微熱でも熱を計っておきましょう

 お客様から、鼻水と頭重感の相談を受けた。
 患者さんは家族で、症状は昨日からだという。
 微熱があるらしいのだけれど、計ってはいないとのこと。
 どうも世間的には、微熱程度では計らない傾向のように思える。
 微熱を、「初期」とか「軽度」と考えてしまうのだろう。
 でも大事なのは、実は体温そのものではなく、体温の「変化」の方。
 微熱とはいえ、一日の中で変化はあるものだし、変化の幅が狭いのであれば、そのこと自体が病態の参考になる。
 今回は別だけど、「一週間くらい微熱が続いている」というようなケースでは、本当に微熱だけで上昇した期間は無かったのか、というようなことが重要な情報となる。
 それこそドラッグストアーでは、直接的な診察はできないから、患者さんの周辺情報が適応する薬を選択する手掛かりになるので、ドラッグストアーに訪れる前には体温を計り、そして何時に計ったのかをメモしておいて欲しい。
 今回は主訴に喉の痛みは無いようなので、まず『小青龍湯』を案内したのだけれど、疲れがあるようだという話が出たため、『柴胡桂枝湯』も候補にした。
 パッケージに書いてある効能だけだと、『柴胡桂枝湯』は関係無さそうに見えて、実のところ鼻水は内臓が冷えている時に起きる現象だし、頭重感も胃の不調と関係が有るため、胃腸と肝臓を支えることでの回復を見込める。
 微熱なのは、単純に風邪のひき始めなのではなく、疲労によって熱が出せない可能性もあるしね。
 一応は、そう説明したものの、頼まれ物だから、やはり効能には直接的な症状のことが書いてある方が良いだろうと思い、この後に熱が上がる場合も考慮して、『小青龍湯』に解熱鎮痛剤を足した『ストナデイタイム』の方を勧め、お買い上げ頂いた。
 それから、鼻水や頭重感が治まっても、疲労が回復しないようであれば、『柴胡桂枝湯』への乗り換えも検討して下さいと付け加えた。

 筋肉痛に『エアサロンパス』を使っていたら、すぐに使い切ってしまうということで、お客様からご相談。
 スプレータイプは無駄に薬剤が飛び散ってしまう訳で、ローションタイプで塗ってみてはと提案し、成分の近い『アンメルツヨコヨコ』と『トクホンチールOX』を案内した。
 すると、11歳の子供と一緒に使いたいという。
 『トクホンチールOX』は、薬剤の強さというより刺激の強さで13歳以下の使用は避ける事になっているのを説明したうえで、薬は家族で共用するよりも、体質や普段の食事の他に運動量が違ったりするから、それぞれ別な物を検討するよう勧めた。
 納得して頂けたらしく、両方を購入された。
 ヤタッヽ( ´ー`)ノ

 やはり急に冷えたからか、鼻水の相談が続く。
 今回のお客様は、鼻水が放っておくと垂れてくるくらいらしいので、体内まで冷えているのは確実だろう。
 『小青龍湯』で良いようにも思えたけれど、詳しく症状を尋ねると微熱があるというお話から、今後の熱の上昇に備えて『ストナデイタイム』を勧めて、お買い上げとなった。

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微熱でも熱を計っておきましょうへの2件のコメント

  1. アバター はぐれ薬剤師
    はぐれ薬剤師 コメント投稿者

    微熱が一番大切な情報なのですが、理解していただくのは難しいですね。1日の微熱の推移、時間帯も意味があります。

     
    • アバター 北村俊純
      北村俊純 コメント投稿者

       テレビの大仰な医療番組で、どうして基礎的な話に触れないのかが不思議で。
       スポンサー企業にとっても、ビジネスチャンスがあるはずなんですが………。