• タグ別アーカイブ: 柴胡桂枝湯
  • 栄養ドリンクは常温で飲むのがオススメ! 効果は成分表示で確認を

     お客様から、『チオビタドリンク』のバラで常温の物を求められたのだけれど、すべて冷ケースに入れてしまったことを伝えると、一旦は諦め雑誌のみを購入された。
     そのお会計のさいに、多くのお客様が冷やした物を希望されるため冷ケースに入れてしまっているけれど、本来は常温で飲んだ方が効果的なことをお話しすると驚かれた。
     冷やしているとは云え、冷凍している訳ではないから、常温に戻しても大丈夫と教えたところ、お買い上げいただいた。
     お客様としては、冷たい物が苦手だから常温をと思っていたらしいけれど、腸は体温より低い物を受け付けないので、冷たい物を飲むと胃に留めておくか、反対に早めに排泄させようとしてしまい、充分に栄養を吸収できない。
     冷たい物を飲み過ぎるとお腹を壊すというのも、同様の理由で、『OS-1』などの経口補水塩も常温が望ましいのだけれど、これまたお客様のニーズに合わせて冷やしているのが現状。
     お客様のニーズに合わせた結果、望ましくない状態で販売することになっているのは問題だと思う。
     お客様が、 『OS-1』は不味かったというので、それは身体が不要だからと考えられることを説明した。

    created by Rinker
    チオビタ
    ¥718 (2024/04/27 05:06:43時点 Amazon調べ-詳細)

     カスタマーセンターを通じてお客様から問い合わせがあり、間違えて買ったドリンク剤の封を開けてしまったが返品か交換できないか、との内容だった。
     もちろん、お断りしたけれど「でも」「だって」と続いて電話を切っていただけないため、商品について詳しく尋ねてみると『キューピーコーワαドリンク』を買うつもりで『キューピーコーワiドリンク』を購入したとのことだった。
     パッケージの色が違いのに、どうして買い間違えたのか( ̄ω ̄;)
     しかし、『キューピーコーワiドリンク』は眼精疲労への適応を謳っているけれど、軟骨の修復に使うコンドロイチンが角膜の修復成分でもあるように、皮膚の再生を手伝うビタミン剤が目にも効果があるように、成分の一つ一つについて一般的な疲労回復にも適応することを説明し、決して眼精疲労にしか使えない訳ではないことをお話したところ、納得していただけたようだ。
     やはり、目の疲れにしか効かないと思っていた模様。
     こういうこともあるから、買い慣れてるつもりの物でも、私たち登録販売者か薬剤師にひと声かけて、目的に合っていそうか確認してもらいたい。
     場合によっては、別な候補も考えられますし。

     子供を2人連れたお客様が、医薬部外品ドリンクの棚で選んでいて迷っている様子だったため、医薬品もあることをお話しすると移動して見に来てくれた。
     主訴は肩こりと疲労で、『ケンラク内服液』と『リポビタンゴールドα』を比較し、血行を良くする成分が多く入ってる後者をお買い上げいただいた。
     また、『葛根湯』も肩こりに使えることを伝えると、風邪でしか使えないと思っていたようなので、上半身を温めて血行を良くすることを説明した。
     また、『葛根湯』は出先が寒い場合に身体を温めるのにも役立つので持ち歩くことを勧め、疲労には内臓の働きを助けるのも大事なことをお話して『柴胡桂枝湯』も紹介した。

    created by Rinker
    リポビタン
    ¥1,350 (2024/04/27 05:06:44時点 Amazon調べ-詳細)
     

  • その症状は風邪? 胃の不具合? どちらにしても、消化に良い食事に早めに切り替えを!!

     お客様が『熱さまシート』を購入されるさいにヒアリングしたところ奥さんが患者で、今は熱は高くなく4日前からというため内臓がまだ炎症してるのかもとお話した。
     冷たく感じるだけで解熱の効果は見込めない冷却シートも、こういう時には役に立つ。
     実際に発熱していて悪寒が無く38度を超えるようであれば、水枕など直接的に冷やす物を使った方が良い。
     お客様には、風邪などで体を休めるのは内臓も含めてなので、消化に良い食事をと伝えた。
     お客様が帰りがけにドリンク剤を見ていたので改めて声をかけ、体を休めるにはノンカフェインが望ましいことと、シャキッとする物よりも体を支える方が適していると説明し、胃腸の疲労にも適応する『ヒストミンゴールド液プラス』をお買い上げいただいた。

    ヒストミンゴールド液プラス 30ml×10

     若いお客様が『ベンザブロックIPプラス』をレジに持ってきたけれど、主訴は体のだるさで発熱や咳などは無く、仕事を休めないため予防に飲もうと思っていたとのこと。
     総合風邪薬を予防薬として使おうとする人は案外と多く、油断できない。
     特に、咳止めとして入っている覚醒剤系の成分とカフェインの組み合わせで体調が良くなったと勘違いされるようで、しかし身体の方は不要な薬の成分も処理しなければならないため、まったくもって勧められない使い方である。
     家に鎮痛剤はあるそうなので、喉の痛みや発熱した時に使うようお話したうえで、胃や肝臓の機能を支える『柴胡桂枝湯』を勧めて、お買い上げいただいた。
     以前に私が鎮痛剤を勧めたことのあるお客様だったようで、『柴胡桂枝湯』のパッケージに「腹痛」と「吐き気」と書いてあるのを気にされたけれど、それらは宣伝するための一例で、また効能書きの症状が全て起きていないと使えない訳ではないことを説明した。
     熱や咳が無いのに総合風邪薬を選ぶ一方で、起きていない症状が書いてあるのを気にすることもあるという、なんとも不思議な感じ。
     いや、このお客様に限らず、1人の中で一貫性の無い薬の選び方をされるケースは少なくないから、これはもう人間の思考の不思議としか言いようがない。
     お客様に内臓を休ませるようお話すると、お昼をガッツリ食べたというため、この後は消化に良い食事をと勧め、細切れ野菜スープの作り方を教えた。
     人参やセロリなどの野菜を賽の目に細かく切って、いったん冷凍し、それをコンソメの元を放り込んだお湯で少し煮るだけ。
     冷凍することにより野菜の細胞が壊れ、スープに栄養が出やすく、短時間しか似ないので熱に弱いビタミンも効率良く摂れるという寸法。

