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  • 微熱でも熱を計っておきましょう

     お客様から、鼻水と頭重感の相談を受けた。
     患者さんは家族で、症状は昨日からだという。
     微熱があるらしいのだけれど、計ってはいないとのこと。
     どうも世間的には、微熱程度では計らない傾向のように思える。
     微熱を、「初期」とか「軽度」と考えてしまうのだろう。
     でも大事なのは、実は体温そのものではなく、体温の「変化」の方。
     微熱とはいえ、一日の中で変化はあるものだし、変化の幅が狭いのであれば、そのこと自体が病態の参考になる。
     今回は別だけど、「一週間くらい微熱が続いている」というようなケースでは、本当に微熱だけで上昇した期間は無かったのか、というようなことが重要な情報となる。
     それこそドラッグストアーでは、直接的な診察はできないから、患者さんの周辺情報が適応する薬を選択する手掛かりになるので、ドラッグストアーに訪れる前には体温を計り、そして何時に計ったのかをメモしておいて欲しい。
     今回は主訴に喉の痛みは無いようなので、まず『小青龍湯』を案内したのだけれど、疲れがあるようだという話が出たため、『柴胡桂枝湯』も候補にした。
     パッケージに書いてある効能だけだと、『柴胡桂枝湯』は関係無さそうに見えて、実のところ鼻水は内臓が冷えている時に起きる現象だし、頭重感も胃の不調と関係が有るため、胃腸と肝臓を支えることでの回復を見込める。
     微熱なのは、単純に風邪のひき始めなのではなく、疲労によって熱が出せない可能性もあるしね。
     一応は、そう説明したものの、頼まれ物だから、やはり効能には直接的な症状のことが書いてある方が良いだろうと思い、この後に熱が上がる場合も考慮して、『小青龍湯』に解熱鎮痛剤を足した『ストナデイタイム』の方を勧め、お買い上げ頂いた。
     それから、鼻水や頭重感が治まっても、疲労が回復しないようであれば、『柴胡桂枝湯』への乗り換えも検討して下さいと付け加えた。

     筋肉痛に『エアサロンパス』を使っていたら、すぐに使い切ってしまうということで、お客様からご相談。
     スプレータイプは無駄に薬剤が飛び散ってしまう訳で、ローションタイプで塗ってみてはと提案し、成分の近い『アンメルツヨコヨコ』と『トクホンチールOX』を案内した。
     すると、11歳の子供と一緒に使いたいという。
     『トクホンチールOX』は、薬剤の強さというより刺激の強さで13歳以下の使用は避ける事になっているのを説明したうえで、薬は家族で共用するよりも、体質や普段の食事の他に運動量が違ったりするから、それぞれ別な物を検討するよう勧めた。
     納得して頂けたらしく、両方を購入された。
     ヤタッヽ( ´ー`)ノ

     やはり急に冷えたからか、鼻水の相談が続く。
     今回のお客様は、鼻水が放っておくと垂れてくるくらいらしいので、体内まで冷えているのは確実だろう。
     『小青龍湯』で良いようにも思えたけれど、詳しく症状を尋ねると微熱があるというお話から、今後の熱の上昇に備えて『ストナデイタイム』を勧めて、お買い上げとなった。

     

  • 段階を踏んで信頼関係を築いていくしかない

     お客様から、『パテックス機能性サポーター』の通常版とハイグレードモデルについての質問を受けた。
     ハイグレードモデルの方はクロステーピング構造になっていて、膝の安定性が通常版より優れています……と説明してみたものの、実はパッケージに書いてあることを言ってみただけ(;´∀`)
     それでは申し訳ないので、症状を詳しく尋ねてみたところ、仕事で重い物を持ったりで、膝の曲げ伸ばしが多いとの事だった。
     病院では特に異状は認められなかったようだけれど、冷えや血行不良が関係している可能性をお話して、『桂枝加苓朮附湯』を案内してみた。
     また、むくみの傾向もあるようだったため『防已黄耆湯』を紹介してみると、仕事で足が筋肉痛になる事が多いという話が出たため、『コレムケア』(芍薬甘草湯)を案内した。
     今日のところは、サポーターはやめて『コレムケア』をお買い上げとなった。
     私としては、もう少し踏み込んだ選択を促したかったところだけど、段階を踏んで信頼関係を築いていくしかない。
     そのためには、できるだけ見立てを外さないようにしないと。

