• タグ別アーカイブ: 柴胡桂枝湯
  • 喉の痛みに『桔梗湯』を使う時には、お腹の冷えにご注意を

     お客様から『桔梗湯』を求められ、うちのお店では取り扱っていないことを伝えると、他のお店でも置いていなかったとのことで、「あまり単独で使う物ではない」ことをお話しした。
     お客様は、喉の痛みに以前に使って効いたとのこと。
     患部を冷やしてくれるから喉の痛みに良いのだけれど、単独て使うとお腹まで冷やして下してしまうことがあるため、『葛根湯』『桂枝湯』など、温める漢方薬と組み合わせるのが望ましい。
     もし単独で使うのであれば、お腹を冷やさないようお湯で服用したり、下半身に厚着をしたりといった対策をして下さいな。
     喉の痛みは冷やすだけではなく潤すことも必要なので、そう説明して『龍角散ダイレクト』や『銀翹散』を紹介してみしけれど、お帰りになった。

     次のお客様は『ベンザブロックIP』をレジで持ってきたけれど、主訴は悪寒と関節痛で咳は無いとうため、鎮痛剤を提案しつつ『麻黄湯』も紹介したところ、そちらを購入された。
     また今後の体力低下に備えて『柴胡桂枝湯』を紹介したところ、一緒にお買い上げ頂いたので、疲労を感じるようであれば併用できることを伝えた。
     そして、風邪をひいて体を休めるというのは、内臓も含めてなことをお話しし、うどんやスープなどを勧めた。

    「風邪薬の選び方と風邪に似た症状」

     夫婦のお客様から消毒用エタノールを求められ、無印とIPの違いの質問を受けたので、酒税法が関係していることを説明するとウケた。
     要するに、無印は飲めてしまうため酒税がかかってる分だけ少し価格が高く、IPは添加物を加えて飲めなくしたから酒税が外れて安くなる。
     厳密な使用方法を言えば、無印は口に触れる可能性のある身体の消毒に、IPは物の掃除にという事になるけれど、IPだってゴクゴク飲む訳ではないから体に使っても大丈夫。
     ロシアの人たちの中には、靴磨きに含まれてるアルコールのために食べちゃう人もいるそうですが。
     アルコール依存症って怖い(; ̄ω ̄)
     お客様にはIPを購入していただき、インフルエンザ対策には手の触れる場所の拭き掃除を勧めた。
     特に忘れがちなのは、スマホの画面である。
     ただし、アルコールで拭いてはいけない機種もあるので事前に説明書やメーカーのサイトなどの確認を。

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  • 病院から処方されている薬があれば、市販薬を使う前の相談と使った後の報告を忘れずに

     お客様から咳に病院で処方されたのと近い薬をとの要望を受け調べてみると、定番の麻薬系と覚醒剤系だった。
     いわば、麻薬系で咳を司る神経の働きをわざと悪くして抑制し、それだけでは呼吸が苦しくなってしまうため覚醒剤系で喉を開く。
     総合風邪薬の多くに入っている咳止めも同様なので、注意が必要だ。
     お客様は声帯炎症と診断されていて、痰が引っかかるというため喉を潤す成分の入っている『ブロン錠エース』を案内して、お買い上げいただいた。
     もし反対に、咳をすると水のような薄い痰が出るのであれば、同シリーズの『ブロン錠』が選択となる。
     名前が紛らわしく、両方ともパッケージには「せき・たん」と書いてあるので、どちらが自分の咳に適しているか分からない時には、やはり相談してもらうのが一番。
     お客様は咳が長引いていて、医師も対応に迷っているようだというため、『柴朴湯』を紹介し担当医に相談してみるよう勧めた。
     また咳は胃の不具合も関係するし、炎症してる喉を食べ物で刺激するのも良くないので、消化しやすい食事をしばらく続けてみるようお話した。
     発熱したり寝込んだりすればともかく、咳があるからといって食事を変えようと思う人はまずいないが、実はコレは「効く」んである。
     例えば胃炎を起こすと、胃に覆いかぶさっている肺が乾燥して咳の原因となる。
     特に、麻薬系の咳止め成分は体内の水分代謝を狂わせてしまうから、体内を乾燥させて便秘を招くこともある。
     だから本当は、今回のように「病院で処方されたのと近い薬を」というお客様の要望による縛りが無ければ先に、生薬構成が胃薬に近く上半身を潤す咳止めの『麦門冬湯』を勧めたかったところ。
     病院と同じ薬をという気持ちは分かるけれど、選択肢が狭まってしまうから、そういう指定はあまりしないほうが宜しい。

     涙に近い目薬を購入された常連のお客様から、耳が急に聞こえなくなり受診したところステロイド剤の内服薬が処方されたとのことだった。
     ステロイド剤が怖いと思ったのか漢方薬でも治るかを尋ねられ『苓桂朮甘湯』が思い当たったけれど、医師の治療に割り込む訳にもいかないので、ステロイド剤自体は医師の管理下であれば怖くはないことを説明した。
     特に突発性難視聴は、しばらくすれば治るだろうと様子を見てしまう人もいるようだが、ステロイド剤で治療する場合には48時間以内が望ましいと言われているので、すぐにでも病院に飛び込んだほうが良い。
     今回はまさに治療中で、その目的で来られていると市販薬の紹介はしにくい。
     せっかく常連でもあるから、普段から通われている中でなら、知識の一つとしてお話することはできるのだけれど。
     しょっちゅう顔を出して下さいな。
     お大事にm(_ _)m

