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  • 使った薬、持ってる薬、何をする薬なのか確認を

     お客様が『パブロンSせき止め』と『浅田飴せきどめドロップ』を比較していたので声をかけてみたところ、12歳の子供に以前に病院で処方された薬を飲ませたというため内容を確認すると、非麻薬性の咳止めと去痰剤だった。
     非麻薬性とはいえ咳をする神経を抑える薬なので、長く続けると内臓の働きを悪くし体内が乾燥してしまうと、それがまた咳の原因となってしまう。
     選ぶなら覚醒剤系ではあるけれど気道を開いて呼吸しやすくする、『浅田飴せきどめドロップ』の方が適しているだろう。
     ただ、医師はその必要性を考えていないようにも思われる。
     なので、去痰剤の『ストナ去痰カプセル』を勧めたうえで、咳の音は乾いているようなので上半身を潤す『麦門冬湯』を紹介したところ、本日はお帰りになった。
     そして乾いた咳は、胃炎を起こしている可能性があることをお話し、消化に良い食事を2~3日は続けるよう伝えた。

     男性二人組のお客様が来店し一人は咳と痰と熱感が3日前からとのことで、来店時に『PL顆粒』と『パブロンSα』を比較していたけれど熱を測っていないというため咳止めを提案し、去痰剤の入った『ブロン錠エース』を案内するとそちらを購入された。
     そして、気管支の炎症は隣り合ってる食道も炎症していると考えられ、繋がってる胃にも影響するので3日くらいは消化に良い食事をするよう勧めた。
     もう一人は火傷で患部は手首なのだが、すでに3日経っているとのこと。
     火傷を治す薬というのは存在しないので、体が自分で治すのを邪魔しないよう患部の保護が最優先となる。
     するとお客様が、絆創膏を貼っても腕時計が当たって取れてしまうというため『オロナインH軟膏』を勧めたけれど、ベタついて嫌と言うので「ベトつくのが患部を保護するうえでの利点」であることを説明した。
     モイストヒーリングの湿潤絆創膏について尋ねられたけど、初日に使う物なので、もう遅いことを伝えた。
     そしたら他店で買わされた「変な薬がある」というので確かめてみたら『紫雲膏』だと分かり、使うよう勧めた。
     主成分の紫根は服などに色がつきやすい点に気をつけなければならないが、消炎効果に優れており解毒作用もある。
     そして一緒に入ってる当帰は、血流を良くすることにより皮膚の材料を運んで患部の再生を手伝ってくれる。
     勧めた店員さんは、薬剤師か登録販売者か分からないけれど、なかなか詳しい人であろう。
     そういう人が効果を説明していないとは思えないのだが、よく話を聞いていなかったのか、他のことが気になって憶えていないのか。
     いずれにせよ、せっかく役に立つ物を持っていながら使わないというのはモッタイナイ。

     

  • 予防的に使える薬と使えない薬があります

     お客様から皮膚の痒みの相談を受けたものの、患部の場所は聞き出せなかったため不明なのだが『フルコートf』を使ってみたところ、見た目には赤みが引いても痒みが治らないとのことだった。
     友人からは『エンクロンクリームEX』を勧められたそうで、抗炎症と痒み止めを合わせた処方は適していることを説明し、『ムヒアルファEX』も同じような物として紹介した。
     安易に友人知人から勧められた薬を使われるのは困るけれど、今回は問題無いのでそのまま『エンクロンクリームEX』をお買い上げいただいた。
     また、『アピトベール』(紫雲膏)のことも訊かれ、安全性は高いものの服に紫根の色がつきやすいことを伝えた。
     病院でもステロイド剤を処方されたことがあるそうで、繰り返しているとのことから病院を変えてみるか紹介してもらえないか相談するよう勧めた。

