、体内の乾燥が原因と考えられることを伝えて『麦門冬湯』を紹介しようと思ったものの、コーラスをしているというお話から『響声破笛丸』を紹介し、一緒に購入していただいた。

     親子で来店し、成人の娘さんが『イボコロリ』を買うか迷ってる様子だったので話を聞いてみると、娘さんの手にイボができているとのこと。
     痛みは無いという話だがイボは見た目に大きく、『イボコロリ』は患部の皮膚をわざと腐らせて新しい皮膚が早くできるよう新陳代謝を促すという作用の物なので、手に塗るのは好ましくない。
     絆創膏で覆ったとしても、うっかり目をこすってしまうと大変だ。
     そう説明したうえで、ニキビ用の『ペアアクネクリームW』を紹介しつつ、病院の受診を勧めた。
     娘さんに患部を触らないようにと話すと、「でも、つい触っちゃうのよねぇ」と言いながら何度も何度もグリグリと触られて困ってしまった。
     や~め~て~(;´Д`)
     病院に行ってみるとのことで、本日はお買い上げは無し。

     喉のつかえ感がするというお客様から、「テレビで見た薬を」と注文されたのだが銘柄は覚えていないようだった。
     でもまぁ、主訴からすると『半夏厚朴湯』だろうから、そのうえでテレビCMをしているとなると『ストレージH』だろうとを案内すると間違いないようだった。
     すると、『ストレージH』ではなく『半夏厚朴湯』を購入された。
     あれ(笑)?
     本部から送り込まれた『ストレージH』が、売れ残ってるんだけどな(^_^;)

     

  • 病は気から? 治すための思い込みは大事

     風邪薬を買いに来たお客様の、喉の痛みと発熱という主訴から判断し『ルルアタックEX』を案内したところ、お客様自身は『エスタックイブFT』が目に付いたようだったので、処方による効能の違いを説明した。
     『エスタックイブFT』にも解熱鎮痛剤のイブプロフェンが入っているから悪くないものの、喉の炎症を抑えるトラネキサム酸は欲しいところ。
     すると、実は『ベンザブロックLプラス』を服用し始めたばかりで家に残っており、痰も絡むというお話があったため継続してみるよう提案し、本日のところはお買い上げは無しとなった。

    【第2類医薬品】【タケダ】ベンザブロックLプラス 30カプレット【かぜ薬】【武田】

     コレステロールのLDL値が高いということで相談を受けたが、170くらいだそうなので心配はいらないと思われることを伝えた。
     昔とは基準も変わってきているし、LDLが直接的な悪さをしているのではなく、血管の修復をしていることが研究で分かっているので、定期的に情報を調べることが肝要なことを話した。
     まぁ、その情報のアプデートが大変なんですけどね。
     Windows10の自動アップデートは困るけど、知識を手軽にアッフデートする方法は無いものか。
     でもそうすると、時に誤ったアップデートでシステムエラーなんてことになるかも。

     お客様から、外用消炎剤の価格と効き目に関して質問されたので、必ずしも相関関係は無いことと、成分による効能の違いを説明した。
     主訴は、右手の先から肩までの痺れと痛みというお話。
     原因として寝違えが思い当たるようだったから、内服薬として『疎経活血湯』を紹介した。
     また、外用消炎薬については患部の範囲が広く、効果の面から浸透力のあるジクロフェナクの塗り薬を勧めたが、迷っている様子から予算面を考え『トクホンチールOX』を案内すると購入された。
     主成分は『トクホン』や『サロンパス』と変わらない鎮痛作用の弱いサリチル酸メチルだけれど、局所麻酔のdL-カンフルが加わっている点を強調して伝えた。
     上手く暗示にかかってくれれば、効果を感じてくれるかもしれないので。

    【第3類医薬品】ハピコム トクホンチ-ル OX 82ml

     『コリッシュ』(治肩背拘急方)を購入されるお客様に使用経験を尋ねてみると初めてというお話だったので、上半身を温めて血行を良くする『葛根湯』と違い、水分代謝を改善して胃の働きを良くすることで肩こりを治すことを説明してお買い上げいただいた。
     この場合も、作用機序を説明することで効果を高めるのが狙い。
     胃が悪くなると俯きがちになり、ボーリングの玉を片手で斜めに持って支えるようになる事により起きる肩こりは、デスクワークの多い現代では少なくないのだ。
     なにしろ、薬を使わずに肩こりを軽減する方法の一つは、意識的に天井を見上げる時間を作ることだと云われてるくらい。

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  • 無駄弾を撃たないように気をつけよう

     先日、花粉症の鼻炎(鼻づまり)に『葛根湯』を購入しようとしたところを『葛根湯加川きゅう辛夷』に変更して頂いたお客様が再訪。
     鼻炎は楽になったそうなのだが、今度は喉に痛みがあるということから『桔梗湯』を勧めた。
     常備薬に『葛根湯』も買って頂けるというので、喉の痛みむ風邪のさいには『桔梗湯』と併用すると効果的なことをお知らせした。

     花粉症に『アレグラ』を求めて来店したお客様に、取り扱っていないことを伝えた上で『アレジオン』を類似品として案内してみたところ、以前に使ったことはあり、口渇が起きたとのこと。
     どちらも予防薬なことは理解されていて、迷った末に『アレジオン』を購入された。
     花粉症は、体温が低いと症状が激しく出がちなため、体を温めるように勧めるとそれは知らないようだった。
     免疫反応の誤動作によって花粉に過度な攻撃をするのが花粉症で、人間の体は風邪でも骨折でも、まず体温を上げて外敵のウイルスや菌を倒したり血流を良くして患部の修復を図るから、体温を意図的に上げてやると攻撃の手を緩め、結果として症状が軽くなる。