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     お客様から、10歳の子供の便が緩く、市販の『桂枝加芍薬湯』を使っており、継続して良いか質問された。
     継続しても問題は無いけれど、市販では価格がお高め。
     詳しくヒアリングすると、1日に何回もトイレに行くものの、休みの日は大丈夫だそうで、他に処方されている薬があると分かり調べてみると、精神系で劇薬に分類されている物だった。
     『桂枝加芍薬湯』を使っていることは医師に話していないというし、年齢からすると『小建中湯』の方が合う可能性も考えられ、担当医に相談してみるよう勧めた。
     また、吐くこともあるというため『柴胡桂枝湯』も紹介し、肉が好きというお話があったため胃腸の負担を軽くするために同じ肉でもハンバーグなどの挽き肉をと提案した。
     また、野菜は根菜をメインにして、キャベツは芯の近くを細切りにして料理に使ってみるよう勧めた。
     お客様はストレスを心配していたけれど、実はストレスというのは楽しいことも同じように体に負担がかかることを説明した。
     大変だとは思いますが、こういうことは少しずつ積み重ねて行くのが大事ともお話をした。

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  • 風邪かなと思う症状が風邪とは限らない!? すぐに風邪薬がススメられない訳

     お客様が『パブロンAゴールド』を手に、医薬品以外の一般用品を精算するレジに向かったので追いかけ、医薬品専用レジに案内しながらヒアリングすると常備薬にしていて、いつも咳は出ないというため『PL顆粒』を紹介した。
     総合風邪薬は、咳止め成分の入っていない物を探すのが難しいくらいで、それはつまり咳が無ければ使う必要も無いと云える。
     そもそも風邪は医学的には「上気道炎」のことを指し、上気道とは「喉から鼻にかけて」の部分。
     鼻から下、肺にかけては「下気道」と呼び、いわゆる肺炎は風邪が悪化するとなる別な病気で風邪ではない。
     そして風邪の原因の90%以上はウイルスであり、ウイルスの種類によって喉の痛みが強く出たり咳になったり、あるいは鼻炎のほうが目立つというように症状に偏りが現れる。
     よく「私は、喉から風邪になる」という人がいるが、実は風邪ではないか、喉に影響を及ぼすウイルスに弱いということが考えられる。
     ここで重要なのは、病気を診断することができるのは法律的にも職能的にも医師だけという点。
     私たち登録販売者はもちろん薬剤師も、それどころか患者さん自身が風邪だと決めつけるのも問題がある。
     特に上気道の一部である喉には、空気の通る「気道」と、飲食物が通る「食道」が並んで通っており、痛みを感じる神経はその両者の違いまでは分からない。
     どちらが炎症していても「喉が痛い」と感じるだけである。
     つまりどういうことかというと、ウイルスなどで気道が炎症しているのか、胃炎などで食道が炎症しているかも分からないのだ。
     自分は胃は丈夫とか、胃は苦しくないと思っても、それもまた分からないこと。
     何故なら、内臓には痛覚神経が無い。
     もしあったら、心臓が動くたび、食事をするたびに激痛に悩まされてしまう。
     ではどうして胃が痛むことがあるのかというと、異常が起きている場合に近くの神経が代わりに教えているのだ。
     それは、胃が痛むようであれば、すでに相当に悪くなっているということである。
     話を風邪に戻すと、喉の痛みだけだと胃の不具合の可能性を排除できず、その段階で総合風邪薬を使うのは時期尚早。
     例えば咳止めの成分には2つの系統があり、気道を拡張をして呼吸しやすくする物と、咳をする神経を抑える物だ。
     人間の体は機械ではないから、都合良く咳だけに作用させるということはできず、気道を拡張する方は胃の働きを活発にして胃炎を招き、咳をする神経を抑えると胃の働きをも抑制して消化力を落してしまう。
     先にも書いたように、もし胃炎が喉の痛みの原因となっていたら余計に酷くするし、咳をする神経を抑えると身体の保水機能も落ちて体内が乾燥して、これもまた喉の痛みの原因となり得る。
     さらに、総合風邪薬には鼻炎薬も入っていて、鼻水を止める成分は便秘の原因となるくらい体内を乾燥させてしまうので、同様に喉には良くないのだ。
     複数の症状に対応しようとしている総合風邪薬は、そういった副作用の複雑な薬でもあり、実は使いにくい。
     風邪に備えて薬を常備するのであれば、発熱と喉の痛みには解熱鎮痛剤で対応できるから、後は鼻炎薬と咳止めをバラバラに用意しておき、起きた症状に合わせて使ったほうが良い。
     カフェインなど一部の成分の重複に気をつければ、2つ以上の症状が現れた場合には併用するという事もできる。
     そして市販の風邪薬の中で、ゆいいつ咳止め成分が入っていないのが『PL顆粒』なため、これなら咳止めを別に持っておくだけで良い。
     ところで、先のお客様は喉の痛みなどより、体がだるくなることが多いということから『柴胡桂枝湯』を案内すると、『パブロンAゴールド』と一緒に購入された。
     市販の風邪薬を眺めてみると分かると思うけれど、「発熱・のど・鼻・せき」と書いてある製品はあっても、「だるさ・吐き気」に対応する現代薬は存在しない。
     体のだるさや吐き気のある時に使えるのは漢方薬だけで、その代表が『柴胡桂枝湯』である。

