• タグ別アーカイブ: 桂枝加芍薬湯
  • 市場のニーズが市販薬の選択を難しくする

     お客様が『葛根湯』を購入しようとしたけれど、喉の痛みや咳の風邪と発熱には向かないことを伝えると、すでに風邪をひいて1週間くらい経ってるとのことだった。
     主訴は喉の痛みと鼻水で、どちらも胃の不具合と関係することを説明し、喉の痛みは大したことないというお話から『柴胡桂枝湯』を勧めてお使いいただくことになった。
     『葛根湯』を使うタイミングは最初の1日~2日ぐらいで、その後は発熱があるようなら『麻黄湯』に乗り換え、発熱が無いのであれば『柴胡桂枝湯』に移って内臓を助けた方が回復が早まる。

     お客様から胃もたれの相談を受け、『大正漢方胃腸薬』を使っていたと言うのだが「白い粉のにしたい」と要望された。
     しかし、白い粉と言われても皆目見当がつかないため『スクラート胃腸薬』を紹介したうえで、食べ過ぎと脂っこい物を食べての胃もたれは対応が別なことを説明し、『タナベ胃腸薬ウルソ』も案内した。
     でも、外箱の白いイメージで『第一三共胃腸薬』を購入された。
     まぁ、お客様の選択だし、大きく外している訳でもないから良いのか。
     ただ、『第一三共胃腸薬』の処方構成を見ると、胃もたれを解消するはずの消化剤と、胃液の分泌を抑える制酸剤が一緒に入ってるんだよねぇ……。
     両方に効くか、双方打ち消し合ってしまうか、「当たるも八卦当たらぬも八卦」の薬なのです。
     というか、胃薬にはそういう変な処方構成の物が少なくない。
     某製薬メーカーの研究員さんのお話では、「市場のニーズに合わせた結果」なんだそうな┐(´д`)┌

     お客様から、6歳の子供が排便時に痛がるとの相談を受け便の状態を尋ねたところ、コロコロ便だというのでストレスの可能性をお話した。
     ストレスについては思い当たらないということだったが、子供にとっては楽しいことも興奮によって内蔵には負担になることを説明し、また子供の悩みにはとかく気づきにくいことを伝えた。
     子供の悩みに気づきにくいというのは、自分のことでもあるのだけれど。
     とにかく、腸内環境を整える『ザ・ガード』とストレスの軽減を図る『桂枝加芍薬湯』、それから腸内の水分を吸って便を柔らかくする『新ウィズワン』を候補として、チョコレート味の『新ウィズワン』を試していただくことになった。

     

  • 家族が患者本人とのコミュニケーションを取ることは大事

     お客様から、ご主人が髭剃り痕が赤くなると相談を受け、痒みは無いというお話から、『キュアレアα』『HPローション』を案内した。
     しかし、しばらく商品を見較べていたようだが、他のお客様の対応をしている間にいつの間にか帰られていた。

     若いお客様から鼻炎スプレーの質問を受け、非ステロイド剤と炎症が強い場合に用いるステロイド剤の違いを説明したうえで、症状によって乗り換えるようお話した。
     花粉症とのことで『アレグラFX』についても訊かれたため、本来は予防薬として症状が激しくなる前に使うのが効果的で、早めの服用が良いことを説明した。
     今回は『スットノーズα』と『アレグラFX』をお買い上げいただいた。
     そして、花粉症は防衛機能の異常動作なので、防衛機能を担っている腸の働きを良くするために、お腹周りは温めるよう勧めると喜んでいただけた模様。

     お客様から『チクナイン』(辛夷清肺湯)とお酒のみ合わせについて訊かれ、それ自体は問題無いものの、適応する症状である鼻づまりと鼻汁が喉に落ちてくるというのは、胃の不具合と関係するため、お酒が症状を悪化させることをお話しした。

     お客様から下痢止めの『ストッパ』を注文され、『ストッパEX』と『ストッパL』を案内したさいに『L』には腹痛を抑える芍薬が入ってることを伝えると、受験する子供のために備えてとのお話だったので『桂枝加芍薬湯』も紹介した。
     また、緊張が胃に来る場合の『半夏瀉心湯』と、息苦しさや咳払いになる人向けの『半夏厚朴湯』も案内した。
     ただ下痢止めは本人から頼まれたわけではなく、具体的な症状も分からないと言うので、本日はお帰りになった。
     親心には感心するけれど、そうであればむしろ本人とのコミュニケーションを取ることは大事なので、そのうえで相談に来ていただけると良いかと思う。