     上記の話を近くで聞いていたというお客様から、よく花粉症の後に風邪をひいてしまうという相談を受けた。
     花粉症は免疫反応の異常により花粉をウイルスなどの外敵と間違えて攻撃するという説明はさっきと同じで、無駄に体力を消耗し武器弾薬が尽きたところを本物のウィルスに襲われるとひとたまりもないという喩え話で説明した。
     そして免疫反応を正常化するにもウイルスに対抗するのにも、体温を高めに保つようにするのが大事なことを話したところ、冷え性でもあるというので、なおさら長めの入浴をしたり夏野菜を避ける食事が必要ですと伝えた。
     風邪の時に風呂に入って良いのか疑問に思われたけれど、あれは日本家屋がまだ風通しが良すぎて湯冷めが心配だった頃の話なのです。
     まぁ、うちの家なんかは何処からともなく隙間風が入るから、油断はできませんが。

     

  • 本当に丸ごと野菜のポトフ

     やや高齢のお客様から、食事が不味いという相談を受けた。
     最近受けた相談の中では、格段に難しい(・_・;)
     亜鉛は飲んでいるそうだけど、喉に通る前の口に入れたときが味気無いとのこと。
     機能の低下を考え『竹茹温胆湯』を案内してみたところ、パッケージに疲労とあるため「疲れてはいない」というお話だったが、乗り換え先として『安中散』『四逆散』の合方の『爽和』を紹介した上で、試していただくことになった。
     というのも、詳しくお話を訊くと息子さん夫婦と同居するようになってからのようで、環境の変化によるストレスが原因とも考えられたから。
     また、食事量も減っているそうなので、『メイバランス』のコーンスープを案内して、一緒にお買い上げいただいた。
     後で調べてみると、機能の低下なら『六君子湯』が、気力の減衰があるのなら『補中益気湯』も味覚障害の候補になるようだ。
     この辺は、正式な効能には無いことだから、もっと勉強しておかないとなと反省(´・ω・`)

     『葛根湯』をレジに持ってきたお客様に、咳と喉の痛みや発熱には適さないことを伝えると、鼻の奥が痛くなり鼻づまりを起こしているとのお話だった。
     花粉症かもしれず、『チクナイン』(辛夷清肺湯)を考えたが、鼻汁は喉に落ちてこないというので『葛根湯加川きゅう辛夷』を案内して、お買い上げいただいた。
     『葛根湯』は有名ではあるが、『葛根湯』の変方があることを知らなかったと驚かれた。
    「風邪には葛根湯」とも云われるから選んだんだろうけど、私からすると上半身を温める『葛根湯』を、上半身に熱が篭って起きる鼻づまりに使われることの方に驚く。
     これはどんな分野にもある話で、イメージに左右されると判断を誤ってしまうということでもある。
     私も、自分が素人な分野では、ちゃんと専門家を頼るよう気をつけよう。
     そうそう、お客様には体を温めるよう勧めた。
     上半身に熱が篭って鼻づまりを引き起こしてるのに逆に思われるかもしれないけど、体のほうには炎症を起こして温めたい理由があり、しかし現代では普段の飲料水も冷たかったりして体を冷やしがちであるため、体は「もっと炎症を起こさなきゃ」と頑張ってしまう。
     だから、長めに入浴したり温かい物を飲んで積極的に温めることによって、体が自分で「頑張って温めなくてもいいんだ」ということを学習してもらうためである。
     ただし、やはり鼻づまりは上半身に熱が篭ることであるし、熱は上昇するものなので、温めるのは下半身。

     夫婦のお客様が来店し、ご主人が『チョコラBB』や『ハイシー1000』などを見ていたが、声を掛けて用途を訊いてみると、白ニキビだったので『ペア漢方エキス錠』(桂枝茯苓丸)を案内した。
     『ペア漢方エキス錠』は女性向けと思われていたようだけど、血流を改善して不要物の回収と栄養の配布をすることの重要性を説明した。
     血流が大事なのは、男も女も同じなんである。
     あと、ご主人は肉食に偏ってると言うので、『チョコラBB』のようなビタミンB剤の併用か、豚肉かラム肉を摂るよう勧めた。
     すると奥さんから、ご主人が野菜嫌いな理由を「味が薄いから」と知らされた。
     そこで、人参やジャガイモを丸ごと煮込むポトフを提案した。
     うちの奥さんなんかも、煮る時間を短く済ませるためか硬い部分を残さないためか野菜を小さく切りがちなんだけど、それをやると野菜の旨味はスープに出てしまって、スープは美味しくなっても具の野菜からは味が抜けてしまう。
     野菜そのものが嫌いだというのでなければ、皮だけ剥いて丸ごと煮てしまい、煮えてからナイフや菜箸で切り崩すと、野菜の味が具に残る。
     ただし、その場合は今度はスープに味が足りなくなるので、その点はコンソメの素などで補うか、ポトフ用のスープを使うと良いだろう。
     煮る時間は長めになるものの、野菜を細かく切る手間は省けるし、鍋に蓋をしてコトコトと時間を掛けて煮ると、ナイフなんか使わなくても、人参なんかスプーンやオタマでも崩せるくらい柔らかくなる。
     やったことの無い人は、切り分けた野菜を煮た時と、丸ごと野菜を煮た時とでの味の違いに驚くと思う。
     あっ、キャベツは流石に四つ切りくらいにします、念のため(・_・)ノ

     8歳の子供が咳をしているということで、お客様から子供用の咳止めを注文された。
     『ムヒのこどもせきどめシロップS』を案内したが、詳しく訊いてみると乾いた咳をしているということと、粉が飲めるというので『麦門冬湯』を勧めて使っていただくことになった。