    「風邪薬の選び方と風邪に似た症状」

     高齢のお客様が『パブロンSゴールドW』をレジに持ってきたけれど、常備薬にするというので鎮痛剤が家にあるか尋ねると無いというため、鼻炎薬と咳止めを組み合わせると風邪薬になることを説明し、症状別に揃える方法を提案した。
     そのうえで、総合風邪薬を使うとすれば症状から外れている場合を考えて小容量を勧め、処方のバランスの良い内容の物として『パブロンSα』を案内すると変更となった。
     さっきは長くなったから途中で話を戻したけど、実は気道を拡張する咳止めは覚醒剤系であることが多く、咳を抑制するのは麻薬系だったりする。
     よく「この風邪薬を飲むとすぐに治るから」と言われる事があるんだけど、「そりゃ良く効いた気がするでしょうよ、覚醒剤が入ってるんだから」と思ってしまう。
     そのうえ、同様に興奮作用があるカフェインまで入っていれば、なおさらである。
     問題は、それで治ったと錯覚して体に無理をさせてしまい風邪を悪化させてしまうことと、覚醒剤と麻薬には常習性があるから、風邪をひいていなくても「ちょっと体調が悪いから」と症状も出ていないのに飲んでしまうこと。
     その点、『パブロンSα』は咳止め成分が非麻薬性なので、ほんの少しだけ安心。

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     お客様が『プレコール持続性カプセル』をレジに持ってきたけれど、主訴は喉の痛みと鼻炎で咳は無く、家に他のドラッグストアーのPB(プライベートブランド)の鎮痛剤があるようだったので、そちらを先に使ってみてはと提案したうえで『PL顆粒』を紹介し、そちらに変更となった。
     『プレコール持続性カプセル』に入ってる咳止め成分は麻薬性なのに、同シリーズの『プレコール持続性せき止めカプセル』の方は非麻薬性の咳止め成分なのが不思議。
     ちなみに漢方薬の咳止めに『麦門冬湯』という物があって、上半身を潤して咳を止めるのだが、生薬構成からすると胃薬に近い。
     乾燥性の咳は、胃炎が起きていると覆いかぶさっている肺が乾燥して咳になると考えられ、つまりは胃を治すと咳も治まるという事でもある。
     だから、咳がある時には食欲があっても食事を消化の良い物に切り替えるのが養生法となる。
     そして、もし本当に風邪だとすれば体を休めるというのは「内臓も含めて休ませる」ことなので、やはり食事は胃腸に優しい物にするのが望ましい。
     そこから考えても、咳があるからと総合風邪薬に飛びつくより、まずは症状に合わせて使う薬を検討するのが良いだろう。

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  • 漢方薬の味は生薬で決まる? 不味い漢方薬ばかりではありません

     お客様から咳の相談を受け、息を吸うと出るというため体内が乾燥してることと胃炎の可能性を説明し、上半身を潤す『麦門冬湯』を案内してみたけれど、粉は苦手とのお話だった。
     しかし、それ以上に漢方薬は味が気になるというため『葛根湯』を例に挙げ、味は生薬によって決まることを説明した。
     漢方薬の不味いイメージの多くは、おそらく『葛根湯』に入ってる麻黄が渋くて苦味があり、生姜は辛味が当然なので、それが原因と考えられる。
     一応、『葛根湯』にも甘味のある甘草と大棗が入ってるものの、他の生薬に負けてしまっているものの、『麦門冬湯』には辛味や苦味の生薬は入っておらず、粳米が入ってる分だけ甘味のほうが勝っている。
     そう説明すると、『麦門冬湯』の購入を決められた。
     同じく患部を潤す現代薬として『ストナ去痰カプセル』を案内するつもりだったのだけれど、「粉が苦手」というのが平気になる切っ掛けになるかも?
     お客様の夕食のメニューは既に決まっているそうだが、温かい物を勧めて、体には炎症したい理由があるとお話した。
     身体の方は炎症することにより、患部を修復したりウイルスなどと戦ったりしているから、冷たい物を飲食すると「もっと頑張って炎症しなきゃ!」と炎症を強めてしまうので、身体に「無理に炎症しなくても大丈夫」と教えてあげるのが良い。

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     お客様が『葛根湯』をレジに持ってきたけれど、適応しない症状もあることをを伝えると、喉の痛みに1回使ったとのことで『銀翹散』を案内したところ、変更となった。
     上半身を温めて血流を良くする『葛根湯』は、「温めると悪化する症状」には使えないのだけれど「風邪には葛根湯」のイメージが定着しすぎているから、注意が必要。
     喉が痛む時には余計にヒリヒリしてしまうし、咳があると体内を乾燥させて長引くこととなり、発熱していたらもう温める必要は無い。
     同じ風邪の初期でも、喉が痛むのであれば上半身を冷やす『銀翹散』の方が向いている。
     お客様には、炎症を治めるためにも、患部を食べ物で刺激しないためにも、温かくて噛まないで済む食事を勧めた。