     お客様が『パブロンゴールドA』をレジに持ってきたのでヒアリングすると、患者は奥さんで発熱と喉の痛みが主訴で、咳は少しあるものの熱は38度まで行かないとのことだった。
     鎮痛剤があればそれで充分か去痰剤との併用を考えたけれど、風邪薬を希望されたので、痛みと炎症に振って『ルルアタックEX』を案内したところ変更された。
     何しろ、お客様の口調が終始強くて気圧されてしまった。
     素の性格なのか、奥さんが心配だからなのか、もう少し平静に応じてもらえないと、私なんか気弱なもんだから途中でヒアリングを打ち切りたくなってしまった。
     それでもなんとか、奥さんは食欲はあるということを聞き出し、それはエネルギーが欲しい脳からの信号で、内臓の方は疲労しているだろうから、騙されずに内臓を休ませる食事にするよう伝えた。

    【第(2)類医薬品】第一三共ヘルスケア ルルアタックEX 24錠
     

  • 喉の不調には風邪薬や殺菌系の薬を使う前に、食事を消化の良いメニューに切り替えましょう

     夫婦のお客様が来店し『のどぬーるスプレー』を選ばれたけれど、レジに持ってきたさいに消毒系であることを伝え、抗炎症系のアズレン製剤を案内すると変更となった。
     消毒系は刺激物だから現に喉が痛むときには避けたほうが良いし、体を守る菌も殺してしまうので、案外と使いどころが難しい。
     今回の患者は奥さんで、喉が痛むのは奥の方というため、胃炎を起こしている可能性をお話し、刺激が少なくて温かく消化に良い食事をするよう勧めた。
     喉の手前や扁桃腺なんかの痛みは、ウイルスなどの外部の敵と戦っていると考えられるが、実のところ喉には呼吸をする気道と飲食物の通る食道が並んでいるため、どちらが炎症しているか分かりにくく、食道側だと胃の不具合というケースもある。
     それが、喉が痛むからといって消毒系を安易に使えない理由。
     風邪でも胃炎でも、どちらのケースでも対応できるのは抗炎症系の方なのだ。

    created by Rinker
    白金製薬
    ¥739 (2024/04/26 15:21:07時点 Amazon調べ-詳細)

     夫婦のお客様が『ルルアタックEX』をレジに持ってきたけれど、咳止め成分のリスクを説明したうえでヒアリングしてみると、ご主人が喉がイガイガするという。
     咳止め成分で多いのは、喉を開いて呼吸しやすくする覚醒剤系と、咳をする中枢神経を抑える麻薬系。
     どちらも依存性があるから使用する頻度は少ないに越したことはないし、覚醒剤系はアッパーだから変に元気になった気がして体に無理をさせがちで、麻薬系の方はダウナーなので身体機能を落とし、体の保水機能も狂わせて体内を乾燥させてしまうため、咳止めなのに副作用は咳だったりする。 
     今回のように喉がイガイガするだけで総合風邪薬を使うのは、虫に刺されて痒いところを金属バットで殴るようなもん。
     痒みは感じなくなるかもしれないが、被害のほうがデカくなる。
     そこで喉を潤すために、現代薬の『ストナ去痰カプセル』と、上半身に保水する漢方薬の『麦門冬湯』を案内したところ、前者をお買い上げいただいた。
     お客様はキャンプに行き、普段使わないエアコンの部屋で寝たというので、「それは重要な情報です」とお話した。
     空気の乾燥で体内まで乾燥してしまったのかもしれないし、手入れが行き届いていなくてカビなどを吸い込んだ可能性も考えられる。
     また、今回の喉のイガイガの原因が外気温の低さということも考えられる。
     寒さに体に対抗しようとして熱を体内で出すのだけれど、人間の体は都合良く特定の場所だけ熱を出すということができないため、胃などの内臓にまで熱を及ぼし乾燥させてしまうのだ。

     子供を連れた夫婦のお客様から栄養ドリンクを希望されヒアリングすると、奥さんが微熱があってだるいそうで、熱に『バファリンルナi』を使ったというため「良い選択です」と伝えたうえで、辛味が抜いてある『ユンケル黄帝液L』と、カフェインが入っておらず体をゆっくり休ませるのに向いている『ヒストミンゴールド液プラス』を案内した。
     すると3日後には外せない用事があるというため、身体機能のうち特に胃と肝臓を下支えする『柴胡桂枝湯』紹介し、それで身体を整えて当日に『ユンケル黄帝液L』を使うことを提案すると、両方をお買い上げいただいた。
     微熱は風邪の初期は限らず、疲労により熱を出す体力が無い可能性もお話した。
     食べ物の消化には意外と体力を消耗し、しかし消化の負担を軽減しつつ栄養を摂るために、野菜を細切りにして冷凍してからスープを作る方法を教えた。
     細切れにした野菜を冷凍すると細胞が壊れ、お湯で似たときにスープに栄養分が溶け出しやすくなる。
     細切れにしてあるから、熱に弱いビタミンCなどを加熱しすぎないで済む一方、野菜の旨みはスープに出る算段。
     そのまま野菜自身の味を愉しんでも良いし、物足りないのであればコンソメの元を投入すれば良い。
     消化に良く栄養も摂りやすいうえ、手間もそれほどかからない一人暮らしメニューは体の調子が悪いときには便利であろう。

