調剤薬局は、処方箋の薬を受け取るだけではありません! まずは、相談してみましょう

 お客様からアセトアミノフェン製剤の『タイレノール』を求められ、高齢の母親がワクチンを接種するからとのことだったが、複数の薬を服用してるというため、あらかじめ解熱鎮痛剤を用意しておくにしても、使うかどうかの判断は医師か薬を調剤してる薬局に相談するようお話すると、お帰りになった。
 そのまま買っていただいて構わなかったとはいえ、ワクチンの接種について担当医にも薬剤師にも相談していないということがリスクになってしまう。
 お客様自身は、別件で病院から処方された『ロキソニン』があるそうだ。
 ただし、それも別な目的で使うとすれば、調剤した薬局に相談するように伝えた。
 副作用があった場合に、目的外使用では『医薬品副作用被害救済制度』を利用できない可能性がある。

医薬品副作用被害救済制度

医薬品副作用被害救済制度

 

 お客様から『おくすり飲めたね』を求められ、病院で処方された薬を尋ねると、子供が中耳炎で抗生剤と漢方薬を処方されたというため、チョコレート味を勧めて、お買い上げいただいた。
 抗生剤はフルーツ味と混ぜると苦味が強くなるし、漢方薬も生薬のによっては同様。
 お客様は漢方薬の名前を覚えていなかったけれど、中耳炎となると処方されたのは『荊芥連翹湯』『排膿散及湯』などが考えられ、炎症を抑える生薬には苦味の強い生薬が入っていることが多い。
 本当は、こういう時にもお薬手帳を持ってきてもらいたいところ。
 お客様には、調剤した薬局で混ぜてはいけない物を確認しておくのも良いと伝えた。

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おくすり飲めたね
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 若いお客様がビタミン剤を見ていて、レジに持ってきたのがサプリメントだったため、吸収などの面では医薬品の方が効果が期待できることをお話しすると、寝起きが悪く、ネットでビタミン Bが良いと見たというお話だった。
 その情報の書き手が誰かは分からず、自身はバランスの良い食事を心がけているというため、食べつけない食材から不足してる栄養を補う方法もあることを教えた。
 それこそスマホで毎日の食事を写真に撮っておき、1週間単位で振り返ってみると、不足している栄養が見えてくる。
 お客様は寝つき自体は良くて、中途覚醒も無く長めに眠れているそうで、布団からも出られるという。
 それで寝起きが悪いと感じるようなら、起き抜けに上半身を温め血流を良くする『葛根湯』を飲む方法を提案したところ、家にあるとのことだった。
 ビタミンB類は、筋肉や神経組織を修復したり電気信号の流れを良くするのに役立つから、もちろんその選択もあることを伝え、専門外来のある病院の受診も勧めると驚かれたが、ネットで情報をを得るだけでなく専門家の話を聞くことが大事とお話した。
 サプリメントは取りやめとなり、少し考えてみるとお帰りになった。
 お客様からは、「また来ます」と言っていただけた。

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