• タグ別アーカイブ: 五虎湯
  • 患者さん本人と連絡が取れるのが一番

     以前にサポーターの開閉式の物を購入されたお客様が再訪。
     タイツの上に装着すると滑ってズレてしまい、肌に直に着けて上からタイツを履くとタイツが盛り上がってしまうという。
     ありゃん、開閉式を勧めたのは私。
     寒くなると足を引きずってしまうものの、いつもなる訳ではないというお話から、必要な時に装着するのが良かろうと思ってのこと。
     タイツを使用しているのを、確認しなかった……。
     返金を申し出たけど固辞されて、今度は『パテックス』のハイグレードタイプを購入された。
     うう……、ありがとうございますm(_ _)m

     『解熱鎮痛薬クニヒロ』を購入されたお客様に、念のため『イブA』と同じ内容であることを説明したところ、若い頃から頭痛に悩まされているという相談を受けた。
     病院では、骨格からくる頭痛と診断された以外には、特にこれといった治療は無く『ロキソニン』を処方されたという。
     難治療だとしても、それは無いんじゃないの、お医者さん(^_^;)?
     頭痛の方は、グワングワンと頭に響き、吐いてしまった事もあるそうだから、むしろ『ロキソニン』では駄目なんじゃないかなぁ。
     吐く事もあるとすれば、水分代謝の異常が考えられるから『苓桂朮甘湯』を紹介したところ、効能の目眩や耳鳴りも思い当たるようだった。
     骨格からの頭痛となると、血流も関係するかもしれず、『釣藤散』も候補に考えられるものの、これ以上の判断は私の手には余るため、漢方薬に詳しい病院を紹介する事にした。

     風邪の相談いらしたお客様から詳しい症状を訊くと、頭痛がして発熱しそうと感じている様子。
     喉は痛くないようで、症状は今日からという事から、『ルルアタックFX』と『ベンザブロックIP』を案内すると、明日は休めるというお話だったので、後者を勧めてお買い上げ頂いた。

     『キズニコ』と『マキロン』の違いをお客様から質問されたので、成分の違いを簡単に説明した。
     キズ薬の『デジンA』も紹介したけれど、常備しておく物とのことで、消毒だけであれば『キズニコ』で充分ですとお話して、お買い上げ頂いた。

     『ストナリニS』を服用していて使いきったため、追加を買いに来たというお客様。
     患者さんは家族で、代わりにいらしたそうなのだけれど、主訴は鼻水だけでなく、咳もあるという。
     そうであれば『ストナリニS』を継続するよりもと、『ストナデイタイム』を案内した。
     しかし、本人に連絡が取れるようでしたので、電話をして頂いたところ、今の主訴は喉の痛みだけという事だったため、『ルキノンエース』に変更して、お買い上げ頂いた。

     お客様から、咳の相談を受けた。
     今は出ておらず、常備薬を探しているという事で、夜中に咳き込むと目が覚めてしまうくらいだそうな。
     私も喘息持ちなので、状況は想像できる。
     以前は『アネトン』を使用していたそうなのだけれど、強い薬でもある事から、もう少し安心して使える物をという要望を受け、夜中の咳に適応する『五虎湯』を案内した。
     また、上半身が乾燥したり、胃を悪くして咳になるケースをお話して、『麦門冬湯』も紹介した。
     でも、本日は閉店間際で相談のみ。

     

  • 症状に合わせた乗り換えプランも大事

     『葛根湯』『五虎湯』を一緒に購入されるお客様がいらしたので、念の為に用途を確認すると、風邪の常備薬にしたいという。
     風邪をひくと、いつも咳になってしまうらしいのだが、『葛根湯』にも『五虎湯』にも麻黄が入っていて、これは体を温めるため重なるのは好ましくない。
     まぁ、麻黄は温めると言っても熱を発散させるためで、『五虎湯』には患部を冷やす石膏も一緒に入ってるんだけどね。
     ただ、『葛根湯』との併用で考えると、体内を乾燥させてしまう心配がある。
     となると咳止めには、体内の乾燥を防ぐ『麦門冬湯』の方が良いだろうと案内したところ、『葛根湯』『麦門冬湯』の組み合わせで、お買い上げ頂いた。
     そうそう、あと麻黄は少なからず胃に負担をかけるため、処方的に胃薬に近い『麦門冬湯』は、胃を守る働きにも貢献する。

