• タグ別アーカイブ: 柴胡加竜骨牡蛎湯
  • 不要な薬を選んで勧めるのって難しい

     頭痛に肩こりが関係しそうというお客様から、『ズッキノン』(釣藤散)について質問された。
     病院から処方された鎮痛剤が効かなかったそうなんだけど、内容は不明。
     むー、「何が効かなかったのか」というのも大事な手掛かりなんだけど。
     頭の横が痛むという話から、ストレス性の肩こりを考えて『コリッシュ』(治肩背拘急方)と、水分代謝の異常による頭痛に適応する『苓桂朮甘湯』の方を勧めてみた。
     一方、一般的な鎮痛剤に、痛みの適応範囲の広さから『バファリンプレミアム』を案内したところ、以前に『エキセドリンA錠』を服用して効いたというので、効いた物を選択するのも悪く無いですよとお話したら、そちらを購入された。
     あっ……、『ズッキノン』の話が、どっか行っちゃったよ。
     なんか、ここのところオカシイな、自分。
     大丈夫か(;´・ω・)?

     『柴胡加竜骨牡蛎湯』を手にされているお客様に声を掛けてみたところ、男性の更年期障害と思われる不定愁訴を相談された。
     主訴としては、疲労と手足の冷えである。
     病院では、医師から「年を取ったから」と言われて、特に薬は処方されなかったそう。
     ただ、眠れない時に睡眠改善薬を使うことはたまにあり、でもトイレに起きた後に寝直すとグッスリ眠れるという。
     それだと、『柴胡加竜骨牡蛎湯』は合わない感じ。
     手足の冷えに『当帰四逆加呉茱萸生姜湯』を考えたけど、疲労の方に焦点を当てて『十全大補湯』を勧めてみると、隣に置いてある『補中益気湯』に興味を持ったようで、そちらを購入された。
     あうっ、どうだろう(^_^;)
     『補中益気湯』は、土台を支える方だから、「効いたー(゚∀゚)!!」という実感が乏しかったりするんだよねぇ。
     そのうえ、冷えを改善する力は弱いし。
     自分では力不足なので、もし漢方薬に興味が有るのでしたらと、近くの漢方医を紹介しておいた。

     成人の息子さんに頼まれたそうで、ドライアイの目薬を買いにお客様が来店。
     パソコンのやり過ぎが原因と本人は考えているようで、だけど『新ドライエイドEX』は、ドロッとした感じが嫌だと言っているそうな。
     そういう注文がある時には、本人に来てもらいたいところ。
     あと、価格は安めの物をとも要望されたから、『新・なみだロート』と、PC用を謳っている『サンテPC』に『ロートデジアイ』の3種を案内してみた。
     今回は、成分的に組織代謝に優れていると思われる『サンテPC』を推して、お買い上げ頂いた。
     血行についてお話しすると、本人は入浴が長めだそうなので、それは続けて下さいと伝えた。

     『ムヒソフトGX』を購入された後に、膝の痒みと乾燥に適応するか、お客様から尋ねられた。
     買った後でも、相談してもらえるのは良いこと。
     ただ、それで返品や交換になると、伝票を切らなきゃならなくなるんで、処理する上司に嫌がられるけど。
    「決めてから買えばいいのに」って、上司が薬の販売に理解が無いのは、どうなのか(;´・ω・)
     ああ、愚痴っぽくなってしまった。
     愚痴そのものですが。
     お客様は、今まで『オロナインH軟膏』を使っていたそうで、患部が赤くなったりはしていないそう。
     『ムヒソフトGX』に痒み止めが入っているので、消毒薬に近い『オロナインH軟膏』より適応するのは確実。
     もし痒みが強い時には、一時的にステロイド剤に乗り換えるのも悪くありませんと付け加えた。
     あと、乾燥は血流も関係するので、お風呂で撫でるようにマッサージするのも良いですよとお話した。

     やや高齢のお客様から、目の充血について相談された。
     痒みや目ヤニなどは無く、充血自体も治ってはきている模様。
     そうであれば薬は不要ですとお話してみたものの、何かしら目薬を使いたいと要望されたので、無難なところで『ロート養潤水α』と『ロート新緑水α』を案内したところ、後者を購入された。
     何が一番困るって、不要な薬を選ぶ時かもしれないと思った(;´∀`)

     

  • 無許可販売の『バイアグラ』の半分以上は偽物だとか

     やや高齢のお客様が、成人の息子さんから鎮痛剤を頼まれたとのことで来店。
     お客様自身が『バファリンA』を選択したうえで、他のバファリン製品との違いを質問されたので、同じ名前を冠していても記号などが付いていると、全く成分が違うこともありますと説明した。
     そして息子さんの症状を訊いてみると、頭痛の他に発熱や鼻の症状あり、どうやら風邪のようだ。
     だとすれば、効能に解熱とあっても『バファリン』だけでは力不足かもしれない。
     とりあえず、息子さんに頼まれたからということで、そのまま購入された。