     同僚が、家族の代理で来店したお客様から頭痛の相談を受けたようで、その内容のメモを読んだ。
     病院でMRIを撮り、頭痛薬も処方されているらしいのだけれど、微熱があるため担当医に風邪薬を希望したところ、市販の風邪薬で良いと言われて来店した模様。
     そして、家にも風邪薬があるというお話だったため、同僚はそれを服用するように勧めてみたが、『ベンザブロックL』を購入されたのだとか。
     発熱なら、『ベンザブロックIP』の方だと思うんだけど、喉の痛みがあったのかな。
     処方された頭痛薬の種類にもよるけど、解熱作用があれば風邪薬は不要なケースにも思える。
     本人が、何かしら飲まないと納得しないという事なのかもしれんけど。
     胃からくる頭痛もあるから、私だと微熱を考慮して『柴胡桂枝湯』を案内したかも。
     本当は、同僚とも症例研究ができると良いのになぁ。
     常時一人勤務で交代となると、こうして連絡ノートでメモのやり取りだけ。

     やや高齢のお客様から、目頭の赤味の相談を受けた。
     痒みは無いものの目ヤニが出るとのことで、風邪をひいてからという。
     眼球には目視で異常は認められなかったため、患部が目元だったので、『ロート新緑水α』を案内して、お買い上げ頂いた。
     患部が目そのものでない場合、痒み止めの皮膚の薬を目の近くに使ってしまう人もいるので、目薬の中で炎症を抑える物を案内するのが安全だと、以前にとある薬剤師さんから教わった。



     

  • 症状に合わせた乗り換えプランも大事

     『葛根湯』『五虎湯』を一緒に購入されるお客様がいらしたので、念の為に用途を確認すると、風邪の常備薬にしたいという。
     風邪をひくと、いつも咳になってしまうらしいのだが、『葛根湯』にも『五虎湯』にも麻黄が入っていて、これは体を温めるため重なるのは好ましくない。
     まぁ、麻黄は温めると言っても熱を発散させるためで、『五虎湯』には患部を冷やす石膏も一緒に入ってるんだけどね。
     ただ、『葛根湯』との併用で考えると、体内を乾燥させてしまう心配がある。
     となると咳止めには、体内の乾燥を防ぐ『麦門冬湯』の方が良いだろうと案内したところ、『葛根湯』『麦門冬湯』の組み合わせで、お買い上げ頂いた。
     そうそう、あと麻黄は少なからず胃に負担をかけるため、処方的に胃薬に近い『麦門冬湯』は、胃を守る働きにも貢献する。

     お客様が、『大正漢方胃腸薬』と、外からのストレスに用いる『四逆散』の入った『爽和』と、内面のストレスに適する『リフレライフ』(安中散加茯苓)を何度も眺めたうえで、『大田漢方胃腸薬2』(安中散加茯苓)をレジに持ってきたので、念のため症状を尋ねてみた。
     朝起きると胃痛がするというお話からすると、胃酸過多の可能性が考えられる。
     内面のストレスは思い当たるそうなので、そのまま購入して頂きつつ、痛みに対して効果が弱いと感じた時には、痛み止めの『芍薬甘草湯』が入っている『大正漢方胃腸薬』への変更も検討するよう、お話した。

     ご主人の代理で、お客様が咳の相談にいらした。
     熱などの風邪の症状は無いのに、夜中に激しく咳き込み、それでいて昼間はそれほどでもないというお話から、『五虎湯』を案内した。
     しかし、その前の状況を詳しく尋ねたところ、一週間ほど前には鼻水と熱を伴う風邪をひき、『ベンザブロックS』を服用していたと分かった。
     ありゃん、重要な情報を後出しは困る。
     まぁ、それを聞き出すのも私の役目な訳ですが。
     でも、代理で薬を購入される時には、忘れずに最初の段階で知らせしてもらいたいところ。
     今回の場合、風邪による発熱で体内が乾燥したうえ、現代薬の風邪薬により症状を抑えた結果、神経レベルでの保湿機能が低下していることで咳になっている可能性をお話して、『麦門冬湯』も紹介した。
     ひとまず、『五虎湯』で目先の咳を止めて、後から『麦門冬湯』に乗り換えるプランを提示して。
     この辺りは、予算との兼ね合いがあるし、できるだけお金を掛けたくないと思うのは当然だろうから、乗り換えプランは、なかなか受け入れてもらえないものだけれど。
     他に、『のどドロップ浅田飴』と、医薬品の『浅田飴』の違いを質問された。 
     『のどドロップ浅田飴』の方はセチルピリジニウムが主成分で、これは消毒が目的なのに対して、『浅田飴』の方は熱を発散する麻黄や、患部を冷やす桔梗などの生薬が処方されていることを説明した。




