お客様から、ものもらいの相談を受けた。
寝起きになっていることが多く、繰り返しているとのこと。
目薬を希望されたため、『ロート抗菌目薬EX』を案内してお買い上げ頂いた。
ただ、顔にも吹き出物が数ヶ所あるのが気になり、うちのお店では扱っていないがネット通販で入手できる『排膿散及湯』を紹介した。
それから、洗顔クリームの相談を受けたので、洗顔クリームの良し悪しより、大事なのは洗顔クリームを直に顔に塗るのではなく、手で良く泡立てるよう説明した。
汚れは泡に吸着するからで、泡立てずに洗顔クリームで肌をこするように洗ってしまうと、肌のバリヤーとなる皮脂を根こそぎ落として、雑菌の侵入を許してしまうから。
ご夫婦に買い物にいらしたお客様で、『ビスラットゴールド』(大柴胡湯)をレジに持ってきたのだが、以前から使っているのか尋ねたところ、初めてとのことだった。
となると確認しなきゃならない点が、幾つかある。
例えば、常習的に便秘をしているかとか、寝付きが悪いかとか。
不要な熱が体内に溜まりやすく、イライラしやすい人向けなので。
そうお話すると、適応する症状は無いようだった。
一方、お客様の肌には艶が無く、血行の悪さが見て取れたため、『防風通聖散』を勧めると変更してお買い上げ頂いた。
他に、睡眠導入剤の『ドリエル』と『ドリーミオ』の比較を質問された。
内容としては変わりない事と、神経を麻痺させて眠気を催すので、あくまで短期間の使用に留めるように説明した。
販売業としては、お客様が買いたい物を売らない訳にはいかないものの、できるだけ購入をやめるようにはしたいところだったけど、購入されてしまった。
売ってしまった責任は依然としてあるから、一言で「不眠」と言っても、寝付くまでに時間がかかるタイプと、中途覚醒してしまうタイプ、ウツラウツラして眠りの浅いタイプと、大きく分けて3つのパターンが有り、それぞれ原因も治療に適した薬も異なることを説明し、後日にでも改めて相談して下さいとお願いした。
今回は、お客様の都合もあって、より踏み込む時間が取れなかったのが残念。
先の不眠のパターンの場合、ものすごく単純化すると、寝付くのに時間がかかるのは心悸亢進でイライラしたりと精神面の影響が大きく『柴胡加竜骨牡蛎湯』が候補になる。
一方、中途覚醒してしまうのは加齢などによる腎気の低下や冷えが原因だろうから『牛車腎気丸』を試すのが良いだろう。
そして、眠りが浅いのは心身共に消耗するほど疲労しているからと考えられるので『加味帰脾湯』が適応する可能性が高い。
もちろんこの分類すら、取っ掛かりに過ぎない訳で、これらを、ただ眠気を催す薬だけで解決しようとすると、無理が出るのが当然。
ところが、不眠自体が判断力を鈍らせてしまうため、つい睡眠導入剤に頼る心理状態になり、依存へとなってしまう。
この点、眠剤の使用をやめるよう訴えている人たちですら、原因を治すことについては余り考えていなくて、全面的に薬の使用をやめようという極端な方へ触れていたりするので、余計に問題がややこしくなって困ってしまう。
薬の使用は、あくまで手段の一つなんだけどねぇ。
深夜のタクシードライバーの方、水商売の方の不眠、難しいですね。地域性もありますが。対応用意してありますか?
以前に参加した漢方の講習会では、夜勤の方へは『加味帰脾湯』をファーストチョイスとするというように、教わりました(・。・)