     常連のお客様から歯痛に痛み止めをと注文されたが、病院から複数の薬が処方されているため、それらの薬を考慮したうえで『バファリンA』を使っていただくことにした。
     担当医には使ったことを報告するよう伝えると、「大丈夫大丈夫」と言われたけれど重ねてお願いした。
     相談に応じて薬を案内すると「何かあったら訴えるからな!」なんて脅されるので、それならせめてこちらの指示にも従ってもらわないと( ´Д`)=3

     

  • 正露丸を使いすぎると下痢になるかも

     やや高齢のお客様が『ムヒS』を求めて来店したけれど、高齢の母親の乾燥肌による痒みに使うと言うのでメントールの入っていない『ムヒベビー』を提案した。
     また、痒みは強くないそうなので『ユースキンあせもジェル』や『桃の葉ローション』でのケアも勧め、もっと単純にワセリンで保湿する方法も伝えたところ、本人に確認してみるとのことで本日はお帰りになった。

     イヅミ製薬の『正露丸』を購入されるお客様に大幸薬品の『正露丸』との違いとして下痢止めにロートエキスが入っていることを伝えると、『正露丸』の殺菌効果は信じていないとのお返事。
     イヅミ製薬の『正露丸』は大幸薬品の『正露丸』とパッケージが似ているとして裁判になったことがあるが、中身の処方構成は似て異なる。
     『正露丸』は「飲む消毒薬」と言われることもあり、食中りに特に適しているのだけれど、食中りの場合、原因となっている悪いモノを早く体外に排出するほうが望ましいので、下痢止め効果は実はそれほどあるわけではない。
     しかし、『正露丸』を下痢止めとして使うユーザーのニーズがあるためイヅミ製薬は下痢止め効果の高いロートエキスを足しているんである。
     お客様の用途を尋ねてみると、便意を催しやすいと言うので、むしろ腸内の消毒をしてしまう『正露丸』は適していないようにも考えられる。
     腸内環境が乱れている場合に『正露丸』を使ってしまうと、腸の働きを整える役に立つ菌までも消毒してしまい、ときには下痢をしやすくなり、そしてまた『正露丸』を飲むという悪循環に陥ってしまう。
     そこで、腸内環境を整える『ザ・ガード』を紹介すると興味を持たれた。
     また、便が緩いというお話からは神経性であったり、過敏性腸症候群なども考えられるため、『桂枝加芍薬湯』を紹介すると、そちらをお買い上げいただいた。
     しかし、すぐに飲みたいと言うので水を用意しようとすると、一緒に購入した『アリナミンV』で服用されてしまった。
     まあ、『桂枝加芍薬湯』は別に問題無いのだけれど、これが例えば風邪薬とだとカフェインが重複したりして良くないし、お酒とかだともっと良くないので、できれば薬は水で飲むようにしてもらいたいところ(^_^;)

     

  • 濡れた咳から乾いた咳への移行もあるので注意

     お客様が『ダスモック』(清肺湯)と『カンポアズマ』を見比べていたため声をかけたところ、今の主訴は咳で1週間ほど前に鼻水が出て風邪だと思い『葛根湯』を服用したとのこと。
     そして咳になり『麦門冬湯』を服用したものの、また鼻水が出たので今度は『小青竜湯』を服用したという。
     パッケージに咳のことが書いてある『竹茹温胆湯』について質問されたが、これは疲労が残っている咳の場合に適応することを説明した。
     また、『葛根湯加川きゅう辛夷』ついても訊かれ、鼻水と鼻づまりを行き来するような場合に適応しますと伝えた。
     目の前での咳の音からするとカラ咳なのは明らかで、風邪で胃を悪くしていると考えられるため『麦門冬湯』継続して下半身を積極的に温めるよう勧め『麦門冬湯』をお買い上げいただいた。
     上半身を温める『葛根湯』を継続していると体内が乾燥して咳になるため、お客様が『麦門冬湯』に切り替えたのは適切な判断だと思う。
     ただ、鼻水に『小青龍湯』というのは基本ではあるものの、『葛根湯』よりも温める力が強いため咳の原因になってしまったようにも思われる。
     一方、『小青龍湯』は冷えて出る「濡れた咳」には適応するので、まったくのハズレではなかったとも考えられ、なかなかに難しいところ。
     当初は鼻水があったことからすると、冷えによる咳だったためその時は『麦門冬湯』が効かず、『小青龍湯』を使ったことで乾燥の咳に移行してしまった可能性も考えられる。
     もし鼻水が出ている時に咳もあったとするのなら、『カンポアズマ』の方が適したかもしれない。
     『カンポアズマ』は『小青龍湯』と同じく冷えが原因の咳に適応しつつ、『小青龍湯』ほどには上半身を強く温めたりしないので。

