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  • 閲覧者の中に漢方薬に詳しい動物のお医者さんはいませんか?

     以前に飼猫の尿漏れに『猪苓湯』を案内したお客様から、今度は軟便の相談を受けた。
     犬猫は、人間が大丈夫な食べ物でも駄目だったりするから、漢方薬が安全とは言い切れないんですが。
     一応、生薬ごとに調べてはみるけど、ネットでは情報不足。
     どこかに、漢方薬に詳しい獣医さんはいないかしらん。
     とりあえず、自分が猫を飼っていた時に使った事のある漢方薬から『桂枝加芍薬湯』を候補として考えたけど、どうも体力も落ちているらしいため『柴胡桂枝湯』の方を試して頂くことになった。

     『ハリックス55EX温感』を購入されるお客様に、温めて楽になるようであれば『葛根湯』が効くかもしれませんと伝えてみたところ、主訴は腰痛だというので『当帰四逆加呉茱萸生姜湯』を紹介した。
     手足の冷えもあるというから適応しそうだし、比較として『桂枝加苓朮附湯』も案内した。
     漢方薬は飲んでから効くまで時間が掛るのではと質問されたので、「風邪には葛根湯」を例に急性症状にも使える事と、私なんかはスキーに行く時に『当帰四逆加呉茱萸生姜湯』を防寒対策の一つとして使っている事をお話した。
     試してみたいと、『当帰四逆加呉茱萸生姜湯』を一緒にお買い上げ頂くことになり、もし効くようなら保険の適用薬でもあるため、その場合は医師に相談してみるよう伝えた。

     『命の母A』を購入されるお客様に、使用経験を尋ねてみると初めてということだったため、症状について少しヒアリングした。
     主訴は疲労感で、精神不安は無いというから適応を外している可能性が頭をよぎったけど、イライラ感はあるそうだから、そのままお買い上げ頂くことになった。
     ただ、『命の母A』が漢方薬なのかを質問されたので、現代薬とのハイブリットであることを説明した。
     本当は、そういうお話も含めて購入を決められる前に尋ねてもらえると、もう少し踏み込んだヒアリングもできるんだけどな(´・ω・`)
     『命の母A』は、更年期障害への効能を謳って「気」「血」「水」を調整する内容になってるけど、その中でも突出しているのが、芍薬・桂皮・香附子・吉草根・半夏と、鎮静作用に関わる生薬が多いから、精神不安やイライラ感が選択の指標になるので。

     

  • 薬は代用できる物もあります

     『ロキソニン』を求めて来店したお客様に取り扱ってないことを説明したところ、『ロキソニン』と一緒に飲める鼻炎薬を注文された。
     基本的には現代薬の鼻炎薬を併用しても問題は無いけれど、主訴は鼻水でサラサラの透明だというから、体内が冷えているのが原因だと考えられることをお話して、家に『葛根湯』があれば使ってみるよう勧めた。
     ちょっとした鼻水なら、『葛根湯』で上半身を温めてしまえば緩和するはずなので。
     すると、家には無いとのことでお買い上げ頂いた。
     あと、『ロキソニン』でなければならない理由が無ければ、『イブプロフェン』も化学構造式が近く同じプロピオン酸系だから、『イブ』でも充分なのではないかと伝えた。

     『コーラックファースト』を購入されるお客様から、風邪薬を併用して良いか尋ねられた。
     使用している風邪薬は『ルル』という事だったけど、どの『ルル』だか分からないというので、大丈夫だとは思うものの、使う薬を記録しておくというのを意識してもらいたかったので、成分によるから判断しにくいと伝えた。
     嘘は言ってないヽ( ´ー`)ノ
     ただ、総合風邪薬にの多くには解熱剤だの咳止めなど神経に働きかける成分が入っているため、副作用として体内を乾燥しがち。
     発熱自体で乾燥するところに、薬の副作用も重なるから、より乾燥して便秘になるのは当然といえば当然でもある。
     なので、下半身を冷やして腸を刺激する『大黄甘草湯』と、腸内で水分を集めて便の量を増やす低刺激の『サトラックス』を紹介した。
     本日のところは、併用を避けるとのことで『コーラックファースト』を、そのままお買い上げ。
     お客様には、市販薬もお薬手帳で処方薬と一緒に一元管理するよう勧めた。