     お客様が、『大正漢方胃腸薬』と、外からのストレスに用いる『四逆散』の入った『爽和』と、内面のストレスに適する『リフレライフ』(安中散加茯苓)を何度も眺めたうえで、『大田漢方胃腸薬2』(安中散加茯苓)をレジに持ってきたので、念のため症状を尋ねてみた。
     朝起きると胃痛がするというお話からすると、胃酸過多の可能性が考えられる。
     内面のストレスは思い当たるそうなので、そのまま購入して頂きつつ、痛みに対して効果が弱いと感じた時には、痛み止めの『芍薬甘草湯』が入っている『大正漢方胃腸薬』への変更も検討するよう、お話した。

     ご主人の代理で、お客様が咳の相談にいらした。
     熱などの風邪の症状は無いのに、夜中に激しく咳き込み、それでいて昼間はそれほどでもないというお話から、『五虎湯』を案内した。
     しかし、その前の状況を詳しく尋ねたところ、一週間ほど前には鼻水と熱を伴う風邪をひき、『ベンザブロックS』を服用していたと分かった。
     ありゃん、重要な情報を後出しは困る。
     まぁ、それを聞き出すのも私の役目な訳ですが。
     でも、代理で薬を購入される時には、忘れずに最初の段階で知らせしてもらいたいところ。
     今回の場合、風邪による発熱で体内が乾燥したうえ、現代薬の風邪薬により症状を抑えた結果、神経レベルでの保湿機能が低下していることで咳になっている可能性をお話して、『麦門冬湯』も紹介した。
     ひとまず、『五虎湯』で目先の咳を止めて、後から『麦門冬湯』に乗り換えるプランを提示して。
     この辺りは、予算との兼ね合いがあるし、できるだけお金を掛けたくないと思うのは当然だろうから、乗り換えプランは、なかなか受け入れてもらえないものだけれど。
     他に、『のどドロップ浅田飴』と、医薬品の『浅田飴』の違いを質問された。 
     『のどドロップ浅田飴』の方はセチルピリジニウムが主成分で、これは消毒が目的なのに対して、『浅田飴』の方は熱を発散する麻黄や、患部を冷やす桔梗などの生薬が処方されていることを説明した。




     

  • 風邪の治りかけで病院に行く意味はあるか

     お客様から、風邪の後の疲れが抜けないとの相談を受けた。
     風邪の方は、38.5度までの熱の他に、鼻水や咳もあり、ひき始めから治るまで一週間ほどかかったという。
     最初に『柴胡桂枝湯』を考えたが、食欲は回復しており、一方で寝ていてもウツラウツラしているという話から、心身の疲労に合わせて『竹じょ温胆湯』を勧めて、お買い上げ頂いた。
     普段は使いどころが難しくて、私の元では出番の少ない漢方薬なんだけどね。
     上手い使い方を、もう少し勉強しておかないと。
     お客様からは、風邪の治りかけで病院に行く意味はあるか質問された。
     風邪で疲労した後に肺炎へと進んでしまうケースも有るため、「今がどんな状態かを知る」意味があることを説明した。

     『パブロントローチAZ』を購入しようとしたお客様に用途を尋ねたところ、自身の咳と、子供が喉が痛いと言った時に一緒に使える物として選んだそう。
     しかし、肝心のお客様自身の咳は、夜中に咳き込んで寝付きにくいうえ、もう一週間ほど続けているという。
     患部を冷やして咳を止める『五虎湯』と、長引く咳には体内の乾燥が考えられるため上半身を潤す『麦門冬湯』を案内したうえで、このまま日曜日の今日は休めるのであれば神経レベルで咳を抑える『ブロン錠エース』をと提案した。
     しかし、出かける用事があるというとのことで、疲労の少ない『麦門冬湯』を選んで購入して頂いた。
     また、子供が喉を痛いと言った時のために、『甘草湯』とトラネキサム酸を合わせた『ペラックT』を紹介した。
     そして、喉の痛みが必ずしも風邪とは限らず、花粉症や胃炎などでも起きることを説明し、下半身を温めることで、喉の炎症を軽減できますと伝えた。
     いずれにしても、薬を「家族で一緒に使おう」と考えるのは、症状や体質を無視してしまう事になり、むしろ選択が難しいので注意して下さいな。
     まぁ、今回は『ペラックT』は価格が高いと思われたらしく、購入には至らなかった。

