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  • 善い顔をした悪がいる、悪い顔をした善がいる

     お客様から、最初は「善玉菌に効くヤツを」と注文されたので『新ビオフェルミン』かなと思ったんだけど、「違う」というので詳しく訊いてみると検診で悪玉コレステロールの数値が高かったらしい。
     ただ最近では、悪玉コレステロールの考え方も変わってきている。
     血管がボロボロになっていたりした人の血液中から発見されたため、当初は悪玉コレステロールが原因と考えられて「悪玉」と命名されてしまったけど、研究が進み実は血管を修復していることが分かってきた。
     倒れてる人のところに救急隊員が駆けつけたら、犯人扱いされるようなもんである。
     つまり、悪玉コレステロールの数値が高いのは、血管を修復しなければならない事態が起きているのは確かだから対策は講じなければならないけど、悪玉コレステロールを減らすという考え方は正しくない。
     そう説明すると、「言ってることは分かるかるけど、テレビで宣伝してるのが欲しい」と言われた。
     でも、その銘柄については分からないようで、どうしたら良いものやら。
     健康食品の『コレスケア』なども違うというので、医薬品のコーナーに案内すると『ナイシトール』(防風通聖散)を見つけて「これだ!」という。
     分かってみれば、なぁんだ『防風通聖散』かとガッカリ(笑)
     お客様には、運動もした方が良いか訊かれ「もちろんです」と答えた。
     そして、『ナイシトール』の働きが内臓に運動させるイメージですと説明した。
     以前に、カップルらしきお客様が来店して、女性の方は興味を示している様子だったのに、男性の方が「ただの便秘薬だよ」とかテキトーな説明をしていてイラッとしたことがある(ー_ー;)
     『防風通聖散』は、ある意味無茶な処方で生薬構成を見てみると、冷やすは温めるは血流を良くするは抑制するは保水して利水するは興奮させて鎮静するはで、その生薬は18種類にも及ぶ。
     確かに主な効能は便秘の解消ではあるけれど、体の方は代謝するのに運動を強いられるようなもんである。
     つまり、「内臓に運動をさせる」から「脂肪を燃焼させる」のだ。
     ただ漢方的には、生薬の種類が増えるほど総合的な効果は穏やかになるという性質があるため、劇的な効果を期待するとガッカリするかもしれない。
     特にダイエット目的の場合は、1週間程度のお試し版が市販品にありますが、3ヶ月くらいは続けるつもりで。
     そうなると、病院に行って処方してもらった方が、診察料込みでも保険の適用で安上がりになるかも。

     5歳の子供が鼻づまりということで、お客様から相談を受けた。
     花粉症かは分からず、しかし他に風邪の兆候は無いようなので、『ムヒのこども鼻炎シロップS』を案内したが、粉も飲めるとのことから『葛根湯加川きゅう辛夷』を紹介し、お買い上げいただいた。
     あと、寝苦しそうにしているというお話だったので、首の横の頸動脈を押さえる方法と、深呼吸をしてから息を止め頭を軽く振る方法を教えた。
     鼻が詰まりやすい人は、お試しあれ。

     中国人と思われる夫婦のお客様が来店し、足の痒みについて相談された。
     最初に『ユースキンA』を案内したが、患部は赤くはならないものの痒みは強いとのことでステロイド剤を提案した。
     赤くはないので『ロコイダンクリーム』で良いかなと思ったのだけれど、一番強いのと注文されたので『フルコートf』をお買い上げいただいた。
     まぁ、皮膚薬は強い薬から使って短期決戦で済ませるのが基本ではある。
     ただし、2週間以上は連続使用しないことと、長引くようであれば病院に行くようを話しした。

     

  • 合わなかった薬は記録しておくのが重要

     やや高齢のお客様が風邪薬の棚で迷っている様子だったので声を掛けてみたところ、「風邪薬を選ぶのは難しい」と言われた。
     普段は置き薬を使っていて、それもできるだけ使わないようにしていると言う。
     風邪は基本的に自然に治るものであるから、その対応は良いこと。
     そう答えて話が弾んで、ようやく主訴が喉の痛みだという話に辿り着いた。
     長い(笑)
     喉の痛みだけならばと『駆風解毒湯』を紹介しつつ胃炎の可能性を話して、体内の乾燥を取る『麦門冬湯』を案内した。
     しかし自身の薬は、やはりやめることにしたようで成人の娘さんの鼻水の薬を買いたいというお話になり『小青竜湯』を案内したが、ご自身で『コルゲンコーワ鼻炎フィルム』を購入された。
     お客様は漢方薬は好きだけど、娘さんは分からないそうなので。

