• タグ別アーカイブ: 柴胡加竜骨牡蛎湯
  • 人参 (ニンジン)

    漢方生薬煎じ薬 刻500gの価格参照

    (1) ウコギ科のオタネニンジンの細根を除いた根、又はこれを軽く湯通ししたもの。調製法により、白参、生干人参、御種人参、紅参などがある。いわゆる「朝鮮人参」とは別物。
    (2) 主成分:サポニン精油、脂溶性成分、ペプチドグリカンアミノ酸ペプタイド塩基性物質、ビタミンB群ATPなど
    (3) 性味:甘・微苦、微温
    (4) 薬能:大補元気・安神益智・健脾益気・生津止渇、中枢興奮作用・中枢抑制作用・疲労回復促進作用・抗ストレス作用・強壮作用・男性ホルモン増強作用・蛋白質生合成促進作用・DNA生合成促進作用・脂質生合成作用・放射線障害回復促進作用・血圧降下作用・心循環改善作用・血糖降下作用・脂質代謝改善作用・血液凝固抑制作用・コルチコステロン分泌促進作用・抗胃潰瘍作用
    (5) 帰経:肺・脾
    (6) 配合処方:温経湯、黄連湯、加味帰脾湯帰脾湯、桂枝人参湯、啓脾湯、呉茱萸湯、柴陥湯、柴胡加竜骨牡蛎湯柴胡桂枝湯柴朴湯柴苓湯、四君子湯、炙甘草湯十全大補湯小柴胡湯小柴胡湯加桔梗石膏参蘇飲清暑益気湯、清心蓮子飲、大建中湯大防風湯竹じょ温胆湯釣藤散、当帰湯、女神散人参湯人参養栄湯麦門冬湯半夏瀉心湯半夏白朮天麻湯白虎加人参湯茯苓飲茯苓飲合半夏厚朴湯補中益気湯木防已湯六君子湯



    漢方生薬煎じ薬 刻500gの価格参照

     

  • 大棗(タイソウ)

    漢方生薬煎じ薬 調剤用500gの価格参照

    (1) クロウメモドキ科のナツメ、又はその他の近縁植物の果実
    (2) 主成分:トリテルペンおよびエステル類、サポニン多糖類など
    (3) 性味:甘、微温
    (4) 薬能:補脾胃・養営安神・緩和薬性、抗アレルギー作用、抗消化性潰瘍作用、抗ストレス作用
    (5) 帰経:脾・胃・心・肝
    (6) 配合処方:胃苓湯、越婢加朮湯黄耆建中湯、黄連湯、葛根湯葛根湯加川きゅう辛夷甘麦大棗湯帰脾湯加味帰脾湯桂枝加芍薬湯桂枝加芍薬大黄湯桂枝加朮附湯桂枝加竜骨牡蛎湯桂枝湯呉茱萸湯五積散、柴陥湯、柴胡加竜骨牡蛎湯柴胡桂枝湯柴朴湯柴苓湯、四君子湯、炙甘草湯小建中湯小柴胡湯小柴胡湯加桔梗石膏参蘇飲、清肺湯、大柴胡湯大防風湯当帰建中湯当帰四逆加呉茱萸生姜湯排膿散及湯麦門冬湯半夏瀉心湯平胃散防已黄耆湯補中益気湯六君子湯



    漢方生薬煎じ薬 調剤用500gの価格参照

     

  • 牡蠣(ボレイ)

    業務用生薬 砕500gの価格参照

    (1) イタボガキ科の牡蠣の貝殻
    (2) 主成分:炭酸カルシウム、リン酸カルシウムなどの無機塩類、アミノ酸類など
    (3) 性味:鹹・渋、微寒
    (4) 薬能:重鎮安神、平肝潜腸・収斂固渋・軟堅散結・制酸止痛
    (5) 帰経:肝・胆・腎
    (6) 配合処方:安中散安中散加茯苓桂枝加竜骨牡蛎湯柴胡桂枝乾姜湯柴胡加竜骨牡蛎湯
    牡蠣(ボレイ) 牡蠣師匠
    業務用生薬 砕500gの価格参照

     

  • 竜骨(リュウコツ)

    業務用生薬 砕500gの価格参照

    (1) 大型哺乳動物の化石化した骨
    (2) 主成分:炭酸カルシウム・リン酸カルシウム・無機物質・有機酸・アミノ酸など
    (3) 性味:甘・渋、平
    (4) 薬能:鎮静安神・固精・平肝潜陽
    (5) 帰経:肝・腎
    (6) 配合処方:桂枝加竜骨牡蠣湯柴胡加竜骨牡蛎湯


     竜骨軍師
    業務用生薬 砕500gの価格参照

     

  • ≪第11回≫黄連解毒湯、柴胡加竜骨牡蛎湯

     実際の症例を元に、患者さんの症例データーを提示します。
     “書いてある内容”から推理して、適応すると考えられる漢方薬の名前を当てて下さい。基本的に当店で扱っている漢方薬としますが、解答としては必ずしも限定しません。「なるほど、その方法もあるか」と思われる解答であれば、正解とする事があります。(生薬のみや民間療法などは除外します。)
     正解者の中から、抽選で3名様に【ボーノ】ザル付きクッキング鍋を進呈いたします。絶対の正解というものはありませんのであくまで、“あそび”として楽しんでいただければと思います。皆様の参加をお待ちしています。

    【ボーノ】ザル付きクッキング鍋

    boil.jpg (360781 バイト)

     【ボーノ】ザル付きクッキング鍋を、3名様にプレゼントいたします。

    募集期間:~9月5日(月)
    正解発表予定:9月12日(月)

    問題
     男性。34歳。
     職業は農業。
     体格は普通、顔に艶があり、声も大きく張りがある。
     主訴は、鬱病と肩こり。
     通院歴があり、以前に抗うつ剤を服用していた事があるが効果を感じられなかったとの事。
     肩こりは、肩だけでなく首筋や背中もこり、背中はだるく痛みもあるという。
     上半身は熱く、のぼせて目が充血している。
     睡眠はとれるようだが、イライラしやすく癇癪持ちという自覚があり、不安感も強い。
     その他に、立ち眩み、鼻づまり、胸焼けと胃もたれがある。
     以上のことから、まずは上半身の熱を降ろす必要があると考え、それと共に神経を鎮める物を併用する事にした。
     2種類の漢方薬を使い、その後、のぼせが取れ、気分的にも落ちつき、体調が良くなったという。
     それぞれの漢方薬は何か。


    正解
     正解は黄連解毒湯柴胡加竜骨牡蛎湯です。
     両方が揃った正解者はありませんでしたが、もとより幾つかの組み合わせがありますので、特に選んだ理由を記入された方の中から、どちらか一方を答えている方を正解とさせていただきました。
     当選したのは、以下の3名の方です。おめでとうございます。
    寺山雄一郎様…選んだ理由:実証ののぼせには桃核承気湯が効くことがある。実証の鬱病、癇癪には柴胡加竜骨牡蛎湯が効くことがある。
    いっちょん様…選んだ理由:上半身の熱をとる代表として黄連解毒湯、胃腸を整えながら神経を鎮めるものとして抑肝散加陳皮半夏が最適と考えました。
    ペペロンチーノ様…選んだ理由:のぼせの原因が高血圧と見て肩こりや目の充血にも効く釣藤散を、黄連解毒湯はのぼせ気味でイライラする傾向に効果があるので併用するのに良いと思いました。

    解説
     まず上半身の熱を降ろす必要があると考えましたので、降性のうえ寒性があり、胸焼けなどが随伴症状にある事から瀉性のある物を選びます。
     この段階で幾つか候補がある訳ですが、熱を降ろすのと同時に神経を鎮める作用のある物として黄連解毒湯を選びました。
     特に黄連解毒湯は赤ら顔の患者さんに適応しやすく、目が充血するほどの人の場合には、生薬の山梔子(サンシシ)に止血効果もある事から、最初の選択として良いでしょう。
     次に柴胡加竜骨牡蛎湯ですが、これは小柴胡湯から甘草(カンゾウ)を除いて、水分の代謝を良くする茯苓(ブクリョウ)と、鎮静効果の高い竜骨(リュウコツ)と牡蠣(ボレイ)を加えた物です。
     人間の体熱が一定に保たれるのは、血液や体液が循環することによるので、体の一部に熱が偏るのは水分代謝の異常が考えられます。
     立ちくらみもまた、水分代謝の異常を示していると云えるでしょう。
     そして、柴胡加竜骨牡蛎湯は基本的に実証タイプの人に用いますが、体力が中等度であればイライラや精神不安などある場合に、最初に使うことができるという利点があります。
     今回は、上半身ののぼせを降ろす際に選びやすい物と、イライラしたり精神不安のある際に選びやすい物を組み合わせたのが功を奏したようです。

