合わなかった薬は記録しておくのが重要

 やや高齢のお客様が風邪薬の棚で迷っている様子だったので声を掛けてみたところ、「風邪薬を選ぶのは難しい」と言われた。
 普段は置き薬を使っていて、それもできるだけ使わないようにしていると言う。
 風邪は基本的に自然に治るものであるから、その対応は良いこと。
 そう答えて話が弾んで、ようやく主訴が喉の痛みだという話に辿り着いた。
 長い(笑)
 喉の痛みだけならばと『駆風解毒湯』を紹介しつつ胃炎の可能性を話して、体内の乾燥を取る『麦門冬湯』を案内した。
 しかし自身の薬は、やはりやめることにしたようで成人の娘さんの鼻水の薬を買いたいというお話になり『小青竜湯』を案内したが、ご自身で『コルゲンコーワ鼻炎フィルム』を購入された。
 お客様は漢方薬は好きだけど、娘さんは分からないそうなので。

 『パブロンSゴールドW』を手にしていたお客様がカラ咳咳をしていたので、『麦門冬湯』が入っている『パブロン50』を勧めてみた。
 総合風邪薬に入っている解熱剤は神経に働きかけるため、体内の保水機能が落ちて乾燥しがち。
 風邪の後に咳だけ残ったという場合は、発熱だけでなく、解熱剤の副作用が原因だったりする。
 しかし、「漢方薬は胃に悪いから嫌」と言われてしまった。
 詳しく訊いてみると、以前に薬局で風邪に勧められた物が合わなかったそう。
 風邪というと、初期に使う『葛根湯』か発熱時の『麻黄湯』だろうか。
 お客様は覚えていなかったため分からないけど、どちらも確かに胃には負担がかかる。
 胃が弱い場合の風邪には、初期に適応する『桂枝湯』か、初期から後期まで『柴胡桂枝湯』で通すのが良い。
 今回は、主訴が咳と微熱で、『麦門冬湯』は胃薬でもあることを説明すると『パブロン50』をお買い上げいただいた。

 お客様から、目の周りの痒みに塗り薬を希望されたが、どんなに弱い薬でもクリームや軟膏の基剤が目に入るのは良くないので、目薬を塗る方法を提案し『ロートアルガード』を案内した。
 しかし、花粉症のようであるものの、目ヤニも出るとのことだったため、『新緑水』の方を勧めてお買い上げいただいた。

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