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     夫婦のお客様がレジに『パブロンSα』と『PL顆粒』の他に下痢止めの『エクトールDX』を持ってきたので、『パブロンSα』を『パブロンSせき止め』に変更してはどうかと提案した。
     『パブロンSα』が発熱・鼻炎・咳の「全部入り」なのに対して、『PL顆粒』は咳止めが抜いてある風邪薬だから、『PL顆粒』を買うのであれば咳止めを別にしておいた方が便利だと思われる。
     なにしろ、風邪だからといって発熱・鼻炎・咳がいっぺんに出るということは、そう多くはない。
     そして咳止め成分は身体に負担がかかる物なので、風邪薬に咳止め薬を抜いてある『PL顆粒』を用意しておくというのは良い選択。
     咳が出てから、咳止め薬に乗り換えても遅くはないし、ちゃんと成分を確認しておけば併用もできる。
     するとお客様は「痰が絡みやすい」というため、『ブロン錠エース』を勧めて変更となった。
     同じブランドの『ブロン錠』の方にもパッケージに「たん」と書いてあるけれど、そちらは「咳をすると水様の痰が出る」場合に適応する。
     海外に行くというので、風邪と胃腸炎の両方に使える『柴胡桂枝湯』を紹介し、外用薬としてステロイド剤と抗生剤があると安心なことを伝えると、『液体ムヒS』が家にあるというため、忘れずにお持ち下さいと勧めた。
     『液体ムヒS』は『ムヒSクリーム』と違いステロイド剤が入っていて、強めの炎症にも対応できる。
     あとは、転んで怪我をしたといった場合の化膿止めに抗生剤の『テラマイシン軟膏a』などもあると安心。

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  • 季節の変わり目の不調は、症状を抑えるだけでは不十分です

     お客様が、のどスプレーを購入されるのでヒアリングしてみたところ、ご主人からの頼まれ物とのことで消毒系と抗炎症系があることを説明した。
     消毒系は喉を守る菌も倒してしまう事をお話ししたところ、夜中に喉が乾燥するようだというので、それだと抗炎症系も適さないと考えられ、枕元に飲み水を置いてみてはと提案した。
     もしくは、患部を潤すために現代薬では『ストナ去痰カプセル』を、漢方薬には『麦門冬湯』があるので紹介した。
     本日は一旦、お帰りに。
     詳細が分からないから、本人に来ていただけると良いのだけれど。

     お客様が『龍角散ダイレクト』を購入され、声枯れに使っていて毎年同じ時期になるというため、季節の変わり目による気温の変化によるストレスで胃炎を起こしている可能性もあることを話した。
     先のお客様のご主人も、もしかしたら喉の乾燥感は体内が温度調節しようとして上手くいってないのが原因かもしれない。
     昼間温かくて夜冷えるとか、一日の中で気温の変化が大きくなると、身体は温める方に頑張ろうとする。
     でも、人間の体は機械ではないから都合良く必要な部分だけを狙って温めるということができず、余計なところに熱が篭もってしまったり炎症を起こしたりしてしまい、それが症状となって現れる。
     対策としては、身体に「無理して温める必要は無い」ことを教えてあげること。
     積極的に温かい物を飲食し、入浴できるのであれば入り、入浴が難しければ太い血管の通っている背中側にシャワーを浴びて、上は薄着をしても下半身は保温できる服装にする。
     そして今回は、炎症している患部を食べ物で刺激するのを避け、胃が悪くなっている場合を想定して、噛まずに済む食事をと勧めた。

     若いお客様が風邪薬や鼻炎薬の棚を行ったり来たりしていて、ドリンク剤を購入されるのでヒアリングしたところ、季節の変わり目に体調不良になるというため、『ヒストミンゴールド液プラス』を紹介した。
     内臓が疲れている場合にカフェインが入っている物は、興奮作用で無理をさせるだけなため、ノンカフェインのうえ胃腸の働きを助ける物の方が適している。
     また、気温の変化の影響を受けやすいのは胃腸と肝臓でもあるので、働きを下支えする『柴胡桂枝湯』を紹介した。
     すると『葛根湯』を使ったことがあるというため、上半身を温めて血流を良くするものの、胃に負担がかかることを伝えた。
     やはりこうして、患者さん本人に来店してもらえると深くヒアリングできて良いなと思う。
     そしたら実は、お客様の親が薬剤師だそうで、「勉強になった」と言われた。
     ズゲッ!?
     なんという後出しΣ(´∀`;)
     恐縮です。

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  • 『正露丸』の糖衣錠は、甘いだけじゃなくて2つの生薬を抜いてあります

