• タグ別アーカイブ: 四逆散
  • 就職活動は、外的なストレスなのか内的なストレスなのか

     お客様から花粉症に飲み薬を希望され、今まで使ったことがないというため『アレグラ FX』と『アレジオン』を他の鼻炎薬と比較して説明した。
     この二つは花粉症を予防する使い方が効果的なため、花粉の飛んでいない日も欠かさずに連用するのが望ましい。
     また、体が花粉に反応しないようにすることからすると、本格的に効いてくるまで1週間ほどかかる。
     すると症状は鼻水だけで、目の痒みは無いものの症状は強く出ているようだったことから、点鼻薬を併用するか『小青竜湯』の併用を提案した。
     腸の働きと花粉症の関係のお話をすると興味を持たれ、点鼻薬の『スットノーズα』と『新ビオフェルミンS』を『アレグラFX』と一緒に購入された。
     外敵から体を守ろうと警戒する働きを担っている腸の機能が低下すると、花粉をウイルスなどの外敵と勘違いして戦闘態勢を整え花粉症が起こるので、腸の働きをサポートすることが養生法となる。
     お客様の友人はザワークラウトを自家製してるそうで、お客様自身は以前は『ザ・ガードコーワ整腸錠α3+』を使っていたとのことだった。
     ただ『ザ・ガードコーワ整腸錠α3+』だとミネラル成分が、『アレグラ』や『アレジオン』の効き目を落としてしまう可能性がある。
     それからお客様はシャワーで過ごしているそうなので、入浴してお腹周りを温めた方が良い事をお話したうえで、太い血管が通っている背中側に重点的に浴びるよう勧めた。

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     若いお客様が『ガスピタンa』と『ストッパEX』を一緒に購入されるのでヒアリングしたところ、就職活動中で腹痛を伴う下痢を起こしやすいとのことだった。
     そこで『桂枝加芍薬湯』を紹介すると興味を持たれたため、ストレスに対応する胃薬として『大正漢方胃腸薬アクティブ』と『太田漢方胃腸薬II』を、『大正漢方胃腸薬』を基本に説明した。
     『大正漢方胃腸薬』は弱っている胃を助ける『安中散』と、筋肉の痙攣を抑える『芍薬甘草湯』を合わせた処方。
     そこから『芍薬甘草湯』を抜いて、手足の冷えを取る『四逆散』と入れ替えたのが『大正漢方胃腸薬アクティブ』であり、外的要因による緊張性のストレスに向いている。
     一方、『芍薬甘草湯』を茯苓と入れ替えた『安中散加茯苓』が『太田漢方胃腸薬II』で、こちらは思い悩むタイプの内的なストレスに適応する。
     しかし人間の体は機械ではないから反応は定型ではないし、ストレスの原因が複合していることもある。
     果たして就職活動は、外的なストレスなのか内的なストレスなのか。
     今回は、慣れているという『ガスピタンa』と『ストッパEX』をそのまま使ってみるとのこと。
     就職活動、頑張って下さい(・∀・)

    ガスピタンa

     

     

  • 一口にストレスと言っても、「内面的なストレス」か「外因的なストレス」で体の反応も変わります

     やや高齢のお客様が『太田漢方胃腸薬II』をレジに持ってきてヒアリングしてみると、以前は『大正漢方胃腸薬』を使っていたというので、『大正漢方胃腸薬アクティブ』を交えて説明したところ、医師からは「ストレスですね」と言われたとのことだった。
     疲れた胃を労って安らかにする『安中散』と、気持ちを落ち着け筋肉の痙攣を抑える『芍薬甘草湯』を合わせたのが『大正漢方胃腸薬』で、これを基本に覚えると後の二つとの違いが分かりやすい。
     まず『太田漢方胃腸薬II』は『大正漢方胃腸薬』から『芍薬甘草湯』を抜いて、茯苓と入れ替えた『安中散加茯苓』という処方であり、水分代謝の改善を目的とし、「起きてもいないことをアレコレと考えてしまう」ような“内因的なストレス”に適応する。
     それに対して『大正漢方胃腸薬アクティブ』は『大正漢方胃腸薬』から『芍薬甘草湯』を抜いて、『四逆散』と入れ替えた処方で、四逆とは手足が緊張により冷える状態を指し、「誰かから激しく叱責される」といった“外因的なストレス”に向いている。
     お客様は、出産したばかりの娘さんの世話で遠方から来ており、娘さんも近くに頼れる人がいなくて大変なようだった。
     お客様の舌に、水分代謝の異常を示す歯形の跡が見えたので、『太田漢方胃腸薬II』が適応することをお話して、お買い上げいただいた。
     また、病院にしろ薬局にしろ医療者には家庭の背景も伝えた方が、治療の参考になることをお話しした。
     お客様からは、「話を聞いてもらえて良かった」と言っていただけた。