     以前に『胃苓湯』を案内したお客様が再訪して、追加分を購入。
     適応したようで、なにより。
     こうして直接お話を聞けると、どんな人に適応したのか分かるので本当に助かる。
     文書で読む効能だけじゃ、「掴めない」から。
     ついでに『バイアグラ』について質問を受け、元々は血流を良くする薬であって、精力剤のようには使えないことを説明した。
     私自身は使ったことが無いから使用感は分からないけど、聞いた話では「正座をしていて立ち上がった時の足」みたいだそうで、感度は鈍くなるそうな。
     サプリメントでは『亜鉛』が有名ですが、漢方では腎を養う『牛車腎気丸』や、精を安定させる『柴胡加竜骨牡蛎湯』をと勧めてみた。
     他に、『ヘパリーゼ』について尋ねられたため、『肝臓水解物』を原料に使っているというだけで、あくまで効能は「滋養強壮、肉体疲労」なので、『ネオレバルミン』の方が肝臓への効果が期待できますと説明した。

     喉の痛みと頭重感があるとのことで相談を受け、鼻炎は無いものの風邪の予感がするというお話。
     お客様は『葛根湯』に興味を示していたけれど、上半身を温める『葛根湯』は、喉の痛みに適応しないことを説明した。
     逆に上半身を冷やす『銀翹散』の方を勧めて、お買い上げ頂いた。
     また、症状が進む前に、もう消化に良い食事に切り替えて、食欲に任せて食べないように伝えた。
     脳の方は、風邪を治すのにエネルギーを欲しがるけど、胃腸の方はすでに弱ってるかもしれないので。
     なんというか、現場でトラブルに対処していて疲労している店員に、売上目標を達成させたい店長が、現場の状況を確認しないまま指示を出してるみたいな(笑)

     

  • 薬の購入には写真撮影を奨励したい

     『防風通聖散』『大柴胡湯』を眺めているお客様に声を掛けてみたら、ご家族の更年期障害の相談をされた。
     比較的体力はあり、動悸もあるようだったので『桂枝茯苓丸』を候補に挙げ、イライラと寝つきの悪さもあるというお話から『柴胡加竜骨牡蛎湯』も紹介した。
     本人に見せてから決めたいとのことで、スマホで写真を撮ることを許可した。
     そういや、スーパーとかで写真の撮影を禁止してるのは、なんでなんだろうね?  頼まれ物って珍しくないから、写真を撮ってもらう方が良いと思うんだけど。

     やや高齢のお客様が、頻尿の相談にいらした。
     ここ最近になってからの事で、まだ病院には行っていないという。
     症状としては、夜寝ている時には4時間ほど空くものの、朝起きてからなどは意識するためか、トイレが近くなる模様。
     ファーストチョイスとして『猪苓湯』を候補に挙げ、手足の冷えがある場合には『八味地黄丸』をと紹介してみたけれど、今回は喉が渇きやすいという点を参考にして、『猪苓湯』を試して頂くことにした。
     すると、他にかすみ目と充血することがあるそうで、目薬の相談を受けた。
     加齢によるかすみ目には『スマイル40プレミアム』があるが、漢方薬に抵抗は無いようだったため、『牛車腎気丸』を紹介してみた。
     『牛車腎気丸』も、頻尿に使えることを説明すると、かすみ目については後でまた考えてみるとの事で、今回はまず頻尿のために『猪苓湯』を購入された。

     

  • 八味地黄丸(はちみじおうがん)
    腎炎、糖尿病、陰萎、座骨神経痛、腰痛、脚気、膀胱カタル、前立腺肥大、高血圧

    八味地黄丸
    適応症状 

     疲労倦怠感著しく、尿利減少または頻数、口渇し、手足に交互的に冷感と熱感のあるものの次の症状:
     腎炎、糖尿病、陰萎、座骨神経痛、腰痛、脚気、膀胱カタル、前立腺肥大、高血圧

    用方・容量(顆粒製品の場合) 

     1日3回、成人1回1包(2.5g)を食前にお湯または水で服用してください。
     ただし、15歳未満7歳以上は2/3包、7歳未満4歳以上は1/2包、4歳未満2歳以上は1/3包。

    組成(顆粒製品の場合) 