     お客様が『セイロガン糖衣A錠』をレジに持ってきたさいに『正露丸』との違いを伝えたところ興味を示されたので、大幸薬品とキョクトウでも処方が異なることを説明した。
     このネタはお客様に声をかけるキッカケになるので、ある意味助かってる。
     『正露丸』は一般的に下痢止めとして使われることが多く、主成分の木クレオソートは消毒薬であるとともに腸の動きを整えるとされている。
     あの独特の匂いを嫌がる人が多いけれど、実は腸にも嗅覚と味覚があって、あの匂いも効能のうちで、鼻の方は嫌な匂いと思ってるかもしれないが腸の方はリラックスしているなんて事もあるかもしれない。
     そして、他に入ってる成分のうち、甘草は炎症や痛みを抑え、陳皮は痙攣を鎮めて健胃作用があるのだが、糖衣錠はこの2つを抜いてあるのだ。
     つまり、糖衣錠の方は腹痛を伴う下痢には向かないと考えられる。
     また、大幸薬品の物は昔ながらの処方内容で、もともと『正露丸』は『征露丸』と書かれていたように、衛生状態の良くない戦地に持っていく薬であったから、同じ下痢でも特に食中りに用いるのが目的の薬。
     食中りにおいては、下痢はピタリと止めては駄目で、悪いモノは早く排泄しなければならない。
     先にも書いたように、消毒しつつ腸の働きを整えて穏やかに下痢を止めるんである。
     しかし、『正露丸』を下痢止めとして使う人のニーズに応えるために、他社の製品にはロートエキスが加えられている。
     ロートエキスはハシリドコロという毒草から抽出される成分で、その名前も「苦しみのあまり走り回って死ぬ」ことに由来しているとされる。
     なんだか怖く感じるかもしれないが、少量使うことにより異常な動きをする腸の働きを抑え、胃薬としては胃酸の出過ぎを防ぐ。
     言ってしまえば、内臓の働きをわざと悪くすることで症状を抑える訳で、鎮痛剤や咳止めなど、そうやって身体機能を落として病状が表に現れないようにしている薬は少なくない。
     じゃあ、ロートエキスの入ってる『正露丸』と入っていない物とではどちらが良いのかというと、それは目的に対する考え方次第という事になる。
     例えば、旅行に持っていくのであれば大幸薬品の『正露丸』とは別に『ストッパ下痢止めEX』のような物を用意するという考え方があれば、少しでも荷物を少なくするためにロートエキスの入った『正露丸』を選ぶという考え方もあるだろう。
     今回のお客様は、海外に行くのに持っていくというので、他に胃腸炎にも風邪にも使える『柴胡桂枝湯』を紹介し、ステロイド剤が家にあるか尋ねると以前に病院で処方された『リンデロン』があるというので、忘れずに持っていくよう勧め、『テラマイシン軟膏』のような抗生物質もあると安心とお話をした。
     日本なら、虫に刺されたり植物に触れてかぶれて痒い程度の軽い症状でも、海外では強い症状が現れる可能性があるし、これまた日本なら転んでも舐めときゃ治るの感覚で水道水で洗う程度で済むかもしれないかすり傷が、海外では化膿してしまうかもしれないからだ。
     匂いのある『正露丸』については、お客様の同行者が反対してるとのことで、「相談してみる」とお帰りになった。

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     高齢のお客様かに湿布薬を求められたのだけれど、骨折して整形外科には通っており、処方された湿布については「薬じゃなかった」と断言されるものの内容も根拠も不明で、「袋に入っていた」とのお話。
     それは確かに、袋に入っていたでしょうねぇ……(;^ω^)
     骨折したのは1ヶ月前で、まだくっついておらず、帰省中のつなぎに湿布を欲しいというお話だったけれど、糖尿病の治療中と分かり、お薬手帳の提示をお願いするとお帰りになった。
     影響の少なそうな一番弱い薬を販売するという手ももちろんあったのだが、どうにも全般的に安全性を軽視してるみたいで、その場しのぎに何か売って良いものか迷ってしまった。

    「おくすり手帳と個人情報の使い方」

     お客様が『パブロンキッズかぜ錠』をレジに持ってきたさいにヒアリングすると、旅行に行くとのことで、鼻水と咳が数日前から続いてるとのお話だった。
     鼻水は胃を悪くしている可能性もあるため、本人に食欲があっても食事は消化の良い物にして量を控えるようにお話した。
     また、出先でも薬を買う時には店員に声をかけて相談してみるよう勧めた。

    パブロンキッズかぜ錠
     

  • 似た名前の薬が多くて困りますよねー

     レジに来た小さな子供から「アンパンマンのバッジください」と頼まれ何かと思ったら、虫刺されの『ムヒパッチA』のことだった。
     後から母親がいらして、痒み止めとしては弱いことをお話し、炎症が強い場合にと『マキロンパッチエース』を案内したところ、両方を購入された。
     以前にポケモンの絵柄のを使っていた事があるというので、当時は『マキロンパッチエース』と同じ強さの薬だったのをお話した。
     当時はというのは、最近発売されたポケモンのパッチタイプは『ムヒパッチA』と同じ処方になっていたから。
     おそらく、子供が欲しがるデザインなのに薬が強めなのはマズイと判断して変更したのだろう。
     お客様には、同じ薬の形でも処方が違ったり、同じ薬の名前でも剤形が変わると中身も変わることがあるので、「立ってる者は親でも使え」という言葉があるように、立ってる店員は使って下さいと伝えた。

     やや高齢のお客様から『ムヒソフト』と注文されて『ムヒソフトGX』を差し出すと、「容器が違う」とのことで他の物を探してみると、『ムヒSクリーム』のことだった。
     ヽ(・ω・)/ズコー
     ご主人からの頼まれ物だそうで、『ムヒソフトGX』も虫刺されに使っても大丈夫とは伝えた。
     まぁ、今回は不要でしょうが。
     ただ、『ムヒSクリーム』と『液体ムヒS』とでは中身が違うので、その区別がついてるのかは心配なところ。
     両者を単純に、クリームと液体という剤形の違いだけと思っている人は多いけれど、リスク区分でいえば『ムヒSクリーム』は第3類医薬品で、『液体ムヒS』の方は第2類医薬品を飛ばして指定第2類医薬品。
     痒み止めの基本成分は変わらないけれど、液体の方には炎症を抑える力が強めのステロイド剤が入っている。
     そして、痒みというのは痛みを感じる神経が弱い痛みを痒みとして認識しており、炎症はまた別な現象なのだ。
     つまり、起きてる症状が痒みだけか弱い炎症なら『ムヒSクリーム』で充分だけれど、炎症が強い場合には対抗できるステロイド剤が入っていた方が効果的。
     特に虫刺されのような急性症状には、弱い薬をダラダラと長く使うより強い薬でビシッと短期間で治した方が、その後の皮膚の再生のためにも良い。