    補足
     正解者に挙げていただいた漢方薬を検討してみますと、桃核承気湯も当然候補になるかと思います。
     特に含まれる生薬の桃仁(トウニン)はお血を取り除くのに効果的でしょう。
     ただし、桃核承気湯におけるのぼせへの効果は発散性であり、熱を降ろしたり冷やしたりするのは弱いと考えられます。
     一方、抑肝散加陳皮半夏は生薬の柴胡(サイコ)による胸脇苦満を治す作用と、釣藤(チョウトウ)による鎮静作用が期待できます。
     しかし同時に、元になっている抑肝散という処方がそうであるように、虚症で貧血傾向のある人の神経の昂ぶりに用いると考えた方が適当でしょう。
     釣藤散は生薬として石膏(セッコウ)が入っており、熱証向きである事は間違いありませんし、名前にもなっている釣藤は先に書いたように鎮静作用に優れているうえ、血圧降下作用も認められています。
     特に生薬の菊花(キクカ)は、眼や脳の充血を取り除く効果があり、今回の患者さんの状態に適しています。
     組み合わせで考えた場合には、黄連解毒湯の代わりに釣藤散を用いるのが良いかもしれません。
     他に寄せられた答えの中には、次のように物がありました。
     七物降下湯は、鎮静作用の強い釣藤も入っており、高血圧にも効果があります。
     しかし、七物降下湯は、やや特別な部類に入り、冷え症で虚弱体質の人の高血圧に用います。
     これはどういう事かというと、虚弱な人の中には、体の方で「弱いから頑張ろう」と頑張り過ぎてしまい、その結果として高血圧になったり、目が充血してしまう場合があるのです。
     そのため、今回のように体格が普通で顔色に艶があり、声が大きいような人には向きません。
     似たような物として、加味帰脾湯という解答がありました。
     効能書きにもあるように、やはり虚弱体質で顔色の悪い人に用いるのが一つの指針になります。
     特に貧血のある人で、イライラしたり不眠症の場合に用いると効果的でしょう。
     世間では、立ちくらみがあると貧血と勘違いされる事が多いようですが、立ちくらみは貧血の症状の一つにしか過ぎず、立ちくらみの原因は多岐に渡るので注意が必要です。
     逆に、これは強すぎるのではないかと思った物として、三黄瀉心湯という解答がありました。
     生薬はたった三つで構成されており、そのいずれもが降性で寒性があり、脳溢血の発作に用いたり、戦国時代には止血剤として使われたという記録もあるほどです。
     もちろん、だからこそ効果は期待できるものの、その強さゆえに一般的には便秘のある事が使用の際の条件として挙げられる事が多いため、便通について触れていない今回の問題では除外させていただきました。
     センソ牛黄元を一緒に組み合わせるという解答もありましたので、それも良いかもしれません。
     今回の解答で迷ったのは、熱を降ろすのと、熱を発散するのとの違いでした。
     その意味では、半夏厚朴湯葛根湯加川きゅう辛夷の組み合わせというのも興味深かったのですが、除外させていただきました。
    「イライラしやすく癇癪持ちという自覚があり、不安感も強い」という点から半夏厚朴湯を挙げたのは、良い着眼点だと思います。
     主な生薬の半夏(ハンゲ)と厚朴(コウボク)は共に降性で、今回の症状にも使えるかもしれません。
     しかし、今回の患者さんは胸焼けや胃もたれがあるとは言っていますが、実際の胃の働きについては問題からは分かりません。
     そして、半夏厚朴湯は胃アトニー(胃が働かない)場合の不安神経症に適しており、その参考の一つに咽喉の痞え感を訴えているかどうかを確かめる必要があるでしょう。
     また、興奮すると息がしにくくなるなどの呼吸器の状態も参考になります。
     葛根湯加川きゅう辛夷は、肩から背中にかけてのこりと鼻づまりに注目したからだと思いますが、その主な作用は上半身を熱する事によって熱を発散するのだと覚えておきましょう。
     沸かしたお湯に氷を入れて冷やすのではなく、鍋の蓋を開けておいて放熱する事で冷ますというイメージになります。
     そのため、顔が赤いなど、明らかに熱証と思われる患者さんには適しません。
     他に、杞菊地黄丸小柴胡湯という組み合わせの解答がありました。
     杞菊地黄丸は、やはり生薬の茯苓と沢瀉(タクシャ)が水分の停滞を除き、牡丹皮(ボタンピ)が血液の循環障害を取り除くので、効果が期待できます。
     やや心配があるとすれば、血色の良い人には不向きで、多少なりとも手足に冷えがあるか、口の渇きを訴える、やはり年寄り向けの処方だという点でしょうか。
     小柴胡湯は解説で書いた通り、柴胡加竜骨牡蛎湯の元になった処方で、より精神神経症状に対して効果の高い物を選択した方が良いと思われます。
     番外として、サトウセントジョーンズワートと、その成分の西洋オトギリ草を挙げた方もいらっしゃいました。
     ヨーロッパや中央アジアに分布する直立性の多年草で、古くから不眠症や鬱病、ヒステリーなどの治療に用いられてきました。
     お店としては宣伝になって良いのですが(笑)、やはりクイズの主題が漢方薬ですので、今回はハズレとなります。
     今回は久しぶりに2種類の漢方薬を答えるという形式でしたので、どちらもファーストチョイスとなる物になる問題を選んだつもりでしたが、やはり両方が揃うという解答はありませんでした。
     それ自体は当然といえば当然だったと思います。
     個人的に興味深かったのは、同じ熱を取り除くのでも、降ろす物と発散する物とでは、効能書きだけを見ていると似ているようでも違うのだなという事を、改めて認識できた事でした。
     これにさらに、石膏(セッコウ)などのように直接冷やす物もあります。
     一つ一つの生薬の効果を調べるのは難しいとは思いますが、似た効能でも、その効果を発揮する過程が違う物もある事を、皆さんにも知っていただければ幸いです。

    解説:北村俊純

    参加者コメントより
     まりん:とても見やすく、内容もわかりやすいサイトですね。
     ありがとうございます。これからも宜しくお願いいたします。
     かとう:久しぶりの症例クイズで楽しませて頂きました。
     発表の方が遅れに遅れてしまい、大変申し訳ありませんでした。また、機会がありましたら、ぜひご参加下さい。
     久保田 美穂:漢方は飲んでいたこともあり、よく勧められるので、興味を持っています。こちらでは、クイズを通して勉強でき、いいなと思いました。ただ、最初に掲示板を見て、怖い書き込みが沢山あり、びっくりしてしまいました。その後他のページを見て、安心しましたが。楽しみにしています。
     掲示板の件については、ご心配をおかけしてしまったようで申し訳ありません。件のイヤガラセをしてきた人物が名乗っていた会社は解散したようですので、ひとまず安心できるかと思っています。どうぞ、気兼ね無くご利用下さい。
     ペペロンチーノ:調べているうちに更年期障害の症例が検索に多数ヒットして人事じゃないなと感じました。その時は私も漢方のお世話になります。
     まぁ、薬に頼らないのが一番ですが、それでは商売上がったりですので、何かの折にはご相談下さい。

     

  • 牛車腎気丸(ごしゃじんきがん)
    下肢痛、腰痛、しびれ、老人のかすみ目、痒み、排尿困難、頻尿、むくみ

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    適応症状 

     比較的体力の低下した人、あるいは老人で、疲れやすくて、四肢が冷えやすく尿量減少または夜間に多尿で時に口渇がある次の症状:
     下肢痛、腰痛、しびれ、老人のかすみ目、痒み、排尿困難、頻尿、むくみ

    用方・容量(顆粒製品の場合) 

     1日3回、成人1回1包(2.5g)を食前にお湯または水で服用してください。
     ただし、15歳未満7歳以上は2/3包、7歳未満4歳以上は1/2包、4歳未満2歳以上は1/3包。

    組成(顆粒製品の場合) 

     3包(7.5g)中、次の成分を含みます。
      ジオウ(地黄) 5.0g
      ゴシツ(牛膝) 3.0g
      サンシュユ(山茱萸) 3.0g
      サンヤク(山薬) 3.0g
      シャゼンシ(車前子) 3.0g
      タクシャ(沢瀉) 3.0g
      ブクリョウ(茯苓) 3.0g
      ボタンピ(牡丹皮) 3.0g
      ケイヒ(桂皮) 1.0g
      修治ブシ末(修治附子末) 1.0g
     以上の割合に混合した生薬より得たエキス2.25g含有します。

    類似処方鑑別 

    八味地黄丸
     本方の使用目標に比して、尿量減少、浮腫、下肢の痛み、腰痛などが比較的顕著でない場合に用いる。

    六味丸
     本方の使用目標に比して、冷え、浮腫が軽度で、あるいは八味地黄丸、牛車腎気丸を服用して、のぼせ感を呈する場合に用いる。

    猪苓湯
     口渇、頻尿、残尿感はあるが、排尿痛の著しい場合に用いる。

    柴胡加竜骨牡蛎湯
     精力減退、遺尿などの症状があり、不安、不眠などの精神神経症状が強く、臍傍に大動脈の拍動亢進を認める場合に用いる。

    使用上の注意 

    1.次の場合には医師または薬剤師に相談してください
     (1)本剤を服用後、症状の改善が認められない場合は、他の漢方薬を考慮する事。
     (2)複数の漢方薬を併用する場合は、含有生薬の重複に注意する事。
     (3)自覚的に熱感のある患者、または肥満体質の患者。(熱感、ほてり、発汗、しびれ等の症状が現れる場合がある。)
     (4)著しく胃腸虚弱な患者。(軟便、下痢、腹痛、胃部不快感、食欲不振等の胃腸障害を起こすことがある。)
     (5)発疹、瘙痒等の過敏症状が現れる事がある。
     (6)妊婦および、妊娠している可能性のある婦人には慎重に投与する事。


    2.服用に際して、次のことに注意してください
     (1)定められた用法、用量を厳守してください。
     (2)小児に服用させる場合には、保護者の指導監督のもとに服用させてください。
     (3)本剤は、2歳未満の乳幼児に服用させないでください。


    3.服用中または服用後は、次のことに注意してください
     (1)本剤の服用により、発疹・発赤、かゆみ、悪心、食欲不振、胃部不快感等の症状があらわれた場合には、服用を中止し、医師または薬剤師に相談してください。 
     (2)本剤を服用することにより、尿量が減少する、顔や手足がむくむ、まぶたが重くなる、手がこわばる、血圧が高くなる、頭痛等の症状があらわれた場合には、服用を中止し、医師または薬剤師に相談してください。
     (3)1ヵ月位(感冒、鼻かぜ、頭痛に服用する場合には、数回)服用しても症状の改善がみられない場合には、服用を中止し、医師または薬剤師に相談してください。
     (4)長期連用する場合には、医師または薬剤師に相談してください。


    4.保管及び取扱い上の注意
     (1)小児の手のとどかない所に保管してください。
     (2)直射日光をさけ、なるべく湿気の少ない涼しい所に保管してください。
     (3)1包を分割した残りを使用する場合には、袋の口を折り返して保管し、2日以内に使用してください。