     

  • 素人が競馬やパチスロで大勝ちするのは難しいですよね

     咳と痰の相談を受けたのだけれど、症状は3週間ほど前からで、『パブロン』を服用していたそう。
     ただ、『パブロン』シリーズの何だったかは覚えいないという。
     同じ名前でも、いや同じシリーズだからこそ別な成分構成の商品が存在する訳であり、しかも改善していないというのだから、使っていた物の特定というのは重要な情報。
     いちいち覚えていられないというのは良く分かるから、せめて現物かパッケージを持参するか、カメラ付き携帯電話が普及してからすでに15年以上は経過しているので、活用してもらいたい。
     今回のお客様の場合、発熱などは無く、咳と痰だけだった様子のため、そもそも風邪だったのかからして不明。
     風邪でなかったとすれば、風邪薬を使用していたのが誤りで、効果が無かったのに使い続けたのは不思議でならない。
     一方、痰に黄色味があるというお話からすると、ウイルスが介在していたとは考えられる。
     実のところ、医療従事者にできることは「治療」ではなく、「治る確率を上げる」だけ。
     相談されたから必ず治せるという訳でもない。

     一種のギャンブルと言ったら言い過ぎかもしれないけど、それだけに何も参考にせずに薬を選ぶのは難しいはずなので、競馬新聞やパチスロ必勝法を参考にする程度には、相談して欲しいところ。
     いずれにしろ、どの『パブロン』を服用したとしても、体内の乾燥は確実だろうから『麦門冬湯』を案内した。
     すると、小学生の息子さんも咳をしていて、夜中に咳き込んでいるという話が出た。
     息子さんの場合は、お客様とは咳の性質が違うと判断し、患部を冷やしつつ熱を発散する『五虎湯』を勧めた。
     それでも、養生については同じで、体の中、特に下半身を温めるのが大事。
     体の中で起きているのは、気温が冷え込んできたため、体の方は自分を温めようと頑張って、でも人間の体は機械ではないから、適した場所を適温に調整するのは難しく、その熱の偏りで上半身が乾燥したり熱が篭ったりしていると考えられる。
     という事は、体の中を温めてあげれば、体の方は自分で無理して頑張るのをやめて落ち着く。
     そんなお話をして、『麦門冬湯』『五虎湯』の両方をお買い上げ頂いた。

     若い女性のお客様が、『新キャベジンコーワS』をレジに持ってきた。
     胃薬というは、解熱鎮痛剤以上に適応が難しいので、念のため症状を尋ねてみると、5日ほど前の飲み会で飲み過ぎてから吐き気が治まらず、特に朝の調子が悪くて何も食べられないうえ、落ち着いてくる昼に食べると、また気持ち悪くなる状況だという。
     うむぅ、胃が働いていないのは明らか。
     『新キャベジンコーワS』では、力不足じゃないかな。
     『太田胃散』と『大正漢方胃腸薬』を案内してみたけど、もう少し詳しく症状を訊いてみると、胃の痛みは無い一方でストレスが思い当たるという話が出た。
     どうも会社が体育会系のノリらしく、飲み会はもちろん、日頃の仕事からして力押しの雰囲気なんだとか。
     ああ、それはもう『四逆散』の入っている『大正漢方胃腸薬 爽和』か、『安中散加茯苓』の『リフレライフ』の出番ですね。
     今回は、『リフレライフ』を購入された。
     あと、飲み会に参加する前に、コンビニで温かいお茶を買って飲んでおくように勧めた。
     スポーツをする前には、準備運動が必要なように、飲み会の前に胃に準備運動をさせるがごとく。


     