     『ストナリニS』を購入されるお客様のお会計をしているさいに、まだ花粉症の症状はそれほどでなくて予防的に飲んでるというお話があったため、そういう用途には『アレグラFX』や『アレジオン』の方が適していることを説明した。
     風邪薬や鎮痛剤などでも、予防的に使ってるという人は案外と多く困ったものである。
     特に頓服的に使う現代薬は体が反応するのを妨害しているだけなので、予防的に使うということは身体機能を低下させているということでもあるから、そういう使い方は避けてもらいたい。
     花粉症の養生として、ぬるめのお湯に長く入浴する方法を伝えると、熱いのが好きで風呂上がりに冷たい烏龍茶を飲むのも大好きというため、体がビックリして良くないことをお話して、風呂上がりに一旦、常温か温かい飲み物で水分補給したうえで冷たい烏龍茶を楽しむように勧めた。
     全く関係無い話だけれど、お客様は子供の頃には杉鉄砲を作って遊んでいたそうである。
     こういう会話をお客様とできると楽しい(*´∀`*)

     やや高齢のお客様から、手の皹(あかぎれ)の相談を受け『ヒビケア』と『ヒビエイド』を案内し、処方内容は同じなので価格で選んでもブランド名で選んでも良いことを伝えたところ後者をお買い上げとなった。
     寝る時には布団が患部にこすれるのも良くないため、治るまで綿の手袋をするよう勧めた。

     

  • 咳止めの薬が咳の原因になることも

     若いお客様が『紫雲膏』を購入されるので、念のため服に色がつきやすいことを伝えたところ、使ったがことがあるとのことだった。
     若い人で『紫雲膏』を使うとは、なかなか渋い選択である。
     主訴は臀部の痒みで、症状は1ヶ月ほど前からとのこと。
     入浴の状況を尋ねたところ一人暮らしでシャワーで過ごしているということから、体を洗う時などにシャワーに背を向け腰回りに重点的に浴びるよう勧めた。
     皮膚を治すための材料は血で運ばれるから、やはり患部周辺の血行は大事なので。

     やや高齢のお客様が『アネトンせき止めZ錠』を購入されるさいに症状を尋ねたところ、咳にいつも使ってるというので、症状が治まってきたら継続使用しないように気をつけてと伝えた。
     また『アネトンせき止めZ錠』が効くのは神経に作用するからで、それにより体の保水機能が落ち体内が乾燥して咳になるケースもお話しして『麦門冬湯』を紹介した。
     養生としてキュウリやトマトといった夏野菜を避けるようを話したところ、トマトが好きだそうなので、少なくとも症状が出ている間だけは控えるよう伝えた。

     

  • 子供の頃に正しい薬の知識を(ただし要アップデート)

     やや高齢のお客様が、さらに高齢の知人がヤケドしたとのことで来店した。
     牛乳を温めていて手の甲をヤケドしたらしいんだけど、アロエ軟膏をこすりつけて皮がめくれてしまったそう。
     あうっ、初期はとにかく流水で30分以上冷やして、あとは患部をガーゼで覆うなどして保護だけしてもらいたかった(;´Д`)
     高齢者だと、なにより細菌による患部の汚染が怖いから、一刻も早く病院に連れて行くよう勧めた。
     そのうえで、ごま油で患部を保護し紫根で皮膚の再生を手助けする『紫雲膏』と、『ワンタッチパッド』を案内すると購入された。
     しまった、売るべきじゃなかったかもしれない。
     それで安心して、病院に行かないかも……。

     『ヴィックスドロップ』を求めて来店したお客様に売り場を案内しながら症状を尋ねると、喉が痛いとのこと。
     『ヴィックスドロップ』は消毒薬みたいなもので、舐めてると気持ちが良いのは、自分の唾液で喉が潤うというだけのこと。
     実際に痛いのであれば医薬品も検討してみてはと『パブロントローチAZ』を紹介したら、いや実はそんなに痛くはないそう。
     どっちなので(^_^;)?
     何か薬を避けたい理由があるのかと思い訊いてみたら、病院で風邪薬を処方されていて他の薬との併用を避けたいらしい。
     それなら処方された薬を確認しようと思ったけど、処方された薬は覚えていないそうで、それ以上は訊かれるのが嫌そうに見受けられたため、そのまま『ヴィックスドロップ』をお買い上げ頂いた。
     一応、解熱剤や抗生剤が処方されたとすると、副作用で体内が乾燥し、風邪が治っても喉の痛みや咳が残ることがあることだけ伝えたけど、耳に入っていたかどうか。
     それよりなにより、薬が処方されている場合、飲み合わせが問題になるのは薬だけではないんだけどね。
     医薬部外品はもちろん、食べ物だって避けなきゃならない物はある。
     栄養剤は薬じゃないと思っていて、買っていく人もいるし。
     病院で薬が処方されたら、お薬手帳か、せめて現物は持ち歩いて買い物に出かけるのが吉。