     お客様から『ヒビケア軟膏』がヒビ割れに合うか訊かれ、指先が割れていることを確認して適応することをお話して、お買い上げいただいた。

     お客様から、子供の喉が腫れやすく受験生なため発熱に備えた常備薬をと相談されたが、14歳ということでアセトアミノフェン一択なことを伝えると、以前に処方された『カロナール』が家にあるとのこと。
     『カロナール』の主成分がアセトアミノフェンだから、そのまま使えることをお話した。
     また、『ペラックT』を使ったことあるそうなので、喉の痛みにはそちらを先に使うよう勧めた。
     それから、扁桃炎で喉が腫れるのであれば『駆風解毒湯』も使えるが、喉の違和感や奥の方がヒリヒリと痛む場合は、ストレスによる胃炎の可能性を話ししたところ、テスト前に下痢になるというので『桂枝加芍薬湯』を紹介し、同じくストレスの軽減にと『半夏厚朴湯』を案内した。
     『桂枝加芍薬湯』がストレスによる胃から下の不調に対応するとすれば、『半夏厚朴湯』は上半身に効果を発揮し、特に緊張すると息苦しくなったり咳払いが多くなる人にお薦め。
     あと、受験生の親のストレスにも適応するので、お試しください。
     そんなお話をして、今日のところは家にある物て対応できるため、お買い上げは無しとなった。

     

  • お店は効かない薬を売れば、また別の薬を買ってもらえて儲かる?

     中学生の親子が来店し『セイロガン糖衣錠A』をレジに持ってきたさいに、『正露丸』との違いを説明したところ今まで使ってきたという。
     主成分の日局木(もく)クレオソートが腸内を消毒してくれるのだが、『正露丸』には抗炎症と鎮痙攣の生薬が多めに入っているのに対して、『セイロガン糖衣錠A』は腹痛に対しては少し弱め。
     主訴は、ストレス性の腹痛と下痢だと言うから、「飲む消毒薬」である『正露丸』では、あまり意味をなさないように思われたので『桂枝加芍薬湯』を紹介してみたが、学校で粉薬を飲むのは難しいというお話だった。
     結局、通常の『正露丸』はやはり匂うため、『セイロガン糖衣錠A』を購入された。
     まあ、補助的に入っているゲンノウショウコ末は整腸作用があるし、オウバクも消炎効果はあるから、主訴に対しては適応すると考えられる。
     ただ心配なのは、「飲む消毒薬」でもある『正露丸』は常用すると腸内細菌を減少させてしまう可能性があり、それはまた下痢の原因となるので、そのことは伝えておいた。
     また、カラ咳の音がお話し中ずっと気になっていたため尋ねると、病院で処方されてる咳止めの薬があるという。
     処方されている薬の内容は不明だが、受診したさいに腹痛と下痢を起こしやすいことについては相談しなかったよう。
     下痢には他の病気が隠れている可能性もあるので、改めて医師に相談してみるよう本人にお話した。

     『パブロンエースAX』をレジに持って来たお客様にヒアリングすると、主訴は喉の痛みと発熱で、昨日は体温が37.5度あり、咳は無いと言うので、適応すると考えられることを伝えた。
     余計なお世話ではあるが、総合風邪薬にも症状によって向き不向きがあるので、出来れば適応の確認をして効く確率を上げたいと思う。
     商売としては、むしろ外れてまた別の薬を買ってくれる方がありがたいんである( ̄ー ̄)ニヤリ
     製薬メーカーとドラッグストアーが結託して、効かない市販薬をバンバン売って儲けているなどというトンデモ陰謀論を唱える人もいるけれど、こちらは訊かれなければ楽なだけなんで、陰謀を巡らすなんて面倒なことはしてない。
     お客様が『スパークユンケルDCF』に興味を持たれ、ノンカフェインだから良いとは思うものの、いつも下痢をしやすいというお話があったので、胃腸障害向けの『新ヒストミンゴールド液』の方を紹介すると、一緒に購入された。