    5.その他
     本剤は生薬(薬用の草根木皮等)を用いた製品ですので、製品により多少色調等が異なることがありますが効能・効果には変わりありません。

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  • ≪通巻242号≫
    イライラと不安感/幻の卓袱台(ちゃぶだい)/人の悪口ばかり言ってると

      ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
      ★彡☆-=★彡  それさえもおそらくは平凡な薬局  ★彡☆-=★彡
                     ≪通巻242号≫
        提供 : まぐまぐ http://www.mag2.com/
        発行 : 北園薬局 http://www.kitazono.jp/
        編集 : 北村俊純
        窓口 : info@kitazono.jp
      ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
    ~~~~~~~~~~~~~ 今回の日記の主な話題 ~~~~~~~~~~~
    ※10月29日(土)……イライラと不安感
    ※10月30日(日)……幻の卓袱台(ちゃぶだい)
    ※10月31日(月)……人の悪口ばかり言ってると
    ************************* 今号の平凡な日記 ***************************
    ◆10月29日(土)/2005年◆
     柴胡桂枝湯(さいこけいしとう)地竜(ぢりゅう)の組み合わせで、よく購入していただいている患者さんが、珍しく飲む量を気にされた。
     ここのところ疲れが深くなってきたようで、もっと多く飲んでも良いかとの事だった。
     どちらも、標準の3倍くらいまでは飲んでもらっても大丈夫な物ではあるけれど、疲れが深くなってきているというのが気にかかる。
     そこで、補中益気湯(ほちゅうえっきとう)を案内してみた。
     T姉から電話。
     今日は、T姉がうちに来て一緒に昼食をと約束しているのだ。
     10時30分に出発するとの事。
     弟のTくんの運転で来るらしい。
     一発で着けるかしらん。
     11時過ぎに再度T姉から電話が入った。
     無事に近くのスーパーに到着して、これから買い物をするという。
     私も『ピザーラ』にピザを注文して、スーパーに迎えに行く。
     今日は、Tくんは運転手なので酒は飲めない。
     ノンアルコールと、アルコール度数0.5%の物を購入。
     2人には先にマンションに向かってもらい、私はピザを受け取りに。
     ピザーラの店舗に入ると、誰も声をかけてくれない。
     昼時というだけあって、6人もスタッフがいるのに。
     忙しいのね、しゃーないやね。
     一応、「電話でオーダーしたんですけど」と声をかけてみたが、やっぱり無視。
     ………ポツネン。
     えーと私、帰った方がいいですか(・_・?
     とか思っていたら、やっと注文した商品が出された。
     名前の確認で一瞬、「違います」とか答えてやろうかと思っちゃったよ(笑)
     次郎は今回は慣れた様子。
     でも、Tくんに対しては何故か後ずさり(苦笑)
     体が大きいからか?
     T姉からは次郎へのお土産に、名前に縁のあるキーホルダーと玉子ボーロを貰った。
     それと私には、“愛”と大きく書かれたTシャツ。
    「愛が無いから」とは2人の弁。
     そこへ奥さんが、「昨日も浮気して帰ってこなかったんですよー」と駄目押しをする。
     キリンビールのビールテイスト飲料とかいう『モルトスカッシュ』は激マズ。
     http://www.kirin.co.jp/brands/maltsquash/products/index.html
    「コーラの方が救われる」とTくん。
     今日は、午後からT姉の家に、かかり付けの医者が来て、家族全員が検診を受けるとの事で、早めに帰る算段。
     次郎を連れて見送りに外に出た。
     2人が車に乗り込むと、次郎は自分も乗ろうとして乗せてもらえず悲しそうな顔になる。
     私は、午後からまたお店へ。
     ウチダの神経胃腸薬をと患者さんに求められた。
     しかし、具体的な商品名は覚えていないという。
     他の店で勧められて飲んでみたところ良い感じだったそうな。
     なんでそれで憶えてないかなー(^_^;)
     うちに来てもらったのは有り難いけど、どうして同じ店で買わないのかも分からない。
     とりあえず、効いてくれれば他の物でも構わないという話なので、主訴を尋ねてみたところ、イライラと不安感が強いらしい。
     体格的にはガッシリしていて、肋骨の下に指が入るかを訊いてみたら、痛くて入れられないという。
     なるほど、胸脇苦満があるのか。
     それなら、柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)が適応しそうだと案内した。 
     サイトの店内のブログをバージョンアップ。
     すでに改造を施してあったため、バージョンアップのさいに改造部分の修正が必要で苦労する。
     しかし、バージョンアップしたおかげで既知の不具合が解消されて良かった。
     お母んから、夕飯の食材にサンマをもらった。
     友達からの頂き物だとか。
     奥さんは、「またサンマ~?」とかボヤいていた。
     私なんかは、旬の食材は毎日でも良いくらいで。
     ホタテもくれたのに、奥さんは「焼き方が分からない」と、これまた有り難がらない。
    「文句の多い子ねぇ」と、お母んが呆れる。
     寒気がするとの事で女性の患者さんがいらした。
     やや高齢という事もあり、麻黄附子細辛湯(まおうぶしさいしんとう)を案内。
     それと、食欲がすでに落ちているという話を聞き、地竜を一緒に勧めた。
     地竜がミミズだと教えると、やはり一瞬躊躇する。
     しかし、お買い上げいただけた。
     男性より女性の方が実利を取るようで。
     メチルアルコールを飲んだロシア船員2人が死亡のニュース。
     いいぞ、ロシア人!!
     未だに、こんな事故に遭えるなんて。
     でも調べてみたら、今年の6月だったかケニアの首都ナイロビ近郊で、やはりメチルアルコールが入った密造酒を飲んだ住民が49人も死亡したなんて事件も。
     日本でも戦中戦後に同様の事があったらしいけれど、貧しいから、なお娯楽を求めて命をかけてしまうのが人間なのか。
    ≪育児日記≫
     今日は、旦那の友達の姉弟がマンションに来た。
     山形のお土産を持ってきてくれた。
     あと、次郎の様子を見に来てくれたりした。
     次郎もだんだん、心開いてきてるみたいで、前回に比べたら相当慣れたようだった。
     初めてピザを次郎に食べさせたら。何か普通に食べてるので面白かった。
     機嫌もよくて泣かないでいたので、とてもラッキーだった。
    //////////////////////////////////////////////////////////////////////
     感想や健康相談はコチラ(・v<)
     http://www.kitazono.jp/bbs_kitazono.htm
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    ◆10月30日(日)/2005年◆
     病院の薬を貰いたいとお客さんが来店。
     旦那さんが欲しがってるそうなのだが、それはできませぬ。
     しかも確認したら、強い薬だし。
     しかし詳しく話を聞いたら、薬はまだ残っていて、持っていないと不安だからという事らしい。
     ううん、それならやはり診察を受けていただいた方が。
     お母んが昨日のサンマのお礼を友達の家に電話したら、息子さんが突発性の頭痛に悩まされていると聞いたらしい。
     そして、病院で診察を受けたところ杞菊地黄丸(こぎくじおうがん)を処方されたとか。
     息子さんは私と同い年。
     ちょっと見当違いではないか。
     効能には“頭重”と書いてはあるけれど、あれはもっと高齢の人向き。
     仕事でパソコンをしている事から目の使い過ぎという診断だったらしい。
     それなら五積散(ごしゃくさん)の方が合うだろうに。
     お母んもそう思って、勧めたそうだ。
     それで五積散を出そうとしたら、在庫が少なくなっていた。
     ありゃん。
     そういやここのところ、随分と売ったな。
     以前はたいして動かなかった漢方薬なのだけれど、ネットの方で注文が増えた。
     パソコンの使いすぎはいけません………という事か?
     うがい薬を買いに患者さんがいらした。
     うがい薬を買いに来たらチャンスである。
     何がチャンスかというと、うがい薬では効かないから漢方薬はどうですかと勧めるチャンス。
     案の定、今回の患者さんは咽喉がイガイガする感じがして、痰が切れにくいという話。
     そんな時には麦門冬湯(ばくもんどうとう)が合いますよと差し出す。
     まずはお試しあれ。
     正露丸を買いに患者さんがいらっしゃった。
     しかし、目的を訊くと冷えによる下痢らしい。
     それだと、正露丸は整腸作用は弱い。
     どちらかというと消毒という側面が強いので、だから戦争に持って行ったりした。
     今回は、即効丸(そっこうがん)を案内。
     それから、柿が好きだという話を聞いて、しばらく控えるように伝えた。
    「柿が赤くなると医者が蒼くなる」というくらい栄養のある柿ではあるが、体を冷やす作用が強く、お腹を壊しやすい。
     さらに、前はコーヒーを飲まなかったのが、最近になって飲むようになったそうだ。
     それもまた下痢の原因かもしれない。
     コーヒー自体が体を冷やすし、合わない人はとことん合わない。
     他に、酔い止めを尋ねられた。
     お孫さんの七五三で出かけるのでと。
     それには、二陳湯(にちんとう)を勧めた。
     店を閉めてから、渋谷の渋谷シネクイントに出かけた。
     http://www.cinequinto.com/
     渋谷って苦手なんだよねー。
     方向音痴の身には。
     でも今回は一発で到着。
     予定時間よりも早く。
     熱意が違えば、違うのか(笑)?
     最上階の8階までエレベーターで上がったら、すでに並んでいる人の列は階段の下へと続いていた。
     他の人も言っていたけれど、下から階段を上がってきた方が楽だったな。
     そうそう、なんでここに来たかというと、来年春公開の映画『立喰師列伝』押井監督トークショーがあるからなのだ。
     http://www.production-ig.co.jp/contents/news/07_/s01_/
     このあいだ、弟にチケットを譲ってもらって。
     さて、事前情報は知らなかったのだが、ゲストとして行定勲監督が来ていて驚いた。
     あの、『世界の中心で、愛をさけぶ』の監督である。
     うっひゃー、大嫌いで大嫌いで大嫌いで奥さんと喧嘩までした(私が一方的に)映画の監督がこの人か~、と思うと感慨深い(苦笑)
     (9月29日/2005年の日記参照)
     今度の新作は、三島由紀夫の『春の雪』だそうで、今度はまともな作品かと思いきや、押井監督がすでに試写で観ていたそうで、いきなり落とす(笑)
     http://harunoyuki.jp/
     いや、落とすというか、本質を突いた感想を述べていた。
     曰く、「恋愛映画じゃないよね」と。
     もちろん、主題は恋愛である。
     それも、『セカチュー』と同じ悲恋。
     それどころか、これまた『セカチュー』と同じで、主人公が馬鹿丸出し。
     幼馴染同士で好意を寄せ合っていたのに、女性の方に縁談話が持ち上がり、男性の気持ちを確かめようとすると冷たくされ、縁談が決まってから深く愛し合うようになり破滅へと向かっていく。
    「困難な状況になったから恋したんであって、そうじゃなかったら好きになってなかったよね、あの男は」という押井監督の指摘は、だから『春の雪』のような作品を行定監督が作れるのを羨ましがっているようでもあった。
     実際、行定監督は映画の予算を出してもらうために、あえて“恋愛映画”と誤解されるように仕組んだというような事を言っていた。
     というのも、行定監督は故深作欣二監督に東映の撮影所のトイレで会った時に、「東映を見捨てないでくれ」と言われたそうだ。
     自分はそれを遺言だと思っていると。
     とにかく、質が良かろうが悪かろうが、映画を撮り続けていく事が大事という事なのかもしれない。
     ちなみに、行定監督は押井監督の『Talking Head』の手伝いをしていたらしい。