     

  • 漢方薬と現代薬の合わせ技が便利です

     『葛根湯』の錠剤を購入しようとしたお客様に用途を尋ねると、中学生の子供が頭痛と喉の痛みを訴えているとのこと。
     上半身を温める『葛根湯』は、喉の痛む風邪には適さないことを説明し、『桔梗湯』『駆風解毒湯』との併用を勧めた。
     しかし、『桔梗湯』はお腹まで冷やしてしまう可能性があるため、胃腸について確認すると、どうやら弱い模様。
     ううむ、それでは主に冷やすのが上半身に留まる『銀翹散』は、いかがでしょう?
     頭痛にも効果が期待できますし、風邪でなかった場合に疲労になる事もありません。
     また、『葛根湯』については、家に置いておくより、持ち歩いて出先で不調を感じたら、早め早めに服用するようお話したところ、顆粒に変更して両方をお買い上げ頂いた。
     バンザーイ(∩´∀`)∩

     やや高齢のお客様が、鼻水と咳の相談で来店。
     発熱は無いとの事だったけど、疲れているように見受けられた。
     現代薬として『パブロンエースAX』を候補に考えたものの、疲労を避けるために『小青龍湯』を勧めてみたが、漢方薬単独には効果の早さの点で不安があるらしい。
     一応、漢方薬も早く効くことは説明したけれど、どうしても体質改善のイメージで漢方薬は効き目が遅いと思われがち。
     そこで、『小青龍湯』にアセトアミノフェンとエテンザミドを加えた『ストナデイタイム』を案内したところ、こちらは納得していただけたようで、購入を決められた。
     佐藤製薬さんも、便利な市販薬を出してくれたものだ。
     でも、うちの系列のお店では、定番商品には入っていないんだよなぁ。
     モッタイナイ、ね~(*´・д・)(・д・`*)

     『桔梗湯』と『ペラックT』を見比べていたお客様が、『ペラックT』に決めたので、念のため症状を尋ねたところ、いつも喉だけが痛くなり、風邪のような頭痛や発熱といった症状は出ないというお話から、胃炎の可能性もあることを伝えた。
     胃炎を起こすと、胃に自覚症状が無くても、その炎症が喉にも影響するので、そういう時には『安中散』『芍薬甘草湯』が入った『大正漢方胃腸薬』や、逆流性食道炎にも用いる『半夏瀉心湯』が適応する場合があることを説明した。
     まぁ、今回はそのまま『ペラックT』を試してみるということで購入されたけど、いずれにしても喉が痛む時には、消化に良い食事にすると喉の痛みも軽減するので、お試し下さいと付け加えた。

     

  • 親はどーでも良いんですが子供が心配で心配で

     家族の代理でお客様が訪れ、踵のヒビと風邪の相談を受けた。
     踵のヒビについては、『エルモディアひびあかぎれクリーム』を案内。
     本来なら、ここで内服薬として『当帰四逆加呉茱萸生姜湯』を冷えと血流改善に勧めたいところなんだけど、今回は風邪の相談もあるうえ、ご本人ではないため措いておいた。
     こういう点でも、家族の代理というのは困る。
     まぁ、体調が悪いのを無理に店頭に来て下さいとは言えない訳だけど。
     その風邪については、頭痛や悪寒を訴えているようで、まだ発熱はしていないという話から『葛根湯』を勧めた。
     顆粒と液剤で効き目が違うか尋ねられ、液剤で30分程度、顆粒でも45分~1時間程度で効果が発現することを説明した。
     まぁ、効果そのものは変わりませんよと。
     あっ、そうそう、患者さん本人に食欲があっても、消化に良い食事に切り替えて、量は控えるようにして下さいね。
     これを、伝え忘れるところだった。