     12歳の娘さんのニキビの相談を受け、炎症の少ない白ニキビらしい。
     成長期のニキビのため、『ビフナイト』と『クレアラシル』を案内した。
     栄養不足や血行不良で起きる大人のニキビと違って、成長期のニキビは体の成長が均一でないから起きる「材料の余り」が原因なので、なにより新陳代謝を助けるのが良い。
     でも本人は、イオウ臭を嫌がっていて『ペアアクネクリームW』を使っているそう。
     ううん、症状からすると合わないんだけどなぁ。
     そのことを伝えると、大学生のお兄さんと一緒に使っているらしいんだけど、そのお兄さんは赤ニキビだそうな。
     いやぁ、それはやっぱりお兄さんと症状が違いますので、分けたほうが良いですよ。
     そうお話すると、娘さんは『ビフナイト』を使った際に肌がポロポロ取れたのかも嫌がってるそうな。
     それは、効いてる証拠です(^_^;)
     この辺りは、親御さんから薬の効き方を説明してくれないと困る。
     本人を連れて来てくれれば、お話してみるんだけどな。
     まぁ、思春期だとそういう、匂いとか汚れみたいのがメチャクチャ気になるんだろうけど。
     そういう時期にこそ正しい知識を身につけないと、例えば肌を洗い過ぎて、将来的に肌荒れの原因になってしまい、そして知らないからますます洗い過ぎて……と負のスパイラルに陥ってしまう。
     ひとまず、お客様から娘さんに説明してみるとのことで、改めて『ビフナイト』を使わせてみると購入を決められた。
     他に『セイロガン糖衣錠A』を求められたため、『正露丸』と処方内容が違うことを、パッケージの成分表示を見せて説明した。
     海外に行くというから、「飲む消毒薬」である『正露丸』は食中りにもってこいではあるけれど、炎症を抑えるチンピやカンゾウが抜いてある『セイロガン糖衣錠A』は、やや心許ない。
     『セイロガン糖衣錠A』を使うなら、別途『柴胡桂枝湯』のような胃腸炎に対処できる薬を用意しておいたほうが良いです。
     特に解熱剤などと違って、『柴胡桂枝湯』のように胃腸にも肝臓にも使える内服薬は、海外では入手しにくいですし。
     そうお話すると、『正露丸』と『セイロガン糖衣錠A』の両方を購入された。
     あれ(笑)?
     あと、昔からストレス性の軟便や下痢になっていたという話もあったため、最後に『桂枝加芍薬湯』を紹介した。

     

  • 置き薬は応用を考えておかないと無駄になりがち

     お客様から、『パブロンSゴールドW』が咳と喉の痛みに使えるか尋ねられたので、喉がメインであれば『パブロンエースAX』か処方がシンプルな『ルルアタックEX』をと勧めた。
     また、発熱などの風邪の兆候が無ければ、鼻炎などの成分も入った風邪薬よりも、喉にターゲットを絞った『駆風解毒湯』の方が体への負担が少ないですよとお話したら、喉は痛いというより乾燥感があるという。
     上半身の乾燥であれば、咳と合わせて考えて『麦門冬湯』の方が良いかもしれません。
     しかし、本日は予算が合わないようで、何も買わずに帰られた。
     しまった~、つい予算のことを忘れてしまう。
     でも、喉の痛みの『ペラックT』じゃ、安くても主訴とも合わないしなぁ……。

