「鎮痛」と「鎮静」は字面が似ていますが、鎮静成分の入った鎮痛剤には気をつけて

 若いお客様が『イブA』をレジに持ってきたさいに 無印と内容が違って良いか確認すると分からないようだったため、鎮静成分が入っていて車の運転などは避けなければならないことを説明した。
 今まで使っていたとのことで、そのまま お買い上げとなった。
お会計をしながら、虫刺されの『ムヒSクリーム』と『液体ムヒS』を例に、似た名前でも中身が違う薬は多いと伝えた。
 用途は教えてもらえなかったので、3日連続で使うようだと使いすぎとお話をした。
 というのも、入ってる鎮静成分のアリルイソプロピルアセチル尿素は、気持ちを落ち着けてくれる作用が痛みを和らげてくれるのだけれど、依存性があり、繰り返し服用しているようだと飲んでいないときに「イライラする」ようになってしまう可能性がある。
 しかも、それを鎮痛剤に入ってる鎮静成分のせいだと気づかないままに。
 単に「眠くなることがある」という副作用では、済まないかもしれないのだ。
 また、中には「眠くなったことは無い」という人もいるかもしれないが、脳の認知機能が低下するから、眠くなったことに「気づいていない」か「忘れてる」ということも考えられる。
 車の運転では、信号を見落としていても気づかないとか、ブレーキを踏むタイミングが遅れていても認識していないかもしれないのだ。
 なんにしても、鎮静成分の入った鎮痛剤には、ご注意あれ。

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 お客様が『ルキノン解熱鎮痛』を購入されるさいに、 鎮静成分入りで良いか確認すると「知らなかった」と驚かれ、今まで使っていて眠くなったことは無いというため、咄嗟の判断に影響しますと説明した。
 気圧と関係する頭痛で、頭がボワーンとするということから、温かい物を飲食するよう勧めた。
 気圧頭痛は胃の不具合と関係があり、ストレスを受けやすい胃が気圧の影響で悪くなると、セロトニンという脳内の神経伝達物質が脳の周囲の血管を収縮させ血液の巡りが悪くなった後に、パッと血管が開いたところへ一気に血流が通い、その血管が受ける負担を頭痛として感知する。
 そこで温かい物を飲むと、それ自体にリラックス効果があるのと胃腸が温められて血流が良くなれば働きも良くなり、頭痛を軽減することができる。
 胃腸の負担を軽減するために、あまり噛まずに済む消化しやすい食事に切り替えるのも良い。
 今回は、後ろに雑貨のお客様が並んでしまい、詳しくヒアリングできなかった。
 レジに薬を持ってくる前に相談してもらえれば、他の薬の検討をしたり、養生法などの情報を提供できるのだけれど、それを必要と考える患者さんが少ない。

 やや高齢のお客様から鎮痛剤を求められ売り場を案内すると、これからワクチンを接種するから心配で手元に置いておきたいとのことだった。
 今まで解熱鎮痛剤を使ったことがないというので、使い慣れた物が無いのであれば、発熱や体調が崩れた場合に応じてもらえる病院や薬局があることが大事とお話しすると、かかりつけ医はいるのが分かった。
 同居してる人と2人一緒に受けるので、日程をズラせば良かったとも言っていた。
 確かにそうですねぇ。
 どちらも動けなくなったら、困りますものね。
 余分な成分の入っていない単味剤の方が副作用が起きた時に対処しやすいとお話をして、鎮静剤の入っていない無印の『イブ』をお買い上げいただいた。
 お客様からは、「安心しました」と言っていただけた。

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