濡れた咳から乾いた咳への移行もあるので注意

 お客様が『ダスモック』(清肺湯)と『カンポアズマ』を見比べていたため声をかけたところ、今の主訴は咳で1週間ほど前に鼻水が出て風邪だと思い『葛根湯』を服用したとのこと。
 そして咳になり『麦門冬湯』を服用したものの、また鼻水が出たので今度は『小青竜湯』を服用したという。
 パッケージに咳のことが書いてある『竹茹温胆湯』について質問されたが、これは疲労が残っている咳の場合に適応することを説明した。
 また、『葛根湯加川きゅう辛夷』ついても訊かれ、鼻水と鼻づまりを行き来するような場合に適応しますと伝えた。
 目の前での咳の音からするとカラ咳なのは明らかで、風邪で胃を悪くしていると考えられるため『麦門冬湯』継続して下半身を積極的に温めるよう勧め『麦門冬湯』をお買い上げいただいた。
 上半身を温める『葛根湯』を継続していると体内が乾燥して咳になるため、お客様が『麦門冬湯』に切り替えたのは適切な判断だと思う。
 ただ、鼻水に『小青龍湯』というのは基本ではあるものの、『葛根湯』よりも温める力が強いため咳の原因になってしまったようにも思われる。
 一方、『小青龍湯』は冷えて出る「濡れた咳」には適応するので、まったくのハズレではなかったとも考えられ、なかなかに難しいところ。
 当初は鼻水があったことからすると、冷えによる咳だったためその時は『麦門冬湯』が効かず、『小青龍湯』を使ったことで乾燥の咳に移行してしまった可能性も考えられる。
 もし鼻水が出ている時に咳もあったとするのなら、『カンポアズマ』の方が適したかもしれない。
 『カンポアズマ』は『小青龍湯』と同じく冷えが原因の咳に適応しつつ、『小青龍湯』ほどには上半身を強く温めたりしないので。

 お客様から『ヒビケア軟膏』がヒビ割れに合うか訊かれ、指先が割れていることを確認して適応することをお話して、お買い上げいただいた。

 お客様から、子供の喉が腫れやすく受験生なため発熱に備えた常備薬をと相談されたが、14歳ということでアセトアミノフェン一択なことを伝えると、以前に処方された『カロナール』が家にあるとのこと。
 『カロナール』の主成分がアセトアミノフェンだから、そのまま使えることをお話した。
 また、『ペラックT』を使ったことあるそうなので、喉の痛みにはそちらを先に使うよう勧めた。
 それから、扁桃炎で喉が腫れるのであれば『駆風解毒湯』も使えるが、喉の違和感や奥の方がヒリヒリと痛む場合は、ストレスによる胃炎の可能性を話ししたところ、テスト前に下痢になるというので『桂枝加芍薬湯』を紹介し、同じくストレスの軽減にと『半夏厚朴湯』を案内した。
 『桂枝加芍薬湯』がストレスによる胃から下の不調に対応するとすれば、『半夏厚朴湯』は上半身に効果を発揮し、特に緊張すると息苦しくなったり咳払いが多くなる人にお薦め。
 あと、受験生の親のストレスにも適応するので、お試しください。
 そんなお話をして、今日のところは家にある物て対応できるため、お買い上げは無しとなった。

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