詳しくヒアリングできると候補になる薬が増えて、身体に優しい提案もできます

 お客様が『イブクイック頭痛薬DX』を購入されるさいに、内臓機能を落とす事を説明すると驚かれた。
 気持ちを落ち着かせる鎮静剤が入っており、いわゆる「眠気を催させる」副作用がある訳だが、それは内臓の働きも抑制するので呼吸が浅くなったり胃腸の働きを悪くしてしまう。
 ただ、お客様の主訴はズキズキするタイプの頭痛で吐き気もするというため、鎮痛剤としては適応することもお話した。
 一応、胃粘膜の保護成分も入っているが、ズキズキする頭痛は胃の不具合が原因であることが多いので、食事に注意するよう伝えた。
 吐き気もする頭痛には、水分代謝を改善する漢方薬が役に立つので、『呉茱萸湯』『五苓散』を併用すれば鎮痛剤を使う機会を減らせるのだけれど、今回は詳しくヒアリングできたなかったため、そこまでは案内できなかった。

 子供を連れたお客様が『ノーシンピュア』と『小中学生用ノーシンピュア』の比較をしていたので声をかけてみたところ、自身が生理痛に使うというため前者を勧めてお買い上げいただいた。
 同じ「ノーシン」の名前が付いていても、前者はイブプロフェン製剤で後者はアセトアミノフェン製剤というように、それぞれ鎮痛成分が異なる。
 アセトアミノフェンは比較的安全性の高い鎮痛成分ではあるけれど、炎症への効果が弱い。
 ただ、どちらも内臓の働きも抑えてしまう鎮静剤が入っているので、服用する時には消化に良い食事をするようお話した。
 そして、余計なことながら子宮筋腫のお話もして、定期的に病院を受診するよう勧めた。
「生理痛はいつものこと」と慣れてしまうと、子宮筋腫のみならず他の大きな病気も見逃してしまいがち。
 誕生日なら誕生日と決めて、できれば同じ病院で継続的に診てもらいデータを積み重ねていくのが良い。

 お客様から風邪薬を求められたけれど、14歳の子供が鼻水と喉に違和感があるというお話から、喉の痛みの効能もある鼻炎薬を提案した。
 受験生とのことで鼻水はそれほどではないというため、眠くなる鼻炎薬は避け、『ストナ去たんカプセル』を勧めて、お買い上げいただいた。
 それから、風邪を心配されていたので『柴胡桂枝湯』を紹介した。
 体力が落ちるのは胃腸の状態が悪くなってからということが多く、体力が落ちると風邪に対抗できなくなる。
 そして防衛の要は肝臓でもあるので、胃と肝臓を助けてくれる『柴胡桂枝湯』は、風邪の初期から使うと体を支えてくれる。
 風邪の初期には『葛根湯』というイメージがあるが、それは体力がある場合なので注意が必要である。

 

 

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