生後3ヶ月から使える子供用の風邪薬はありますが、2歳までは病院の受診を優先して下さい

子供を連れたお客様から常備薬として子供用の風邪薬シロップを求められ、子供は2歳だというので基本は受診勧奨であることを説明したうえで売り場を案内したところ、家には6歳の子供もいて『キッズバファリンかぜシロップ』を使っていたとのお話だった。

開封してからの日持ちのことを気にされていたため、小容量の『小児用マイフレンS』を案内すると、2本買われてしまった。

薬を飲んで治っても、薬が残ると「もったいないから」とむやみに服用を継続してしまうケースがあるから小容量の物をと思ったのだが……。

どちらも生後3ヶ月以上から飲めることになっているとはいえ、身体の小さい子供は症状が数十分単位でコロコロ変わるから、いきなり悪化するケースも考えられるので、2歳以下の子供の場合は発熱が39度を超えたり咳が頻繁に出るような場合には、深夜だろうと翌日まで待たずに病院を受診するか、地元に24時間体制で受診の可否を相談できる電話窓口があれば電話してもらいたい。

また、総合の風邪薬には解熱鎮痛剤・咳止め・鼻炎薬が入っており、起きていない症状の成分が体内に入ると身体の方は、使わない成分の処理をさせられ疲れてしまい、かえって症状を進行させてしまう可能性がある。

それこそ咳止めとして入っている非麻薬性鎮咳薬のデキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物は、依存性が少ないと云うだけで作用としては麻薬と同じ働きをし、身体機能を落としてしまうので、咳が無い時に飲むと薬でだるくなったのか、症状が進行してだるくなったのか見分けがつきにくくなってしまう。

発熱が無く軽い咳だけならば、ハチミツを入れた飲み物で様子を見るという選択もある。

ハチミツが、デキストロメトルファンと同程度の咳止め効果があることを示す論文は多い。

また、鼻水だけで風邪薬を求められることも多いが、多くは内臓の冷えが原因なので、積極的に温かい物を飲ませてお風呂に入れ、下半身に厚着をさせてお腹周りを保温すれば、薬を使わなくとも治ってしまう可能性が高い。

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お客様から、『浅田飴のどドロップゼロ』と『ヴィックスドロップ』と同シリーズのシュガーレスの比較を尋ねられ、殺菌成分はうがい薬と同じことを説明した。

人へのプレゼントとのことで、どの味が良いかと訊かれたけれど、どれもメントールが入っていることを伝え無難なレモン味になった。

シュガーレスも良いけれど、砂糖は脳の疲れを取ってくれることもお話した。

また、冬の喉のイガイガは空気の乾燥だけではなく、寒さに対抗するために内蔵が熱を発して体内が乾燥している可能性もあることを伝えた。

対策としては、積極的に温かい物を飲んで、しっかりと入浴し、暖房の付いた部屋で上半身は涼しくしても下半身には厚着をして、身体に無理に熱を出す必要が無いのを教えてあげることである。

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お客様が『浅田飴こどもせきどめドロップ』をレジに持ってきたけれど、10歳の子供の主訴は喉がイガイガするだけで咳は出ておらず、本人が「気に入っているから」選んだとのことだった。

ただ、咳払いが多いというため喉を開いてくれる『南天のど飴』を勧めたうえで、咳払いはストレスの影響と考えられるため『半夏厚朴湯』を紹介したところ、病院でも神経性の咳と診断されているそうだ。

ハチミツにも咳を鎮める効果があることを説明すると、自身は『マヌカハニー』を舐めるものの、味が子供の好みに合わない模様。

本日はキャンセルとなり、お帰りになった。

『浅田飴こどもせきどめドロップ』にも喉を開いて呼吸をしやすくする成分が入っているものの、そちらは『南天のど飴』と違って覚醒剤系だから、咳で会話ができないくらいか眠れないくらいでないと、あまり使って良い薬ではない。

飴の形をしているから、安易に使われがちだけど気をつけてもらいたいところ。

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