     『パブロンSゴールドW』を手にしていたお客様がカラ咳咳をしていたので、『麦門冬湯』が入っている『パブロン50』を勧めてみた。
     総合風邪薬に入っている解熱剤は神経に働きかけるため、体内の保水機能が落ちて乾燥しがち。
     風邪の後に咳だけ残ったという場合は、発熱だけでなく、解熱剤の副作用が原因だったりする。
     しかし、「漢方薬は胃に悪いから嫌」と言われてしまった。
     詳しく訊いてみると、以前に薬局で風邪に勧められた物が合わなかったそう。
     風邪というと、初期に使う『葛根湯』か発熱時の『麻黄湯』だろうか。
     お客様は覚えていなかったため分からないけど、どちらも確かに胃には負担がかかる。
     胃が弱い場合の風邪には、初期に適応する『桂枝湯』か、初期から後期まで『柴胡桂枝湯』で通すのが良い。
     今回は、主訴が咳と微熱で、『麦門冬湯』は胃薬でもあることを説明すると『パブロン50』をお買い上げいただいた。

     お客様から、目の周りの痒みに塗り薬を希望されたが、どんなに弱い薬でもクリームや軟膏の基剤が目に入るのは良くないので、目薬を塗る方法を提案し『ロートアルガード』を案内した。
     しかし、花粉症のようであるものの、目ヤニも出るとのことだったため、『新緑水』の方を勧めてお買い上げいただいた。

     

  • 体の保水力を上げよう

     お客様から、花粉症で喉が痛いと相談を受けた。
     花粉症というと目鼻の症状と思い込んで、喉の痛みや咳は風邪だと思ってるひとが多いから珍しい。
     飲み薬を希望されたから『駆風解毒湯』を案内したが、漢方薬以外でと希望された。
     漢方薬が嫌な理由は、答えてもらえなかった。
     味は生薬によって違うし、効き目が遅いと思われてるなら処方によって違うんだけどね。
     理由が分からないと、フォローのしようがない。
     以前に病院でトラネキサム酸を処方されたことがあるというので、『ペラックT』を勧めるとともに、喉の炎症を抑える物としてアズレンの入った『パブロントローチAZ』を紹介すると、『ペラックT』を購入された 。
     そしてお客様には、体内の乾燥を補うことが必要なことを伝えた。
     具体的には長めに入浴して、温かい物を飲み、体の保水力を上げる。
     冷たい物を飲んでお腹を冷やしていると、排尿する回数や量が増えて水分を逃しがちになるのだ。
     あっ、だからといってダイエット目的に冷たい物を飲んで排尿を増やそうなんてのは駄目ですよん。
     内臓が冷えると、脂肪の燃焼効率が悪くなるので。
     むしろ基本的な保水力が上がれば、水分代謝は良くなるから、むくみは取れます。

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     常連の客様が夫婦で来店し、例年は花粉症に病院から薬を処方されているというのだが、しかし癖になると嫌だから今年は行かなかったそう。
     漢方薬を希望されたため『小青竜湯』を案内してお買い上げいただいた。
     ただ、処方されていたという薬を調べてみると、予防的に用いるものであるうえ、常習性は無い薬なので、そのことは伝えた。
     それから、意識的に内臓を温めるように努めてくださいとお話した。

     夫婦のお客様が花粉症の棚の前で迷っているようだったので、第1世代と第2世代の抗ヒスタミン薬の違いを説明した。
     ザックリ言うと、第1世代は花粉に反応した体に対して反応しないように働きかける。
     それが、喉が渇いたり眠くなる原因。
     第2世代は、そもそも花粉への反応を鈍くするので、眠くはなりにくい。
     ただ、中には副作用に「悪夢」なんてのがあったりするけど。
     お客様は、以前には『コンタック600』を使っていたようなんだけど、効果や副作用について覚えていないようだったので、初めて使う薬は小容量のもので試して、成分表示を取っておくようお話ししたところ、第1世代の『パブロン鼻炎カプセルSα』をお買い上げいただいた。
     温かい物を飲むことと、長めに入浴すること、そして夏野菜を避けることを勧めた。