     

  • お客様を観察するということ

     『桂枝加芍薬湯』を見ているお客様がいたので、漢方薬に興味があるのかと思い声をかけてみたが、案内は断られた。
     『柴胡桂枝湯』をレジに持ってきたところで改めてヒアリングすると、おへその上が痛む腹痛以外には吐き気や下痢は無いそうなので『芍薬甘草湯』を提案してみたところ、今度は『太田漢方胃腸薬2』に興味を持たれたため、『桂枝加芍薬湯』もストレスに対応することを伝えたうえで、『大正漢方胃腸薬』を基本に『爽和』も交えて説明した。
     『大正漢方胃腸薬』は胃を安らかにする『安中散』に鎮痛鎮痙攣の『芍薬甘草湯』を合わせた物で、そこから『芍薬甘草湯』を抜いて水分代謝の異常を整える茯苓を加えた『安中散加茯苓』が『太田漢方胃腸薬2』であり、これは色々と自分で考えすぎて悩んでしまうような内面的なストレスに適応する。
     一方、『大正漢方胃腸薬』から『芍薬甘草湯』を、手足の冷えを取る『四逆散』に入れ替えた『爽和』は、環境の変化や人から怒られるといった外的なストレスに対応する。
     今回は、『芍薬甘草湯』が入っている『大正漢方胃腸薬』を、お客様が選んでお買い上げとなった。

     高齢の男性が来店し、以前に口内炎の軟膏をお買い上げいただいたそうだなのが、銘柄は不明。
     私が販売したのであればメモに残してあるはずなのに、分からなかった。
     同僚が販売したのか、私の記憶違いか。
     そして、今回の口内炎は舌にできたとのことで、家にあった物を使おうとしたら、添付文書に「歯に塗ってはダメ」と書いてあって心配になり確認にいらしたという。
     ううむ、それなら現物を持ってきていただきたかった。
     銘柄が分からないため、店頭にある商品をネットで調べてみたが、そのような文章は確認できない。
     ご心配ならと、スプレータイプの『アズリートのどスプレー』を紹介してみたけれど、本日はお帰りになった。
     話し方や、話の内容からは、認知症があるようにも思える。
     また来店したら、もう少し観察してみよう。
     何か対応が必要になるかもしれない。

     

  • 血圧の変動による症状は年令に関係ありません

     中学生の子供の便秘の相談を、お客様から受けた。
     お腹が張って苦しそうな様子だということと、これまで便秘薬を使ったことは無いそうなので、『コーラックファースト』と『タゲダ漢方便秘薬』(だいおうかんぞうとう)を案内し、前者をお買い上げいただいた。
     ただお客様には、便の状態を確認するようお話して、コロコロ便ならストレス性の可能があるので『桂枝加芍薬湯』を、最初だけが硬くその後は柔らかければ腸内環境を整える『ザ・ガード』を紹介した。

     夫婦のお客様が来店し、中学生の子供がよく下痢になると相談された。
     ストレス性の下痢の場合には『桂枝加芍薬湯』が候補になりますとお話すると、冷たい物を飲んでお腹を下すしやすいというので『胃苓湯』も紹介した。
     また、食べ物のアレルギーでも下痢になるケースがあることを伝えた。
     すると、頭痛にもよくなり、病院で処方された『カロナール』が効かないというので、『バファリンルナi』を案内した。
     ただ、その頭痛の痛み方までは聞いていなくて分からないそうなので、あとで確かめてみるよう勧めた。
     冷たい物を飲んでお腹を壊しやすいとなると胃腸の不具合が頭痛にも関係している可能性があり、多くはズキズキとした偏頭痛になり、水分代謝を改善する『呉茱萸湯』が適応する。
     一方、頭重感があったり肩こりを伴う、締めつけられる頭痛には『釣藤散』が候補になる。
     『釣藤散』のパッケージに「高血圧」と書いてあるため「それは無いと思う」と言われてしまったが、この場合の高血圧というのは数値上のことではなく、本人の1日の変化でのこと。
     急激な血圧の変動による症状は、年令に関係無く誰にでも起こり得るのだ。
     本日は、『バファリンルナi』のみをお買い上げいただいた。
     やはり、本人が来店して直接相談してくれるのが一番なんだけどねー(*´・ω・)(・ω・`*)

     