     赤ん坊連れのお客様が外用鎮痛薬の棚を眺めていたので、やや警戒していたら、何も相談してこずにフェルビナクのパップ剤を選んで、そのままレジで会計しようとされたため、授乳しているかを確認したら授乳中ということで、販売をお断りした。
     もちろん言葉としては、ヤンワリとだけど。
     すると、かかりつけの医師からはロキソニンのパップ剤を処方されていたという。
     それでしたら、かかりつけの医師に相談してみてはとお話すると、その医師は遠方で、近くの病院に行って頼んでみたら断られたそうな。
     うーん、それは断られるでしょうねぇ。
     かかりつけ医師が処方したという話も、こっちはビックリだもの(・_・;)
     いや、確かに濃縮した状態で乳児に経口投与する訳じゃないから、安全といえば安全なんだけど。
     安全性が確立されていないのも事実で、医療機関では緊急性が無ければ、安全性の方を優先する。
     まぁ、かかりつけ医師の指導の元で、母子ともに観察しながらというのなら、分からないでもない。
     かかりつけ医師も、そのつもりで処方したのかもしれないし。
     でも近くの病院の方は、飛び込みで来た患者さん、それも雰囲気からして「指示に従いそうにない人」には、危なくて処方できないと判断したのだろうと、容易に推察できてしまう訳で。
     そのうえ、今回選ばれたフェルビナクは、血液中への浸透力が強いから、とても勧められない。
     それを、相談せずに購入しようとする人には、なおさら売れない。
     とはいえ、このまま帰して、今度は子供を連れず他店で黙って買われても困る。
     親はどーでも良いが、子供の方は守らないと。←(ザビーネ・シャル「感情を処理出来ない人間は、ゴミだと教えた筈だがな……」)
     まずは、サリチル酸のパップ剤を提案してみた。
     しかし、アッサリと蹴られてしまった。
    「効き目が弱いでしょ」と。
     それは、知っているのか……。
     それなら、ロキソニンやフェルビナクの危険性も知っていて欲しい。
     では、フェルビナクを使用する期間+3日間ほど授乳を中止してみてはと提案。
     しかし、これもアッサリと蹴られてしまった…orz
     では、授乳中でも服用できる『独活葛根湯』では、どうでしょう?
     これもやはり、パップ剤を使いたいと却下される。
     これは、もう何を言っても駄目か……。
     それではせめて、処方箋を受けてロキソニンのパップ剤を出した薬局に電話して、市販薬で安全な物を紹介して頂いては?
     この提案を受け入れてもらえたのかは、表情からは分からず。
    「そうします」と答えて、帰っていかれた。
     これからも、あの調子で子育てするのだろうか。
     ……心配過ぎる(;´・ω・)



     

  • ターゲットに的を絞らないと当たりません

     若い男性のお客様が『葛根湯』をレジに持ってきて、風邪に適応するか尋ねられた。
     風邪というのは、医学的には「風邪症候群」という複合的な病状の総称みたいなもので、実のところ定義は曖昧だったりする。
     つまり、「風邪に適応するか」という質問は、厳密には成立しない。
     なので、症状の方を細かに尋ねていくことになる。
     ところが、短気なお客様や、外出途中で急いでいるというお客様だと、この症状の確認すらさせてもらえないまま、「効くヤツを」と言われて困ったりする。
     効かせるためには、ターゲットの絞り込みが必要なのに。
     今回のお客様は、その意味では治す気マンマンで、こちらとしても下手にターゲットを外せない。
     ……良く考えたら、こっちの方が面倒だ(;^ω^)
     すでに発熱したうえ寝汗もかいているというから、『葛根湯』はもちろん『麻黄湯』の適応時期も過ぎていると考えられるため、『柴胡桂枝湯』を案内して、お買い上げ頂いた。
     他に、サプリメントの併用の効用も尋ねられたけれど、摂取した物を処理するのも体には負担になるため、もし使うとしても回復期になってからとお話した。
     また、同じ栄養素のサプリメントでの、メーカー別の効果の違いについて質問された。
     うーん、そればっかりはなんとも……。
     体内での吸収のされ方はメーカーによって違うと考えられますが、それはもう自分で飲んでみた時に、体感を継続的にメモしていくしかないかと。