    大正漢方胃腸薬アクティブ

     やや高齢のお客様が『スクラート胃腸薬』と『太田漢方胃腸薬II』をレジに持ってきたのでヒアリングしてみると、後者は人から勧められたているためというので、上記と同じ説明をした。
     なにより『スクラート胃腸薬』は普段から元気な人が、たまたま胃の不調を起こした場合に適応するもので、『太田漢方胃腸薬II』とは真逆である。
     それなら、『スクラート胃腸薬』より『スクラート胃腸薬S』の方が向いている。
     名前はSが加わっただけだが、こちらは普段から胃腸が弱いかストレスで胃が疲れている場合に適応し、中身がだいぶ違う。
     それから、無印の『スクラート胃腸薬』には内臓の働きをわざと悪くして症状を抑えるロートエキスが入っているので、使うさいには症状や体質に合っているか見極めたほうが良いことをお話し、やはり先のお客様と同じく舌に歯形が見えたことから、『太田漢方胃腸薬II』を勧めて、お買い上げいただいた。
     それから腹痛がある時には『芍薬甘草湯』単独でも使えることをお話しすると、下痢をすることがあると分かり、『桂枝加芍薬湯』を紹介した。

    太田漢方胃腸薬II
     

  • 『大正漢方胃腸薬』を基本に、ストレスによる胃腸の不具合に効く漢方薬を解説

     お客様が『葛根湯』の液剤を購入されるさいに、喉の痛みや咳がある場合、また発熱してからでは適応しないことを伝えた。
     そして『葛根湯』は、早め早めに使うのが効果的なので、家に置いておくよりも持ち歩いた方が良いことをお話ししたのだけれど、いずれもピンとこなかったようだ。
     反応が薄いと淋しい芸人根性(´・ω・`)←違

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     お客様が『リフレライフ』(安中散加茯苓)をレジに持ってきたけれど、内面のストレス向けであることを説明すると外因性が思い当たるようなので、『爽和』を紹介し変更となった。
     『大正漢方胃腸薬』を基本に考えると、胃を安らかにする『安中散』と痙攣性の痛みを抑える『芍薬甘草湯』を合わせた処方なのだが、そこから『芍薬甘草湯』を抜いて水分の代謝を改善する茯苓を足したのが『安中散加茯苓』であり、これは「起きてもいないことを悩む」タイプに向いている。
     そして同様に『大正漢方胃腸薬』から『芍薬甘草湯』を抜いて、『四逆散』と入れ替えたのが『爽和』である。
     四逆とは手足のことで、手足の血流が逆流し冷えてしまうのを改善するのが『四逆散』
     つまり、職場の環境が変わったとか人から怒られるといった外因性のストレスに適応するのが『爽和』なのだ。

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  • 病院を勧めるのも登録販売者の務めです

     やや高齢のお客様から、成人の息子さんが手を打撲して患部が変色していると相談を受けたのだが、病院を嫌がっているとのことだった。
     初日なら氷水で冷やすのが最優先とお話したところ、『バンテリン』の液剤を塗っているというのでそれは継続させるように伝えた。
     思い出してみると以前に同じく息子さんが手に大怪我をして、手が血まみれなのに包帯を巻くだけで病院に行かないという相談を受けたお客様だった。
     確か血が固まって包帯が剥がしにくいというので、お湯に浸してみるようアドバイスした覚えがある。
     その後は回復したとのことで、お礼を言われたけれど……(;´Д`)

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     やや高齢のお客様から足のイボの薬を求められたが、患部に芯があるようなのでイボではなくウオノメと考えられることを説明したところ、一ヶ月くらい前から患部をかばって歩いていたら、足の甲が痛くなってきたというため受診勧奨した。
     病院に行くか迷っていたとのことで、どうやら踏ん切りがついたようだ。