     ただし、押井監督は行定監督の事は今回のトークショーの打ち合わせで紹介されるまで知らなかった様子。
     司会者に具体的に何を手伝ったのかと尋ねられたら、美術とかいろいろ雑用だったと答えていた。
     でもってそれからしばらくは、三島由紀夫の話に流れて行った。
     何度か司会者がトークショーのメインである、新作の『立ち食い師列伝』に戻そうとするのだけれど、無駄な努力(笑)
     押井監督の三島由紀夫への思い入れは相当で、自決の知らせは大学の学園祭の準備をしている時だったとか。
    「あっ、本気だったんだ」と思ったのが正直な感想だという。
     そして、言行一致している最後の作家だったとも。
     そんな大脱線しつつも、『立ち食い師列伝』のプロモーション映像が上映されると、なんとか話が本筋に戻った。
     完成には、ほど遠そうなプロモーション映像だったけど(笑)
     実写は実写でも、役者を何千枚と写真を撮って、それを割り箸につけて動かしているように見せるというヒニクレタ作風。
     だいたい、先の『Talking Head』の中では主人公に、映画の予告は、予告でのみ完結し、それが優れた予告の条件でもあると語らせていたから、このプロモーション映像そのものがアテにならない。
     押井ファミリーに数えられる女優の兵藤まこは、今回の作品では『ケツネコロッケのお銀』を演じるそうで、何故だか劇中でAK銃を構える事になるとか。
     押井監督に言わせれば、「持たせてみたかったから」という理由。
     作曲家であり、今回の劇伴の曲も担当している川井憲次氏は、『ハンバーガーのテツ』を演じるのだが、それは「太ってるのが川井くんか、樋口くん(『ローレライ』の樋口真嗣監督)くらいしかいなかったから」との事。
     そうそう、この作品の主人公たちである“立ち食い師”というのは、もちろん架空の職業だが、どんな連中かというと、立ち食いの店に立ち寄り、出された料理に膨大な知識で、時に難癖をつけ、時に褒め殺して代金を払わずに立ち去る、ようするに食い逃げの“プロ”である。
     http://www.kyo-kan.net/oshii-ig/books/tachuguishi.html
     トークショーの終了時間も迫り、立ち食い文化論へと話は進んだ。
     その中で興味深かったのは、「一家団欒なんて、高度経済成長期になって突然現れた。」という押井監督の発言。
     それまでは、家族が別々に食べるのも普通。
     道端で飯を喰うのも普通。
     そう、食べるんじゃなくて喰う。
     貪るんだよね。
     その時しか食べられないから。
     そして、道端で食べるのは戦場だからなんだよと。
     食卓で行儀良くというのは、そういう環境だからできる事。
     そういや、1972年生まれの私が小学生の時にすでに、世間では「最近は家族の団欒が無い」などと言われていた。
     そして、一家団欒の象徴でもある卓袱台(ちゃぶだい)は大正の終わりに発明されて、普及しだしたのは昭和に入ってから。
     という事は、長い日本の歴史の中で、たかだか20~30年間だけ現れた幻みたいなもんである。
     戦場という事で言えば、映画の現場がそんな感じですねと、ゲストともども頷いていた。
     食べられる時にかっこんでおかないと、次はいつ食べられるか分からないから。
     それと、『ハウルの動く城』を作った宮崎駿監督は、中国の子供たちが道端で食べてる様子の映像を観て、「ボクは、ああいうのは嫌いだ」と言っていたそうだ。
     それに対して押井監督は、どうして嫌いなのか、それが当たり前なのにと思ったとか。
     今回の作品では、立ち食い師たちが活躍していたという架空の戦後史を描く事で、そんな歴史の一時代を浮かび上がらせたいという想いだと時間ギリギリまで、押井監督は語っていた。
     あっ、あと、この後は恋愛物をやる予定との事。
     それも、映画監督人生最初で最後の。
     今から楽しみである。
     終わってから、携帯でネットに接続して最終電車をチェック。
     JR渋谷駅まで走ってみたが、どうやっても武蔵野線の最終に繋がらない。
     ううん、歩いて帰るのは嫌だなぁ。
     そこで、前々から興味のあった『次世代マンガ喫茶 メディアカフェポパイ』で夜明かしする事にした。
     http://media-cafe.ne.jp/
     利用したのは池袋店。
     マンガ喫茶は、もう5年くらい前に2回だけ入ったきり。
     今は、どうなっているのか少しワクワク、少し緊張して入った。
     入って、驚いたのが綺麗なこと。
     壁にシミがついていたり、絨毯がハゲていたのに、なんだかここはカプセルホテルのようである。
     食事も、昔入った店では完全レトルトのうえセルフサービスだったのが、個別ブースのインターホンから注文。
     チャーハンや餃子を食べたら、値段に相当する程度には美味しかった。
     不満としては、中通路が一本しかなくて、大回りしないとフリードリンクを取りに行ったり、トイレに行くのが不便な点。
     でも、個別ブースに足音なんかが響かないようにするためには、通路は少ない方が良いのか。
     火事の時には怖いな。
     とはいえ、その個別ブースも禁煙席が明確に分かれているのが良かった。
     パソコンも常備されていて、別料金ナシで利用可。
     しかも、設定は再起動すると初期化されるそうなので、利用したサイトの情報などは残らないようだ。
     なので、チャットに入り友人たちに「帰れなくなったー」と言いつつ、食事をした。
     それから、せっかくマンガ喫茶に入って1冊も読まないのもなんなので、ちょっと探してみたら、たがみよしひさの『我が名は狼(うるふ)』を見つけた。
     http://morikami.tea-nifty.com/miho/cat4125392/index.html
     うおーっ、懐かしい!!
     好きだったのに、全3巻が行方不明になっちゃったんだよなぁ。
     イメージアルバムのLPまで持っていた。
     LPの方は今でも実家にあって、たまに聞いている。
    「♪愛していたのさ 今さらながら」
    「♪抱けば抱くほど 切なくなる それを承知で惚れたお前に かける言葉は クールなsay good-bye」
     単行本の方は、古本屋でも入手しづらい。
     あっても、ヨレヨレだったりして買う気になれない。
     どうせなら、美品が欲しいと思ってる。
     物語は、姉が自殺してから流れ流れていた主人公の犬神内紀が、父親の親友が営んでいる長野のペンションでやっかいになり、そのペンションに泊まりに来た女性と寝ながら、様々な人間模様を読者に語りかけるという内容。
     ………では、もちろんない(笑)
     いや、いろいろと考えさせられました、中学生当時に。
     自分も将来、主人公のように結婚なんかはとりあえず考えないで、いろんな女性とエッチしたいなぁと(* ̄ii ̄*)(鼻血)
     でもやっぱり、この作品の良かったところは、いい女も悪い女も、いい男も悪い男も、セックスという共通項で、馬鹿馬鹿しくも愛すべき人間だと見せつつ、それを押しつけてこないところだったな。 
     思わず読み込んでしまい、仮眠するはずが徹夜してしまった。
     どーすんだ、おい(笑)
    ≪育児日記≫
     今日、何か奥の歯が黒くなってるのがどうしても気になって、中歯医者にTelした。
     次郎はまだ朝だったので寝ていた。
     そして起きると朝食を食べさせた。
     眠い目をこすりながらだったけど、よくパンを食べてくれるので助かる。
     主食がとても好きみたいで、麺とパンとご飯は大好物らしい。
     それから、ここのところ次郎の食べる場所の椅子を、上り下りできるようになって驚いた。
     バランス感覚が身に付いてきたのかな。
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     感想や健康相談はコチラ(・v<)
     http://www.kitazono.jp/bbs_kitazono.htm
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    ◆10月31日(月)/2005年◆
     ふぁあ、眠い。(-_ゞゴシゴシ
     つい、懐かしい漫画を読み込んでしまったからな。
     安くて良かったけれど、漫画喫茶は泊りには向かないかも(苦笑)
     子供の頭痛の相談でお客さんが来店。
     高校生だそうで、低血圧らしい。
     それで寝起きが悪くて学校に遅れやすいと言われて、その点だけは訂正しておいた。
     よく低血圧だと寝起きが悪いというが、あれは間違い。
     ドラマかなんかでセリフにあるのを聞いて、鵜呑みにする人が広めてしまったようだ。
     そして今回の頭痛に関しては、学校に行く時だけだという。
     休日は大丈夫なんだとか。
     昔なら仮病だなんだと言われそうなところではあるが、最近では少しは理解されるようにはなってきたかな。
     でも、まだ偏見はあるようで。
     神経性だとすれば半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)が思い浮かぶが、これはどちらかという肺から気管支にかけて。
     頭痛には、苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう)の方が適応するだろうと案内した。
     K病院から出た処方箋で、在庫に無い物があり、そのK病院に借りに行く。
     病院内のロービーには、「憲法9条を守る!!」とか「憲法9条で平和を!!」といった掲示板が立ち並び、なんだか物々しい。
     共産党系だからねぇ。
     比較的安い料金で受診できたりと病院としては良いのだけれど、なんかギスギスしますな。
     だいたい、本気でそう思ってるのなら、理念の方を捨てるなり隠すなりして、公明党のように政権与党に近づいてはどうか。
     与党との駆け引きで実利を取らなければ。
    「確かな野党」なんて、野党でいる事が前提なら、無くても構わないだろう。
     奥さんが歯科医に行った。
     歯が沁みるというので。
     そしたら、診察してもらった結果は、電動歯ブラシで歯茎を磨いてしまったからだそうだ。
     なんでやねん(^_^;)
     歯ブラシなんだから歯を磨けよー。
     使い方の小冊子を渡してあるのに読まないんだから。
     葛根湯(かっこんとう)を買いに患者さんがいらした。
     良く効いたとの事で、それはなにより。
     葛根湯は、早めに飲むのが勝負を決する。
     家に置いておくだけではなく、持ち歩いておいて下さいと伝えた。
     風邪薬に葛根湯地竜(ぢりゅう)を買いに、お客さんが来店。
     患者は、高校生の息子さんだという。
     それでしたら、麻黄湯(まおうとう)地竜の組み合わせが良いでしょう。
     体力があれば、体力があるうちに麻黄湯で一気に熱を出して風邪を倒した方が早く治るので。
     第3次小泉改造内閣の発足について、各野党がコメントを出しているのをテレビのニュースで観た。
     民主党の前原誠司代表は、「期待を込めてエールを送りたい。我々も真の改革を競い合う形で、一生懸命負けないように頑張っていきたい」と、あえて批判を避けていた。
     ううん、頭の良い人だな。
     一方、共産党の市田忠義書記局長は、「暮らしと平和を壊す反国民的改革を強力に推し進める意味で適材適所。『悪政推進適材適所内閣』だ」と扱き下ろしにかかった。
     いつの時代に生きてんだよアンタは、と思わず苦笑。
     しかも、悪口にまったくユーモアが無い。
     自分たちの印象を悪くするだけだと、何故気づかぬ?
     社民党の福島瑞穂党首も、「大増税改憲内閣だ。女性(閣僚)が2人だったのも残念」と的外れな批判。
     いや、増税と改憲を狙ってるのは確かだろうけど、閣僚に女性が入るかどうかは、もはや拘る点では無いだろう。
     第3次小泉内閣の南野知惠子法務大臣なんて、近年稀にみる不適格な人材だったと思うんですが。
     それにつけても、人の悪口ばかり言ってると人相が悪くなるもんですな。
     最近の、福島氏は特にそう思う。
     私も自重しよう………と0.001秒くらいだけ思った。
     回ってきたメールを読んで、「えっ!!??」と声を上げてしまった。
     文化センターボックス代表取締役の牧野俊浩氏の長男が昨夜、くも膜下出血のため死去したという連絡。
     http://homepage2.nifty.com/artbox2/
     享年30。
     息子さんの事は知らないが、父親にはお世話になった。
     そして、音楽家としてファンだった。
     コンサートの手伝いを探しているという情報を得て、喜んでお邪魔させてもらった事もある。
     そうかぁ、息子さんは歳が近かったんだなぁ。
    ≪育児日記≫
     今日は、歯医者に行った。
     義母の自転車を借りた。
     次郎は義母と、近くのクリーニング屋さんのところに行った。
     なかなかしっかりと歩けるようになってきたので、前よりは少し安心になった。
     しかし、ちょっと目を離すとどこに行くか分からないのが、やはり気を使う。
     目的地に付けないというか、時間がかかってしまうのが難点でもある。
    ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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  • ≪第10回≫六味丸