     『エージーノーズアレルカットC』を購入するお客様に症状を確認すると、主訴は透明でサラサラした鼻水ということだったので、内臓が冷えている可能性を伝えた。
     そして部屋ではなく、自身の体を温めるよう勧めたところカイロでも良いかと訊かれ、良い方法ですと答えた。
     お客様は、体温は高めと言っていたけど、体温と内臓の冷えはまた別なことをお話した。
     ただ、上半身を温めると気持ち悪くなるだろうから、下半身のみ厚着するように勧めた。

     

  • お店で尋ねてみると思わぬ情報があるかも?

     成人の息子さんの花粉症の薬を買いにお客様が来店。
     主訴は鼻水で、花粉症なのは確かという話。
     しかし、以前に何か市販薬を使っていたというのだが、銘柄も使ってみての効果も分からないとのこと。
     眠くなると困るというお話から『ロートアルガードチュアブル』と『小青竜湯』を案内した。
     そして『小青竜湯』は病院でも処方してもらえることを伝えたところ、『アルガードチュアブル』を購入された。
     透明な鼻水は内臓が冷えていると考えられるため、本人を風呂に閉じ込めちゃうぐらい入らせて下さいとお話しした。

     中学生の親子連れのお客様が来店し、肩こりに貼るものを希望された。
     浸透力の良いフェルビナク製剤や鎮痛効果の高いインドメタシン製剤は年齢制限のこともあるため、『サロンパス』を案内したうえで『葛根湯』の服用を提案した。
     結構、塗り薬にも年齢制限があることを知らない人が多いんだよねぇ。
     レジに持ってきてから、念のため誰が使うのかを訊いたら小学生の子供だったりしてビックリすることがある(;´Д`)
     なので、こうして尋ねてもらえると安心。
     今回は、時期的にテストによるストレス性の可能性を伝え、消化に良い食事もお勧めした。
     あと、部活が運動部とのことで筋肉痛の相談を受け、『サロンパス』と成分が近い塗り薬の『ラブ』を案内するとともに、内服薬に『疎経活血湯』を紹介した。
     さっきの肩こりに『葛根湯』もそうだけど、筋肉痛にも内服薬があるんですかと驚かれた。
     あるんですよ(⌒▽⌒)
     今回は、『サロンパス』と『ラブ』をお買い上げいただいた。

     お客様から、咳と喉の違和感の相談を受けた。
     1週間ほど前に風邪で発熱したそうなので、体内が乾燥してる可能性お話しして『麦門冬湯』を案内した。
     また、痰は喉に引っかからずに出るというお話だったから『ブロン錠』も紹介した。
     本日は『麦門冬湯』を試していただくことになり、発熱して胃を悪くしているのが咳の原因と考えられるため、しばらく消化の良い食事をするよう伝えた。

     風邪薬と鎮痛剤と胃薬などをまとめて購入されるので、お客様に常備薬にするのかを確認したところ、家族で使う薬を分けているとのお話だった。
     家族とはいえ、性別・年齢・体質が違うことを考えればとても良い方法である。
     こういう時には、やや大袈裟に「それは、いいですねぇ」と感心してみせる演技をしたり(o ̄∇ ̄)o
     人間、人に褒められたことは継続するので。

     

  • 「かれをすてこれをとるか これをすてかれをとるか 世界の掟てにそむいてきみは かれもこれもすてた」(吉本隆明)

     成人の息子さんの、花粉症の薬を買いにお客様が来店。
     主訴は鼻水で、花粉症なのは確かという話。
     しかし事前に何か市販薬を使っていたというのだが、銘柄も使ってみての効果も分からないとのこと。
     効果を感じたかどうかは、成分から薬を絞り込むのに大事な情報。
     例えば鎮痛薬だって、効能としては「同じ鎮痛」でも、その作用機序は異なるため、効いた物が分かれば同じ成分か似た化学構造を持った薬を選び、効かなかったなら除外するのが得策。
     眠くなると困るというお話から、『ロートアルガードチュアブル』と『小青竜湯』を案内した。
     そして、『小青竜湯』は病院でも処方してもらえることを伝えたところ、『ロートアルガードチュアブル』を購入された。
     鼻水は内臓が冷えていると考えられるため、本人を風呂に閉じ込めちゃうぐらい入らせて下さいとお話しした。
     のぼせやすい場合は、水で濡らしたタオルを頭に載せるか、風呂場の窓やドアを開け放して入るように。

