お店は効かない薬を売れば、また別の薬を買ってもらえて儲かる?

 中学生の親子が来店し『セイロガン糖衣錠A』をレジに持ってきたさいに、『正露丸』との違いを説明したところ今まで使ってきたという。
 主成分の日局木(もく)クレオソートが腸内を消毒してくれるのだが、『正露丸』には抗炎症と鎮痙攣の生薬が多めに入っているのに対して、『セイロガン糖衣錠A』は腹痛に対しては少し弱め。
 主訴は、ストレス性の腹痛と下痢だと言うから、「飲む消毒薬」である『正露丸』では、あまり意味をなさないように思われたので『桂枝加芍薬湯』を紹介してみたが、学校で粉薬を飲むのは難しいというお話だった。
 結局、通常の『正露丸』はやはり匂うため、『セイロガン糖衣錠A』を購入された。
 まあ、補助的に入っているゲンノウショウコ末は整腸作用があるし、オウバクも消炎効果はあるから、主訴に対しては適応すると考えられる。
 ただ心配なのは、「飲む消毒薬」でもある『正露丸』は常用すると腸内細菌を減少させてしまう可能性があり、それはまた下痢の原因となるので、そのことは伝えておいた。
 また、カラ咳の音がお話し中ずっと気になっていたため尋ねると、病院で処方されてる咳止めの薬があるという。
 処方されている薬の内容は不明だが、受診したさいに腹痛と下痢を起こしやすいことについては相談しなかったよう。
 下痢には他の病気が隠れている可能性もあるので、改めて医師に相談してみるよう本人にお話した。

 『パブロンエースAX』をレジに持って来たお客様にヒアリングすると、主訴は喉の痛みと発熱で、昨日は体温が37.5度あり、咳は無いと言うので、適応すると考えられることを伝えた。
 余計なお世話ではあるが、総合風邪薬にも症状によって向き不向きがあるので、出来れば適応の確認をして効く確率を上げたいと思う。
 商売としては、むしろ外れてまた別の薬を買ってくれる方がありがたいんである( ̄ー ̄)ニヤリ
 製薬メーカーとドラッグストアーが結託して、効かない市販薬をバンバン売って儲けているなどというトンデモ陰謀論を唱える人もいるけれど、こちらは訊かれなければ楽なだけなんで、陰謀を巡らすなんて面倒なことはしてない。
 お客様が『スパークユンケルDCF』に興味を持たれ、ノンカフェインだから良いとは思うものの、いつも下痢をしやすいというお話があったので、胃腸障害向けの『新ヒストミンゴールド液』の方を紹介すると、一緒に購入された。

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