    漢方薬症例クイズ≪第10回≫

     実際の症例を元に、患者さんの症例データーを提示します。
     “書いてある内容”から推理して、適応すると考えられる漢方薬の名前を当てて下さい。基本的に当店で扱っている漢方薬としますが、解答としては必ずしも限定しません。「なるほど、その方法もあるか」と思われる解答であれば、正解とする事があります。(生薬のみや民間療法などは除外します。)
     正解者の中から、抽選で3名様にトートバッグを進呈いたします。絶対の正解というものはありませんのであくまで、“あそび”として楽しんでいただければと思います。皆様の参加をお待ちしています。

    トートバッグ

    italy.jpg (301149 バイト)

     イタリーセレクトコレクションのトートバッグを、3名様にプレゼントいたします。

    募集期間:~4月18日(月)
    正解発表予定:4月25日(月)

    問題
     女性。52歳。
     上半身にのぼせを感じ、不快でイライラしがち。自分でも怒りっぽいのを自覚している。
     足腰がだるく階段の昇り降りがつらい。
     白髪が増えて、肌ががさつき、目が乾燥して赤くなる。
     疲れたり寝不足になると、顔がのぼせて汗が多くなる。
     1年くらい前から生理が遅れがちで、数ヶ月無いこともある。
     おそらく、なんらかの原因で栄養が不足しており、普通は体の働きが落ちるところが、その不足を補おうとかえって体が頑張っているため、のぼせなどの症状が現れていると考えられる。
     体が働きすぎるのを抑えつつ、補うのに用いる漢方薬は何か?

    正解
     正解は六味丸です。
     しかし、正解者がいませんでしたので、次選として杞菊地黄丸を正解とします。
     さらに、当選者枠が3名のため、他に適応する漢方薬として温清飲を加えます。

     当選したのは、以下の3名の方です。おめでとうございます。
     杞菊地黄丸と解答された方。
      ※keikoko様…選んだ理由:上半身にのぼせができたのと、目が疲れやすいのと、顔がのぼせるというのを見て間違いないと思いました。
      
    かりん様選んだ理由:まず「のぼせ」という言葉が説明にあったので、よく読んでみたら「乾燥」という症状があって、さらに「目の疲れ」もあり、「イライラ」なども目に付きました。
     
    温清飲と解答された方。
      ※S800PG様…選んだ理由:ナシ

    解説
     主訴はのぼせですが、随伴症状が多岐に渡っているため整理していくことが必要になります。
     すると、上半身はのぼせに関連するかのように、目の渇きや肌のかさつきなどがあるのに対して、足腰のだるさや白髪が増えてきていることから、栄養不足であることが読み取れるでしょう。
     一方で、のぼせる力はあるため、栄養そのものが不足しているというよりも、栄養を運ぶ機能が低下していることが考えられます。
     つまり、栄養を運ぶ血の不足、血虚が疑われます。
     この場合に必要なのは、体には働こうとす力があるので、血液が循環しやすいように体の環境を整える事です。
     六味丸に含まる地黄(じおう)・山茱萸(さんしゅゆ)・山薬(さんやく)はいずれも補性作用があり、茯苓(ぶくりょう)と沢瀉(たくしゃ)が局所的に水分が停滞するのを防ぎつつ、牡丹皮(ぼたんぴ)が血液の循環障害を取り除きます。
     また、六味丸の効能書きには「排尿困難、頻尿」とありますが、これは腎に作用する漢方薬なのだと覚えておくと良いでしょう。
     漢方で云う腎とは解剖学的な腎臓の意味に留まらず、泌尿生殖機能を含む精力と密接な関係があり、生理が遅れがちである事は、加齢による精力の減衰も示しています。

    補足
     六味丸に血管を通る血流を良くする作用のある枸杞子(くこし)と菊花(きくか)を加えたのが、杞菊地黄丸です。
     先に栄養そのものが不足している訳ではないとして六味丸をあげた訳ですが、より栄養不足が顕著な場合には杞菊地黄丸が適しているでしょう。
     解答で興味深いのは、問題には「目の疲れ」とは書いていなかったにも拘らず、2人の方が「目の乾燥」を「目の疲れ」と読んだことです。
     クイズという性質上、書いてある事柄だけから判断しなければならない訳ですが、患者が言っていなかったとしても推測できる事は考慮しておく必要があるという点において、良い判断だと思います。
     温清飲については、他に解答として出ていた漢方薬との比較の中で決めさせていただきました。
     温清飲の基本処方は四物湯で、血液を補い、血の巡りを良くする作用があります。そこに消炎効果があってのぼせを下げる黄連解毒湯を合わせた物です。これにより温清飲は、肌のがさつきや目の乾燥を潤して、主訴であるのぼせも治せるだろうと思われます。
     解答の中には黄連解毒湯もあったのですが、今回は血流の改善と、それによって皮膚の状態も良くなる方が適していると考え候補から除きました。
     さて、解答の中で一番多い見立ては更年期障害でした。
     これは患者さんの年齢からも、のぼせを始めとした不定愁訴からも当然の事と思います。
     そのため一応、それを措いておくための条件付けとして栄養不足の可能性と、補う漢方薬を用いることを示唆しました。
     それを踏まえて、更年期障害に関連した処方についての解答を検証してみました。
     まず、のぼせから桂枝茯苓丸を考えた場合ですが、お血によるイライラ感や月経不順に使えるものの、補う効果が少ない点が適応しないと考えられます。これは、桂枝茯苓丸当帰芍薬散を合方した婦人華にしても同じでしょう。
     では、加味逍遙散はどうでしょうか。加味逍遙散にも六味丸桂枝茯苓丸と同じく牡丹皮が入っており、血液の循環を促して、山梔子(さんしし)や薄荷(はっか)が、のぼせやイライラを取り除く事が期待できます。しかし同時に、山梔子も薄荷も燥性なため、皮膚の乾燥などを示している患者さんには向きません。
     柴胡桂枝乾姜湯においては、か楼根(かろこん)が潤性が強いので乾燥に良く、牡蛎(ぼれい)には鎮静効果があるため随伴症状に効果があるとも考えられますが、のぼせには適応せず、より虚証の人に使うのが良いでしょう。
     柴胡加竜骨牡蛎湯は、やはりのぼせとイライラという症状に対して考えられたものと思われますが、皮膚の乾燥や栄養不足には他の漢方薬に役目を譲った方が適切です。ただ、寒熱のハッキリしない場合でも、かなり広く用いることができるので、応用はできるかもしれません。
     主訴ではなく、栄養不足に目を向けた物として、十全大補湯という解答もありました。解答者は血虚を考えたうえで、燥性の物も避けて選んだとの事で、着眼点は良いと思います。しかし十全大補湯は、病後に用いる事が多いように、全身的な疲労倦怠が強くて、皮膚の乾燥だけではなく顔色も悪いような患者さんに適しています。今回の問題では、足腰のだるさは訴えていますが、そこまでの疲労には言及していないため、除外となります。
     逆に小建中湯は、虚弱体質者に対して強壮作用はあるものの、のぼせを始めとする随伴症状には効果が期待できないため不正解とさせていただきました。
     実は今回の問題は、前回の解答で杞菊地黄丸というのが多かったため、その基本処方である六味丸を用いたケースを探して問題を作成しました。
     そうしたら今度は、正答者がゼロという結果に……。
     面白いというかなんというか、漢方薬の適応を考えるのは大変だなぁと改めて痛感しました。

