お客様を観察するということ

 『桂枝加芍薬湯』を見ているお客様がいたので、漢方薬に興味があるのかと思い声をかけてみたが、案内は断られた。
 『柴胡桂枝湯』をレジに持ってきたところで改めてヒアリングすると、おへその上が痛む腹痛以外には吐き気や下痢は無いそうなので『芍薬甘草湯』を提案してみたところ、今度は『太田漢方胃腸薬2』に興味を持たれたため、『桂枝加芍薬湯』もストレスに対応することを伝えたうえで、『大正漢方胃腸薬』を基本に『爽和』も交えて説明した。
 『大正漢方胃腸薬』は胃を安らかにする『安中散』に鎮痛鎮痙攣の『芍薬甘草湯』を合わせた物で、そこから『芍薬甘草湯』を抜いて水分代謝の異常を整える茯苓を加えた『安中散加茯苓』が『太田漢方胃腸薬2』であり、これは色々と自分で考えすぎて悩んでしまうような内面的なストレスに適応する。
 一方、『大正漢方胃腸薬』から『芍薬甘草湯』を、手足の冷えを取る『四逆散』に入れ替えた『爽和』は、環境の変化や人から怒られるといった外的なストレスに対応する。
 今回は、『芍薬甘草湯』が入っている『大正漢方胃腸薬』を、お客様が選んでお買い上げとなった。

 高齢の男性が来店し、以前に口内炎の軟膏をお買い上げいただいたそうだなのが、銘柄は不明。
 私が販売したのであればメモに残してあるはずなのに、分からなかった。
 同僚が販売したのか、私の記憶違いか。
 そして、今回の口内炎は舌にできたとのことで、家にあった物を使おうとしたら、添付文書に「歯に塗ってはダメ」と書いてあって心配になり確認にいらしたという。
 ううむ、それなら現物を持ってきていただきたかった。
 銘柄が分からないため、店頭にある商品をネットで調べてみたが、そのような文章は確認できない。
 ご心配ならと、スプレータイプの『アズリートのどスプレー』を紹介してみたけれど、本日はお帰りになった。
 話し方や、話の内容からは、認知症があるようにも思える。
 また来店したら、もう少し観察してみよう。
 何か対応が必要になるかもしれない。

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