    ムヒSクリーム

     お客様が『セイロガン糖衣A錠』と『ポケムヒ』をレジに持ってきたさいに、前者を『正露丸』と、後者を『プチウナ』と比較して違いを説明したところ、後者が変更となった。
     痒み止めの基本成分は同じなれど、これまたリスク区分では『ポケムヒ』が第3類医薬品で、『プチウナ』の方は一つ上の第2類医薬品。
     『プチウナ』には弱い局所麻酔成分が入っており、その分だけ痒みを感じにくくなると考えられる。
     携帯用に小さい物を選ぶということは屋外に行くのだろうから、より痒みを抑えられる方を選んだ方が良いだろう。
     ちなみに、繰り返しリスク区分と書いているように、あくまで懸念される副作用での区分なので、上位の薬のほうが強いとか良く効くという話ではないので、お気をつけ下さい。
     あと、『セイロガン糖衣A錠』については『正露丸』から抗炎症成分と鎮痙攣成分を抜いてあって、腸には味覚と嗅覚があるため、あの独特の匂いも効果のうちであることを説明した。
     正直なところ、どの程度使用感に違いがあるかは分からないのだが、糖衣錠の方はシクシクとした腹痛を伴う場合の効果が弱いと考えられる。
     それから、大幸薬品の『正露丸』と他社とでは内容が異なることがあり、大幸薬品のには入っていない下痢止めのロートエキスが入っている製品があるので、注意してもらいたい。
     一つは同じ下痢でも食中りの場合には、害を及ぼしている悪いモノを早く排泄した方が良いので、ロートエキスは余計な成分となる。
     また、ロートエキスは身体機能を落とすことによって下痢を止めたり、胃薬では胃酸の出過ぎを抑える効果を狙った物で、大幸薬品の方の注意書きには無い緑内障に関する確認事項が記載されている。
     大幸薬品の『正露丸』と、ロートエキスの入ってるタイプとでは用途と注意事項が少し違うんである。
     今回のお客様は旅行に持っていくそうで、相談して頂ければ『柴胡桂枝湯』も紹介したかったところ。
     先にも書いたように、『セイロガン糖衣A錠』からは抗炎症成分が抜いてあるので、出先で胃腸炎になった場合には『柴胡桂枝湯』があると心強い。

    プチウナ

     お客様が『ムヒアルファEXクリーム』を購入され、虫除けは使っていないというため、虫刺されで怖いのは痒みではなく感染症などなので、使うよう勧めた。
     また、虫除けのスプレーは吹き付けるより掌に出して体に塗るようにと伝えた。
     薬剤を吸い込まないようにと息を止め、体から離そうと手伸ばして身体に吹き付けても、服の表面に纏わりつく程度になつてしまうケースが多いからだ。
     吸い込むのが心配であれば、袖口や首周りなどに塗ってしまった方が確実で安全である。

     

  • お客様のプライバシー保護は課題だけど、店頭での相談の様子を知ってもらうのも大事かも

     他のお客様への接客を聞いていたらしいお客様から、下痢の相談を受けることとなった。
     プライバシー保護のために相談専用のカウンターが欲しいと思う事もあるけれど、なかなか相談するという発想に至らずテレビCMやパッケージデザインだの銘柄のイメージで薬が買われる現状では、薬事相談の様子を見てもらうというのも有効なんだなと思ったり。
     患者はご主人で、海外から帰ってきてから2日は経っていて、吐き気は無いとのこと。
     お腹が張っているというお話から胃腸炎の可能性を考えて、『柴胡桂枝湯』を案内し、お買い上げいただいた。
     お客様自身は以前に胃の不具合に『半夏瀉心湯』を使ったというので、使う薬の適応を検討する簡易な鑑別方法を教えた。
     具体的には、水を飲んで楽になるようなら胃炎を起こしている可能性が高く『半夏瀉心湯』のように胃の働きを過ぎを抑える薬が向いていて、お湯を飲んで楽になるようだと冷えているか疲労などで機能低下していると考えられ、『大正漢方胃腸薬』や『ギャクリア』(六君子湯)のように胃の働きを支援する薬が適応する。
     ご主人については、しばらく食事を控えるか具の無いスープをと提案した。
     お粥は実は消化には良くないため、うどんを勧め、味を濃くして脳を騙すよう伝えた。
     薄味でアッサリしてると、かえって食欲が湧いて量を食べたくなってしまう。
     お粥で消化に良いのは、中国粥のようにお米を砕いてから炊く方法である。