     お客様が、ヤケドの薬を求めて来店した。
     でも、「ヤケドの薬」という物は、そもそも存在しない。
     大火傷なら病院に行くべきだし、家庭で対応する範囲の軽度のヤケドでは、患部を流水で30分以上「冷やすこと」と「清潔にすること」だけで、自然治癒に任せるしかない。
     どうしてもとなれば、初期の痛みを軽減するために局所麻酔の入った『メモA』や炎症を抑えるステロイド剤を使い、感染を防ぐための抗生剤の軟膏を使うくらいか。
     あるいは、湿潤療法で『キズパワーパッド』のような絆創膏を使う手もある。
     いずれにしても、自然治癒の補助であり、ヤケドを「治す」訳ではない。
     というような事が、ヤケドの薬を求めてお客様が来ると、つい頭の中でグルグルしてしまう。
     そんな事をひとまず措いて、お客様の要望を訊いてみると、探しているのは『タイガーバーム』だそうな。
     『タイガーバーム』は、輸入代理をしていた会社が国内での取り扱いをやめたはずである。
     そのため、代用品として『メンソレータム軟膏』を紹介した。
     局所麻酔が入っていて、油分で患部を保護するということでは、『タイガーバーム』と変わらない。
     そのうえで、患者が誰なのかと患部の状態を尋ねると、ご主人と成人の娘さんだという。
     二人同時にヤケドしたのかと思ったら、娘さんは今日で、ご主人は日が経っているそう。
     そして、ヤケドの置き薬を欲しいという話になったため、最初のように「ヤケドの薬」という物は無いことを説明し、ステロイド剤のように他の皮膚炎などに使う薬を備えておいて応用する方法をお話したうえで、『クロマイP軟膏』を案内した。
     それから、冬場の手荒れなどにも使える『ワセリン』や『アロエ軟膏』で、炎症が治まった頃に患部を保護する方法を伝えた。
     あと、皮膚の再生を促す『紫雲膏』も紹介したけど、こちらは『タイガーバーム』と同じく服に色移りしてしまうことを説明したら、それは嫌がられた。
     ありゃん、『タイガーバーム』を探しているのなら、色移りは気にしないのかなと思ったんだけどな。
     結局、「考えてみます」とお客様はお帰りになった。
     ううん、ヒアリングで気分を害してしまったかなぁ……。
     今日は、ダメダメだ~(>_<)

     

  • 随伴症状にまで辿り着くのは難しい

     『のどぬ~るスプレー』をレジに持ってきたお客様に症状を尋ねると、喉の痛みが発症したのは3日前からで、さらに前には微熱と鼻水があり、それらは今は治まったという。
     だとすれば風邪をひいて、もう治りかけという段階。
     発熱によって体内が乾燥したか、風邪で胃炎が起きたかで、気道が炎症しているのだろう。
     消毒系の『のどぬ~るスプレー』より、抗炎症系の方が適していると考えられることを説明して、アズレン製剤の『のどスプレー』と、内服薬に『ペラックT』を案内した。
     『のどスプレーアズリースロート』をお買い上げ頂き、喉の炎症が胃にまで及ぶことがあることを伝えたところ、胃炎は感じているというので、消化に良い食事にするよう勧めた。
     胃炎を感じてる話をもう少し早く引き出せていたら、風邪の後期の胃腸炎に使う『柴胡桂枝湯』も紹介したんだけとねぇ。
     買う物を決めてる患者さんに、主訴を聞き出すだけでも大変だから、随伴症状まで辿り着くのは、もっと難しい。

     風邪薬の棚で迷っている様子のお客様に声を掛けてみたけど、案内は断られた。
     『ルルアタックNX』を選ばれてレジに持ってきてから症状を尋ねると、主訴は鼻水と喉の痛みで、発症したのは3日前からだそう。
     でも、3日前よりは症状が軽くなっており、当初から発熱は無かったという。
     鼻水はサラサラの透明だというから、単純に冷えによるもので、喉の痛みとは別口かもしれない。
     しかも、喉の痛みも軽くなってきているとなれば、『ルルアタックNX』は疲労を招いて、むしろ風邪に進行させてしまうのではないか。
     普通は発熱前の風邪の初期に用いる『葛根湯』で温めてしまえば、炎症の熱を発散して、ついでに鼻水も改善するように思える。
     そこで、家に『葛根湯』があるようでしたら使ってみてはと提案したら、昨日に服用して、まだ家に残っているそう。
     発症した当初には服用していなくて、昨日になって服用したというので継続するよう勧めると、『ルルアタックNX』はキャンセルとなった。
     喉が痛む間は、無理に食事をしないで胃を休めるよう伝えた。