     中学生の親子連れのお客様が来店し、肩こりに貼るものを希望され、年齢制限のこともあるため『サロンパス』を案内したうえで『葛根湯』の使用を提案した。
     お風呂に入るなど、温めて症状が軽くなるようなら、上半身を温める『葛根湯』は有効だ。
     また、時期的にテストによるストレス性の可能性を伝え、消化に良い食事お勧めた。
     今回は服用に年齢制限があるため紹介しなかったが、『コリッシュ』(治肩背拘急方)は温めても改善しない肩こり、特にストレスが思い当たる場合には有効。
     あと、今回の患者さんはスポーツをしているそうで、筋肉痛の相談を受け、塗り薬の『ラブ』を案内するとともに、内服薬に『疎経活血湯』を紹介した。
     筋肉痛に内服薬というのは考えていなかったらしく、たいそう驚かれた。
     やっぱり、認知度は低いのね。
     そして、マッサージも大事なことを伝え『ラブ』を『サロンパス』と一緒にお買い上げ頂いた。
     この場合のマッサージは、力を入れずに親指の付け根で優しく撫でるだけで良い。
     ギュッギュッと力を入れて揉むマッサージが有効なのは、プロかプロに準じる訓練を受けた人がやってこそ。
     素人がやる場合には、撫でるようなマッサージで充分。

     お客様から、咳と喉の違和感の相談を受けた。
     一週間ほど前に風邪で発熱したそうなので、体内が乾燥してる可能性お話しして『麦門冬湯』を案内した。
     また、痰は喉に引っかかるずに出るというお話だったから『ブロン錠』も紹介した。
     同じ名前と効能のような『ブロン錠エース』は、「痰が引っ掛かる場合」に適応するので違いに注意。
     本日は『麦門冬湯』を試して頂くことになり、発熱して胃を悪くしているのが咳の原因と考えられるため、しばらく消化の良い食事をするよう伝えた。
     ただ、消化の良い食事で候補になりやすいお粥は、うどんなどと比べると消化に悪かったりする。
     栄養価が高く、それでいて消化吸収に体への負担が少ない「溶き卵のスープ」がお勧め。

     風邪薬に鎮痛剤と胃薬などをまとめて購入されるので、お客様に常備薬にするのかを確認したところ、家族で使うぶんを分けているとのお話だった。
     家族とはいえ、性別・年齢・体質が違うことを考えれば、とても良い方法であるということを伝えた。

     

  • 治療のバリエーションも検討を

     『ルルアタックEX』をレジに持ってきたお客様に症状を尋ねると、主訴は喉の痛みと鼻水で、発症したのは昨日からとのこと。
     喉の痛みはそれほどではなく、鼻水は透明というから、風邪ではなく体が冷えただけかもしれないため『葛根湯』で上半身を温めてみてはと提案したところ一緒にお買い上げ頂いた。

     『新ルルAゴールドDX』を購入されるお客様に症状を尋ねてみたら、患者は大学生で主訴は喉の痛みだけだそう。
     風邪の前兆として喉の痛みが現れることはあるものの、「喉の痛み=風邪」ではないことは、もう少し世間に認知してもらいたいところ。
     やたら危険な病気を煽る健康番組は、もっと身近な症例にもスポットを当てて欲しい。
     今回のお客様は、家にあった『ルル』を飲ませてみたというのだが、肝心の『ルル』の種類は不明。
     『ルル』シリーズは似た名前の製品が多いのに、対応する効能がそれぞれ違うので結構重要な情報なのだ。
     そのままお買い上げ頂くことになったけど、テスト期間中だというのでストレス性の胃炎も可能性も伝えた。
     もしそうなら喉の痛みだけの『駆風解毒湯』や、ストレスを軽減する胃薬の『半夏瀉心湯』の方が向いている。
     ストレス性胃炎を、喉の痛みと感じることがあるので。