     子供を連れたお客様から『ハッカ油』を求められ売り場を案内すると、虫除けに使えるとネットで見たとのことだった。
     スプレータイプも紹介したうえで、水と混ぜるさいには無水エタノールが無くても良いことを説明した。
     ネットのレシピでは無水エタノールと混ぜるように書いてあったりするが、あれは水と油が混ざりにくいから溶液にしやすくするためと、日持ちをさせるのが目的で、その日のうちに使い切るのであれば、よく振れば白く濁るものの効果に違いはない。
     気をつける点があるとすれば、小さい動物や犬猫にとっては、忌諱したり有害だったりするので、ペットを飼っている人は注意。
     お客様には、ゴキブリにも効果があるので、特に殺虫剤を撒きにくい台所に適していることを伝えた。

     お客様から『小児用ジキニンシロップ』を求められ、置いていないと伝えたうえで、自身が使うというため『パブロンせき止めS』を、「かつて」と同じ成分であることを説明したけれど、お帰りになった。
     大人が『小児用ジキニンシロップ』を求めるというのは、やはり麻薬成分が目的なんだろうか。
     だとすれば、とっくの昔に処方内容は変わっていて、そんなの入っていないのだけれど。

    新小児ジキニンシロップ

     以前に『ヒストミンゴールド液プラス』を案内した高齢で常連のお客様から、飲んでいて調子が良いとのお話を伺った。
     ただ、相変わらず夜に眠れず、病院から処方された薬を使ったら薬疹が出てしまったそうだ。
     別の薬が処方されたものの効きめをあまり感じられず、起きてしまったらテレビを見ているというので、それは良いことと伝えた。
     眠れない事に悩むよりも、いっそ起きて気持ちを穏やかに過ごす時間を持った方が脳の休息には良い。
     眠るという行為における体の休息は楽な姿勢をしていれば良いので、脳がリラックスできることの方が重要。
     それを「眠れない」と思い悩んでしまっては、脳を疲れさせてしまう。

    ヒストミンゴールド液プラス 30ml×10
     

  • 喉が痛むときには食事を消化に良いものに変えて、身体を温める工夫を

     お客様から風邪薬の相談を受け、主訴は喉の痛みと身体のだるさとのお話。
     家には『バファリンルナi』があるというので、喉の痛みに使えることをお話して、併用あるいは単独で効果のある『ペラックT』と、喉風邪全般に使える『銀翹散』を案内するとともに、体のだるさには『柴胡桂枝湯』を紹介した。
     総合風邪薬に入ってることの多い咳止め成分は、身体機能を落として咳を抑えるため、だるい時に使ってしまうと、ますますだるくなってしまうから、咳が無いのであれば避けた方が良い。
     喉の痛みもイガイガする程度なら、体内が乾燥してる可能性があるとお話したところ、お客様は唾を飲むのも痛いというため、薬の選び方に迷った時は「つらい症状」から対応するようにと勧め、風邪に進行することも勘案し『銀翹散』をお買い上げいただいた。
     温かい物を積極的に飲んで下半身に厚着をし、内臓の血行を良くするようにとお話すると、入浴せずにシャワーで過ごしてるというため、浴び方を教えた。
     具体的には、背中に太い血管が通っているので、髪や体を洗っている間は背中をシャワーに向けて少しでも長く浴びる。

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     子供を連れたお客様が、ご主人から喉スプレーを頼まれたとのことで、一度発熱したというため抗炎症成分の入っているアズレン製剤を勧め、同成分の『パブロントローチAZ』と、患部を冷やす成分も入っている『マードレトローチ』も紹介した。
     すると、以前に病院から処方された鎮痛剤の『カロナール』が家にあるというので、炎症には弱いものの調剤した薬局に使って良いか問い合わせてみてはどうかと提案すると、今回は何も購入せずにお帰りになった。
     今日は、もう夕食を済ませているというため、以降は消化に良い物を量を控えて食べるように伝えた。
     喉が炎症してるのであれば、普通に食事をして食べ物が患部をこすってしまうのが良くないし、風邪をひいて体を休めるというのは内臓も含めてなので、無理に栄養を摂ろうとしない方が良い。

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     お客様から喉スプレーを求められ、殺菌系だと体を守る菌まで倒してしまうので、抗炎症系の方が痛みには効果があることを説明したところ、主訴は喉の痛みと咳とのことだった。
     そこで、同じくアズレン製剤で患部を冷やす桔梗湯も入っている『マードレトローチ』を紹介したところ、『プレコール持続性せき止め』を飲んでいたというため、喉の痛みにも効果のある『ルキノンせき止め』も案内した。
     ただ、『プレコール持続性せき止め』は咳止め薬の中でも比較的体に優しく、良い選択であることを伝えたうえで、お客様の症状は激しくないようなので、体内を潤す『麦門冬湯』を勧めてみると、今回は『マードレトローチ』を購入された。
     患部には炎症したい理由があることを説明し、温かい食事と入浴、それから下半身の厚着が大事なことをお話しすると、「冷たい物が気持ちいい」というお返事だった(^_^;)
     身体の方は患部を炎症させることにより、ウイルスなどの外敵と戦ったり、患部を修復する材料を運び老廃物を回収する血流を活発にするので、冷たい物を飲んでしまうと身体の方は「もっと頑張って炎症しなきゃ!」と炎症を強めてしまうから、できれば避けてもらいたいところ。