     やや高齢のお客様から、ヤケドの水疱が破けたとのことで薬を求められたため、ヒリヒリ感があれば『メモA』を、無ければ抗生物質を使うか、薬を使わずに『キズパワーパッド』での湿潤療法を勧めた。
     すると、以前に病院で処方された薬があるというので、一旦お帰りになってから現物を持ってきて頂いたところ、抗生物質の『バラマイシン軟膏』だった。
     開封して日も経っていないようだから、使うよう勧めて本日のお買い上げは無しに。
     ヤケドしたのは、使い終えたオーブンが冷える前に掃除しようとして触れてしまったらしい。
     そして、直後には患部を冷やさなかったそう。
     ありゃん(;´Д`)
     次にヤケドをした時には、最低でも30分~1時間は流水で冷やしてくださいね。
     ヤケドの薬というのは無くて、病院に行っても医師からは「冷やしてから来て」と言われるくらい、冷やすのが第一なので。
     あっ、氷は駄目です。
     冷たすぎると、皮膚への刺激が強いので。
     『冷えピタ』などは逆に患部の熱を奪う力が弱いから、やっぱり駄目。
     あと、ヤケドの範囲が掌より大きいか、痛みが感じないくらい深くまでヤケドしていると思われる場合には、迷わず救急車を呼ぶように(・o・)
     お客様には、今後の患部のケアのために塗る漢方薬の『紫雲膏』と、患部を保護する『アロエ軟膏』を紹介した。

     

  • 名が体を表していない?

     成人の息子さんが口内炎だそうで「貼る物を」と要望されたため、痛む場合に炎症を抑える『トラフルダイレクト』と『口内炎パッチ大正クイックケア』を、痛みの軽い場合の患部のケアに適した『口内炎パッチ大正A』を案内した。
     『口内炎パッチ大正クイックケア』と『口内炎パッチ大正A』が、名前が大変紛らわしい。
     しかも、成分から考えたら、ケアがメインじゃないの名前がクイックケアになってるし。
     というのも、『口内炎パッチ大正クイックケア』の主成分はステロイド剤で炎症を強く抑えることが出来るのに対して、『口内炎パッチ大正A』の方は抗炎症効果としては弱めのグリチルレチン酸と皮膚の再生を促す紫根エキスの組み合わせ。
     『口内炎パッチ大正A』の売りは、非ステロイド剤ということらしいんだけど、なんでネーミングが入れ替わったみたいになってるんだろう(*゚Д゚) ?
     今回は、『トラフルダイレクト』を購入された。
     こちらも『口内炎パッチ大正クイックケア』とは成分違いの、ステロイド剤である。
     痛みが強い時には、ステロイド剤で一気呵成に炎症を抑えるほうが良い。
     息子さんは口内炎を繰り返しているようなので、神経性胃炎と関係するケースが多いことをお話して、『半夏瀉心湯』も紹介しておいた。

     このあいだ、成人の娘さんのヤケドで来店されたお客様が再訪。
     ヤケド痕のケアということで、前回には『アロエ軟膏』を案内していたんだけど、昔ながらの『紫雲膏』を紹介したら、そちらをお買い上げ頂いた。
     ただ、ゴマ油の匂いがするのと紫根の色が衣服に付きやすいため、ガーゼか絆創膏を当てるよう説明した。
     あと、ヤケドのケアには、やはり食べ物で皮膚の材料を摂るのも重要。
     季節外れですが、豚汁などが良いです( ・(OO)・ )