     お客様から花粉症による目の痒みに飲み薬を希望されたので、鼻の粘膜にも効く『小青竜湯』が症状の改善に期待できることを説明してお買い上げ頂いた。
     他の候補としては、アトピー性皮膚炎に使う『十味敗毒湯』も考えられるところだ。
     以前に花粉症に病院から『アレグラ』が処方されていたというのだが、それが効いたか覚えていないという。
     もっとも、『アレグラ』が効果があるのは鼻炎で、目の痒みにはあまり効かないとメーカーの中の人からも説明を受けたことがあるから、あくまで鼻炎を主訴に考えたほうが良い。
     あ、あと息子さんに処方されていた薬を自分で服用していたというのだけど、その薬が何なのかは不明。
     いずれにしても、家族とはいえ他の人に処方された薬をむやみに飲まないでもらいたいところ。

     お客様が『パブロン鼻炎速溶錠』をレジに持ってきたが、患者さんは高校生だそうなので眠くなりにくいものとして『小青竜湯』を紹介してみたところ、母親から勧められて使ったことがあるものの効かなかったという。
     そのままお買い上げ頂くになったけど、相性もあるし本当に主訴に合っていたかも疑問なため、『葛根湯加川きゅう辛夷』も候補になることを伝えた。

     成人の息子さんからウオノメの薬を頼まれたという事でお客様が来店したが、患部の芯の有無や患部の場所などは、「何も聞いていない」という。
     イボやタコと、ウオノメの違いは「芯があるかどうか」である。
     芯があって、患部を押すと痛いようであれば、市販薬で済ませる前に一度は病院を受診して病状を確認した方が良い。
     そうお話すると、一旦帰られてから再度訪問して『ウオノメコロリ』を購入された。
     病院に行くという選択はしなかったけど、ちゃんと本人に確認を取るというのは、重要なことなんである。
     病気を治すのに、手を抜いちゃ駄目。

     

  • 気合だけでは駄目なコト

     お客様から禁煙をしたいとのことで、『ニコレット』と『電子タバコ』について尋ねられた。
     ただ、煙草は年に数回だけしか呑まないけどお酒は毎日がやめられない私としては、依存は心の問題でもあるため禁煙外来を受診するよう勧めた。
     すると、以前に禁煙に成功したそうで「やっぱり気合ですよね」と言われた。
     残念ながら、心理学的には気合を入れて禁煙しよう思うと「吸いたい気持ち」にも気合が入ってしまい失敗の原因となるのだ。
    「気合が足りない」とかいう人の言葉は、信用してはいけません。
     再開してしまったということは失敗してる訳で、やはりカウンセリングを受けながらの方が良いのではないかとお話しした。

     夫婦のお客様が来店し、『アレジオン』を購入されるので使用経験があるか尋ねたところ、あるというのだがあまり効かなかったというお話。
     『アレジオン』は予防薬的に使うほうが効果的なことをお話すると知らないようだった。
     お客様もネットで「効かない」という書き込みを目にしたしたそうだが、つまりはそういう事である。
     今回は、それほど症状が出ていないということで、そのまま購入された。

     『アレジオン』をレジに持ってきたお客様に使用経験を訊くと、患者さんは高校生の息子さんで使ったことは無く、すでに発症してるというお話。
     となると効果はあまり期待できないため、眠くなりにくいものとして『ロートアルガードチュアブル』と『小青竜湯』を紹介した。
     しかし、漢方薬に興味を持たれたものの、症状を詳しく確認してみると鼻汁に色があるというから風邪の可能性も考えられる。
     そのため、『葛根湯加川きゅう辛夷』に変更して試して頂くことになった。
     これなら、花粉症でも風邪でも両方に対処できるので。

     ご主人が頭皮の痒みを訴えてるとのことで、お客様から相談を受けた。
     ただ、患部を直接は見ておらず、赤く痒みが強いと本人は話しているよう。
     ひとまず候補として『ムヒHD』と『メディクイックH』を案内した。
     シャンプーには良い物を使った方が良いかと尋ねられたが、頭皮を洗いすぎているのが原因の可能性があるため、全くシャンプーを使わないでお湯だけで洗うか、シャンプーで洗うのは髪だけにして、やはり頭皮はお湯で洗う方法を勧めた。
     今回は、『ムヒHD』をお買い上げ。

