子供の頃に正しい薬の知識を(ただし要アップデート)

 やや高齢のお客様が、さらに高齢の知人がヤケドしたとのことで来店した。
 牛乳を温めていて手の甲をヤケドしたらしいんだけど、アロエ軟膏をこすりつけて皮がめくれてしまったそう。
 あうっ、初期はとにかく流水で30分以上冷やして、あとは患部をガーゼで覆うなどして保護だけしてもらいたかった(;´Д`)
 高齢者だと、なにより細菌による患部の汚染が怖いから、一刻も早く病院に連れて行くよう勧めた。
 そのうえで、ごま油で患部を保護し紫根で皮膚の再生を手助けする『紫雲膏』と、『ワンタッチパッド』を案内すると購入された。
 しまった、売るべきじゃなかったかもしれない。
 それで安心して、病院に行かないかも……。

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 『ヴィックスドロップ』を求めて来店したお客様に売り場を案内しながら症状を尋ねると、喉が痛いとのこと。
 『ヴィックスドロップ』は消毒薬みたいなもので、舐めてると気持ちが良いのは、自分の唾液で喉が潤うというだけのこと。
 実際に痛いのであれば医薬品も検討してみてはと『パブロントローチAZ』を紹介したら、いや実はそんなに痛くはないそう。
 どっちなので(^_^;)?
 何か薬を避けたい理由があるのかと思い訊いてみたら、病院で薬を処方されていて他の薬との併用を避けたいらしい。
 それなら処方された薬を確認しようと思ったけど、処方された薬は覚えていないそうで、それ以上は訊かれるのが嫌そうに見受けられたため、そのまま『ヴィックスドロップ』をお買い上げ頂いた。
 一応、解熱剤や抗生剤が処方されたとすると、副作用で体内がし、が治っても喉の痛みやが残ることがあることだけ伝えたけど、耳に入っていたかどうか。
 それよりなにより、薬が処方されている場合、飲み合わせが問題になるのは薬だけではないんだけどね。
 医薬部外品はもちろん、食べ物だって避けなきゃならない物はある。
 栄養剤は薬じゃないと思っていて、買っていく人もいるし。
 病院で薬が処方されたら、か、せめて現物は持ち歩いて買い物に出かけるのが吉。

 12歳の娘さんのの相談を受け、炎症の少ない白らしい。
 成長期ののため、『ビフナイト』と『クレアラシル』を案内した。
 栄養不足や血行不良で起きる大人のと違って、成長期のは体の成長が均一でないから起きる「材料の余り」が原因なので、なにより新陳代謝を助けるのが良い。
 でも本人は、イオウ臭を嫌がっていて『ペアアクネクリームW』を使っているそう。
 ううん、症状からすると合わないんだけどなぁ。
 そのことを伝えると、大学生のお兄さんと一緒に使っているらしいんだけど、そのお兄さんは赤ニキビだそうな。
 いやぁ、それはやっぱりお兄さんと症状が違いますので、分けたほうが良いですよ。
 そうお話すると、娘さんは『ビフナイト』を使った際に肌がポロポロ取れたのかも嫌がってるそうな。
 それは、効いてる証拠です(^_^;)
 この辺りは、親御さんから薬の効き方を説明してくれないと困る。
 本人を連れて来てくれれば、お話してみるんだけどな。
 まぁ、思春期だとそういう、匂いとか汚れみたいのがメチャクチャ気になるんだろうけど。
 そういう時期にこそ正しい知識を身につけないと、例えば肌を洗い過ぎて、将来的に肌荒れの原因になってしまい、そして知らないからますます洗い過ぎて……と負のスパイラルに陥ってしまう。
 ひとまず、お客様から娘さんに説明してみるとのことで、改めて『ビフナイト』を使わせてみると購入を決められた。
 他に『セイロガン糖衣錠A』を求められたため、『正露丸』と処方内容が違うことを、パッケージの成分表示を見せて説明した。
 海外に行くというから、「飲む消毒薬」である『正露丸』は食中りにもってこいではあるけれど、炎症を抑えるチンピやカンゾウが抜いてある『セイロガン糖衣錠A』は、やや心許ない。
 『セイロガン糖衣錠A』を使うなら、別途『柴胡桂枝湯』のような胃腸炎に対処できる薬を用意しておいたほうが良いです。
 特に解熱剤などと違って、『柴胡桂枝湯』のように胃腸にも肝臓にも使える内服薬は、海外では入手しにくいですし。
 そうお話すると、『正露丸』と『セイロガン糖衣錠A』の両方を購入された。
 あれ(笑)?
 あと、昔からストレス性の軟便や下痢になっていたという話もあったため、最後に『桂枝加芍薬湯』を紹介した。

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