     これから飲み会に参加されるとのことで、お客様から液剤の相談を受けた。
     アルコールによる脱水症状と上半身に篭もる熱を降ろすための『五苓黄解』を筆頭に、血行を良くして消化を助ける『液キャベコーワ』と、体内で起きる炎症を抑える『ソルマック 胃腸液プラス』を案内した。
     私のイチオシは『五苓黄解』なんだけど、なにしろ価格が競合する液剤と比べて高い。
     今回は、『液キャベコーワ』を購入された。
     ただ、この手の相談で忘れられがちというか、あまり知られていないのは、この「脱水症状」なんだよねぇ。
     トイレが近くなるとか、嘔吐するとか、水分が失われるというのはイメージしやすいはずなのに。
     アルコール度数の高いお酒を飲んだ後に、俗に『チェイサー』という水を飲んだりするけど、酔ってからでは遅い。
     なにしろ、アルコールで体の機能は低下してるんだから。
     なのでお客様にも、飲み会に参加する前に温かいお茶の小さいペットボトルを、1本は飲んでおくよう勧めた。

     

  • 香蘇散(こうそさん)
    胃腸虚弱で神経質な人の風邪の初期

    適応症状 

     胃腸虚弱で神経質な人の風邪の初期

    用方・容量(顆粒製品の場合) 

     1日3回、成人1回1包(2.5g)を食前にお湯または水で服用してください。
     ただし、15歳未満7歳以上は2/3包、7歳未満4歳以上は1/2包、4歳未満2歳以上は1/3包。

    組成(顆粒製品の場合) 

     3包(7.5g)中、次の成分を含みます。
      コウブシ(香附子)4.0g   ソヨウ(蘇葉)2.0g
      チンピ(陳皮)2.0g      カンゾウ(甘草)1.5g
      ショウキョウ(生姜)1.0g  
     以上の割合に混合した生薬より得たエキス2.0g含有します。

    類似処方鑑別 

    葛根湯
     感冒の初期で、比較的体力があり、胃腸症状はほとんど無く、項背部がこわばり、自然発汗が無い場合に用いる。

    桂枝湯
     比較的体力が低下した人で、精神神経症状が無く、自然に発汗する場合に用いる。

    半夏厚朴湯
     比較的体力の低下した人で、不安、不眠、動悸などの精神神経症状はあるが、感冒症状が無く、咽喉部の異物感を訴える場合に用いる。

    加味逍遙散
     体質的に虚弱な人で、季助下部に軽度の抵抗・圧痛があり、不安、不眠、動悸、のぼせなどの精神神経症状を認める場合に用いる。
     この場合、特に女性で性周期に関連して症状の現れる事が多い。

    使用上の注意 

    1.次の場合には医師または薬剤師に相談してください
     (1)本剤を服用後、症状の改善が認められない場合は、他の漢方薬を考慮する事。
     (2)甘草を含有する漢方薬を長期服用する場合は、血清カリウム値や血圧の測定などを充分に行い、異常が認められた場合は、服用を中止する事。
     (3)複数の漢方薬を併用する場合は、含有生薬の重複に注意する事。(特に甘草を含有する漢方薬の併用には、より注意を必要とする。)


    2.服用に際して、次のことに注意してください
     (1)定められた用法、用量を厳守してください。
     (2)小児に服用させる場合には、保護者の指導監督のもとに服用させてください。
     (3)本剤は、2歳未満の乳幼児に服用させないでください。


    3.服用中または服用後は、次のことに注意してください
     (1)本剤の服用により、発疹・発赤、かゆみ、悪心、食欲不振、胃部不快感等の症状があらわれた場合には、服用を中止し、医師または薬剤師に相談してください。 
     (2)本剤を服用することにより、尿量が減少する、顔や手足がむくむ、まぶたが重くなる、手がこわばる、血圧が高くなる、頭痛等の症状があらわれた場合には、服用を中止し、医師または薬剤師に相談してください。
     (3)1ヵ月位(感冒、鼻かぜ、頭痛に服用する場合には、数回)服用しても症状の改善がみられない場合には、服用を中止し、医師または薬剤師に相談してください。
     (4)長期連用する場合には、医師または薬剤師に相談してください。