     

  • 『葛根湯』は万能の漢方薬ではありません

     お客様が『葛根湯』をレジに持ってきたけれど、喉の痛みや咳がある場合、そして発熱してからは使えないことを伝えると、まさに主訴は喉の痛みで、他に何があるのか尋ねられたので『銀翹散』を紹介したところ、両方を購入された。
     『葛根湯』は上半身を温めて症状を改善するので、「温めると具合の悪くなる症状」には適応しない。
     つまり、喉の痛みは余計にヒリヒリするし、体内が乾燥して咳は酷くなるし、熱が出ている状態ではもはや温める必要も無いということ。
     反対に上半身を冷すのが『銀翹散』で、鼻水が出ている場合には内臓が冷えていると考えられるから、そこは注意が必要。
     鼻水が出て喉が痛む場合に迷うが、そういう時には我慢できない方に合わせるか、『葛根湯』に加え喉の薬として『桔梗湯』や『龍角散ダイレクト』を併用する方法がある。
     そう説明すると、お客様は発熱してから使う『麻黄湯』はご存知だったので、発熱後の体力の消耗に対応する『柴胡桂枝湯』も紹介した。
     胃薬もも何か漢方薬を使っていたようだけれど、名前は覚えていなかった。
     『葛根湯』については、持ち歩いて出先が寒い時にも体を温めるのに使えることをお話すると喜ばれた。

    created by Rinker
    クラシエ薬品
    ¥1,077 (2024/04/27 06:37:07時点 Amazon調べ-詳細)

     お客様から『葛根湯』の液剤を尋ねられ、売り場を案内したものの1日分の価格が顆粒や錠剤に較べて高いので勧めにくいことをお話ししたところ、人から妊婦でも飲めると教えられたそうで、今まで使ったことは無いという。
     確かにその人の言っていたことに間違いは無いが、それは医師の監督下であったり、薬剤師や私たちが相談を受けたうえでのことを説明した。
     ただ、『葛根湯』は胃に負担がかかるのと同様に、内臓に影響が無い訳ではないから、必ず妊娠時に使えるというものでも無いから油断は禁物。
     しかもヒアリングしてみたら、主訴は主訴は喉の違和感というため、症状に合わないことを説明し、『パブロントローチAZ』を勧めてお買い上げいただいた。
    「妊婦でも飲める」だけ記憶に残って、症状に適応するかを確認するのを忘れられるのは困る(^_^;)
     教える人も、教えるなら教えるで、ちゃんと教えてもらいたいもの。
     いや、一番教えておいてあげてほしいのは、「でも、お店で相談したほうが良いよ」の一言である。
     お客様は、発熱時には悪寒の段階では解熱剤は使わない方が良いと知っていたので、その理由の補足として、「ジャンプしようとしゃがんだところを蹴り倒すようなもの」と説明したらウケた。
     検診に行ってる病院はあるそうなので、次回に『葛根湯』を使って良いのはどんな場合か、医師に相談するよう勧めた。
     また、市内の医療情報センターの電話番号を教えた。
     24時間体勢で、病院に行こうか迷ったときの相談に応じてもらえ、深夜や休日でも診療可能な病院を教えてもらえる。

     この間、声枯れに『龍角散ダイレクト』お買い上げいただいたお客様が、今日は幼児を連れて喉スプレーを見比べていて消毒系をレジに持って来られたため、消毒系は刺激物でもあるため患部が治ろうとするのを邪魔してしまうことを説明し、抗炎症剤のアズレン製のスプレーに変更となった。
     前回の声枯れの時に、患部を刺激しないよう柔らかい食事にする養生法を伝え忘れてしまったことをお詫びした。
     それにつけても、1回2回案内したくらいでは相談してもらえないのだから、なかなかに厳しい修行の道である。

     若いお客様が『龍角散ダイレクト』と『ヴィックスドロップ』の両方を購入されるので、前者があれば後者は自分の唾で潤すだけなので他の飴でも充分かもと伝えた。
     アナウンサーを目指していて学校に通っているというので、声を使う仕事には欠かせない『響声破笛丸』を紹介した。