  • 抱き合わせ販売するつもりは無いんだけど

     成人の息子さんの代理で来店されたお客様から、腰椎椎間板ヘルニアの相談を受けた。
     中学生の時にスポーツをしていて発症し、一旦は治っていたものが、昨夜に突然再発したとのこと。
     就職活動中で、なんとかしてあげたいというのだけれど、コルセットを持っているものの本人が使いたがらず、そのうえ前回の時に幾つかの病院を巡っても良くならず、最終的には自分で筋トレをして治った体験から、今回も病院に行くのを拒んでるそうで、なんとも対応に困る。
     幾つかの病院で受けた治療の経緯や内容を時間をかけてカウンセリングするのは、ドラッグストアでは手に余る話しだし、なまじ若い時の体験というのは、失敗体験にしろ成功体験にしろ尾を引きがちで、こちらが本人に入り込む余地があるかどうか。
     応急処置として、外用鎮痛剤の『インドメタシンゲル』と、内服薬で『疎経活血湯』を案内してお買い上げ頂いたが、改めて整形外科を受診するように勧めた。
     歳を重ねれば、体の仕組みも変わる。
     以前に効果のあった治療法が、使えなくなるのは、むしろ当たり前。
     私の場合、鼻炎に用いていた『小青龍湯』では上半身が暑苦しくなって今では年寄りが使う『香蘇散』『麻黄附子細辛湯』でなければ駄目だし、喘息に使っていた『麻杏甘石湯』『五虎湯』では冷え過ぎてお腹を下してしまうため、『麦門冬湯』『半夏厚朴湯』でないと使えなくなってしまった。
     腰椎椎間板ヘルニアを筋トレで治したというのは、若い時だけの力技みたいなもの。
     就職してからでは、なおさらじっくりと治療するのは難しいだろうから、今のうちに適切な治療を受けて欲しい。

     中学生の息子さんの代理で、お客様が来店。
     最初は「のど飴を」と要望されたため、医薬品か医薬部外品かを尋ねたところ、医薬品ということで『南天のど飴』を案内した。
     接客術として、ひとまず要望の品を提示したうえで、本題の「誰」が「どんな症状」で「いつからか」といった情報の収集に取り掛かる。
     でないと、話も聞いてもらえず、時として誤った選択をした薬を購入され、お店にも良い印象を持ってもらえず、双方ともに損をするハメになったりしてしまう。
     とはいえ、正直言って面倒臭い(・´з`・)
    「も~、最初から言ってよ=3」という事は、今まで数知れず。
     今回は症状を尋ねると、主訴は喉の痛みで、息子さんから頼まれたという。
     これは、本人の症状を把握していないパターンが多い。
     なにしろ、頼む方も気軽に頼んでいるため、自分の症状を伝えていなかったりするから。
     それでも頼まれた側が症状を観察している事があるから、手探りで本人の様子を丁寧に、でも煩わしくなり過ぎないように気をつけながら尋ねていく。
     すると、どうやら喉の痛みに本人が乾燥を感じているようだと分かったため、『麦門冬湯』が頭をよぎった。
     しかし、体力がありそうで効き目が穏やかになってしまうと思い直し、『駆風解毒湯』を提案した。
     のど飴は頼まれ物であるので、『南天のど飴』と一緒に購入して頂けた。
     本当なら、『駆風解毒湯』だけで十分なはずだけど、頼まれ物では仕方がない。
     抱き合わせで商品が売れて、「やったぜヽ( ´ー`)ノ」ってなもんである。(←マテ)

     

  • 専門外でも詳しい人は詳しい

     やや高齢のお客様がコンドロイチン関係の商品を眺めていたので声を掛けてみると、病院には行ってないそうで、軟骨が減少しているとかいうような事も分からないようだった。
     そこで詳しく症状を尋ねてみたところ、痛みというよりは、寝起きに違和感を感じ、もともと冷え性だというお話から、『桂枝加苓朮附湯』を案内して、お買い上げ頂いた。
     コンドロイチン関係は、医薬品もサプリメントも安くないから、必要かどうかは調べてからの方が良いと思う。

     『セルベール』が欲しいと来店したお客様に用途を尋ねたところ、『パブロンゴールドA』を服用する時に、一緒に飲むと良いと知人から勧められたそうな。
     失礼ですが、その知人は医療関係者で?
     すると、そういう訳ではないという。
     う~ん、その知人とどういう付き合いをしているか分からないから、迂闊な事は言えないので、その時には聞き流すようにしたけど、良く分からない話だ。
     解熱鎮痛薬ならともかく、市販の風邪薬で胃薬を別に飲まなきゃならないほど胃に悪い物は思い当たらない。
     まぁ、私くらい胃腸虚弱だと『葛根湯』『麻黄湯』とか『小青龍湯』なんかでも、具合が悪くなりますが。
     私の方が勉強不足で見落としている事があるかもしれないし、専門外でも詳しい人は詳しいから一概に否定もできない。
     とりあえず、『セルベール』の方は胃腸薬の中では比較的、ストレス性の胃の不調に適している事を説明したうえで、お買い上げ頂いた。