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     お客様から、胃がチクチクするとのことで胃薬の相談を受け、胃薬は胃酸の出過ぎを抑える制酸剤と消化を助ける消化薬という反対の作用をする成分が入っている物もあり、選定が難しいことをお話した。
     風邪は放っておいても自然に治るから、ぶっちゃけ風邪薬を選ぶさいに外してしまっても大丈夫だが、胃腸薬は自然回復するのに日数がかかるため、症状を見極めないとならないのだ。
     するとストレスが思い当たるらしく『太田漢方胃腸薬2』に興味を持たれたので、『大正漢方胃腸薬』と『爽和』も交えて、ストレス性の場合の適応について説明した。
     胃を安らかにする『安中散』に鎮静鎮痙攣剤の『芍薬甘草湯』を合わせたのが『大正漢方胃腸薬』で、これを基礎とし『芍薬甘草湯』を『茯苓』と入れ替えることにより水分代謝を改善して、起きていないことを悩むような内面的なストレス性の胃の不具合に適応するのが『太田漢方胃腸薬2』の処方、『安中散加茯苓』である。
     そして、『大正漢方胃腸薬』の『芍薬甘草湯』を、緊張することで手足が冷えるのを軽減する『四逆散』と入れ替えたのが『爽和』であり、環境が変わったり人から怒られるといった外的なストレスの胃の不具合に適応する。
     そして、お客様が『スクラート胃腸薬』にも興味を持ったため、普段元気な人がたまたま食べ過ぎて具合が悪くなった時に胃壁を保護して修復するのが無印の『スクラート胃腸薬』で、疲労して胃の機能が低下している人が食べ過ぎた場合に胃壁を保護しつつ胃の働きも助けるのが『スクラート胃腸薬S』であることを説明すると、『スクラート胃腸薬S』の方を購入された。

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  • 良いことは真似しましょう

     若いお客様が整腸剤の棚で迷っている様子だったため声をかけてみたけれど、案内は断られた。
     しかし、しばらくしてから質問され、乳酸菌が腸まで届きにくいことや相性があるといったお話をしたところ、ストレス性の下痢に『大正漢方胃腸薬』を使っているというので、『爽和』と『太田漢方胃腸薬2』も紹介して説明した。
     『大正漢方胃腸薬』には体の中を安らかにする『安中散』に、痙攣と痛みを抑える『芍薬甘草湯』が入っている。
     その『芍薬甘草湯』『四逆散』と入れ替えた『爽和』は、環境が変わったとか人から怒られるとか外部の影響で受けるストレスに適応するし、『芍薬甘草湯』を茯苓と入れ替えた『太田漢方胃腸薬2』は『安中散加茯苓』となり、起こってもいないことをあれこれと悩んでしまう内面的なストレスに向いている。
     ただ、下痢があるようであれば『桂枝加芍薬湯』の方が良いように思われたので紹介し、環境的に入浴は難しいというお話から、お腹を温めるためにシャワーを背中から腰にかけて浴びるよう勧めた。
     本日は相談のみで、お帰りになった。

     若いお客様が『イブA錠EX』 と『タナベ胃腸薬ウルソ』を持ってきて、それぞれ前者は生理痛に後者は胃もたれに適応するか質問された。
     やはり、こうして相談をしてもらうのが、薬を買うのには一番良いと思う。
     カフェインが入っていなくて生理痛に特化した『エルペインコーワ』も紹介し、胃もたれについては冷たい者を飲んだ影響のようだったため『スクラート胃腸薬S』を案内したところ、両方とも変更となった。
     また、冷たい物を飲んでお腹を下してしまった場合にと思い、『胃苓湯』も紹介した。

     お客様から洗浄綿を求められたけれど、用途を尋ねるとご主人が傷口ではなく湿疹の薬を塗る前に患部を拭くのに使うというので、ウエットティッシュで十分なことを説明した。
     洗浄綿だと価格が高くつくからね。
     薬を塗る前に患部を拭くというのは、どれほど一般的なんだろうか。
     良いことなので、皆さんもやってみて下さいね(・ω<) キラッ☆

     お客様からノンガスタイプの虫除けを求められ、『ムシペールα』を案内し、お買い上げいただいた。
     子供の修学旅行に持たせるというので、家にステロイド剤の塗り薬があれば同じく持たせるよう勧めたところ、明日には現地に発送しなければならないというので、思わず「大変ですね」と答えてしまった。
     大変なんですよ、子供の学校関連の準備(;´∀`)

     