    【第2類医薬品】響声破笛丸料エキス顆粒 KM 9包
     

  • お会計をする前と、お会計をしてからの、どのタイミングで情報提供するか、それが問題だ

     お客様が『ポピショット』を購入されたけれど、消毒系であることを伝えると、抗炎症剤のアズレン製剤を使っていて使い切ったから代わりにするというので、消毒系のリスクとして患部が治ろうとするの邪魔することと体を守る菌も倒してしまうことを説明した。
     喉の痛みにアズレン製剤を使っていたのであれば、同じ成分を継続したほうが良い。
     その説明の中で、ヤクザを取り締まったら半グレがのさばってしまうという喩え話をした。
     実は体を守ってくれる菌だけでなく、体にいついてる菌なら悪い菌も居たほうが良いのだ。
     それこそ体表部に常在しているアクネ菌はニキビの原因ともなる困り者だけれど、同じく常在していて食中毒の原因となる黄色ブドウ球菌の活動を抑制してくれる。
     じゃあ、食中毒を起こすなんて危ない黄色ブドウ球菌は倒したほうが良いかというと、実は体の外部から来る菌を退治してくれるから、居なきゃ居ないで困るのだ。
     そんな体に悪さする菌も、宿主である人間に死なれては生きていくのに不便だから、そうそう住む場所を荒らすこともしないという複雑な関係。
     お客様にはキャンセルも受けますと伝えたのだけれど、そのままお帰りになった。
     私の方もお会計をする前に、のどスプレーには殺菌系と抗炎症系があることを伝えれば良いのだけど、すでにレジに並んで買う気になってるお客様の中には、早くレジを通さなければ「急いでるんです!」と怒り出す人もいる。
     でも、レジを通すと目的を達したと感じるのか、あとは財布を出したり電子マネーなどで精算するだけと思って気が緩むのか、ようやく話を聞いてもらえる。
     そして、レジに並ぶ前に案内を申し出ても「大丈夫です」と断られることが圧倒的に多い。
     だから、お客様の方から現在の症状とか目的に合っているかを相談してもらえるのが一番なのだが、自身で選んだ物は間違いないと確信しているのか、あるいは何が問題かを把握していないからなのか、質問しようという発想すら湧いてこない。
     そのため、こうして自身が使っていた適応する薬と違う物を選んでしまうということが起こる。
     この溝をどうやって埋めれば良いものか、それが課題でもある。

    created by Rinker
    のどぬ~る
    ¥758 (2024/04/27 10:49:04時点 Amazon調べ-詳細)

     お客様から『イソジンうがい薬』を求められたけれど、唾を飲むのも痛いというためアズレン製剤を勧めた。
     喉が痛む時に『イソジンうがい薬』を使うと「楽になる」とか「治る」とという人がいるものの、それはある意味では錯覚に過ぎない。
     殺菌剤は刺激物でもあるため、虫に刺されて痒いところを叩くと痺れて痒みが気にならなくなるように、患部を荒らしている刺激で痛みが軽減したり、そもそもの痛みが軽く炎症も弱ければ自然に治っているだけ。
     殺菌剤の使いどころとしては、家族で風邪をひいている人がいるとか、職場などで風邪が流行っているという場合に、短期集中的に感染予防とするのが適している。
     普段から使っていると、むしろ自身の防御力を弱めてしまう。
     そして今回のお客様は、心臓の薬の他にも多くの処方薬を飲んでいると分かり、いつも調剤している薬局に相談するようお話した。
     薬の種類によってはイソジンは使えないし、アズレンは大丈夫だったとしても、調剤している薬局を頼らずに市販薬を買いに来ていること自体が問題。
     お客様にも、うがい薬だからといって安全ではないことを伝えたところ、本日はお帰りになった。

    created by Rinker
    イソジン
    ¥1,302 (2024/04/26 20:05:19時点 Amazon調べ-詳細)

     高齢者夫婦のお客様が来店し、『葛根湯』を購入されるさいに合わない症状があることを伝えると、主訴は体のだるさで、ついさっきからというため『柴胡桂枝湯』を紹介したうえで、『葛根湯』を飲むのであれば家に帰ってからじゃなく、たった今であることをお話した。
     一般に「風邪の初期には葛根湯」と言われているれど、上半身を温める特性上、内臓が冷えて起こる鼻水や発熱前の悪寒など、体を温めると改善する症状に良く効く反面、喉の痛みや咳などのように温めて悪化する症状には適さない。
     もちろん発熱してからではもう遅く、胃への負担もあるから、胃腸の機能が低下していると考えられる体のだるさには良くない。
     ただし、だるさは血行不良でもあるため一時的に体を温めてみるという使い方はあり得る。
     それでも、体のだるさは時間が経つほど身体機能が低下してくるので、使うタイミングは速さを要する。
     お客様にも、『葛根湯』をキャンセルしていただいても構わないことを伝えたのだけれど、そのままで良いというから、体の負担を考え2日以上は飲まないように伝えた。
     例えるなら『葛根湯』は体に戦うよう鞭打って活を入れるのに対して、『柴胡桂枝湯』は体をマッサージして労るようなもので、体が弱っているときにどちらが適しているかは明白であろう。

     お客様が『ボラギノールA』の座薬を持ってきてレジに持ってきたさいに、ステロイド剤なので炎症が強い時に向いてると説明し、出血がある場合には止血剤の入っている『プリザエース』が候補になると伝えたところ、「イボ痔には?」と質問されたので舌下錠の『ヘモリンド』を紹介した。
     『ヘモリンド』は、舌の裏側に置いて胃腸を介さずに血液に直接吸収してもらうことによって患部に効果を発揮する。
     すると、『ボラギノールA』と『ヘモリンド』の両方を購入された。
     お客様には、初期であれば日帰り手術なので先に病院に行ってから、市販薬を使うかの判断を医師にしてもらう方法もあることをお話すると、「考えてみます」とのことだった。
     イボ痔となると、表に出いるのが1個だとしても肛門の奥には2~3個できている可能性もある。
     実は、肛門の中にイボができていても人間は知覚することができない。
     というのも、人間の内臓には痛覚神経が無いからだ。
     これは当然のことで、もし痛覚神経があったら、心臓が鼓動するたび、物を食べるたびに痛みにのたうち回ってしまう。
     なのに、胃痛などを感じるのは近くの神経が異常を報せてるんである。
     肺炎を背中の痛みとして感じたり、心筋梗塞を肩の痛み、肝臓がんを腰痛と勘違いしてしまうのも、この神経の仕組によるものだから、漫然と市販薬を長期連用されると怖い理由でもある。

    created by Rinker
    ヘモリンド
    ¥1,963 (2024/04/27 07:44:25時点 Amazon調べ-詳細)
     