    【第2類医薬品】マードレトローチ 18錠
     

  • どういう基準で薬を選んだのか教えてもらえると、それに合わせた情報を提供できます

     お客様から『ボーコレン』(五淋散)を求められヒアリングすると、医師に言われたとのことだったが、今症状ある訳ではなく、旅行に持っていくとのお話だった。
     漢方薬は生薬の種類が少ないほどストレートに効くとされていて、膀胱炎に使う筆頭は『猪苓湯』であることを『竜胆瀉肝湯』も交えて違いを説明し、『腎仙散』も紹介した。
     『五淋散』は体力が弱いか疲労している時に向いていて、『竜胆瀉肝湯』は逆に体力があるか排尿時に灼熱感を感じる場合に用いる。
     なお、加齢によるものか体力が衰えていたりして食欲も低下しているようだと、『ユリナールb』(清心蓮子飲)が適応する。
     そして『腎仙散』は構成している生薬の種類が多く、判断に迷うような時に広く浅く使えるので、その点において便利だと考えられる。
     今回のお客様は、『猪苓湯』を購入された。

    腎仙散

     お客様が『セイロガン糖衣A錠』と『第一三共胃腸薬』と『ストッパ下痢止めEX』を購入されるさいに、糖衣錠は『正露丸』と中身が違うことを説明すると「知らなかった」と驚かれ、『ストッパ下痢止めEX』について「出し切った後に飲むんだよね?」と訊かれたので、まさに下痢をしている最中に飲むことを教えた。
     商品名に下痢止めと書いてあるのに、どうしてそのように解釈したのかは分からない。
     旅行に持っていくというので、旅先で風邪にも胃腸炎にも使える『柴胡桂枝湯』を紹介すると、急に「時間無いから」と、お帰りになった。
     買わされると思ったのかもしれない。
     下痢止め薬を出し切った後に飲むと勘違いしていたくらいだから、他に選んだ物についても、どういう基準で選んだのか心配になったのだけれど。
     先の『正露丸』については、日記で何度も繰り返し書いているように腸の痙攣と炎症を抑える成分を抜いてあるのが糖衣錠で、単に「匂いのしない正露丸」ではない。
     腸には味覚や嗅覚があるから、あの独特の匂いも効き目のうちなんである。
     さらに言えば、製薬メーカーによっても『正露丸』の処方内容は異なり、有名な『大幸薬品』の物には下痢止めの成分は入っていない。
     もちろん主成分の木クレオソート自体に、消毒作用以外に腸の異常な動きを整える作用はあるが、元々は食中りの下痢に用いる薬で、食中りの場合は原因となっている悪いモノを早く排出した方が良いから、下痢をピタリと止めてはいけない。
     しかし『正露丸』を使うユーザーには下痢を止めることを期待している人が多いため、他社の製薬メーカーの中にはロートエキスを加えている物もある。
     ロートエキスは胃酸の出過ぎを抑える胃薬に入っていることもあり、要は内臓の働きをわざと悪くして症状を抑え、同様に腸の動きを止めて下痢を止める。
     持ち物を減らしたい旅行のときにはロートエキス入りが便利とも考えられるし、衛生状態の良くない海外やキャンプなどに行くのであれば、ロートエキスの入っていない昔ながらの『正露丸』と『ストッパ下痢止めEX』のような下痢止めを別々に持っていくのが良いとも言える。
     そして『ストッパ下痢止めEX』にはピンクのパッケージの『ストッパエル下痢止めEX』があり、その色から女性専用と思っている人がいるし、製薬メーカーの方も生理時の下痢にと宣伝している。
     しかしその内容の違いは、『ストッパエル下痢止めEX』の方に痙攣を抑える芍薬が入っており、腹痛を伴う下痢には男女問わずに適応する。
     同じ銘柄、あるいは同じシリーズの薬でも処方が異なることがあり、症状や目的によって選択が変わってくるのだ。
     そこからすると、今回のお客様が購入された3つの商品はいずれも胃腸の薬で、『第一三共胃腸薬』には先にも書いたようにロートエキスが入っており、当然のごとく『ストッパ下痢止めEX』にも入っているから、併用しないかと心配になる。
     もし併用してしまうとロートエキスが重なり、人間の体は機械ではないから、胃と腸だけというように限定的に効果が現れるのではなく、他の内臓についても機能を低下させてしまい体調を悪くしてしまう可能性がある。
     だから現実的ではないかもしれないが、お客様の側から、どういう基準で薬を選んだのか教えてもらえると、それに合わせた注意点や効果的な使い方を伝えたりできるのだけれど。

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     常連のお客様が『ストッパ下痢止めEX』と『ムヒSクリーム』を持ってレジに来たさいに、後者は痒み止めとしては比較的弱いことを説明すると、「これしか知らなかった」とのことだった。
     『ムヒクリームS』と『液体ムヒS』は「同じ物の剤形違い」と勘違いされることが多いが、『液体ムヒS』の方には炎症を抑える作用が強いステロイド剤が入っている。
     ステロイド剤を怖がる人もいるけれど、虫刺されなどの急性症状の皮膚疾患の場合、最初に強い薬でバンッと効かせ、症状が改善するのに合わせて薬も弱い物に乗り換えていく「ステップダウン方式」が良い。
     お客様からは強めの薬のクリーム剤を希望され、『ムヒアルファEX』を案内すると価格が高いというため、『ムヒアルファS2』を紹介し、そちらをお買い上げいただいた。
     予算も薬を選ぶうえで大事な情報だから、こうして遠慮無く伝えてもらえると助かる。

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