     母親に頼まれたということで、成人の娘さんが湿布薬を買いに来店。
     主訴は腰痛というのだけれど、痛み方や腰痛を起こす頻度を訊いてみたら分からないそう。
     一応、鎮痛剤の強弱を三段階で説明して、鎮痛効果としては真ん中で浸透力のあるフェルビナク製剤をお買い上げ頂いた。
     ただ、症状が悪くなってから病院に行こうと思うより、現状を知るために受診させるよう勧めた。

     

  • 風邪をひいて必ず咳になる人は胃に注意

     ご夫婦で来店し、奥さんの咳が止まらず、いつもは『アネトン』を使っているというお話だった。
     夜中に特に咳き込むというから、肺に熱が篭るタイプの咳向けに患部を冷やす『五虎湯』を紹介してみたけど、詳しく訊いてみると普段から咳が出やすく、風邪をひくと咳だけが残るというため『麦門冬湯』を勧めると、お買い上げ頂いた。
     風邪をひいて必ず咳になるというのは胃をやられやすい可能性があることを説明し、風邪をひいたと思ったら早い段階で消化に良い食事にして量を控えるよう伝えた。

     成人の娘さんがヤケドしたとのとこで、お客様から『メモA』と『アロエ軟膏』のどちらが良いかを尋ねられたけど、よくよく訊いたら、すでに3日以上過ぎていて水疱も潰れた後だそう。
     それでしたら、局所麻酔成分が入っていて痛みを緩和する『メモA』は出番を逃しているので、『アロエ軟膏』でケアするだけで良いでしょうとお話した。
     匂いとベタつきと衣服への色移りが嫌でなければ、『紫雲膏』を勧めたいところですが。
     色移りは、ガーゼを当てれば防げるし。
     他の対処法としては、水疱が破れているから感染を防ぐために抗生物質の『クロマイP軟膏』を使うとか、塗り薬を使わずに湿潤療法で『キズパワーパッド』を使うという方法もある。
     一応は一通り提案し、本日のところは『アロエ軟膏』を購入された。

     勢い良く飛び込んできたお客様は、非常にハキハキとした物言いの人だった。
     主訴は咳だというので、咳の状態や激しくなる時の状況などを尋ねると、「~です」とキッパリと断言される一方、細かなニュアンスを説明するのが苦手なのか面倒なのか、ヒアリングが難しかった。
     高校時代の友人にいた、「今日は暑いねぇ」と言うと、「夏だからな」と一言で返されて会話が続かない感じ。
     寝る前に咳が集中するなら『五虎湯』『麻杏甘石湯』が候補だけど、静かにしていても出るというから『麦門冬湯』を案内したものの反応が鈍く、現代薬を望んでいるように思われたため、痰の有無を確認したうえで、痰が絡む場合に用いる『ブロン錠エース』を勧めて、お買い上げ頂いた。

     

  • 患者さんの要望にどこまで寄り添おうか

     ご夫婦のお客様が来店し、防水ガーゼを注文された。
     用途を尋ねると、ご主人がヤケドをしたそうで、水疱を破り患部を乾かすよう努めているというお話。
     ズゲッ∑(゚ω゚ノ)ノ
     湿潤療法が提唱されてから、もう十年以上経ってると思うんだけど、まだまだ浸透していないのね……。
     それと、防水ガーゼを求めているのは患部を乾かすためだけでなく、お風呂やシャワーのたびに貼り替えるのが面倒だからだという。
     ええと、どこから指導すれば良いんだろう?
     地雷を踏むと嫌だなぁ、と恐る恐る腫れ物というか、それこそ熱い物に触れる時のような慎重さで言葉を選びながら、衛生面では頻繁に貼り替えるほうが望ましいことと、現在は患部を乾かすよりも体液の働きを活かして皮膚の再生を早める湿潤療法が主流なことを説明した。
     ご主人は、「ちゃんと冷やしたよ」と言うのだけれど、その方法は水で濡らしたタオルを患部に当てていたそうな。
     目玉ポーン(  Д )⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒…。….。コロコロ
     冷却シートや冷却材というのは良くあるけど、濡れタオルで済ませたというのは初めて聞いた(汗)
     どうも、奥さんの方はその冷やし方では駄目だという事も、水疱を潰してはいけないという事も、湿潤療法が適切だという事も理解しているらしく、ご主人が言うことを聞かないようだと分かってきた。
     となると、一方的な提案は聞き入れてもらえず、やはり不機嫌になられる可能性もありそうだ。
     そのため、昔ながらの『紫雲膏』を塗ったガーゼを患部に当てる方法と、塗り薬を使わずに『キズパワーパッド』を使った湿潤療法でのケアを提案した。
     あくまで、選択するのは患者さん本人という体裁を整えながら、その実、最初の「患部を乾かす」という目的を外したのだ。
     一種のトリックだけど、文字に書き起こさなければ気づかれないはず。
     すると、『キズパワーパッド』の方を購入された。
     意気揚々(?)と帰ってくご主人と、その後ろで振り返った奥さんに頭を下げられた。