    4.保管及び取扱い上の注意
     (1)小児の手のとどかない所に保管してください。
     (2)直射日光をさけ、なるべく湿気の少ない涼しい所に保管してください。
     (3)1包を分割した残りを使用する場合には、袋の口を折り返して保管し、2日以内に使用してください。


    5.その他
     本剤は生薬(薬用の草根木皮等)を用いた製品ですので、製品により多少色調等が異なることがありますが効能・効果には変わりありません。


     

  • 風邪の治りかけで病院に行く意味はあるか

     お客様から、風邪の後の疲れが抜けないとの相談を受けた。
     風邪の方は、38.5度までの熱の他に、鼻水や咳もあり、ひき始めから治るまで一週間ほどかかったという。
     最初に『柴胡桂枝湯』を考えたが、食欲は回復しており、一方で寝ていてもウツラウツラしているという話から、心身の疲労に合わせて『竹じょ温胆湯』を勧めて、お買い上げ頂いた。
     普段は使いどころが難しくて、私の元では出番の少ない漢方薬なんだけどね。
     上手い使い方を、もう少し勉強しておかないと。
     お客様からは、風邪の治りかけで病院に行く意味はあるか質問された。
     風邪で疲労した後に肺炎へと進んでしまうケースも有るため、「今がどんな状態かを知る」意味があることを説明した。

     『パブロントローチAZ』を購入しようとしたお客様に用途を尋ねたところ、自身の咳と、子供が喉が痛いと言った時に一緒に使える物として選んだそう。
     しかし、肝心のお客様自身の咳は、夜中に咳き込んで寝付きにくいうえ、もう一週間ほど続けているという。
     患部を冷やして咳を止める『五虎湯』と、長引く咳には体内の乾燥が考えられるため上半身を潤す『麦門冬湯』を案内したうえで、このまま日曜日の今日は休めるのであれば神経レベルで咳を抑える『ブロン錠エース』をと提案した。
     しかし、出かける用事があるというとのことで、疲労の少ない『麦門冬湯』を選んで購入して頂いた。
     また、子供が喉を痛いと言った時のために、『甘草湯』とトラネキサム酸を合わせた『ペラックT』を紹介した。
     そして、喉の痛みが必ずしも風邪とは限らず、花粉症や胃炎などでも起きることを説明し、下半身を温めることで、喉の炎症を軽減できますと伝えた。
     いずれにしても、薬を「家族で一緒に使おう」と考えるのは、症状や体質を無視してしまう事になり、むしろ選択が難しいので注意して下さいな。
     まぁ、今回は『ペラックT』は価格が高いと思われたらしく、購入には至らなかった。

     

  • 素人が競馬やパチスロで大勝ちするのは難しいですよね

     咳と痰の相談を受けたのだけれど、症状は3週間ほど前からで、『パブロン』を服用していたそう。
     ただ、『パブロン』シリーズの何だったかは覚えいないという。
     同じ名前でも、いや同じシリーズだからこそ別な成分構成の商品が存在する訳であり、しかも改善していないというのだから、使っていた物の特定というのは重要な情報。
     いちいち覚えていられないというのは良く分かるから、せめて現物かパッケージを持参するか、カメラ付き携帯電話が普及してからすでに15年以上は経過しているので、活用してもらいたい。
     今回のお客様の場合、発熱などは無く、咳と痰だけだった様子のため、そもそも風邪だったのかからして不明。
     風邪でなかったとすれば、風邪薬を使用していたのが誤りで、効果が無かったのに使い続けたのは不思議でならない。
     一方、痰に黄色味があるというお話からすると、ウイルスが介在していたとは考えられる。
     実のところ、医療従事者にできることは「治療」ではなく、「治る確率を上げる」だけ。
     相談されたから必ず治せるという訳でもない。