  • 家にいる乳酸菌が相性抜群

     『ストッパエル下痢止めEX』を購入されるお客に、食中りの時には下痢を止めてはいけないことを伝えると興味を持たれたので、食中りには腸内を消毒する『正露丸』をとお話した。
     すると日頃、下痢と便秘を繰り返しているというため整腸剤を使ったことがあるか尋ねると、他のお店で『新ビオフェルミン』と『新アペテート』が同じ物だと説明されたそうな。
     しかも、ガーッとまくしたてられたとか。
     そして使ってみた『新アペテート』は、効かないったそう。
     乳酸菌の整腸剤が効かなかったのは、ストレス性の可能性もあるため『桂枝加芍薬湯』を紹介した。
     それにしても、『新ビオフェルミン』と『新アペテート』を同じ物と説明するのもどうかと思う。
     乳酸菌は腸に届くまでに多くが死滅するともされていて、乳酸菌を育てる納豆菌を加えることで腸内で育て直すというのが『新アペテート』で、『ザ・ガート』も同じ考え方である。
     ただ、乳酸菌の効果は体との相性も関係し、メーカーを変えると効果が変わる可能性もある。
     そしてそれを言うと実は、家に常在している乳酸菌の方が相性が良く、ぬか漬けなどを食べているのが最適なんである。
     というのも、家に常在している乳酸菌は体にとって敵ではないと判断されるが、外部から取り込んだ乳酸菌に対しては体は拒否反応を示しがちなのだ。
     そんなお話をすると、ぬか漬けは一度ダメにしてしまいやめてしまったそうで、やっていたのであれば、是非またぬか漬けを作ってみてはとお勧めした。

     痔の外用薬を求めて来店したお客様から、「ボラギノールもプリザも同じなんでしょ?」と訊かれ、違いを説明した。
     まず『ボラギノール』には『ボラギノールA』と『ボラギノールM』とがあり、前者はステロイド剤で抗炎症効果が強く、後者は虫刺されの痒み止め程度の効果である。
     一方、『プリザ』の方は『プリザS』が『ボラギノールA』と同じくステロイド剤で、『プリザエース』には出血を抑える成分が入っており、切れ痔に適している。
     すると、お客様が気にしていたのは、以前に『プリザエース』の座薬を使った時に入りにくかったということだと分かり、そういう時には水で濡らしてから入れる方法を教えたら、「それでいいんだ!?」と驚かれた。
     この方法、案外と知られていないのだろうか?
     今回は、『ボラギノールA』に成分が近く価格が安い『ラナンキュラスぢ坐剤A』をお買い上げいただいた。

     

  • 専門家に相談してみる一手間を惜しまずに

     タウリン入りドリンクをレジに持ってきた、やや高齢のお客様から『アリナミン』の場所を尋ねられて売り場をご案内したところ、『アリナミンEXプラス』を常用されているようだったので、同じ処方内容で価格が安い『新パワーアクトEX』を紹介した。
     主訴は首の筋が痛むとのことで、別件で内科に通院しているそうだが、首の痛みが気になり検査設備のある整形外科の病院に行き特に問題は無かったとのこと。
     病院で薬が出されなかったことに不満があるようだったが、それは悪いことではないとお話しした。
     それに検査のために行ったのであるから、治療の薬はまた別の話である。
     外用消炎剤を試してみる方法を提案してみたが、内服薬を望まれて『新パワーアクトEX』の購入を決められ、他にタウリン入りドリンクのような栄養ドリンクを飲む方が効果的か尋ねられた。
     それほど必要ではないとお話ししたが、これから地元のお祭りの準備で疲れそうと言うので、『ユンケル』や『ハイクタンD』といった生薬系のドリンクを紹介した。
     『リポビタンD』に代表されるようなタウリン含有の栄養剤は、疲労することで体内で消費してしまうタウリンを補給すれば、疲れが取れるだろうという理屈で、最後のもうひと頑張りとか、これを乗り切れば後は倒れるだけという時に使うのに向いている。
     一方、『ユンケル』などの生薬系は体に燃料を補給するだけではなく、血流を整えたりと体の各部のメンテナンスもしてくれるので、これから先がまだ長いとか、これから何かを始めるという時に適している。
     もし毎日のようにタウリン系のドリンクを飲んでいるのであれば、その費用を3日分くらいにまとめて生薬系を使う方を私ならお勧めする。
     そんなお話をしたら、当初のタウリン入りドリンクの購入をやめて、『新パワーアクトEX』のみをお買い上げいただいた。
     あと、成人の娘さんからは『外郎(ういろう)』を貰ったものの、体に合わなかったため飲んでおらず、さりとて薬を人にあげる訳にもいかず、娘さんにも言えなくて溜まる一方というお話。
     『外郎』は、小田原の株式会社ういろうで売られている『透頂香(とうちんこう)』のことで、古くは万能薬のように言われていたけれど、「万能」なんて薬は無い。
     効能に多くのことが書いてあるのは歴史があるから、『オロナイン軟膏』のように効能の取得が現在よりも容易であった頃に許可を受けたためなのだろう。
     生薬構成を調べてみると、「麝香、桂皮、丁香、甘草、樟脳、人参、連砂、薄荷、阿仙、縮砂」で、体を温めつつ清熱して血流改善と補気を行ない、鎮痙攣作用があることが分かるから、効果範囲は広そうではある。
     ただ、やや興奮作用もあるように思えるので(昔は気つけ薬としても使われていた)、お客様にはそれが合わなかったのかも。
     むやみに薬を人にあげたりしないのは良いことであるとはいえ、何かのおりに娘さんには体に合わなかったということは伝えなければならないだろう。
     繰り返すけど、この世には万能薬などは無く、薬には相性というものがあるんである。
     『外郎(ういろう)』をお土産として家族などに買う人もいるらしいけど、お菓子の『ういろう』ではないので、薬を人にあげることには責任があり慎重を要することを肝に銘じてもらいたい。
     ちなみに私、『外郎売』の口上をそらで言えます(`・∀・´)エッヘン!!←役には立たない