     『プレコール持続性カプセル』と一緒に『ヴイックスドロップ』を購入されるお客様に症状を尋ねたところ、クーラーのせいか喉が可怪しいとのお話。
     その場合、室内だけでなく体内が乾燥している可能性があるため、上半身を潤す『麦門冬湯』をと紹介してみた。
     鼻炎や発熱が無いのに、『プレコール持続性カプセル』では疲労を呼び込んでしまうかもしれないし。
     でも本日のところは、そのまま先の商品を購入された。
     ただ、体内の乾燥を防ぐためには、温かい物を飲んで保温するよう勧めた。
     喉の不具合には、温かい物を飲むほうが乾燥を防いで炎症を抑える。

     

  • 火傷の原因は正直に教えて下さいな

     咳止めを求めて来店したお客様に症状の経過を尋ねると、一週間ほど前に風邪で発熱し咳だけが残ったというので、体内の乾燥のお話をして『麦門冬湯』を紹介した。
     でも錠剤を希望され、うちには『麦門冬湯』の錠剤が無いため、『ブロン錠』と『ブロン錠エース』を候補にした。
     痰については出ていないそうなので、『ブロン錠』の方を勧めてお買い上げ頂いた。
     痰が出るなら、去痰剤 L-カルボシステインの入っている『ブロン錠エース』の方なんだけどね。
     これは普段でも結構、両方のパッケージを見比べて迷っているお客さんがいるんだけど、たぶん見分けはついてないんじゃなかろうか。
     私も、メーカーの講習会に参加するまでは、区別ついてなかったし(^_^;)
     迷う時には、訊いて頂けたほうが早いですよん。
     そうそう、体内の乾燥の方は、風邪によって胃炎を起こして、胃にかぶさっている肺に余計な熱が伝わってるせいだと思われるため、消化に良い食事をするように伝えた。