     お客様から、漢方薬をオブラートで包んで服用する事について相談を受けた。
     私も子供の頃はオブラートに包んでいたし、今では龍角散が漢方薬専用の服用ゼリーを販売しているくらいで、特に効果が弱まるという事は無いでしょうとお話した。
     まぁ、喉の痛みを冷やしつつ熱を発散して治す『駆風解毒湯』なんかは、お湯に溶いて、うがいをするように飲んだ方が効果的という例外だったりするけど。
     その例外の可能性もあるため、服用する予定の漢方薬を確認してみると、病院では『半夏厚朴湯』が処方されたそうで、その前には『麦門冬湯』が処方されて効果が無かったという。
     ところが、症状としては夜中に咳き込むそうな。
     ん?
     それなら『五虎湯』かなと思ったものの、喉につかえ感があるというから、『半夏厚朴湯』で適応しそう。
     ただ、お客様の話からの推測でしかないけど、どうも担当医は漢方薬には詳しくなく、効能に「咳」とある物を順番に出している様な気がしないでもない。
     私の見立てでは、お客様は痩せ型のうえ、やや神経質そうな印象があり『小柴胡湯』の助けがいるのではないかと。
     もし『半夏厚朴湯』が効いたとして、「もう一息」と感じるようであれば、『柴朴湯』を担当医に処方してもらえないか相談してみるよう提案した。
     言い出しにくいようでしたら、近くに漢方薬が得意な病院がありますから紹介しますと付け加えた。

     

  • 本当は怖い漢方薬(タイトルで煽ってみました)

     咳の相談を受けたのだけれど、現代薬の風邪薬でアレルギーを起こした事があり、漢方薬をと要望された。
     ところが、どの風邪薬で起きたかは具体的には覚えていないという。
     ううん、これは大変な誤解で、漢方薬は副作用が無い訳でも、アレルギーが起きない訳でも無い。
     しかし、「漢方薬は効くのに時間がかかる」と同じくらい、世間一般では「現代薬より安全」と誤解されている。
     悪用されると困るから、日記には書かないけど、妊婦さんを流産させる事だって出来ちゃうんですよ、漢方薬で。
     内臓系にダメージを与えて、寿命を短くする事だって出来るんですよ、漢方薬で。
     そして、現代薬に含まれている成分の一部は、特定の生薬との併用による副作用も報告されているから、やはりアレルギーが起きたという現代薬の特定は、安全面で云えば必要なんである。
     ……と、言いたい事は日記に書くので、ひとまず目の前にいる患者さんに適応しそうな物を探さねば。
     喉の痛みは無く、咳き込むほどではないという症状から、『五虎湯』『麻杏甘石湯』は除外。
     喉が詰まる感じがするという話から、『半夏厚朴湯』を候補にしたが、神経性は思い当たらないと言われた。
     ここは難しいところで、神経性というのは実のところ、本人の自覚とは別だったりする。
     それこそ今は、季節の変わり目で体に変調が現れやすい時期。
     五月病だって、生活環境の変化とか連休明けとか原因らしい候補は幾つもあるけど、実のところは後付け設定みたいなものだ。
     疲れていなくても、意識しなくても、不意に眠くなる時があるのと同じで、神経がどう感じるかまでは、人間はコントロール出来ない。
     アレルギー体質である点と、こみ上げる咳という話からも、『半夏厚朴湯』が適応すると思える。
     しかし、本人だけが感じている「言葉に変換できない症状」というのもあるし、気持ちのうえでも「自分か選択した」というのは重要であるため、次点として上半身の乾燥に用いる『麦門冬湯』を候補に挙げたところ、そちらをお買い上げ頂いた。
     他に栄養ドリンクも希望されたが、これまたよくよく聞けば『ゼナジンジャー』でも蕁麻疹が出た事があるというので、控えるようお話した。
     『麦門冬湯』で強い副作用が出たという事例は私は知らないけど、もし栄養ドリンクと併用して何か変な症状が現れたとしたら、服用した物の種類が多いと原因の特定が難しくなってしまう。
     それから、『新ビオフェルミン錠S』を購入されたので、効果が弱いと思われる場合は、『ザ・ガード』を試してみるよう勧めた。
     さっきの話と矛盾するみたいだけど、アレルギーというのは腸の働きと関係するという説がある。
     腸の状態を改善すると、アレルギーの症状も軽減するらしいのだ。
     まだまだ研究途上の説ではあるが、「病院が患者を殺す」とか「薬は不要」などという極端なテロリストのような思想とは別で、試す価値は有るだろう。
     半身浴で下半身を温めるというのも、腸の働きを改善するためのもので、本人は風呂が短いそうだから、のぼせないように上半身に風を当てたり、水で濡らしたタオルを頭に乗せたりしての長湯を勧めた。
     そして、ビールが好きというお話から、先に温かい味噌汁やお茶を飲んで、胃に準備体操をさせるように伝えた。