     3包(7.5g)中、次の成分を含みます。
      ジオウ(地黄)6.0g     
      サンシュユ(山茱萸)3.0g
      サンヤク(山薬)3.0g
      タクシャ(沢瀉)3.0g
      ブクリョウ(茯苓)3.0g  
      ボタンピ(牡丹皮)2.5g
      ケイヒ(桂皮)1.0g
      修治ブシ末(修治附子末)0.5g
     以上の割合に混合した生薬より得たエキス4.0g含有します。

    類似処方鑑別 

    五苓散  口渇、尿利減少などの症状はあっても、悪心、嘔吐、下痢などが顕著な場合に用いる。

    猪苓湯  口渇、頻尿、残尿感はあるが、排尿痛の著しい場合に用いる。

    小建中湯  疲労感は顕著だが、排尿異常は無く、上腹部の腹直筋の張っている場合に用いる。

    六味丸  本方と同じ症状だが、本方を服用するとのぼせ症状が現れる場合に用いる。

    柴胡加竜骨牡蛎湯  精力減退、多尿などの症状はあるが、不安神経症が強く、下腹直腹筋に緊張がある場合に用いる。小児夜尿症。

    使用上の注意 

    1.次の場合には医師または薬剤師に相談してください
     (1)本剤を服用後、症状の改善が認められない場合は、他の漢方薬を考慮する事。
     (2)複数の漢方薬を併用する場合は、含有生薬の重複に注意する事。
     (3)自覚的に熱感のある患者、または肥満体質の患者。(熱感、ほてり、発汗、しびれ等の症状が現れる場合がある。)
     (4)著しく胃腸虚弱な患者。(軟便、下痢、腹痛、胃部不快感、食欲不振等の胃腸障害を起こすことがある。)


    2.服用に際して、次のことに注意してください
     (1)定められた用法、用量を厳守してください。
     (2)小児に服用させる場合には、保護者の指導監督のもとに服用させてください。
     (3)本剤は、2歳未満の乳幼児に服用させないでください。


    3.服用中または服用後は、次のことに注意してください
     (1)本剤の服用により、発疹・発赤、かゆみ、悪心、食欲不振、胃部不快感等の症状があらわれた場合には、服用を中止し、医師または薬剤師に相談してください。 
     (2)本剤を服用することにより、尿量が減少する、顔や手足がむくむ、まぶたが重くなる、手がこわばる、血圧が高くなる、頭痛等の症状があらわれた場合には、服用を中止し、医師または薬剤師に相談してください。
     (3)1ヵ月位(感冒、鼻かぜ、頭痛に服用する場合には、数回)服用しても症状の改善がみられない場合には、服用を中止し、医師または薬剤師に相談してください。
     (4)長期連用する場合には、医師または薬剤師に相談してください。


    4.保管及び取扱い上の注意
     (1)小児の手のとどかない所に保管してください。
     (2)直射日光をさけ、なるべく湿気の少ない涼しい所に保管してください。
     (3)1包を分割した残りを使用する場合には、袋の口を折り返して保管し、2日以内に使用してください。


    5.その他
     本剤は生薬(薬用の草根木皮等)を用いた製品ですので、製品により多少色調等が異なることがありますが効能・効果には変わりありません。

     

  • 不眠の3つのパターン

     お客様から、ものもらいの相談を受けた。
     寝起きになっていることが多く、繰り返しているとのこと。
     目薬を希望されたため、『ロート抗菌目薬EX』を案内してお買い上げ頂いた。
     ただ、顔にも吹き出物が数ヶ所あるのが気になり、うちのお店では扱っていないがネット通販で入手できる『排膿散及湯』を紹介した。
     それから、洗顔クリームの相談を受けたので、洗顔クリームの良し悪しより、大事なのは洗顔クリームを直に顔に塗るのではなく、手で良く泡立てるよう説明した。
     汚れは泡に吸着するからで、泡立てずに洗顔クリームで肌をこするように洗ってしまうと、肌のバリヤーとなる皮脂を根こそぎ落として、雑菌の侵入を許してしまうから。