  • あえて薬を紹介しないこともあります

     お客様が『リフレライフ』(安中散加茯苓)をレジに持ってきたけれど、使うのは初めてで、ご主人が腹痛に使うというため『芍薬甘草湯』の入っている『大正漢方胃腸薬』と外的なストレスに用いる『爽和』も紹介したところ、『大正漢方胃腸薬『に変更となった。
     胃を安らかにして苦しみを散らす『安中散』に、痙攣を抑える『芍薬甘草湯』が入っているのが『大正漢方胃腸薬』で、そこから『芍薬甘草湯』を抜いて水分代謝を良くし、起きてもいないことを悩むような内向的なストレスに適応するのが『安中散加茯苓』である。
     一方、『大正漢方胃腸薬』から『芍薬甘草湯』を抜いて、血管が収縮することによる手足の冷えを改善する『四逆散』を加えると、職場環境が変わったり人から怒られたりするといった外向的なストレスに適用する『爽和』になる。
     ご主人はこれまで『第一三共胃腸薬』を使っていたそうだが、痛むのがおへその上だったり下だったりして下痢を伴うこともあるというため、冷たい水と温かいお湯のどちらを飲むと楽になるのか調べてみるよう勧めた。
     冷たい水を飲んで楽になるのなら患部が炎症していると考えられるし、温かいお湯を飲んで楽になるのなら機能が低下している可能性がある。
     ストレスが思い当たり、おへその下が痛んで下痢を伴うとなると『桂枝加芍薬湯』の方が適用するかもしれない。

     外用消炎剤の棚を見ているお客様が、成分の違う物を次々と比較していたため気にかけていると、ジクロフェナクトリウム製剤をレジに持ってきたので使用経験を尋ねたところ、初めてだそうで、患者はご主人とのことだった。
     ジクロフェナクトリウム製剤には使用制限もあることを伝えると以前はフェルビナク製剤を使っていたということから、それぞれの鎮痛効果と浸透力の違いを説明したところ、主訴は帯状疱疹だった。
     帯状疱疹にはインドメタシン製剤が有効というエビデンスもあるため、そう説明して『ハリックスIDプラス』に変更となった。
     帯状疱疹は神経にウイルスが住み着き、体力が衰えたりストレスで免疫力が低下したりした時に発症するため、痛みが強い間は消化に良い食事をして、体に無駄なエネルギーを使わせないのがウイルスに対抗するのに有効ですと伝えた。
     また、病院で内服薬が処方されていたようなのだが内容は不明で、効かなかったのでもう行っていないとのことだった。
     しかし、薬が効かなかったことを担当医に相談しないまま行かなくなったというため、薬が適応するかどうかは相性もあることを説明し、 改めて受診するよう勧めた。
     漢方的には急性症状に『竜胆瀉肝湯』を、ウイルスへの対抗として『人参養栄湯』を使うことも考えられるけれど、通院をやめてしまうようだと余計な情報となってしまうかもしれないので、紹介はしなかった。

     

  • 買う薬が決まってからリヒアリングするのは変なのです

     胃腸薬の棚で迷っている様子だったお客様が『スクラート胃腸薬』をレジに持ってきたさいに、『スクラート胃腸薬S』の方は普段から胃が弱い人向けなことを伝えると、空腹時や朝方に胃痛がすると言うので『大正漢方胃腸薬』も紹介してみた。
     『大正漢方胃腸薬』には「胃を安らかにして苦しみを散らす」とされる『安中散』に、下痢などを伴わない痙攣性の胃痛に適応する『芍薬甘草湯』が入っている。
     すると、会社の関係でストレスがあり、その影響をお話されたため『爽和』を試していただくことになった。
     『爽和』の方は、『大正漢方胃腸薬』から『芍薬甘草湯』を抜いて、緊張により手足の血管が収縮して冷えるのを防ぐ『四逆散』が入っており、外因的なストレスに効果的。
     何も起きていないのに悩んでしまう内因的なストレスの場合は、『大正漢方胃腸薬』から『芍薬甘草湯』を抜いて、水分代謝を改善する茯苓の入った『大田漢方胃腸薬2』(安中散加茯苓)が向いている。
     お客様には、冷たい水と温かいお湯のどちらを飲ん飲むと楽になるのか確かめてみるようお話して、良い方を起き抜けに飲んでみるよう勧めた。
     冷たい水を飲んで楽になるのなら胃炎を起こしていて、お湯を飲んで楽になるのなら胃の機能が低下していると考えられるからだ。
     それによっては、また使う薬を変更するのが良い。