    解説:北村俊純

    参加者コメントより
     keikoko:クイズをきっかけに漢方に強くなりたいです。
     前回は惜しかったですね。今回は、着眼点が良かったようです。

     かとう:今回は「参加することに意義がある」の意気込みで参加しました。
     私も、皆さんの解答を拝見して勉強させていただいていますm(_ _)m

     K.H:掲示板が和やかな雰囲気で楽しい♪
     なんか、薬局とは全然関係の無い話題ばかりですが(苦笑)

     まりん:とても役立つサイトですね。
     ありがとうございます。まだまだ中途な構成ですので、今後とも頑張ってゆきたいと思います。

     かりん:初めてホームページを拝見させていただいたのですが、とても興味を持ちました。私は腰が冷えたり腰痛になるとすぐに下痢をしてしまうし、少しでもストレスを感じると胃がムカムカして気持ち悪くなるし痛くなります。漢方で治るならぜひ利用してみたいです。いろいろ見てみたのですが見る限り私の症状にぴったり合う薬が見つかりませんでした。今度健康相談カードでお聞きしたいので、その時はよろしくお願い致します。
     はい、相談はいつでもお受けしています。ぜひ、お問い合わせ下さい。お大事に(・v<)

     

  • ≪通巻36号≫
    “手続き”と“緊急”のバランス/客には客の物語がある/奥さんを病院に放り込むまで/子供の風邪

      ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
      ★彡☆-=★彡  それさえもおそらくは平凡な薬局  ★彡☆-=★彡
                     ≪通巻36号≫
      提供 : まぐまぐ http://www.mag2.com/
      発行 : 北園薬局 http://plaza2.mbn.or.jp/~kitazono/
      編集 : 北村俊純
      窓口 : kitazono@a1.mbn.or.jp
      ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
    ~~~~~~~~~~~~~ 今回の日記の主な話題 ~~~~~~~~~~~
    ※11月11日(火)……“手続き”と“緊急”のバランス
        
    ※11月12日(水)……客には客の物語がある
    ※11月13日(木)……奥さんを病院に放り込むまで
    ※11月14日(金)……子供の風邪
    ************************* 先週の平凡な日記 *************************
    ◆11月11日(火)/2003年◆
     冷え症の相談に患者さんが来店。
     しかしお話しているうちに、あれやこれやとかなりの心配性な印象を持った。
     印象だけでは判断できないので、夜はよく眠れているかを尋ねたところ、やはり寝つきが良くない模様。
     そこで、柴胡桂枝乾姜湯(さいこけいしかんきょうとう)を勧めてみた。
     循環器疾患に用いる漢方薬で、冷え症のある人で神経質な人の不眠に効果がある。
     神経質な人は血管が収縮したりして血の流れが悪くなり、それが冷え症に結びつく事がある。
     その場合は、体を温めたりする漢方薬よりも、まずは鎮静作用のある方が合うだろう。
      
     病院で貰っている薬の相談に患者さんが来店。
     高脂血症の薬を飲むとだるくなるとの事。
     それならば、まずは医師に相談をしてもらう方が早いのだけれど。
     ウチでは、薬の説明をしたりするのは可能だが、服用をやめましょうとまでは言えない。(もちろん急な症状の悪化などがあれば服用を中止した方が良いが。)
     なにより、ウチで処方した訳ではないので、ウチから病院に連絡するという訳にもいかない。
     とにかく、やめるにしてもまずは担当の医師に連絡するように伝えた。
     どうも、医師に対して相談するのを臆する人がいるが、医師もまた客商売である。そして、扱っているのは患者さん自身の健康である。客商売は、「お客様は神様です」が基本。健康をお金を出して“買う”以上は、どんどん相談した方が良い。
     とはいえ、ケンカごしに質問して、肝心な事はなんにも耳に入らない患者さんもいるんだよなぁ(苦笑)。
     癲癇(てんかん)の予防になるような漢方薬はありませんかと、相談に患者さんがみえた。
     一口に癲癇と言っても、原因が様々なので難しい。脳の障害が原因の場合には、さすがに漢方薬ではどうにもならない。
     子供の癲癇には、小柴胡湯(しょうさいことう)を用いるのが基本。
     今回の患者さんの場合は、症状そのものは重くなく、頻繁になる訳ではないとの事。ただ、季節的なものが関係していて、寒くなってくると自覚症状が現れるらしい。
     そこで、軽度の癲癇の予防として、桂枝加芍薬湯(けいしかしゃくやくとう)を勧めた。
     効能書きには“しぶり腹”や“腹痛”としか書いてないのだが、芍薬(しゃくやく)には緊張を解いたり痙攣を抑える作用があり、癲癇にも効果があると考えられる。
     また、便秘を伴う場合には柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)を用いると良いようだ。
     柴胡桂枝湯(さいこけいしとう)桔梗湯(ききょうとう)を求めて患者さんが来店。
     以前から漢方薬を使っていただいている患者さんなので、風邪の時に使う漢方薬を覚えていた模様。
     ところが商品の会計をする段になって、患者さんの職業が咽喉を使う職種だという事を知らされた。
     となると、扁桃腺炎に使う桔梗湯よりも、肺から咽喉にかけて潤いを与える麦門冬湯(ばくもんどうとう)の方が合うと思い勧めた。
     職業の事を訊かれるのを嫌がる人もいるので、なかなかキッカケが掴めないと難しいのだが、もう少し早く尋ねておけば良かった。
     漢方薬に限った事ではないが、職業上の環境なども治療のための大事な情報となる。こちらとしてもイキナリは訊きにくいので、できれば相談する際には教えてもらいたい。
     明日には奥さんを入院させる予定なので、医療センターへ入院手続きに行った。
     受付で入院手続きについて尋ねると、入院受付窓口に行くように教えられたのでそちらに向かう。
     医師からはすぐにでも入院をと言われていたので手続きは事務上の事だけだと思っていたら、事務員には「医師の指示書が無いと入院手続きはできません」と言われてしまった。
     医師からは口頭で入院を勧められた事、昨日電話で問い合わせた時には今日にでも来て下さいといわれた事を話したが、「まず医師の診察を受けて下さい」と言って譲らない。
     実は、こういう医師と事務方の対応の違いというケースはかなりある。
     女友達のAさんなどは妊娠8ヶ月目で陣痛が起きてしまい自力で病院に行ったところ、待合室で破水してしまった。
     医師は急いでベッドの用意を看護士に指示したものの空きベッドが無く、やむなく癌などの重病患者の病棟に運び入れた。
     ところが、事務方が「入院手続きをしていない」という事で医師に抗議したという。
     そのやり取りをベッドで横になっているAさんのそばでするもんだから、なんだか自分が悪い事でもしたかのようで不安になってしまったとか。
     ちなみに、Aさんは無事に出産する事ができた。
     ただし、この“手続き”に拘(こだわ)るというのは、ミスや事故を防ぐためには大事な事でもある。予定の無い病棟に患者を入れて、後で患者の取り違えでも起こったら、それこそ大変である。
     人間なんて勝手なもので、“自分の都合が優先”されないと腹が立つクセに、後でそれがどんな結果を招くかまでは考えずに「お役所仕事するんだから」と怒る。
     一方で、手続きに拘るあまり、緊急時の対応ができなくて手遅れになるケースもある。臨機応変にと言うのは容易(たやす)いが、難しい問題だ。
     一応今回は、緊急性はあるものの、これから世話になるのに最初からケンカしても不都合なので、とりあえず事務方の顔を立てて、「では診察を受けてから入院するという事でどうでしょう。ただし最短の日程で」と提案した。
     事務員が産婦人科病棟に連絡をして、明後日の診察の予約が取れたので、ひとまず解決。
     でもまぁ、本来なら医師と事務方の間のスリ合わせは、患者が考える事じゃなくて、病院側でやる事だよなぁ(・_・)