     ご夫婦に買い物にいらしたお客様で、『ビスラットゴールド』(大柴胡湯)をレジに持ってきたのだが、以前から使っているのか尋ねたところ、初めてとのことだった。
     となると確認しなきゃならない点が、幾つかある。
     例えば、常習的に便秘をしているかとか、寝付きが悪いかとか。
     不要な熱が体内に溜まりやすく、イライラしやすい人向けなので。
     そうお話すると、適応する症状は無いようだった。
     一方、お客様の肌には艶が無く、血行の悪さが見て取れたため、『防風通聖散』を勧めると変更してお買い上げ頂いた。
     他に、睡眠導入剤の『ドリエル』と『ドリーミオ』の比較を質問された。
     内容としては変わりない事と、神経を麻痺させて眠気を催すので、あくまで短期間の使用に留めるように説明した。
     販売業としては、お客様が買いたい物を売らない訳にはいかないものの、できるだけ購入をやめるようにはしたいところだったけど、購入されてしまった。
     売ってしまった責任は依然としてあるから、一言で「不眠」と言っても、寝付くまでに時間がかかるタイプと、中途覚醒してしまうタイプ、ウツラウツラして眠りの浅いタイプと、大きく分けて3つのパターンが有り、それぞれ原因も治療に適した薬も異なることを説明し、後日にでも改めて相談して下さいとお願いした。
     今回は、お客様の都合もあって、より踏み込む時間が取れなかったのが残念。
     先の不眠のパターンの場合、ものすごく単純化すると、寝付くのに時間がかかるのは心悸亢進でイライラしたりと精神面の影響が大きく『柴胡加竜骨牡蛎湯』が候補になる。
     一方、中途覚醒してしまうのは加齢などによる腎気の低下や冷えが原因だろうから『牛車腎気丸』を試すのが良いだろう。
     そして、眠りが浅いのは心身共に消耗するほど疲労しているからと考えられるので『加味帰脾湯』が適応する可能性が高い。
     もちろんこの分類すら、取っ掛かりに過ぎない訳で、これらを、ただ眠気を催す薬だけで解決しようとすると、無理が出るのが当然。
     ところが、不眠自体が判断力を鈍らせてしまうため、つい睡眠導入剤に頼る心理状態になり、依存へとなってしまう。
     この点、眠剤の使用をやめるよう訴えている人たちですら、原因を治すことについては余り考えていなくて、全面的に薬の使用をやめようという極端な方へ触れていたりするので、余計に問題がややこしくなって困ってしまう。
     薬の使用は、あくまで手段の一つなんだけどねぇ。

     
     

     

  • 小躍りして天狗になります

     『チクナイン』を見ていたお客様から、POPに書いておいた「鼻汁が喉に落ちてきて咳になる場合」というのが自分の今の症状のようだと相談された。
     花粉症による鼻づまりがあり、以前に病院では『辛夷清肺湯』が処方されていたというので、同じ物であることを説明したところ、購入して頂けた。
     一方、小学生の子供も同じ症状という事で、風邪のように移る事があるのかと質問されたのには、「風邪のように移る」事はありませんと答えたが、環境が同じであれば発症するアレルギー症状が似ているというのはあり得ると伝えた。
     ただし、性別や年齢が違えば、適応する薬が違うケースがある事も説明した。
     例えば私の場合、花粉症で現れる症状は鼻水と咳なので、子供の頃には『小青龍湯』を使っていたが、大人になるに連れ効き目が強く出すぎて辛くなり、今では『香蘇散』『麻黄附子細辛湯』の方が適している。
     ええ、年寄り向けの漢方薬です(´・ω・`)

     外用消炎剤の湿布を求めて来店したお客様から、肩こりの相談を受けた。
     いつも肩こりになる訳ではなく、患部も左肩だけだという。
     肩掛けカバンなどでの姿勢の影響や、どこか具合の悪い部分を庇っている可能性もあるため、一度は病院を受診してみるよう勧めた。
     そのうえで、サリチル酸メチル、フェルビナク、インドメタシンのパップ剤と液剤を案内し、内服薬として血流を改善する『独活葛根湯』を紹介した。
     今回は、フェルビナクのローションタイプを購入。

     今日は、ちょっと嬉しい事があった。
     いや、正確には「ちょっと」じゃなくて、小躍りしたいくらいだったんだけど。
     以前に疲労の相談でドリンク剤を求められた時に、ツムラの『ハイクタンD』を案内して、効果が感じられるとの事で継続して頂いているお客様から、病院で処方された『柴胡加竜骨牡蛎湯』が効いた感じがしないという相談を今回受けた。
     病院で処方された薬に口を出すのは、些か出すぎた真似だと重々承知はしているものの、目の前のお客様には神経質そうな傾向があり、外見上も体質虚弱な痩せ型で、どうして『柴胡加竜骨牡蛎湯』が候補になるのか不思議なくらい。
     不眠を主訴として受診したらしいのだけれど、寝るまでに時間が掛かるより、中途覚醒を繰り返してしまうというお話から考えても、『桂枝加竜骨牡蛎湯』の方が適応するんじゃないのかと思い、お勧めして購入となった。
     で、嬉しかった事は、これまた以前に、熱いお風呂に短時間だけという生活をしていると聞いた時に、寝る時間を惜しんででも40度以下のお湯で長湯をするように勧めたところ、それが効果覿面だったと満面の笑顔で感謝されたのだ。
     内心は、「ヽ(∇⌒ヽ)(ノ⌒∇)ノわぁい♪」というところを自重(笑)