     ベビーカーに赤ん坊を乗せたご夫婦が来店し、奥さんが指に火傷をしたとのことで「火傷の薬を」と注文された。
     患部には保冷剤を当てていた。
     内心、「保冷剤はヤメて~(>_<)」と思いながら対応。
     以前に女友達も、火傷して保冷剤を患部に当ててるとチャット中に言ってきたんで、「それは駄目」と言ったことがあるんだけど。
     基本は、流水で冷やすこと。
     軽度ならば患部に直接水を当てて、皮が捲れるくらいに重度の火傷なら患部が下流になるようにして流水に当てる。
     そして、時間にして30分以上は冷やし続けて欲しい。
     冷やすんだけから保冷剤でと考えちゃうんだろうけど、「冷たい」というのは「刺激」で、火傷はすでに熱で「刺激」を受けている訳だから、さらに「刺激」を追加してしまうのは適切ではない。
     急激な冷たさで神経が麻痺して、早くに痛みを感じなくなるから、なおさら良く思えてしまうというのもあるのだろう。
     でも、ドライアイスを触っても「火傷」するし、凍傷で起きる症状は「火傷」に似ている。
     要するに、極端な温度変化で皮膚細胞が損傷を受けるのが「火傷」なので。
     今回のお客様には、まず熱源に直接触れたのか、お湯などが掛かったのかを尋ねた。
     すると熱源に直接触れたらしいのだけれど、明確には答えてもらえなかった。
     ううん、火傷した経緯は火傷の具合を推し量るのに必要な情報なんだけどなぁ。
     例えば、熱源に直接触れた場合は反射的に体は避けようとするから一瞬のことで火傷の範囲は狭いものの熱源の温度は高いかもしれないとか、お湯を浴びた場合は熱くても百度以下の代わりに広範囲に火傷しているかもしれないというように。
     なのに、たいていの患者さんが火傷の原因を濁すんだよねぇ。
     たぶん、火傷するのは「ついウッカリ」で、それが恥ずかしいのかもしれないけど、そういうのを気にしている場合じゃないですからね(;´・ω・)
     今回は冷やすのは水道水で、30分ほど冷やしていたということで、保冷剤を当てたのはお店に来るのに出かけるためのようだったけど。
     ただ、それで来て頂いて大変申し訳無いのですが、「火傷を治す薬」という物はありません。
     こうお話すると、多くのお客様には「ショボーン(´・ω・`)」とされ、今回も例外では無かった。
     もっと、言い方を考えろ自分。
     で、まぁ充分に冷やした後には、雑菌による患部の感染を防ぐことを第一とし、皮膚のケアについては後から考える事になりますと説明した。
     もし水ぶくれになったら、その水は透明な血液のようなもので、雑菌の繁殖を抑える作用があるので破らないようにして下さい。
     という訳で、『テラマイシン軟膏』などの抗生剤を使うよう勧めたら、自宅に有るとのことだった。
     そして、その後の患部のケアには『アピトベール』(紫雲膏)をと案内したら、それも自宅に有るそう。
     ………来る必要ありませんでしたね。
     お客様も私も苦笑い(^_^;)
     結果、絆創膏だけを購入された。
     この時に案内し忘れちゃったんだけど、水膨れになってなければ『ケアリーヴ治す力』のような湿潤療法の絆創膏も有効です。
     そうそう、余計かなともと思ったけど、なんだか申し訳ない気持ちになったので、もし赤ん坊が火傷をした場合には、患部の場所によっては流水に当て続けて体温が下がりすぎてもいけないから、例えば腕を冷やす時には体の方はタオルを巻いたりして保温するように伝えた。
     かえって、心配させちゃったかなぁ。
     でも、知ってるのと知らないのとでは、いざという時に行動を起こすさいの躊躇が事態の悪化を防げるかどうかが違うはず。
     後でSNSで、他の医療関係者の人たちに火傷の対応を訊いて回ったら、色々と参考になるアドバイスを頂けた。
     患部に痛みを感じない場合には、より深く火傷をしている可能性を指摘されたりとか、手のひらを超える範囲だったら同じく深刻なものとして病院への受診を勧めるようにとか。
     あと、『メモA』には化膿防止の成分の他に局所麻酔のジブカインが入っているので、痛みを訴えている患者さんに有効とか。
     アチャ~、そういえば今回のお客様は患部がジンジン痛むと言っていた。
     治す以外に苦痛を和らげるという視点に立てば、『メモA』は紹介しておくべきだったかも。
     これは、「火傷を治す薬という物は無い」と思い込んでいた、私のミス(´・ω・`)
     他には、『ドルマイコーチ軟膏』が炎症を抑えるステロイド成分に抗菌作用の強い抗生物質が配合されていて、病院ではステロイドと抗生物質を混合して出すケースがあるから有効だということを知った。
     ただし、効能書きには火傷は書いていないため、これは裏ワザのようなもので、店頭では勧めにくい。
     というように、たぶん店頭で質問すると、薬剤師さんや登録販売者さんによって、提案される治療方法が違うと思われ。
     私のように、あまり薬を使わない方針で、痛みは我慢という人に当たったらゴメンナサイ(笑)
     ……もとい、患者さんの方にも希望があるでしょうから、それはちゃんと伝えましょう。
     もし近所にドラッグストアーが複数あるようなら、それぞれのお店で質問してみて、自分に合う店員さんを見つけておくというのも良いかも。
     実際、それぞれに得意分野があったりするからね。
     あっ、火傷に関しては「流水で十分に冷やす」というのは共通していたので、くれぐれもお忘れなく(・o・)ノ