     お客様が来店時にすでに咳き込んでおり、その音が乾燥性だったので相談を受けたさいに、直前に風邪をひいたことがあるかを確認したうえで『麦門冬湯』を案内したところ、痰も出るとのことから『ブロン錠エース』も紹介すると後者をお買い上げいただいた。
     乾燥性の咳は、胃炎を起こしている可能性もあるため、消化に良い食事をして夏野菜を避けるようお話した。

     お客様が、のどスプレーを選ぶのに迷っているようだったため声をかけたところ違いを尋ねられたので、消毒系と抗炎症系があることを説明すると、抗炎症系の『アズリートのどスプレー』の購入を決められた。
     買う薬を決められてからヒアリングをするというのもなんだかおかしな気がするけれど、多くのお客様が始めには相談してくれないので、どうしてもそういう順番になる。
     そして患者は13歳の子供で喉の痛みを訴えており、直前に発熱していたと分かったため、体内が乾燥している可能性をお話して『麦門冬湯』を紹介した。
     『リポビタンDキッズ』を一緒に購入されようとしたけれど、『リポビタンJr.』の方が五味子と刺五加が入っていて体力の回復に適していることを案内すると、変更してお買い上げいただいた。
     とにかく発熱時に胃を傷めていると考えられるため、消化に良い食事をして量を控えさせるようお話すると、どうやら大食であるらしい。
     風邪をひいたら体を休めるというのは内臓も含めて休ませることが必要なので、私のうちの場合なら食事抜きでドリンクゼリーで過ごさせることを伝えた。
     甘い物は脳に満腹感を感じさせるので、量を多く食べないで済む。

     

  • 市販薬を特定の銘柄にこだわって探すのは難しい

     やや高齢の常連のお客様が『新コンタックかぜ総合』を持ってきて、「いつも買ってるのと違うけど、パッケージが変わったのかな?」というので詳しく訊いてみたところ鼻炎に『新コンタック600プラス』を使っていたと分かった。
     同じブランド名で統一するのはメーカーとしては顧客に浸透させたいからなんだろうけど、紛らわしくて困る。
     主訴は鼻炎だそうで、『新コンタック600プラス』と他に『ストッパEX』を購入されたため、併用しないように伝えた。
     というのも『新コンタック600プラス』のような抗ヒスタミン薬が入っている物の副作用は便秘であり、『ストッパEX』と併用すると余計に便秘してしまう可能性があるからだ。

     お客様から口唇ヘルペスの薬を銘柄指定で求められたのだけれど、薬剤師のいるお店でないと取り扱っていないことを説明して、近所のドラッグストアーを紹介してみると、既に行ってみて置いてなかったという。
     あそこのお店には口唇ヘルペスの薬自体はあるから、市販薬を特定の銘柄で探すのは難しいため成分で探した方が同じような物が見つけられることをお話してみたのだが、納得してもらえたようには思えなかった。

     『ガスター10』を求めて来店したお客様に、薬剤師のいない店には置いていないことをお話して症状を尋ねてみると、胸焼けと胃痛だという。
     繰り返し使うのは好ましくないことをお話すると、棚にあった『太田漢方胃腸薬2』に興味を持たれたので、ストレスが思い当たるんだろうと思い『爽和』と『大正漢方胃腸薬』を比較して説明した。
     基本の処方は『大正漢方胃腸薬』で、胃の働きを安定させる『安中散』に鎮痛鎮痙攣の『芍薬甘草湯』が入っている。
     『芍薬甘草湯』は単独では、こむら返りや下痢を伴わない急な腹痛などに適応する。
     その『大正漢方胃腸薬』から『芍薬甘草湯』を抜いて、水分代謝を整える茯苓を足したのが『太田漢方胃腸薬2』の『安中散加茯苓』であり、これは「起きてもいないことを悩んだりする」ような内面的なストレスに適応する。
     そして『大正漢方胃腸薬』から同様に『芍薬甘草湯』を抜いて、代わりに『四逆散』を加えたのが『爽和』という胃腸薬で、こちれは「職場が変わった」とか「人からガミガミ怒られた」というような対外的なストレスによる胃腸障害に向いている。
     四逆とは手足が冷えることで、緊張すると指先の血管が収縮して血行が悪くなり、それを改善するのが『四逆散』という訳だ。
     そ説明するとお客様は、『爽和』をお買上げになった。

     

  • 海外旅行に『爽和』はいかが?