     やや高齢のお客様から、精力減衰の相談をされて、サプリメントの『凄十』や、処方薬の『バイアグラ』について質問された。
     『凄十』に含まれている成分を見れば「すっぽんエキス」とか「マカ抽出液」とか精力増進が期待できそうな物の名前が並んでいるけど、どう考えても有効成分としての量は期待できない。(試したけど)
     『バイアグラ』が勃起力に効果があるかと問われれば、要するに男性器に流入する血液の量が増えるから勃起力は上がるだろうけど、正座していて立ち上がった時のような状態になるのだから、自身の感度が鈍ると考えられる。(未体験だけど)
     なので、治療目的としては、『柴胡加竜骨牡蛎湯』が適応すると思いますと案内してみたが、今回は購入に至らず。
     多分、求めていた答えがそもそも違うんだろうなぁと想像するものの、他にどう答えれば良かったのかは分からない。
     期待に添えなくて、ごめんなさい(;´・ω・`)ゞ

     

  • 「四角くて肌色で、貼るとスーッとする」物って、な~んだ?

     お客様から、とあるビタミン剤を置いていないか尋ねられたのだけれど、肝心の商品名を覚えていなくて特定できなかった。
     それを服用すると「寝起きがスッキリする」というお話だったものの、寝起きがスッキリするビタミン剤というのが検討もつかない。
     まぁ、ビタミンB群かなぁとは思うけど、そんなにハッキリと改善するものなのか、不勉強で分からず。
     今までは、他のドラッグストアーで購入していたのが、取り扱いが無くなってしまい探しているという。
     ああ、それでしたら同じ商品を探す時にはJANコードが分かると入荷が可能か調べられますし、成分が分かれば同じ内容に近い物を探せますと説明した。
     ただ、寝起きがスッキリしないという事の方が、気になったけど。
     治療目的ではなかったから今回は案内しなかったけど、寝起きがスッキリしないというのは下半身の冷えや神経の疲労が関係していると考えられるから『柴胡桂枝乾姜湯』『加味帰脾湯』とか『酸棗仁湯』なんかが適応するように思える。
     反対に寝付きが悪い人は、上半身に不要な熱が篭っていたりイライラが募っていたりするから、『大柴胡湯』『柴胡加竜骨牡蛎湯』といった物が使える。
     そういえば、胃腸が弱くて思い悩むタイプの患者さんで、『柴胡桂枝湯』が効いた事があったな。
     効いて良かったけど、効能には「不眠」は無かったから、あくまで胃腸の働きを助けるのをメインにして、柴胡剤だからストレスにも効くだろうと予測しただけなんだけど。
     というような事を、お客様が帰ってから思い出す。
     特定の商品を探しているお客様に、どこまで踏み込んでお話を聞き出して良いものか、加減が分からないんだよねぇ。
     探し物が置いてない段階で、もう「用済み」と思われちゃってるだろうから。

