「喉が弱い」は弱くない

 咳止めを買いにいらしたお客様、発症したのは一週間ほど前からで、喉がヒューヒューと笛のように鳴る感じがするというから喘息かなと思ったんだけど、「違う」というお返事。
 そして『ルル』を飲んでいたというのだけれど、『ルル』シリーズのどれかは覚えていないそう。
 ブランド名だけでは内容が分からないものの、咳以外に風邪と思われる症状は無いようなので、総合風邪薬より咳止めにしたほうが良いですよとお話して、まずは『麦門冬湯』を候補にしてみた。
 すると、痰が絡んでいて、普段は煙草を吸っていることが分かった。
 と言っても、今は煙草を吸っても不味いから直近は吸っていないそう。
 でもまぁ、煙草によって肺から気管支にかけての血管が収縮して患部が栄養不足に陥ってるとは考えられるため、上半身の血管掃除にも使える『清肺湯』の『ダスモック』の方を勧めて、お買い上げ頂いた。
 それから、咳を誘発するトマトやキュウリといった夏野菜を避けることと、入浴して体を良く温めるよう伝えた。

 高校生の子供が喉の痛みを訴えているとのことで、お客様から『のどスプレー』を希望され、消毒系のポピドンヨードと抗炎症系のアズレンの二種類を案内した。
 本人は喉が弱いというお話だったけど、それが喉が腫れやすいという事であれば、ウイルスなどの外敵の侵入を喉で阻んでるので弱いというのは当てはまらない。
 弱いというのは私みたいに、鼻も喉も反応せずに気がついた時には胃腸までやられてしまう虚弱体質です(ノД`)
 ちゃんと喉で外敵と戦える人、すなわち「喉から風邪になる」という人は『葛根湯』で上半身を温めるか、逆に『銀翹散』で冷やしてやるというように、初期の段階で支援してあげれば早く回復する。
 風邪をひいても微熱しか出せない、体力不足で防衛機構の働かない私のような人は、最初から『柴胡桂枝湯』を使わなければ戦えないのだ。
 まぁ、外敵に対して過剰に反応してしまうのも、病気っちゃ病気なんですが。
 そんな話も交えつつ、希望が『のどスプレー』なことから、抗炎症系のアズレンを勧めてお買い上げ頂いた。
 雑談を交えたのは、さっき挙げた漢方薬を提示しつつ反応を見るため。
 目的の剤形(今回ならスプレー式)以外全く眼中に無いのか、思いつかなかっただけなのか、他の薬にも興味が有るのか、養生などの情報も提供できそうかとか、そういう判断をする参考に。
 今回は、お客様は関心を示されたけど、本人から『のどスプレー』を頼まれたということで、他の選択肢が入り込む余地が無かった。
 喉の痛みだけで風邪の兆候が無ければ、『駆風解毒湯』や『ペラックT』という候補もあったんだけどねぇ。
 やっぱり、患者さん本人とやり取りできないと、どうしようもないε-(´・_・`)

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