    ◆11月12日(水)/2003年◆
     アレルギー性の皮膚炎の相談で患者さんが来店。
     以前からピアスをしていたのに、最近になってピアスの周りが赤味を帯びて痒くなってきたという。
     この、“今まではなんともなかった”というのは花粉症と一緒で、ある日突然症状が現れるのがアレルギー性疾患においては珍しい事ではない。
     イメージとしては、コップに少しずつ水滴を垂らしていく様子を想像してもらうといい。コップのサイズは人それぞれである。
     少しずつアレルギー物質が体内に蓄積されて(より正確には物質に対する抗体が蓄積されて)、コップが一杯になるまではなんの反応も出ないが、やがて満杯になり、ある日突然水が溢れてこぼれ出す───。
     だから今は大丈夫でも、誰がいつ発症するかは分からないのだ。
     アレルギー性の皮膚炎の場合、まず最初に選ぶ漢方薬としては、ウチの場合は十味敗毒湯(じゅうみはいどくとう)となる。
     または、冷え症な人の慢性湿疹には当帰飲子(とうきいんし)を用いる。
     しかし、今回の患者さんの場合は、見た目では色白く、やや水太りの傾向がある。本人にじかに「水太り体質ですね」とは言えないから、「もしかしてダイエットなどはした事ありますか?」と尋ねてみた。
     ダイエットをすると栄養が偏って皮膚に異常が出ることもある、という嘘ではないがちょっと横道から話をもっていく。
     水太りの人は水の代謝が悪いからであって、それがアレルギー症状を激しくしている事がある。その場合、防已黄耆湯(ぼういおうぎとう)を使うという方法がある。
     以前に水太りの傾向があって金属アレルギーの患者さんがおり、その患者さんは防已黄耆湯を1ヶ月ほど続けたところ、今ではネックレスやイヤリングを装着しても大丈夫になったのだ。
     今回の患者さんは、痒み止めの軟膏をすでに使っているという事だったので、その軟膏を使いつつ防已黄耆湯の服用を勧めてみた。
     また、ピアスをしばらく付けていないと穴が塞がってしまう事を心配されていたので、行き付けのアクセサリーのお店があるようだったら、そのお店で材質の相談をするように勧めた。
     一口に金属アレルギーと言っても、特定の素材にだけ反応するのであれば、別な素材の物を見立ててもらう事で軽減する事もできる。
     
     胃が痛むという患者さんが来店。
     胃薬をとの事だったが、念のために“痛くなる時の条件”を尋ねてみた。
     お腹が空くと痛くなるのと、食べて痛くなるのとでは、用いる薬はおのずと変わる。
     初めは空腹や満腹とは関係無さそうという事だったが、お話をしているうちに、「疲れると胃が痛くなるようだ」と言われた。
     疲労から来る胃腸障害という事は、体が栄養不足で悲鳴をあげているのだろう。普通は風邪などに使うのだが、柴胡桂枝湯(さいこけいしとう)を勧めてみた。
     胃腸が疲れた時に胃薬を使えば、その成分を分解するのに肝臓が余計に働かないとならなくなって、ますます体が栄養不足になってしまう事がある。胃痛がするからと、簡単に胃薬を使うよりは“養う”方が良い事もあるのだ。
     奥さんに入院前の夕食に何を食べたいかメールで訊いたら、ピザという答えが返ってきた。
     それも『ピザハット』である。入院前の最後の食事が宅配ピザかい(笑)
     http://www.pizzahut.jp/
     家のすぐ近くに店舗があり、直接取りに行くと割引になるので、電話で注文してから受け取りに行った。
     実のところ私もピザは好きで、奥さんが「疲れた~。今日は夕飯作りたくない~」と月に1~2度は言うので、その時に利用してきた。
     で、今日は商品を受け取る時に、ウチの奥さんが入院するのでしばらく来れないかもしれません、とアルバイトの店員に挨拶した。
     こんな挨拶、余計な事でしかないのだが、このお店、マニュアルがどうなっているのか、店員の質の落差が激しい。そのうえアルバイトの入れ替わりが激しいため、ものすごく良い店員さんに出会った後に、客を客とも思っていないような店員に当たる事もしばしばであった。
     でも、知っておいてもらいたいのだ。余計なお世話だけれども、“客には客の物語がある”のだよと。
     例えば、医師や看護婦などは“患者(お客)と死に別れ”という事は当然のように珍しくない。
     薬局だって、“お得意様”がお店に来なくなった時、元気になったか、他のお店に行くようになったかの他に、「このあいだ亡くなったのよ」という話が伝わってくる。
     ウチの奥さんは、入院の準備のために日用雑貨をコンビニで買ってきた。
     今回の入院は、本人自体はそれほど重篤な訳ではないけれど、もしかしたらコンビニで歯ブラシを買ったその人は、自分のためではなく誰か入院した家族のためかもしれない。
     ファーストフードでハンバーガーを買ったその人は、事故で亡くなってそれが最後の食事となるかもしれない。
     そんなお客の物語や運命などは、売る側からはなんの関係も無い事だ。しかし、想像はして欲しい。
     マニュアルさえあれば誰にでもできる仕事だったとしても、自分にしかできない最高のサービスを目指して欲しい。
     そんな思いから出た言葉だった。
     今日のアルバイトの人にどう受け止められたかは分からないが、少なくとも自分もまたそうあらねばと、思いを新(あら)たにした。
     思い出したので、補足トリビア。
    「新しい」は……、「あらたしい」と読むのが正しい。「あたらしい」は、間違った読み方が広まったもの。

    ◆11月13日(木)/2003年◆
     今日は奥さんを病院に放り込む予定で、叔父に車を出してもらった。すでに入院に必要な着替えなどの荷物をまとめておいたので。
     10時の予約時間前に病院に到着して待合室で待っていると、前回と同じように担当のT医師の名前が、患者の順番を表示してあるモニターから消えてしまった。
     またも、緊急手術が入った模様。
     (11月10日の日記参照)
     このまま叔父に待ってもらうのも悪いので、順番が回ってきて入院手続きが済んだらまた来てもらう事にした。
     そのまま、お昼近くまで待ってみたものの、一向にT医師は診察に戻ってきそうもない。
     私は私で、正午からサトウ製薬の新製品の説明会に出席しなければならないため、奥さんを残して一度お店に戻る事にした。
     お店に戻ってメールチェックをすると、数件の健康相談と漢方薬の注文が入っていた。
     説明会が何時に終了するのか分からないので、処理してから出かける事に。
     やや焦っているので、メールを返信する前にいつもより念入りにチェック。
     思ったより時間がかかってしまい、30分以上遅刻して会場のワシントンホテルに到着した。道に迷ったのも痛かった。何度も来た事のあるホテルなのに。
     ホテルの出入りの業者による弁当が昼食としてテーブルに用意されていたが、ほとんどの人がすでに食べ終えていて、説明会が始まるところだったので、終わってから食べる事にした。
     ああ、お茶くらいは欲しかったな。
     サトウ製薬の新商品に関しては、サトウ製薬のホームページに記載してあるので、そちらを参照されたい。
     http://www.sato-seiyaku.co.jp/
     いずれにしろ、ウチでは店頭売りだけで、基本的には通信販売では扱わない予定。どうせ、ドラッグストアーで取り扱いを始めたら値崩れするのは必至。
     情報としては、沖縄県と長崎県では、9月にインフルエンザの患者を確認したそうである。これは例年よりも早く、おそらく今後急速に広まるであろう。なので、風邪関連の商品を充実しておきましょうという話。
     みなさん、風邪の漢方薬セットをよろしく(笑)(現在は中止)
     説明会が終わって、他の参加者たちが営業マンから実際の商品を前に説明を受けているうちに、出された弁当をかき込む。あいかわらず、このホテルに出入りしている業者の弁当はセンスが悪い。焼き魚を2種類も入れて、なんの意味があるのか。せめて美味しければいいが、身はパサパサでタレはまったく魚自身の味を引き立てていない。
     ホテルなんて費用のかかる会場を借りて、高い弁当を用意して、本当に営業費として採算が合うのだろうか。ねぇ、サトウ製薬さん?
     ただし、先に載せたサトウ製薬のホームページを見ると分かるが、お金をかけるべきところにはしっかりかけているのも確か。製薬会社の中では、一般の患者さんにとっても販売店にとっても、使いやすくて役に立ち、それでいてセンスの良いホームページを作っている。
     ウチの、ショボイホームページもなんとかしないとなぁ。
     15時頃には説明会も終わって、すぐにお店に戻った。
     さすがに奥さんの方も診察を終えて入院手続きを終えているかと思いきや、お店に電話してきて、お母んに「帰ります」と言ったらしい。おいおい(^_^; 
     なんでも、T医師からは切迫流産の可能性があると言われ、すぐにお腹の張りを緩める点滴をするように勧められたのだが、入院費込みで月に20万円くらいの費用がかかるとも知らされて、断ってしまたのだとか。
     アホーーーーーーーーー!!!
     切迫流産といったら、まさに流産しかかっている緊急状態である。
     普通、切迫流産の可能性アリと診断されたら、「妊娠を継続“できる可能性”もあります」という、マイナスの方に大きく傾いているという事だ。
     私は自分の子供なんて欲しくないけど、欲しがっていたお前がそんな事で迷ってどーする。
     まぁ、お金の心配をさせてしまう私の甲斐性ナシも悪いのだけれど_(._.)_
     とにかく、「金で命が買えるなら買っとけ」というのが我が家の家訓である。(今できた。)
     ちょうどまた奥さんから電話が今度は私の携帯にかかってきたので、病院で待っているように言い聞かせて駆けつける事に。
     スクーターを飛ばして(交通法規は守りましょう)病院に到着すると、呆れた事に奥さんは待合室で待っていた。
     点滴だけでも受けとけよぉ(^-^;;;
     私が到着した事で看護婦さんがT医師を呼びに行った。すると、T医師はなんと手術着で現れた。帽子も被り、両手には手術用の手袋をはめている。
     これから手術をするところだったらしい。午前中にも手術をして診察もしていたはずである。いったい、いつ休んでいるのか。こんな労働環境じゃ、そりゃ医療ミスも起こるよな、と別な事を思ってしまった。
     そして、T医師が「どうなさいますか?」と訊いてきたので、「入院させます」と即答した。
     一応T医師は「奥さんの意思の方は?」と尋ねてきて、奥さんが何か言おうとしたのを見て私は、余計な事は言うなよーと心の中で思ったのだが、今度はアッサリと「入院します」と答えた。
     ズコーーーッ(・_゚)!!!
     だったら、早く決めとけよー。なにも私が来るのを待つこと無い。
     T医師の方は、なんでもこれから、子宮筋腫が10個もある患者さんの手術をするのだとか。手術前に煩わせて申し訳ない。
    「それじゃ、ベッドの方は用意できていますので」とT医師は手術室の方へと消えていった。
     代わって看護婦さんが病室の方に案内してくれた。
     本当に点滴が用意してあって、完全に病院の方は入院の準備を整えていてくれたようである。それを直前に断りやがって( ̄▽ ̄)
     ベッドに横になるように指示された奥さんは、先に点滴を始めてから、入院にあたっての書類に看護婦さんが口頭で質問しながら記入していく。
     何か質問はありますかと訊かれて、奥さんはテレビの事やお風呂の事などを質問した。そりゃまあ日常生活に関する事を訊きたくなるのは分かるけど、手を焼かせた上に恥をかかさんでくれーσ(^◇^;)。
     入院のために用意した荷物の他に、いろいろと必要な物を思い出したので、叔父に電話して私が足りない荷物を用意してから改めて一緒に病院に運んでもらう事にした。
     しかしなんだな、病院の中は携帯電話の使用は禁止だから、そのたびに外に出るのは面倒臭い。
     病院の壁には、「医療スタッフが使用しているのは医療用のコードレスホンです」という張り紙があるが、何の事はない、ようはPHSだ。
     よく携帯電話とPHSは一緒くたに扱われるが、実はまったく別な技術と思想によって生まれた物である。
     携帯電話は、初めから個人用途の携帯電話として開発されたが、PHSの方は家庭電話を“外に持ち出す”ために開発された。だからPHSは電波の到達距離が短く、発売当初は通話圏内が限定され、携帯電話にシェアを大きく引き離されてしまった。
     その後、PHS会社は至る所にアンテナを設置して、通話圏内を広げていく過程において、“携帯電話と同じ”というコンセプトで販売台数を伸ばしていった。
     ところがである。携帯電話が医療機器に障害を及ぼす事があるという情報が世間に広まった時に、逆にPHSの優位性をアピールしずらくなってしまった。
     その優位性とは、医療機器に影響を及ぼさないという事である。5年ほど前の実験データによると、携帯電話の電波の影響距離が半径3mなのに対して、PHSはわずか20cmだったという。
     だから、鉄道などの車内放送では「心臓ぺースメーカ等に影響があるので」とアナウンスしているが、実は心臓ぺースメーカーなどの医療機器を体内に入れている人たちは、以前からPHSを使用しており、なんら問題は無いのだ。
     さらに、最近では携帯電話の機能が飛躍的に向上して、ネット機能やカメラ機能が搭載されるようになっただけではなく、電波の影響距離も今や20cm以下となっているのだ。
     病院では万全を期すために携帯電話を使用禁止にするのは当然かもしれないが、そろそろ全面的な使用禁止以外の対応を検討する時期に来ているのではないだろうか。
     例えば、家のセキュリティや子供の安全のために携帯電話を利用するサービスがすでに始まっている。病院で診察を待っている間、入院している間、お見舞いに来ている間、それらの機能を利用できなかったら、せっかくの安全対策が活かされない事になる。
     