     旦那さんが膝の痛みを訴えてるとの事で、パップ剤を買いにお客様が来店。
     この夏に太り過ぎて、運動不足もあり整形外科に行ったところ、軟骨が減っていると診断されたものの、パップ剤のみ処方されて使い切ったため、同じ物をと求められた。
     でも、それがどんな成分の物かは分からず、「四角くて肌色で、貼るとスーッとする」とは言うものの、たいていのパップ剤が白かベージュ色で、体温よりも冷たい物はメントールなどが入っていなくても冷感がしたりするから、まったく参考にならない(;´・ω・)
     一日に9時間ほどの使用で効いていたというのは、強い物と考えて良いものかどうか。
     とりあえず、太っているという点から、皮膚への浸透力のあるフェルビナク製剤を案内して、お買い上げ頂く運びとなった。
     そして、お会計の前にもう少し詳しく現状を尋ねると、太り過ぎを解消するため運動したいものの、過度の負担になるような運動は医師から止められており、一方で階段の登り降りも膝が痛くて辛いと訴えているという話から、『桂枝加苓朮附湯』を紹介したところ、一緒にお買い上げ頂いた。
     急に太ったという話から、『防已黄耆湯』の方も考えたんだけど、体格自体はガッシリしていて筋肉質らしいので候補から外した。
     ただ、やっぱり本来は、本人を観て判断したいところ。
     パップ剤しか処方されていないという話だったけれど、担当医に相談するか、別な病院で診察してもらう事も検討してみるよう勧めた。
     そうそう、お風呂が短いそうなので、例によって半身浴での長湯も勧めたが、小さい子供が2人いて、ゆっくり入れないようだった。
     う~ん、子供たちを洗い場でオモチャで遊ばせて、自分は湯船に浸かるというのは、どうでしょうと提案した。
     こういうお話も、やはり本人相手じゃないと、情報不足で踏み込みにくい。
     しかし、この時のお話が功を奏したのか、お客様ご自身の相談も受けた。
     鉄不足による貧血と診断されているものの、コレステロール値を低くするための薬を処方されているので、薬が増えるのは嫌なため、鉄剤の処方は断って食事で摂るようにしているという。
     鉄剤は胃に悪いからとも、言っていた。
     ああ、確かに昔は胃に負担がかかるからと胃薬と一緒に処方されていたらしいけど、現在の鉄剤は改良が進んで、それほどの心配は要らなくなったんですけどねぇ。
     まぁ、服用する薬が増えるのが煩わしいのは確か。
     でも、食事でと言っても、コレステロールの事を考えると、レバーを避けたりと、それはそれで難しい。
     ほうれん草ばかり食べるのも、飽きてしまいそうだし。
     あと、貧血の人は、食事に限らずサプリメントでも同じ事だけど、栄養が適切に体に吸収されていない可能性も無視できない。
     やはり栄養を吸収する腸の働きを良くするためには、なんだかもう馬鹿の一つ覚えみたいで恐縮ですが、半身浴での長湯が良いですよ。
     そんな話をしていたら、氷を食べるのが好きだという話が出た。
     テレビの健康番組なんかで、「氷を食べるのは、鉄不足の人に現れる症状の一つ」とやっていた事があるため、お客様もそう理解していた。
     確かにその解釈もあるんだけど、もう一つ胃炎を起こしている事も考えられる。
     胃が熱を持っていて、それを冷やそうと無意識に冷たい氷を食べると一時的に楽になると体が学習してしまっているパターン。
     しかもその場合、氷で急激に冷やされる胃の方は、「ヤベー、冷えると機能が低下しちゃうよ。頑張って温めなきゃ」と頑張って胃熱を起こし、無駄にエネルギーを消費して腸も道連れに機能低下という悪循環に陥ってしまう。
    「じゃあ、やめた方がイイわねー」と言われたけど、その表情は残念そう。
     私も、氷を齧るのは好きだから、その気持ちは分かる。
     デートとかで、氷を全部食べてしまうんで、相手の女性に( ゚д゚)こんな顔を何度された事か。
     ……話が逸れた。
     何かを齧る感触というのは、ガムなんかがそうであるように精神的なストレスを軽減していたりするから、それをキッパリやめるというのも別なリスクが発生する可能性がある。
     そこは、温かい物を先に飲んで胃を温めて準備運動をさせてから、氷を食べるのを楽しんでみてはいかがでしょうと提案した。

     

  • 木防已湯(もくぼういとう)
    ………心臓性喘息、浮腫、腎臓にもとづく疾患


    適応症状 

     顔色がさえず、咳を伴う呼吸困難があり、心臓下部に緊張圧重感があるものの次の症状:
     心臓性喘息、浮腫、腎臓にもとづく疾患

    用方・容量(顆粒製品の場合) 

     1日3回、成人1回1包(2.5g)を食前にお湯または水で服用してください。
     ただし、15歳未満7歳以上は2/3包、7歳未満4歳以上は1/2包、4歳未満2歳以上は1/3包。

    組成(顆粒製品の場合) 

     3包(7.5g)中、次の成分を含みます。 
       セッコウ(石膏)10.0g     ボウイ(防已)4.0g 
      ケイヒ(桂皮)3.0g       
      ニンジン(人参)3.0g 
     以上の割合に混合した生薬より得たエキス1.5g含有します。

    類似処方鑑別 

    炙甘草湯  
     比較的体力の低下した人で、動悸、息切れを訴え、疲労感、手足の火照り、便秘などを伴うが、心窩部の甚だしい抵抗感が無い場合に用いる。

    柴胡加竜骨牡蛎湯   比較的体力がある人で、呼吸器症状は無く、動悸、尿量減少を認め、季肋部の苦満感を訴え、肋骨弓下部に抵抗・圧痛があり、精神不安、不眠などの精神神経症状が顕著な場合に用いる。

    苓桂朮甘湯  
     体力のやや低下した人で、眩暈(めまい)、身体動揺感を訴え、息切れや軽い心悸亢進を伴うが、心窩部の振水音ゆ臍傍で大動脈の拍動亢進を認める場合に用いる。