     一種のギャンブルと言ったら言い過ぎかもしれないけど、それだけに何も参考にせずに薬を選ぶのは難しいはずなので、競馬新聞やパチスロ必勝法を参考にする程度には、相談して欲しいところ。
     いずれにしろ、どの『パブロン』を服用したとしても、体内の乾燥は確実だろうから『麦門冬湯』を案内した。
     すると、小学生の息子さんも咳をしていて、夜中に咳き込んでいるという話が出た。
     息子さんの場合は、お客様とは咳の性質が違うと判断し、患部を冷やしつつ熱を発散する『五虎湯』を勧めた。
     それでも、養生については同じで、体の中、特に下半身を温めるのが大事。
     体の中で起きているのは、気温が冷え込んできたため、体の方は自分を温めようと頑張って、でも人間の体は機械ではないから、適した場所を適温に調整するのは難しく、その熱の偏りで上半身が乾燥したり熱が篭ったりしていると考えられる。
     という事は、体の中を温めてあげれば、体の方は自分で無理して頑張るのをやめて落ち着く。
     そんなお話をして、『麦門冬湯』『五虎湯』の両方をお買い上げ頂いた。

     若い女性のお客様が、『新キャベジンコーワS』をレジに持ってきた。
     胃薬というは、解熱鎮痛剤以上に適応が難しいので、念のため症状を尋ねてみると、5日ほど前の飲み会で飲み過ぎてから吐き気が治まらず、特に朝の調子が悪くて何も食べられないうえ、落ち着いてくる昼に食べると、また気持ち悪くなる状況だという。
     うむぅ、胃が働いていないのは明らか。
     『新キャベジンコーワS』では、力不足じゃないかな。
     『太田胃散』と『大正漢方胃腸薬』を案内してみたけど、もう少し詳しく症状を訊いてみると、胃の痛みは無い一方でストレスが思い当たるという話が出た。
     どうも会社が体育会系のノリらしく、飲み会はもちろん、日頃の仕事からして力押しの雰囲気なんだとか。
     ああ、それはもう『四逆散』の入っている『大正漢方胃腸薬 爽和』か、『安中散加茯苓』の『リフレライフ』の出番ですね。
     今回は、『リフレライフ』を購入された。
     あと、飲み会に参加する前に、コンビニで温かいお茶を買って飲んでおくように勧めた。
     スポーツをする前には、準備運動が必要なように、飲み会の前に胃に準備運動をさせるがごとく。


     

  • 授乳期の頭痛や肩こりに使える漢方薬

     『桔梗湯』を見ていたお客様から、相談を受けた。
     喉の痛みの他に、体の節々が痛むということで、風邪の兆候と思われ。
     咳と鼻水もあるというし、鼻水は内臓が冷えていると考えられるから、冷やす力の強い『桔梗湯』は適応しないことを説明した。
     同じく、冷やして風邪を治す『銀翹散』は使えないから、鼻水と咳には『小青龍湯』が良いとは思うものの、喉の痛みをどうするか。
     今回は、『小青龍湯』を単独で使うか、『葛根湯』と『ペラックT』の組み合わせを提案したところ、後者を選択してお買い上げ頂いた。

     7歳の子供の鼻づまりの相談を、お客様から受けた。  もともと花粉症があり、鼻をかみ過ぎて鼻血が出ることがあるらしい。
     さらに詳しく症状を確認すると、鼻づまりが主であるものの、鼻水にもなるそうだから『葛根湯加川きゅう辛夷』を案内して、購入して頂いた。
     鼻が詰まった時に通す方法として、首の横の頸動脈を押さえる方法を教えたところ、脇の下に物を挟む方法を知っていた。
     私の場合、脇の下に物を挟むと擽(くすぐ)ったいので、やったことは無いのだけれど。  大丈夫な人は、鼻づまりの時にお試しあれ。

     頭痛を訴える成人のお客様が、『小中学生バファリンルナJ』を購入。
     以前に別な登録販売者から「授乳中でも大丈夫」と説明されたそうで、確認を求められた。
     一応は、「大丈夫です」とは答えたものの、私としては子育て時のストレスや血圧の上昇、あるいは無理な姿勢での抱っこなどでの肩こりを伴う頭痛には、『釣藤散』を勧めたいので紹介した。
     今回は、結局『小中学生バファリンルナJ』を購入された。
     まぁ、同じく登録販売者だとしても個々人の方針があるから、それは批判するべきところではないけれど、授乳中と分かっていれば、痛み止めだけで症状を誤魔化すのではなく、付随する症状の緩和も考慮してあげた方が良いのではないか。
     ストレス寄りの時には、『コリッシュ』(治肩背拘急方)という便利な物もあるんだし。

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