     

  • 薬選びはメーカーより成分と効能で検討を

     筋肉痛に使うシップを求めて、お客様が来店。
    「白いのを使っていた」ということ以外、薬の種類が分からないため、店頭にある商品の鎮痛効果と浸透力を3段階で説明した。
     急性でもあることからフェルビナク製剤を勧めたが、『のびのびサロンシップ』に見覚えがあるとのことで購入を決められた。
     どういう訳か患部の症状を尋ねても、逸(はぐ)らかされていたんだけど、お会計の段になってスノーボードによる筋肉痛と話された。
     スノーボードの筋肉痛がどうして恥ずかしいのか分からない。
     いや、恥ずかしかったのかどうかも分からないけど。
     筋肉痛の予防に、『疎経活血湯』を紹介しておいた。

     夫婦のお客様が来店し、ご主人が『カンポアズマ』を選んでレジに持ってきたんだけど、患者さんは奥さんとのこと。
     そこで『カンポアズマ』は、寒気を吸って起きる咳や、ストレス性の咳に適応することを説明すると、奥さんは以前に『麦門冬湯』を使っていたことがあり、今回も喉に乾燥感があるそうなので『麦門冬湯』を勧めて変更された。
     ご主人が『カンポアズマ』を選んだ理由は、ツムラの方が効きが良いのではと思ったらしい。
     効能よりメーカーで選ぶのか(^_^;)
     まぁ確かに、メーカーによって効き方が違うという話は医師の間でもあるし、製薬メーカーの研究員さんからも聞いたことはあるのだけれど、メーカーごとというよりは薬の種類ごとなので、本格的に検証するのは大変である。

     『カンポアズマ』を選ばれたお客様に症状を尋ねたところ、風邪の後に咳が残ったというので『麦門冬湯』の方が合うかなと思った。
     しかし、『カンポアズマ』の適応をお伝えするとストレスも思い当たるようだったため、そのままお買い上げ頂いた。

     『モリアップW』の消費期限を尋ねられ、市販薬は家に置いておく物なので長めに設定されていることを説明し、お買い上げいただいた。
     主訴は唇の荒れということで、唇がピリピリして、いつもと違うリップクリームを使ったせいかもとのことだったけど、胃で起きていることが口腔内に現れることを伝え、『半夏瀉心湯』を紹介した。
     唇の荒れは表面的なことだけではなく、胃の炎症も考慮したほうが良い。
     よく唇が荒れるという人は、荒れている間の食事を胃に優しい物にすると改善の助けになります。

     

  • 子供の頃に正しい薬の知識を(ただし要アップデート)

     やや高齢のお客様が、さらに高齢の知人がヤケドしたとのことで来店した。
     牛乳を温めていて手の甲をヤケドしたらしいんだけど、アロエ軟膏をこすりつけて皮がめくれてしまったそう。
     あうっ、初期はとにかく流水で30分以上冷やして、あとは患部をガーゼで覆うなどして保護だけしてもらいたかった(;´Д`)
     高齢者だと、なにより細菌による患部の汚染が怖いから、一刻も早く病院に連れて行くよう勧めた。
     そのうえで、ごま油で患部を保護し紫根で皮膚の再生を手助けする『紫雲膏』と、『ワンタッチパッド』を案内すると購入された。
     しまった、売るべきじゃなかったかもしれない。
     それで安心して、病院に行かないかも……。