    使用上の注意 

    1. 次の場合には医師または薬剤師に相談してください  
    (1)本剤を服用後、症状の改善が認められない場合は、他の漢方薬を考慮する事。
    (2)複数の漢方薬を併用する場合は、含有生薬の重複に注意する事。(特に甘草を含有する漢方薬の併用には、より注意を必要とする。)
    (3)脈が弱く、著しく体力が衰えている患者。
    (4)発疹、瘙痒等の過敏症状が現れる事がある。


    2.服用に際して、次のことに注意してください  
    (1)定められた用法、用量を厳守してください。
    (2)小児に服用させる場合には、保護者の指導監督のもとに服用させてください。
    (3)本剤は、2歳未満の乳幼児に服用させないでください。 


    3.服用中または服用後は、次のことに注意してください  
    (1)本剤の服用により、発疹・発赤、かゆみ、悪心、食欲不振、胃部不快感等の症状があらわれた場合には、服用を中止し、医師または薬剤師に相談してください。 
    (2)本剤を服用することにより、尿量が減少する、顔や手足がむくむ、まぶたが重くなる、手がこわばる、血圧が高くなる、頭痛等の症状があらわれた場合には、服用を中止し、医師または薬剤師に相談してください。
    (3)1ヵ月位(感冒、鼻かぜ、頭痛に服用する場合には、数回)服用しても症状の改善がみられない場合には、服用を中止し、医師または薬剤師に相談してください。
    (4)長期連用する場合には、医師または薬剤師に相談してください。 


    4. 保管及び取扱い上の注意  
    (1)小児の手のとどかない所に保管してください。
    (2)直射日光をさけ、なるべく湿気の少ない涼しい所に保管してください。
    (3)1包を分割した残りを使用する場合には、袋の口を折り返して保管し、2日以内に使用してください。 


    5. その他
     本剤は生薬(薬用の草根木皮等)を用いた製品ですので、製品により多少色調等が異なることがありますが効能・効果には変わりありません。


     

  • 薬局・薬店では従業員の方針にご注意下さい(盛大なブーメラン)

     お客様から、風邪の後に咳だけが残ったと相談を受けた。
     風邪で上半身が乾燥している可能性を説明し、私としては定番の『麦門冬湯』を案内したところ、総合風邪薬で同じ効能の物をと頼まれた。
     ううん、そもそも総合風邪薬自体が神経に働きかけて熱や咳などの症状を押さえ込む事で起きる副作用が、体内の乾燥だから、同じ効能の総合風邪薬は無いし、現代薬にも皆無だ。
     漢方薬には、効くまでに時間がかかるというイメージがあったりするから、それが理由だろうか。
     試しに『葛根湯』を引き合いに出して、「風邪の初期には葛根湯」という言葉があるように、漢方薬も急性症状に早く効く物がある事と、今回は風邪の後なので『葛根湯』は用いないというように、適材適所で薬を選んだ方が効果的ですよと説明してみた。
     それで購入を決めて頂いたため、本当に総合風邪薬を希望していた理由を解き明かさないままにしてしまったのは、後から考えたら軽率だったかもと思ったり。
     ついつい、多くのお客様を数パターンに分類しがちだけど、もしかすると初耳という理由もありえたかもしれない。
     初心に返らないと、それこそシッペ返しがありそうだ。

     やや高齢のお客様から不眠の相談を受け、それぞれ成分が違う『ウット』と『ドリエル』を案内した。
     『ウット』の主成分であるブロムワレリル尿素は、太宰治が自殺をするのに用いたという曰くつきの催眠鎮静効果のある薬。
     とはいえ、実際には大量に服用しても自殺するのは難しいらしい。
     睡眠薬自殺に使うのは、無駄ですよん。
     ……話が逸れた。
     『ドリエル』の主成分は、鼻炎薬や痒み止めに用いられるジフェンヒドラミンで、その鎮静作用に因る眠気の誘発という副作用を利用している。
     私も不眠に悩まされた時に、手持ちのアレルギー薬にジフェンヒドラミンが含まれていたので、睡眠薬代わりに用いた事が……ゲフンゲフン(( +д+))o=3=3
     『ドリエル』は、あくまで「睡眠改善薬」であって「睡眠薬」ではありません、念のため。
     それに、睡眠薬関係で良く言われる「継続していると効かなくなってくる」のは、このジフェンヒドラミンで、3日~1週間程度で、効果が感じられなくなるとも云われており、それでも量を増やして飲み続けようとしてしまう精神依存が心配される。
     というような事が、頭の中を駆け巡った訳ですよ。
     お客様から、「良く効くのを」と言われて。
     私としては、漢方薬で『柴胡加竜骨牡蛎湯』とか『半夏厚朴湯』とかを勧めたかった。
     でも、漢方薬には微塵も興味を持って頂けなかったため、やむなく両者を案内した次第。
     試すには錠数が多いという事で、今回はどちらも買わずに帰られた。
     買われなくて、内心ホッとしたけど、眠れない状況など、もっと詳しくお話を聞き出したかった。
     また、来て頂けるかしらん。
     あっ、普段は書かないけど念のため日記に付け足し。
     睡眠改善薬を積極的に勧めないのは、あくまで私の方針であって、勧めてくる医療従事者を悪く言うのはやめて下さいね。
    「人殺し」だの「悪魔」だの「ユダヤの陰謀」だの、ネットで見かけますが、見るに耐えません。
     ちゃんと相談して頂ける今回のような患者さんであれば、むしろ心配する事は無かったかもしれないし。

