病院への不満、治療への迷い、医師に相談しないままの市販薬の使用、店頭で出来るコトはなんだろう?

 お客様から痔に用いる舌下錠の『ヘモリンド』を求められて売り場に案内すると、価格が高いと言われたのだけれど、まとめ買いをしたいとのことだった。
 そして舌下錠は、飲むんじゃなくて舌の裏側で溶かすことにより血液中に入り込んで患部に直接働きかける薬なので、他に持病などで使っている薬は無いか尋ねた。
 すると、病院で手術を勧められていて、担当するのが診察した医師ではなく若かったため断ったという。
 人工肛門になるかもしれないと怖がり、若い医師は信用できないと興奮しだしてお話を続けるのが困難になったため、他の病院も当たってみるよう勧めたところ、とりあえず二箱のみ購入された。
 あの興奮の仕方からすると、軽度の精神疾患があるのかもしれない。

 お客様に『明治プロビオヨーグルトR-1』のサンプルをお渡しするさいに、乳酸菌はあまり乗り換えない方が良いこともあると伝えたところ、小学生の子供が受験で風邪にならないように飲ませているとのことだった。
 正直、風邪の予防になるかは未知数なのだけれど、受験を前に親も不安だろうから、あえて言うまい。
 ただ、どんなに体に良い菌だとしても外から来ればみんな敵なので、飲み慣れている銘柄があるのであれば、すでに仲良くなっている種類の菌のほうが相性の面で有益だと考えられる。
 そして受験時の風邪対策として、体力の低下を防ぐ『柴胡桂枝湯』と、緊張を緩和する『半夏厚朴湯』を紹介した。
 特に、緊張すると咳払いが多くなるタイプは喉が締まりやすく呼吸が浅くなり、それは思考力の低下にもつながるし、緊張感は家族間で伝播しやすいので親子で『半夏厚朴湯』を使うという方法もある。
 すると、お客様自身は以前に足がつりやすく病院から『当帰芍薬散』が処方されていて、服用を自己判断で中止し、まだ残っているとのことだった。
 なんで『芍薬甘草湯』ではなく『当帰芍薬散』なのかと思ったら、下肢静脈瘤と診断されているそうだ。
 服用をやめたのは、飲んでいると不安になるからだとか。
 ああ、そういう発想になることもあるのか……。
 静脈瘤は、脚の静脈に起こる異常な拡張のことで、弱い痛みを痒みとして感じたり、それが強まれば痺れ感を伴う痛みや、ときに疲労感として現れる。
 患部が膨らむくらいになれば目立つかもしれないが、先の症状だけでは判別しづらく、店頭ではまず分からない。
 放置しても怖い病気ではないものの、病院からは手術を提案されており迷っているというため、『当帰芍薬散』を続けてみてることと、しばらく中断したことを医師に報告するよう勧めた。
 手術についても、迷っていることをもう少し医師と話し合ってもらいたいし。

 若いお客様が『スットノーズα』を購入されるさいにヒアリングすると、鼻炎持ちで病院から薬は処方されているそうだが、点鼻薬を使っていることを担当医に伝えていないというため、点鼻薬も内服薬との相互作用が起こるケースがあることをお話した。
 また、『スットノーズα』のようなナファゾリン塩酸塩を含んだ点鼻薬は、いわば鼻水を分泌する穴をキュッと締めて止めているため、連用していると鼻の細い血管も収縮させて、今度はそれが鼻炎の原因となってしまうので、使わずに休憩する日を設けたほうが良い。
 そして、鼻水は内臓の冷えが原因と考えられることをお話すると、冷たい物が好きだというため、温かい物と組み合わせるよう勧めた。
 アイスを食べるのなら温かいお茶などと、冷たい物を飲むのなら食事は温かいメニユーという具合に。

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