     『テーピング』を購入されたお客様から、「伸びる物は無いですか?」と尋ねられた。
     テーピングは、患部が動かないように固定するのが目的だから、伸縮包帯のように伸びては困る。
     用途を尋ねたら、サッカーをしている高校生の息子さんから、『テーピング』をと頼まれたらしい。
     息子さんは、今はサポーターを足首に使用しているそうで、それが良い感じではないため、テーピングを頼んだようだ。
     という事は、息子さんの方はテーピングの目的を理解していると考えて良さそうだ。
     ただ、トレナーやコーチが専門知識を持っているようであれば、ちゃんと指導を受けた方が良い事は、お話した。

     

  • 自分の管理を他人に頼もう

     お客様から、鼻水とクシャミの相談を受けた。
     毎週通っている水泳の後に症状が現れ、以前に病院で処方されたアレルギー薬を服用しており、それに代わる物をという要望。
     そこで、現代薬の鼻炎薬を紹介しつつ、鼻水になるのは体の中が冷えて自力で温める力が弱くなっている事を説明して、『小青龍湯』を案内した。
     ただ、筋肉質に見えるのに自力で温められないというのが解せない。
     風呂が短いというので、半身浴で長めに入ることと、食事を根菜類に偏らせるようお話したうえで、近所の漢方薬に詳しい病院を受診してみるよう勧めた。
     お話している中で、漢方薬に興味を持って頂けたようなので。
     そんな訳で、今回は薬の購入を見送り。
     筋肉質に見えたけど、痩せ型で長身な事が何か関係ありそう。
     今後の、研究課題の案件となった。

     お客様が『のどスプレー』を求めて来店。
     しかし、詳しく症状を尋ねると、咳が止まらず、黄色い痰が出るというので、あまり効果を期待できない事を説明した。
     三日ほど『ルル』を服用していたというのだけれど、例によって「どのルルだったか分からない」とのこと。
     とにかく、「すぐに楽になりたい」と訴えてるため、『五虎湯』を案内して、お買い上げ頂いた。
     ところが、外箱を捨てて中身だけ持ち帰りたいと言われた。
     外箱を捨てるところまでは請け負ったけど、添付書だけは持ち帰ってもらうよう、お願いした。
     こればっかりは、お客様でも譲れません( ̄^ ̄)
     一応は持ち帰ってくれだけど、そのままゴミ箱直行なんじゃないかと心配。
     言いたかないけど、だから言わなかったけど、他の患者さんにも気に留めて欲しいから書くけど、「すぐに楽になりたい」というのを優先させて、確認とか記録とかを怠ると、自分に戻ってくるだけなんで、良い事は一つも無いです。
     人間は、放っておくと楽な方を選びがちだから、医師でも薬剤師でも登録販売者でも良いから、いや別に専門家でなくても、友人でも家族でも誰でも良いから、治療の時には誰かを「監督者」に勝手に任命して、自分を管理してもらいましょう。

     

  • 買う前に確認するのが当たり前のはずなんだけど

     高齢の母親の膝の痛みについて、お客様から相談を受けた。
     病院で、軟骨が少なくなっていると診断されたものの、湿布しか処方されていないという。
     何か他に治療を受けていて、その薬との関係かと思ったが、そういう訳でもないらしい。
     栄養剤として『ビタミネンアクティブ』と、冷えによる関節痛に使う『桂枝加苓朮附湯』と、加齢による関節痛に使う『牛車腎気丸』を紹介してみたが、漢方薬については保険適用薬でもあるので、担当医に相談してみるように、お話した。