     『ヴィックスドロップ』を求めて来店したお客様に売り場を案内しながら症状を尋ねると、喉が痛いとのこと。
     『ヴィックスドロップ』は消毒薬みたいなもので、舐めてると気持ちが良いのは、自分の唾液で喉が潤うというだけのこと。
     実際に痛いのであれば医薬品も検討してみてはと『パブロントローチAZ』を紹介したら、いや実はそんなに痛くはないそう。
     どっちなので(^_^;)?
     何か薬を避けたい理由があるのかと思い訊いてみたら、病院で風邪薬を処方されていて他の薬との併用を避けたいらしい。
     それなら処方された薬を確認しようと思ったけど、処方された薬は覚えていないそうで、それ以上は訊かれるのが嫌そうに見受けられたため、そのまま『ヴィックスドロップ』をお買い上げ頂いた。
     一応、解熱剤や抗生剤が処方されたとすると、副作用で体内が乾燥し、風邪が治っても喉の痛みや咳が残ることがあることだけ伝えたけど、耳に入っていたかどうか。
     それよりなにより、薬が処方されている場合、飲み合わせが問題になるのは薬だけではないんだけどね。
     医薬部外品はもちろん、食べ物だって避けなきゃならない物はある。
     栄養剤は薬じゃないと思っていて、買っていく人もいるし。
     病院で薬が処方されたら、お薬手帳か、せめて現物は持ち歩いて買い物に出かけるのが吉。

     12歳の娘さんのニキビの相談を受け、炎症の少ない白ニキビらしい。
     成長期のニキビのため、『ビフナイト』と『クレアラシル』を案内した。
     栄養不足や血行不良で起きる大人のニキビと違って、成長期のニキビは体の成長が均一でないから起きる「材料の余り」が原因なので、なにより新陳代謝を助けるのが良い。
     でも本人は、イオウ臭を嫌がっていて『ペアアクネクリームW』を使っているそう。
     ううん、症状からすると合わないんだけどなぁ。
     そのことを伝えると、大学生のお兄さんと一緒に使っているらしいんだけど、そのお兄さんは赤ニキビだそうな。
     いやぁ、それはやっぱりお兄さんと症状が違いますので、分けたほうが良いですよ。
     そうお話すると、娘さんは『ビフナイト』を使った際に肌がポロポロ取れたのかも嫌がってるそうな。
     それは、効いてる証拠です(^_^;)
     この辺りは、親御さんから薬の効き方を説明してくれないと困る。
     本人を連れて来てくれれば、お話してみるんだけどな。
     まぁ、思春期だとそういう、匂いとか汚れみたいのがメチャクチャ気になるんだろうけど。
     そういう時期にこそ正しい知識を身につけないと、例えば肌を洗い過ぎて、将来的に肌荒れの原因になってしまい、そして知らないからますます洗い過ぎて……と負のスパイラルに陥ってしまう。
     ひとまず、お客様から娘さんに説明してみるとのことで、改めて『ビフナイト』を使わせてみると購入を決められた。
     他に『セイロガン糖衣錠A』を求められたため、『正露丸』と処方内容が違うことを、パッケージの成分表示を見せて説明した。
     海外に行くというから、「飲む消毒薬」である『正露丸』は食中りにもってこいではあるけれど、炎症を抑えるチンピやカンゾウが抜いてある『セイロガン糖衣錠A』は、やや心許ない。
     『セイロガン糖衣錠A』を使うなら、別途『柴胡桂枝湯』のような胃腸炎に対処できる薬を用意しておいたほうが良いです。
     特に解熱剤などと違って、『柴胡桂枝湯』のように胃腸にも肝臓にも使える内服薬は、海外では入手しにくいですし。
     そうお話すると、『正露丸』と『セイロガン糖衣錠A』の両方を購入された。
     あれ(笑)?
     あと、昔からストレス性の軟便や下痢になっていたという話もあったため、最後に『桂枝加芍薬湯』を紹介した。

     

  • 腸を大切に! 腸は体の自動防衛機構、故障すると無差別攻撃します

     『ズッキノン』を購入されるお客様に、以前から使っている物なのか確認したところ、頭痛に使い続けてるというので、中身は漢方薬の『釣藤散』だから、病院でも処方してもらえることを伝えた。
     保険が適用される方が診察料を入れても安上がりだし、連用するなら医師の診察は定期的に受けた方が良い。
     症状を尋ねると、特に朝方に頭重感があるそうだから、『釣藤散』が適応するのは確かだろう。
     ただ、その症状は血圧と関係している可能性があるから、あまり自前で対処するのは心配。
     養生として、室内にいる時や寝る際には、下半身だけ厚着をするよう勧めた。