     とりあえず奥さんの方は、これから数日の間は、毎日16時間ほど点滴を続けて様子を見る模様。
     なんとか病院に放り込んで、ヤレヤレである。
     帰りぎわに、自分が入院している間に浮気をしてもいいけど家には連れ込まないように釘を刺された。うう、読まれてる(苦笑)。
     家に連れ込んだ方がホテル代が浮くという私の提案は却下された(・_・)ノ

    ◆11月14日(金)/2003年◆
     子供が風邪をひいたという事でお客さんが来店。
     いつもならば、子供の風邪には麻黄湯(まおうとう)を勧めているのだが、症状を詳しく尋ねると吐き気がしているらしい。吐き気があるのでは、麻黄湯は使えない。何故ならば、麻黄湯は熱を出すことで体が風邪と戦うのを支援する漢方薬である。それゆえに自身のエネルギーを必要とし、胃にも負担がかかる。
     吐き気がするという事は、すでに風邪が胃腸に影響を与えている訳で、次の選択としては柴胡桂枝湯(さいこけいしとう)が候補に上がる。
     しかし、普段から体が弱くて風邪をひきやすい方だという話も伺ったので、小柴胡湯(しょうさいことう)の方を勧めた。小柴胡湯は、胃と肝臓に栄養を与えて、体の土台を整える。子供の風邪の予防としても使えるので、冬場には1日の回数を減らして服用するのも良い。
     また、もしも吐いた時には二陳湯(にちんとう)を合わせて服用するように勧めた。乗り物酔いなど、吐き気や嘔吐一般に用いる漢方薬である。
     午後になって、奥さんから頼まれていた着替えなどを病院に届けた。
     ベッドが硬くて寝にくいだの、食事が不味いだのと愚痴をこぼす。
     自覚症状が無いだけ、まだマシなもんである。私が顎の手術を受けた時には、流動食用の管を胃に入れたままでそれが胃壁に当って痛くて夜も寝られなかった。そのうえ、食事は流動食だったから、注射器のような道具で胃に流し込んでハイおしまいという味気無さ。
     まぁ逆に言えば、流動食だったから味は関係なかったけれど、食べれるのに美味しくないのは、それはそれで苦しいか。
     確かに医療センターの食事は美味しくないという評判が高い(低いのか)。
     JR西川口駅の方にある埼玉県済生会川口総合病院の方などは、入院していた患者さんが「食事が美味しくてねぇ、退院するのが残念だったわ」と言うくらい美味しいらしい。
     http://www.saiseikai.gr.jp/
     しかし、奥さんが入った部屋は2人部屋である。ここしか空いていなかったのだ。そのうえ、今は片方のベッドは空いているので、実質個室である。贅沢なのよ、分かってる?
     4人部屋は、テレピがプリペイドカード方式で見放題という訳にはいかないし、他の患者さんのお見舞いの人が出入りして落ち着かない。
     ところが、奥さんはそっちの方がいいと言う。1人で部屋にいるのは嫌だとの事。
     私なんか、1人の方がいいけどなぁ。
     まぁ、そう言うのならば差額ベッド代が馬鹿にならないので、看護婦さんの方に4人部屋に空きができたら回して下さいと伝えた。
     社民党の土井党首が辞任というニュース。
     先の衆議院選挙の敗北の責任と、自身の小選挙区での落選を踏まえてのものだとの事。
     マスコミの方は、土井氏の軌跡を辿って“栄光と挫折”というように扱っていた。それも、かなり意地悪な編集で。
     しかし、私は平和を声高に叫びながら一切の具体策を提示しない、それこそ流行語(?)にもなった「ダメなものはダメ」という思考停止のような土井氏は大嫌いだが、全盛期の旧社会党と現在の社民党を比較して、土井氏を責めるのも少し酷ではないかとも思う。
     そもそも社会党は労働者のための政党として活動してきて、主に労働組合などの組織票に支えられてきた。
     そこに市民運動家などが流れ込んできて、“庶民の味方”という政党イメージをアピールして政界の中で一大勢力となっていった。
     ところが、時代の流れで「搾取する経営側と、搾取される社員」という対立構造は崩れ、バブル崩壊後の平成大不況においては経営者と社員は協力関係を築くようになり、社民党の中で労働組合派と市民運動派が対立。そしてついに社会党は分裂し、労働組合派は民主党に合流し、市民運動派が社民党になって残った。
     つまり、現在の社民党は実質的には旧社会党の支持基盤であった労働組合ではなく、市民運動家を中心とした別な政党であり、本来の旧社会党の労働組合派は民主党と合流する事で、すでに旧社会党は消滅しているのだ。
     市民派の政党として2大政党制を目指す民主党の方が、組織票に頼る旧社会党の労働組合系の議員を取り込んだというのは、なんとも皮肉な成り行きである。
     昨年の2月に、交差点を乗用車で右折中、直進してきた原付きバイクの男性をはねて重傷を負わせたとして、業務上過失傷害罪に問われた都内に住む主婦に対し、無罪(求刑・罰金20万円)判決が出たというニュース。
     略式起訴を退けられた末に無罪となるのは極めて異例だとの事なのだが、事故の概要からすると、なんで起訴されたのかの方が不思議。
     当時、主婦の対面信号は赤に変わっており、右折しようとしたところ、原付バイクが直進してきたという。それならば、赤信号で交差点に侵入してきた原付バイクの方に過失があるのは明らかなはず。
     ところが担当した検事は主婦に対して、「赤信号を無視する車両があることはよく経験することで、この交差点でも十分予想できた。」として供述調書に署名させて略式起訴したのだとか。
     そりゃ、確かに赤信号を無視して直進してくる車やバイクはあるけれど、違反している方の過失を問わないってのは、どういう事なのか。単に自分が仕事を楽したかったからとしか思えない。
     今回の判決で、裁判官が「当時、主婦の対面信号は赤だった。『赤信号を無視して新たに進入する車両はない』と判断して右折を開始したのはごく自然であり、犯罪の証明はない」と述べたというのは当たり前に過ぎるだろう。
     ところが呆れた事に、東京簡裁が略式不相当として裁判を始めると、検察の方は信号に関する目撃証言を「事故当時の信号は黄色だった」と変更したのだそうだ。
     さすがに裁判官の方は、「信用性に重大な疑問がある」として退けた。そりゃそうだろう。人を馬鹿にするのにもほどがある。
     とかく事故を起した時には頭が混乱してしまい、警官や検事に言われるままに書類に署名してしまう事があるというから、自分が冷静になるまで、あるいは弁護士が決まるまでは気をつけなければならないだろう。
     ちなみに、逮捕拘留されると基本的に私物は取り上げられ、自分の手帳なども見せてもらえないそうである。つまり、家族と連絡がつかない場合、他に連絡をしようとしても電話番号を確認する事もできないのだ。
     最近では携帯電話などに電話番号を入力しているため、電話番号を記憶しているという人は少ないそうだから(私もそうだし)、いざという時に連絡しようと思う人の電話番号は暗記しておいた方が良い。
     と、以前に逮捕拘留された知人が申しておりました(苦笑)。

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