     お客様が、レジに『半夏厚朴湯』『五虎湯』を持ってきて、効能の違いを質問された。
     主訴は咳だそうで、詳しく症状を尋ねると、喉が詰まるような感じがするとのことで、ストレスや緊張による咳の可能性をお話して、『半夏厚朴湯』を勧めた。
     『五虎湯』については、上半身に熱が篭ったりして、夜中に咳き込むような時に、患部を冷やして咳を止める物ですと説明して、今回は『半夏厚朴湯』をお買い上げ頂いた。
     買う前に確認するという、こういう購入の仕方が本来は普通のはずなんだけど、ものすごく珍しいのが現状。
     でも不思議と、何処からも注意喚起や警句なんかは、発せられないんだよねぇ。
    「老化を早めるNG食習慣」とか「ガンを防ぐ食べ物」とか、くだらない健康関係の記事は、良く見かけるのに。

     

  • 声が嗄れて出しにくい時の発声方法

     以前に、腰痛で来店しフェルビナクのパップ剤を購入して頂いたお客様が再訪。
     腰痛の方は良くなったそうで、それはなにより。
     今回は、咳と声嗄れの相談を受けた。
     風邪をひいたと思い、『パブロンSゴールド錠』を4日ほど服用しているものの、咳が止まらず声が嗄れてしまったそう。
     ただ、発熱はしていなかったらしいので、おそらくは風邪ではなく寒暖差で喉を傷めて咳が出たところへ、『パブロンSゴールド錠』が体内を乾燥させる方に働いてしまったのだろう。
     痰が喉に張り付くようだというから、これは『麦門冬湯』の出番である。
     また、咳が軽くならなければ肺を冷やす『五虎湯』と、乾燥感が取れても声が出にくい時に用いる『響声破笛丸』を紹介した。
     そのうえで、喉を傷めない簡単な発声の仕方を教えた。
     具体的には、舌の先を下の歯の裏側に軽く当てて舌でアーチを作り、声を出す時、すなわち息を出す時に上の歯の裏側に息を当てようと意識をする。
     試しに、普通に「あいうえお」と言ってみて、次に上記の方法で同じく「あいうえお」と言ってみると、普通に言う方が喉の奥で振動を感じるはず。
     その振動が喉に負担をかけている訳で、舌でアーチを作ることにより、息が上の前歯に当たって、上顎の骨が喉の代わりに振動するのだ。
     そして、上顎の骨が振動するという事は、頭蓋骨そのものがスピーカーになるので、良く響く。
     これはそのまま、遠くの人を呼んだり、離れた人に声援を送る時に喉を傷めない方法として使えます。
     小学校時代とか、教科書を朗読する時にアホな教師から、「もっと大きな声で!!」と何度も言われたもんだけど、大きな声じゃなくて、声を響かせる発声方法を教えてくれれば良かったのに、と今でも大いに恨んでます(σ゚д`)アッカンベー

     御主人の代理で、頭痛薬を買いに来たというお客様からの相談で、『イブA』と『イブクイック』の違いについて質問された。
     漢方薬の生薬より、現代薬の舌が回らない成分の方が苦手。
     一応、『イブA』に、痛み止めのイブプロフェンの効果を高める、アリルイソプロピルアセチル尿素という物が加わっているのが『イブクイック』と説明した。
     もちろん、「アリルイソプロピルアセチル尿素」をソラでは言えない(;^ω^)
     また、『バファリン』の方が効くのかとも質問された。
     お客様の中では、『バファリン』の方がメジャーというイメージらしい。
     『バファリン』の主成分であるアセチルサリチルが脳だけに働きかけるのに対して、イブプロフェンの方は脳だけでなく、痛みを誘発する成分の発生も抑えるので、単純に考えればイブプロフェンの方が効果があると云えるだろう。
     ただし、体質による相性もあるので、現実には小容量の物で試してみるしかない。
     それと、市販薬の名前は固有名詞というよりブランド名なので、同じ名前でも前後に何か文字が付くと成分がまるっきり変わってしまう事を、『バファリンプレミアム』を例にして説明した。
     今回は、御主人が通常の『バファリン』を飲み慣れているようだと事で、そちらをお買い上げ。
     あっ、そうそう。
     肝心の頭痛の方は、ズキズキと痛むタイプの偏頭痛だそうなので、痛むタイミングや、痛みが和らぐ姿勢など、何か思い当たることがあったら、メモを残すように勧めた。
    「頭痛持ちだから」と、ある意味慣れてしまうと、重大な病気を見逃してしまったりして怖いので、偏頭痛を軽減する方法を探っていきましょうという事で。