     お客様がレジに『アレジオン』を持ってきたさいに使用経験があるか確認すると初めてで、すでに花粉症の症状が強くでてるというので、それだと効いてくるのに時間が掛かる可能性をお話した。
     一方、『パブロン鼻炎速溶錠』は以前に使って眠くなったというお話から、眠くなりにくい物として『ロートアルガードクイックチュアブル』を案内しつつ、『小青龍湯』を紹介してみたら興味を持たれた。
     ただ、『小青龍湯』は病院でも処方してもらえることを伝えると、もともとは実家の近くの病院で何か薬を処方されていたらしい。
     今日のところは、『パブロン鼻炎速溶錠』を購入された。
     眠くなったというお話なのに、『パブロン鼻炎速溶錠』を選ばれるところが不思議ではある。
     入浴について尋ねると湯船には長く入ってるそうで、のぼせや心臓への負担さえ気をつければ花粉症の養生として良いことをお話した。
     そのうえで、トマトやキュウリなどの夏野菜を避けるよう伝えた。
     そして、どうやら花粉症が免疫反応の異常であることを知らないようだと分かった。
     自分は仕事上のことだから知ってる訳だけど、一般的に認知度ってどうなんだろう?
     本来、人間の免疫反応は外部からの敵、例えばウイルスや菌を攻撃するのだが、花粉などを敵と誤認して攻撃し、排除しようとして起きるのが涙や鼻水で、鼻づまりは敵の侵入を阻止するため、目の痒みや肌の炎症は健康な部位を犠牲にしてでも敵を殲滅する戦いを仕掛ける、これが花粉症の主な症状の原因。
     なので、本物のウイルスに侵されて風邪をひき発熱すると、攻撃対象が変わるから花粉症の症状は軽くなったりする。
     まぁ、今度は風邪で苦しむ訳ですが。
     花粉症から風邪に移行してしまう事があるのは、花粉相手に無駄弾を撃ちエネルギーを消耗し、そこをウイルスにつけ込まれるからだし、その反対に風邪が治ったと思ったら花粉症になってしまうのは、体としては敵を排除しきれていないからと不毛な消耗戦に突入するからである。
     で、肝心の敵味方を識別する防衛機構の要は腸が担っている。
     心臓が人間の意志とは関係無く自動で動いているように、免疫機能もまた完全自動制御。
     なにしろ相手は小さいから、いちいち脳が認識してから攻撃したのでは手遅れになってしまう。
     この辺は上手く出来てるなぁと思うものの、これまた自分の意志で心臓の鼓動の強弱が出来ないように、攻撃対象の変更や攻撃力の制御ができないのが困りもの。
     せめて出来るのは、防衛機構を担っている腸の状態を良好に保つことである。
     それが、日頃から温めて血流を良くし、腸内細菌の活動を手助けすることなのだ。
     その簡単な方法が、長めの入浴と下半身の厚着という次第。
     あっ、ちなみに私自身は花粉症になった時に、攻撃力を弱めることだけは自分の意志で出来ます(o ̄∇ ̄)o
     いや、他の人もできるのかもしれないけど、花粉症の人に訊くと実践してるという人に会ったことが無いので、あまりやる人はいないのかなと。
     それは、全身の力を抜いて背筋を伸ばさず首をうなだれ、手はダラーンと下げて、足は引きずるように歩き、何をするにもゆっくりした動作で動くこと。
     さきにも書いたように、免疫反応は攻撃力に直結するから、いわば全軍の士気を下げてやるんである。
     そうすると、目鼻の痒みも鼻水やクシャミも、かなり軽くなる。
     ただし、周囲の人からは今にも倒れそうな姿に見えるらしく、「大丈夫ですか?」と心配されるけど(笑)

     『苓桂朮甘湯』を購入されるお客様に使用経験を尋ねると、これで3回目とのこと。
     目眩と耳鳴りに動悸があるといい、目眩は天井が回るような感じだそうだから、大きく外してることはない。
     ただ、今は起きていないものの以前は寝汗をかくこともあったそう。
     生理と連動していたかについては、分からないという。
     ううん、水分代謝の異常だとは思うけど、手掛かりが少ないな。
     それに、動悸に関しては『苓桂朮甘湯』では力不足のように思える。
     『苓桂朮甘湯』は病院で処方してもらえる薬でもあるし、他の選択も考えられるので、漢方薬に詳しい病院を紹介し、一度は受診してみるよう勧めた。