     やや高齢のお客様が『葛根湯』を求めて来店したが、咳のある風邪には使えないことを説明すると、主訴は微熱と喉の痛みに、咳と頭痛とのことだった。
     熱が出始めているのであればもう『麻黄湯』に乗り換えた方がいいし、頭痛もあることを考えると『柴胡桂枝湯』でも良いように思える。
     ただ、お客様は『葛根湯』を望んでいるので、喉の痛みと咳は軽いことを確認したうえで、咳が強くなってきた場合には『麦門冬湯』に乗り換えるよう説明して『葛根湯』をお買い上げいただいた。
     適応しないと分かっていても、最後はお客様の希望が優先なのは致し方なし。

     やや高齢のお客様から、『正露丸』の場所を尋ねられたので売り場を案内しつつ、大幸薬品とイズミ薬品とでは処方内容が違い、イズミ薬品のには下痢止めのロートエキスが入っており、食中りの時には下痢を止めずに毒になっているモノを早く排出するのが大事なことと、どちらも糖衣錠からは抗炎症成分が抜いてあることを説明したところ、海外旅行に持っていくとのこと。
     そうであれば、あえて下痢止めのロートエキスが入ったイズミ薬品の『正露丸』という考え方もある。
     他に風邪薬を希望され、漢方薬が良いというお話だったので胃薬も兼ねられる『柴胡桂枝湯』を紹介すると、手にされた『爽和』をやめて、イヅミ薬品の『正露丸』と一緒に購入された。
     『爽和』は胃の働きを助ける『安中散』とストレス性の手足の冷えを取り除く『四逆散』を合わせた物なので、環境の変わる海外でのストレス性の胃腸障害に使うのも良いだろう。
     お客様からは、『コムレケア』(芍薬甘草湯)の効き目を訊かれ、10分ほどで効果があることと、下痢を伴わない腹痛にも使えることを説明した。
     そして家には病院から処方されたステロイド軟膏があるそうなので、ぜひ海外旅行には持っていくよう勧めた。
     炎症を抑える塗り薬としては強い方なので、虫に刺されたり植物でかぶれたといった場合にも使えて便利なんである。

     

  • 冷たい水と温かいお湯のどちらで胃が楽になりますか?

     お客様から胃痛と軟便の相談を受けたところ、他店で『タナベ胃腸薬<調律>』を勧められ使っていたそうなので系統の近い『パンシロン01プラス』を紹介した。
     また、『太田漢方胃腸薬2』を使ったことがあるというお話から、『大正漢方胃腸薬』と『爽和』を交えて説明した。
     『大正漢方胃腸薬』は働きが鈍くなった胃を助ける『安中散』に鎮痛痙攣薬の『芍薬甘草湯』を合わせた処方であり、 『太田漢方胃腸薬2』はそこから『芍薬甘草湯』を除いて茯苓を足し水分代謝を改善する『安中散加茯苓』という処方になって、起きてもいないことを心配するような内向的なストレスによる胃の不具合を改善する。
     そして『爽和』の方は『大正漢方胃腸薬』から『芍薬甘草湯』と手足の冷えを治す『四逆散』とを入れ替えて、生活環境が変わったとか人から怒られるといった対外的なストレスによる胃の障害を改善するのに適用する。
     今回は胃痛があるという事だったので、『大正漢方胃腸薬』を使っていただくことになった。

     『大正漢方胃腸薬』と『第一三共胃腸薬』を比べていたお客様が、後者の購入を決められたので念のため違いを説明したうえでお買い上げいただいた。
     主訴は胃もたれで、以前に逆流性食道炎と診断されたことがあるということから、『ギャクリア』(六君子湯)も紹介してみた。
     今回は、体格的にもガッシリしてるので『第一三共胃腸薬』は適用しそうに思える。
     ただ、胃の症状の鑑別の一つとして、冷たい水と温かいお湯のどちらを飲むと楽になるのかは確かめてみるよう勧めた。
     水を飲んで楽になるようならば胃の働きすぎによる胃炎の可能性があり、お湯を飲んで楽になるようであれば胃が冷えたり水が溜まっているといった胃内停水による機能低下と考えられる。