  • 旅行に持っていくと安心な漢方薬を紹介します! その他の薬も、店頭でご相談下さい

    子供を連れたお客様が『ロート抗菌目薬i』を購入されるさいに、目薬を点したら最低でも1分間は目を閉じて少し下を向き、できれば5分の方が望ましいことを伝えた。

    以前に研究員さんに抗菌剤の持続時間を尋ねてみたら、せいぜい10分程度と教えられて驚いた。

    人間の体の、異物を追い出そうとする力は侮れなくて、目薬を点しても表側へは涙と一緒に、あるいは目の裏側へと流してしまうそうだ。

    また、もとより睫毛は目に異物が入るのを防ぐためにあるので、瞬きをすると薬剤が睫毛に持っていかれてしまう。

    つまり、いかにして目薬を目に行き渡らせるかが効果の鍵。

    目頭を指でギュッと押す方法が一番であるが、やってみると案外と難しいうえ、指先が汚染されている可能性もあるから、事前にちゃんと手洗いをしていない場合には目頭には触れないほうが良い。

    そこで一番簡単なのが、先に書いたように目薬を点したらすぐに目に閉じ込めて、少し下を向き、5分ほどのそままでいること。

    その状態ならば、目を閉じ続けているのがつらくなって瞬きをしても、表面張力によって目薬は睫毛にからみつき、目を閉じれば再び閉じ込めることが出来る。

    それから、抗菌目薬は菌を倒すのが目的で、持続時間の短さからすれば1日に3~5回は点すのが効果的。

    お客様には、それとともに体温を高く保つ工夫をするよう勧めた。

    体温を上げたほうが免疫機能も向上するから、お風呂に入れるのなら必ず入り、服装はお腹周りを冷やさない物を選んで、積極的に温かい物を飲む。

    お客様から、DHCの『濃縮ウコン』について尋ねられ、飲酒に対しては効果を証明するエビデンスが無い一方で、過剰摂取によって脂肪肝になる可能性があることを説明した。

    本当に肝臓を心配するのであればと、効能に肝臓疾患を取得している『ネオレバルミン』を紹介し、病院では肝臓疾患に処方されることもあるウルソデオキシコール酸が主成分の『タナベ胃腸薬ウルソ』も案内してみた。

    そして、飲酒前にアルコールの吸収を穏やかにするために牛乳を飲んでおく方法や、アルコールの分解に大量に必要な水分を摂取することを勧めた。

    強いお酒を飲んだ後に飲む水を「チェイサー」と呼ぶが、後で飲むより先に体内に溜めておいたほうが良いんである。

    お酒と一緒に食べる物も重要で、刺身のツマの大根や揚げ物につきもののキャベツなども、含まれている消化酵素が胃薬の代わりになるし、肝臓の働きを助けてくれる。

    created by Rinker
    原沢製薬工業
    ¥7,710 (2024/04/26 14:03:48時点 Amazon調べ-詳細)

    お客様が『トラベロップQQ』と『太田胃散A錠』を購入されるさいに、前者は酔い止薬としては眠くなりにくい物で良いのか尋ねたところ、12歳の子供が使うので良いとのことで、後者については他の薬との飲み合わせに気をつけるようを伝えると、修学旅行で子供に持たせるというお話だった。

    胃薬は成分の種類が多いゆえに、他の薬との併用に気をつけなければならない難しいジャンルなので、実際に症状があるときは相談をとお願いした。

    例えば、風邪薬や鼻炎薬と併用するとそれらの効き目を落してしまうことがあるし、今回は子供だけれど高齢者の場合は血圧を上げてしまったり腎臓に負担をかけたりしてしまう。

    また、『太田胃散A錠』は単純に散剤の『太田胃散』を錠剤にした薬ではなく、胃の働きを助ける健胃成分が少なくなっている。

    つまり、胃の疲れへの効果は散剤より弱いと考えられる。

    そもそも、『太田胃散』に限った話ではなく『キャベジンコーワα』などの総合胃腸薬は、消化を助ける消化剤を入れておきながら、胃酸の出過ぎを抑える制酸剤も入っているという、薬としては変な構成。

    広く浅く効かせるという考え方はあるにしても、体のためを思うと、やはり症状に合わせた薬を選ぶのが望ましい。

    それに旅行で持たせるのであれば、風邪と胃腸炎の両方に使える『柴胡桂枝湯』の方が便利なのだけれど、そこまでは踏み込めなかった。

    ちなみに、うちの子供の修学旅行に持たせた薬は、次の通り。

    『地竜』……ミミズを乾燥させて粉にした解熱剤で、体力低下を防ぐ効果も期待できる。私が精力剤の代わりに使ってるのはナイショ。(誰に対して?)

    『葛根湯』……風邪の予感がする段階で早めに使え、上半身を温めてくれるので鼻水にも効く。

    『銀翹散』……『葛根湯』とは反対に上半身を冷やすので、喉が痛む風邪に用い、鼻づまりにも効く。

    『柴胡桂枝湯』……風邪などの発熱後の体力維持に役に立つうえ、吐き気や下痢といった胃腸の症状にも使える。

    『五虎湯』……熱性の咳に向いていて、咳き込んで夜寝られない状態のときに用いる。

    『麦門冬湯』……乾燥性の咳に適応し、呼吸をするたびに咳になる場合に使うとともに、胃薬としても働く。

    あと、ちょっとした怪我の化膿止めと、虫に刺されたり葉っぱなどでかぶれた場合に備えて、ステロイド剤と抗生物質を合わせた『クロマイP軟膏』を持たせた。

    「ホントは難しい胃薬の選び方」
     

  • 長距離移動の学校行事の前日から、子供に酔い止薬を飲ませる通知の意図とは?