     やや高齢のお客様が『ガスモチン』を求めて来店されたが、市販薬ではないことを説明すると、ご主人がお腹にガスが溜まりがちということで、息子さんがネットで調べて買うように勧めたそうな。
     代わりの物をと希望され、『ガスール』や『ガスピタン』を案内しようと思ったが、詳しく訊くとご主人は胃がんを患い、多数の薬を服用してると分かり、お薬手帳も持ってきていため、まず担当医に相談するよう勧めた。
     『ガスモチン』自体は消化管運動賦活調整薬だが副作用に不整脈がある『シサプリド』の近縁薬剤のため、気軽に使える薬ではない。
     息子さんとしては親が困っているからという気持ちで勧めたのかもしれないけど、そうであればより慎重にしてもらいたいところである。
     ネットで個人で調べられるようになったのは便利なことではあるものの、もう一歩踏み込んで副作用などを確認することもできるはず。
     そして同時に、一歩引いて考えてネットで調べただけで即実行に移さず、専門家に相談してみる一手間を惜しまないことが望ましい。

     

  • 毎食後の便意は過敏性腸症候群の可能性も

     ご主人が食後に便意を催すということでお客様から相談を受けた。
     食材によるアレルギーの可能性も考えたものの毎食後というお話で、今回は旅行に備えてということから水無しで飲める『ストッパ下痢止めEX』と『トメダインフィルム』を案内し、後者をお買い上げいただいた。
     常用すると便秘になる可能もあるので、その点はお気をつけてくださいと伝えた。
     あと、毎食後ということだと過敏性腸症候群も考えられるため、『桂枝加芍薬湯』も紹介しておいた。
     本人に来てもらえれば、もう少しヒアリングできるのだけれど。

     お客様から、低刺激を謳っている『サロンパス30』を注文されたが置いておらず、詳しくお話を訊くと元々は母親が『ロイヒつぼ膏』でかぶれてしまったというので、主成分だけでなく添加物も関係することを説明して『サロンパス・ハイ』を試していただくことになった。
     それと、湿布でかぶれる原因の多くは肌が弱いとか薬が強いということではなく、患部を清潔にせず、汗や風呂上がりに体を拭いたタオルの繊維を巻き込んだまま貼ってしまい、長時間密封することでなることを伝えた。
     もちろん、本当に成分や添加物でかぶれてしまうケースもあるため、一度かぶれたら同じ物を小さく切り、もう一度貼ってみて同じくかぶれるか確かめてみるのも一つの方法である。

     奥さんから『コンタック600』を頼まれたというお客様が来店し、置いてある『コンタック600プラス』を案内したが、主訴が鼻水の他に喉の痛みもあるというので、鼻水の色を確認して色がついていたり粘り気があったら風邪の可能性もあるため、薬を乗り換えるようお話ししたうえでお買い上げいただいた。