     

  • 柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)
    高血圧症、動脈硬化症、慢性腎臓病、神経衰弱、神経性心悸亢進症、てんかん、ヒステリー、小児夜啼症、陰萎(神経性インポテンツ)

    適応症状 

     比較的体力があり、心悸亢進、不眠、苛立ち(イライラ)等の精神症状のあるものの次の症状:
     高血圧症、動脈硬化症、慢性腎臓病、神経衰弱、神経性心悸亢進症、てんかん、ヒステリー、小児夜啼症、陰萎(神経性インポテンツ)

    用方・容量(顆粒製品の場合) 

     1日3回、成人1回1包(2.5g)を食前にお湯または水で服用してください。
     ただし、15歳未満7歳以上は2/3包、7歳未満4歳以上は1/2包、4歳未満2歳以上は1/3包。

    組成(顆粒製品の場合) 

     3包(7.5g)中、次の成分を含みます。
       柴胡(サイコ)5.0g   
       半夏(ハンゲ)4.0g
       桂皮(ケイヒ)3.0g   
       茯苓(ブクリョウ)3.0g
       黄ごん(オウゴン)2.5g
        大棗(タイソウ)2.5g
       人參(ニンジン)2.5g
        牡蛎(ボレイ)2.5g
       竜骨(リュウコツ)2.5g   
       生姜(ショウキョウ)1.0g
     以上の割合に混合した生薬より得たエキス4.5g含有します。

    類似処方鑑別 

    大柴胡湯
     本方と胸脇苦満の程度が同じ位で、便秘があり、神経症状と動悸の無い場合に用いる。

    桂枝加竜骨牡蠣湯
     本方と神経症状が似ていて、動悸はあるが、胸脇苦満が無く、比較的体力の衰えた人の場合に用いる。

    抑肝散
     神経症状があり、腹直筋の緊張や腹痛などがあり、胸脇苦満の無い場合に用いる。

    使用上の注意 

    1.次の場合には医師または薬剤師に相談してください
     (1)本剤を服用後、症状の改善が認められない場合は、他の漢方薬を考慮する事。
     (2)甘草を含有する漢方薬を長期服用する場合は、血清カリウム値や血圧の測定などを充分に行い、異常が認められた場合は、服用を中止する事。
     (3)複数の漢方薬を併用する場合は、含有生薬の重複に注意する事。(特に甘草を含有する漢方薬の併用には、より注意を必要とする。)
     (4)著しく体力の衰えている患者。
     (5)発疹、瘙痒等の過敏症状が現れる事がある。


    2.服用に際して、次のことに注意してください
     (1)定められた用法、用量を厳守してください。
     (2)小児に服用させる場合には、保護者の指導監督のもとに服用させてください。
     (3)本剤は、2歳未満の乳幼児に服用させないでください。


    3.服用中または服用後は、次のことに注意してください
     (1)本剤の服用により、発疹・発赤、かゆみ、悪心、食欲不振、胃部不快感等の症状があらわれた場合には、服用を中止し、医師または薬剤師に相談してください。 
     (2)本剤を服用することにより、尿量が減少する、顔や手足がむくむ、まぶたが重くなる、手がこわばる、血圧が高くなる、頭痛等の症状があらわれた場合には、服用を中止し、医師または薬剤師に相談してください。
     (3)1ヵ月位(感冒、鼻かぜ、頭痛に服用する場合には、数回)服用しても症状の改善がみられない場合には、服用を中止し、医師または薬剤師に相談してください。
     (4)長期連用する場合には、医師または薬剤師に相談してください。


    4.保管及び取扱い上の注意
     (1)小児の手のとどかない所に保管してください。
     (2)直射日光をさけ、なるべく湿気の少ない涼しい所に保管してください。
     (3)1包を分割した残りを使用する場合には、袋の口を折り返して保管し、2日以内に使用してください。


    5.その他
     本剤は生薬(薬用の草根木皮等)を用いた製品ですので、製品により多少色調等が異なることがありますが効能・効果には変わりありません。