     子供を連れたお客様が酔い止め薬の棚で迷ってるようだったので声をかけ、眠くなりやすい物となりにくい物があることを説明すると、飛行機に乗り海外に行って、現地ではバスを利用するということで両方を選択された。
     『正露丸』も求められ、糖衣錠との比較と、大幸薬品と他社製品では処方が異なることを説明し、昔ながらの赤玉と同じ処方の『エクトールDX』を紹介した。
     とにかく『正露丸』は古くからあるメジャーな薬なのに、いや古くからあるせいなのか、誤解されていることが多い。
     まず、下痢止めとして使われることの多い『正露丸』の主成分は、消毒作用と腸の機能を正常にする木クレオソート。
     ロシアとの戦争に持っていったから、当時は『征露丸』の字が当てられており、食中毒を防ぐ狙いもあった。
     特に食中りの場合には、体から早く毒素を排出したほうが良いから、下痢をピタリと止めてしまうのは好ましくない。
     でも『正露丸』を下痢止めを目的に使う人が多いから、ロートエキスという内臓の働きをわざと悪くして腸の異常な動きを止める成分を加えたのが、本家の大幸薬品とは別なメーカー。
     ロートエキスは毒草のハシリドコロから抽出され、ハシリドコロは食べると苦しみのあまり走り回るからその名が付いたとされる。
     ちなみに、胃酸の出過ぎを抑える胃薬に入ってることもある。
     つまり、同じ『正露丸』の名前が付いていても各社で処方が違うから点には留意ししてもらいたい。
     そして今ひとつ、糖衣錠は単に表面を甘くコーティングして、あの独特な匂いを抑えているという物ではない。
     腸の炎症を抑える成分と、痙攣を緩和する成分を抜いてあるのだ。
     そのため、シクシクとした痛みなどへの効果が弱いと考えられる。
     どうして抜いてあるのかの理由は分からないが、腸には味覚と嗅覚があり、コーティングしてしまうと薬が匂わず、薬効が匂いで発揮される物は無意味と判断した上で、主成分の木クレオソートを残したからなのかもしれない。
     ただ、あの独特な匂いも薬効のうちだから、糖衣錠を使うのであれば、そもそも『正露丸』を選ぶ意味は無いとも思える。
     お客様には、日本から持っていく薬は渡航先で入手しやすい物を中心に選んだ方が良いことをお話し、塗り薬として抗生剤とステロイド剤が家にあれば持っていくよう勧めた。
     日本ではなんてことのない擦り傷も化膿してしまう可能性があり、虫刺されだけでなく植物に触れてかぶれるケースも考えられるからだ。
     抗生剤とステロイド剤を組み合わせた、『クロマイP軟膏』なんかが一つで済ませられて旅行には便利である。
     お客様には、風邪と胃腸炎の両方に使えて海外では入手しにくい『柴胡桂枝湯』を紹介すると、酔い止めと同時に購入された。
     それから、乗り物酔い対策の話でコカ・コーラを飲む方法を伝えるとウケた。
     ゼロシュガーは駄目で、糖分によって脳を楽しい気分にさせ、炭酸の刺激が吐き気を抑える合わせ技が乗り物酔いを軽減してくれるのだ。

    created by Rinker
    ハピコム
    ¥921 (2024/04/27 04:11:37時点 Amazon調べ-詳細)

     またも子供を連れたお客様から酔い止薬を求められヒアリングすると、修学旅行に持っていくというため、眠くなりにくいものとして『センパアQTキッズ』を案内して、お買い上げいただいた。
     ところで、学校からは前日から飲んでおくようにという通知があったそう。
     えっ?
     どういうこと?
     後で調べてみたら、他の学校でもそう通知されていて、前日に寝つきを良くする狙いがあるらしく、さらに朝にも飲むよう書いてあるという。
     それって、薬の目的外使用に当たるんじゃないの?
     酔い止薬と言っても、成分違いの薬があって、成分によっては起き抜けの頭がボウッとしてしまう。
     それに、大抵の酔い止薬には内臓機能を低下させる成分が入っているから、胃腸の調子が悪くなり便秘を起こす可能性があるので、連用は好ましくない。
     事前に試しに飲んでおいて体調が悪くならないか確認するというのなら、慎重すぎるけど悪くはないかもしれないが。
     そんな通知を決めたのは、養護教諭?
     それとも、学校薬剤師さん?
     専門家に相談しないままで、教師の独断?
     謎だ……。

    created by Rinker
    センパア
    ¥455 (2024/04/27 08:26:11時点 Amazon調べ-詳細)

     お客様から、10歳の子供の風邪薬の相談を受けたけれど、症状は咳だけというため『浅田飴子供せきどめドロップ』を提案したところ、粉薬が飲めることと、どうやら咳の音が湿っているらしいと分かったため『五虎湯』を案内して、そちらをお買い上げいただいた。
     本当は『カンポアズマ』を使いたいところだが、年齢制限で使えない。
     お客様には、積極的に子供に温かい物を飲ませることと、下半身を厚着してお腹周りを冷やさないようにと伝えた。
     湿った咳は、内臓の冷えとも関係するので。

    【第(2)類医薬品】《ツムラ》 生薬製剤 カンポアズマ 8包
     

  • 病院への不満、治療への迷い、医師に相談しないままの市販薬の使用、店頭で出来るコトはなんだろう?

     お客様から痔に用いる舌下錠の『ヘモリンド』を求められて売り場に案内すると、価格が高いと言われたのだけれど、まとめ買いをしたいとのことだった。
     そして舌下錠は、飲むんじゃなくて舌の裏側で溶かすことにより血液中に入り込んで患部に直接働きかける薬なので、他に持病などで使っている薬は無いか尋ねた。
     すると、病院で手術を勧められていて、担当するのが診察した医師ではなく若かったため断ったという。
     人工肛門になるかもしれないと怖がり、若い医師は信用できないと興奮しだしてお話を続けるのが困難になったため、他の病院も当たってみるよう勧めたところ、とりあえず二箱のみ購入された。
     あの興奮の仕方からすると、軽度の精神疾患があるのかもしれない。

    created by Rinker
    ヘモリンド
    ¥1,963 (2024/04/27 07:44:25時点 Amazon調べ-詳細)

     お客様に『明治プロビオヨーグルトR-1』のサンプルをお渡しするさいに、乳酸菌はあまり乗り換えない方が良いこともあると伝えたところ、小学生の子供が受験で風邪にならないように飲ませているとのことだった。
     正直、風邪の予防になるかは未知数なのだけれど、受験を前に親も不安だろうから、あえて言うまい。
     ただ、どんなに体に良い菌だとしても外から来ればみんな敵なので、飲み慣れている銘柄があるのであれば、すでに仲良くなっている種類の菌のほうが相性の面で有益だと考えられる。
     そして受験時の風邪対策として、体力の低下を防ぐ『柴胡桂枝湯』と、緊張を緩和する『半夏厚朴湯』を紹介した。
     特に、緊張すると咳払いが多くなるタイプは喉が締まりやすく呼吸が浅くなり、それは思考力の低下にもつながるし、緊張感は家族間で伝播しやすいので親子で『半夏厚朴湯』を使うという方法もある。
     すると、お客様自身は以前に足がつりやすく病院から『当帰芍薬散』が処方されていて、服用を自己判断で中止し、まだ残っているとのことだった。
     なんで『芍薬甘草湯』ではなく『当帰芍薬散』なのかと思ったら、下肢静脈瘤と診断されているそうだ。
     服用をやめたのは、飲んでいると不安になるからだとか。
     ああ、そういう発想になることもあるのか……。
     静脈瘤は、脚の静脈に起こる異常な拡張のことで、弱い痛みを痒みとして感じたり、それが強まれば痺れ感を伴う痛みや、ときに疲労感として現れる。
     患部が膨らむくらいになれば目立つかもしれないが、先の症状だけでは判別しづらく、店頭ではまず分からない。
     放置しても怖い病気ではないものの、病院からは手術を提案されており迷っているというため、『当帰芍薬散』を続けてみてることと、しばらく中断したことを医師に報告するよう勧めた。
     手術についても、迷っていることをもう少し医師と話し合ってもらいたいし。

     若いお客様が『スットノーズα』を購入されるさいにヒアリングすると、鼻炎持ちで病院から薬は処方されているそうだが、点鼻薬を使っていることを担当医に伝えていないというため、点鼻薬も内服薬との相互作用が起こるケースがあることをお話した。
     また、『スットノーズα』のようなナファゾリン塩酸塩を含んだ点鼻薬は、いわば鼻水を分泌する穴をキュッと締めて止めているため、連用していると鼻の細い血管も収縮させて、今度はそれが鼻炎の原因となってしまうので、使わずに休憩する日を設けたほうが良い。
     そして、鼻水は内臓の冷えが原因と考えられることをお話すると、冷たい物が好きだというため、温かい物と組み合わせるよう勧めた。
     アイスを食べるのなら温かいお茶などと、冷たい物を飲むのなら食事は温かいメニユーという具合に。

    created by Rinker
    奥田製薬
    ¥547 (2024/04/26 12:25:19時点 Amazon調べ-詳細)
     

  • 詳しくヒアリングできると候補になる薬が増えて、身体に優しい提案もできます

     お客様が『イブクイック頭痛薬DX』を購入されるさいに、内臓機能を落とす事を説明すると驚かれた。
     気持ちを落ち着かせる鎮静剤が入っており、いわゆる「眠気を催させる」副作用がある訳だが、それは内臓の働きも抑制するので呼吸が浅くなったり胃腸の働きを悪くしてしまう。
     ただ、お客様の主訴はズキズキするタイプの頭痛で吐き気もするというため、鎮痛剤としては適応することもお話した。
     一応、胃粘膜の保護成分も入っているが、ズキズキする頭痛は胃の不具合が原因であることが多いので、食事に注意するよう伝えた。
     吐き気もする頭痛には、水分代謝を改善する漢方薬が役に立つので、『呉茱萸湯』『五苓散』を併用すれば鎮痛剤を使う機会を減らせるのだけれど、今回は詳しくヒアリングできたなかったため、そこまでは案内できなかった。

     子供を連れたお客様が『ノーシンピュア』と『小中学生用ノーシンピュア』の比較をしていたので声をかけてみたところ、自身が生理痛に使うというため前者を勧めてお買い上げいただいた。
     同じ「ノーシン」の名前が付いていても、前者はイブプロフェン製剤で後者はアセトアミノフェン製剤というように、それぞれ鎮痛成分が異なる。
     アセトアミノフェンは比較的安全性の高い鎮痛成分ではあるけれど、炎症への効果が弱い。
     ただ、どちらも内臓の働きも抑えてしまう鎮静剤が入っているので、服用する時には消化に良い食事をするようお話した。
     そして、余計なことながら子宮筋腫のお話もして、定期的に病院を受診するよう勧めた。
    「生理痛はいつものこと」と慣れてしまうと、子宮筋腫のみならず他の大きな病気も見逃してしまいがち。
     誕生日なら誕生日と決めて、できれば同じ病院で継続的に診てもらいデータを積み重ねていくのが良い。

     お客様から風邪薬を求められたけれど、14歳の子供が鼻水と喉に違和感があるというお話から、喉の痛みの効能もある鼻炎薬を提案した。
     受験生とのことで鼻水はそれほどではないというため、眠くなる鼻炎薬は避け、『ストナ去たんカプセル』を勧めて、お買い上げいただいた。
     それから、風邪を心配されていたので『柴胡桂枝湯』を紹介した。
     体力が落ちるのは胃腸の状態が悪くなってからということが多く、体力が落ちると風邪に対抗できなくなる。
     そして防衛の要は肝臓でもあるので、胃と肝臓を助けてくれる『柴胡桂枝湯』は、風邪の初期から使うと体を支えてくれる。
     風邪の初期には『葛根湯』というイメージがあるが、それは体力がある場合なので注意が必要である。

     

     

     

  • 目的に沿った薬選びは、目的外使用にならない範囲で、成分の特徴を知っておくべし

     お客様が虫刺されの薬を選んでいて『ムヒSクリーム』を手にされたところで声をかけ、『液体ムヒS』より弱いことを説明し、さらに強力な『液体ムヒEX』を紹介したところでようやく、海外に行く息子さんに持たせるという用途であることをお話してもらえた。
     海外に行くとなれば、やはりステロイド剤入りを選んだほうが、なにかと安心。
     虫刺されだけでなく、植物などに触れて皮膚炎を起こすこともあるからだ。
     そういう意味では、ステロイド剤と抗生物質を合わせた『クロマイP軟膏』の方が、よりお勧めである。
     そして海外に持っていく薬選びのポイントは、現地で入手しづらい物を中心にすること。
     解熱鎮痛剤は、あれば便利だけれど入手しやすい部類。
     また、現地の食事が合わなくて食中りというケースも考えると『正露丸』と、風邪にも胃腸炎にも使える『柴胡桂枝湯』は個人的に外せない。
     特に『柴胡桂枝湯』は肝臓と胃を守り、ストレスの軽減にも役に立つ。
     それぞれ紹介してみると、『クロマイP軟膏』と『柴胡桂枝湯』をお買い上げいただいた。

     若お客様が『テラマイシン軟膏』を購入されるさいにヒアリングすると、面疔(めんちょ)とのことで赤みは無く痛みも無いそうだ。
     適応するのでそのままお買い上げいただき、もし患部が炎症するでようであれば『クロマイP軟膏』が乗り換え先になることを伝えた。
     そして、菌に対抗するためには体温を高めに保つのが良いので、入浴するのはもちろん、何か飲む時には電子レンジで温めるなどの工夫をするよう勧めた。

    created by Rinker
    ¥454 (2024/04/27 08:26:39時点 楽天市場調べ-詳細)

     常連のお客様から喉の痛みの相談を受け、『龍角散ダイレクト』と『パブロントローチAZ』を紹介するとトローチは嫌なようだった。
     いつもは喉の痛みに『アデロンゴールド』を使っているというのだけれど、咳が無ければ合わないことをお話した。
     特に麻薬系の咳止め成分は、体内の保水機能を狂わせてしまい乾燥を招き、喉が渇いたり便秘したりするうえ、咳を誘発する原因ともなる。
     すると買い物かごに『第一三共胃腸薬』が入っていたので症状を尋ねたところ、アルコールを飲む時の薬の相談へと変わり、『タナベ胃腸薬ウルソ』を紹介すると、そちらを購入された。
     『タナベ胃腸薬ウルソ』は、なかなかに挑戦的な製品で、病院では肝臓の治療に使われるウルソデオキシコール酸が主成分。
     この成分は腸での消化に使われるのだが、使った後に肝臓に戻されると胆嚢(たんのう)に貯蔵し、また消化に使われる。
     つまりは車のオイルのようにグルグル循環している訳で、それを交換して新しくすることにより腸での消化力を改善する。
     だから飲み方は症状のある日だけではなく、一週間分なら一週間通して飲み切るのが効果的。
     私が挑戦的と言ってるのは、先にも書いた通り肝臓の治療にも使われる薬とはいえ市販薬で肝臓疾患の認可を得るのが難しいからか、あくまで胃腸薬として売り出したところ。
     効能は確かにそのとおりなので、嘘ではないというギリギリのところを狙っており、パッケージにはサラッと「腸肝循環」と書いてあるだけだけれど、胃腸・肝臓・胆嚢を循環するイメージ図がデザインされている。
     アルコールを飲む人の胃腸薬として、これほど相応しい市販薬は他に無かろう。
     市販薬で効能に「肝臓疾患」と明記している薬となると本当に少なく、『ネオレバルミン』か『肝生』が代表的なところ。
     ……ところで、お客様は喉の痛みの方は良かったのだろうか?

    created by Rinker
    ¥955 (2024/04/27 08:26:35時点 楽天市場調べ-詳細)
    created by Rinker
    原沢製薬工業
    ¥7,710 (2024/04/26 14:03:48時点 Amazon調べ-詳細)
    created by Rinker
    大鵬薬品工業
    ¥4,058 (2024/04/27 05:20:56時点 Amazon調べ-詳細)