     手荒れがあるというお客様から、『ユースキンA』より価格の高い物の方が効くのか質問された。
     物にもよるけど、基本的には価格と効き目には直接的な関係は無いことを説明した。
     処方が古くて、開発費を回収済みだったり特許やらが切れて安くなってる物もあれば、新商品だからといって革新的な技術が取り入れられているとは限らず、薬の組み合わせを変えただけでも莫大な臨床試験の費用がかかるため、それが価格に反映されて高めに設定されている物もあるので。
     症状について詳しく尋ねると、仕事でダンボールに素手で触ったりするため、指先が割れてしまったりしているそう。
     そして、『メンソレータム薬用クリームG』は、合わなかったのか効果が感じられなかったという。
     作業時に手袋をするか、ワセリンの入った『アロエ軟膏』、あるいはワセリンそのものを使うよう勧めてみた。
     そのうえで、昼間は保湿と消毒作用のある『ユースキンS』を、夜に痒み止めと皮膚の再生を促す『ユースキンA』をというように使い分ける方法も提案した。
     本日のところは、『ユースキンA』は使っていることから、お買い上げは無し。
     他に、太ももの乾燥で病院に行ったことがあるというので、内服薬として加齢による乾燥に用いる『当帰飲子』と、血流も水分代謝も悪くて皮膚の再生が間に合わない場合に適応する『当帰四逆加呉茱萸生姜湯』を紹介した。

     

  • 市販薬の「効能」の意味

     常連のお客様が以前に私が勧めた『ハイクタンD』をまとめ買いされようとするので、どうかしましたかと尋ねると疲れが抜けないとのこと。
     もともと精神不安があり病院での治療も受けているため、お薬手帳も拝見したところ漢方薬も幾つか処方されていた。
     しかし、今まで肝臓に働きかけてイライラを鎮める『柴胡加竜骨牡蛎湯』や、緊張を緩和させ気管を開く『半夏厚朴湯』を使ったことがあるものの、どれも良い結果を得られなかったそう。
     ふむぅ、本格的に体質や生活環境を元に適応する漢方薬を探る『弁証論治』をした方が良いと思うのですが。
     担当医は親切に話を聞いてもらえるらしく、なかなか他の医師を頼るという気になれないらしい。
     『柴胡加竜骨牡蛎湯』は肝臓を助けるとはいえ、イライラを鎮めるという点では上半身に作用するとも考えられ、上半身に作用するというのは『半夏厚朴湯』にも共通する。
     ここは一つ方向性を変えて、『十全大補湯』はどうでしょうと提案してみた。
     漢方で言うところの、気・血・水の面倒を見ることから「十全(完全)に大きく補う」とも、「十の生薬で全てを大いに補う」とも云われている漢方薬で、病院では手術後の回復期に処方されることもある、体の土台を支える処方。
     ただし注意点もあって、胃腸機能が極端に低下している時には使えない。
     つまり、疲労はしていても食欲はあるのが使用条件となる。
     興味を持たれて試して頂くことになったので、担当医には報告するようお願いした。
     そしてお会計の後に、本人の興味なのか仕事が関係しているのか、『ボルタレン』や『ロキソニン』の作用機序を化学構造式の面から質問されて困った。
     あうっ、そこまでの知識はありません(^_^;)
     この仕事に就いてから、初めてそんな質問を受けたよ……。

     『オロナインH軟膏』を求めて来店したお客様に売り場を案内すると、怪我から火傷から万能薬のようなことを言われるので用途を尋ねたら、洗い物での手荒れに使っているという。
     ワセリンが入っているから水は弾くけど、基本的には消毒薬に過ぎないため、皮膚のケアにはならない。
     実際に手を見せてもらったら、明らかに皹(あかぎれ)の状態。
     効くと信じている物を「効きませんよ」とストレートにも言えず、薄手の手袋をしたり、そのつど洗わないで浸け置き洗いにするよう提案してみたけど、手袋は装着するのが面倒なのと外した時の匂いが嫌で、洗い物を溜めるのも気分が落ち着かないそう。
     それではやはり皮膚のケアが必要なことをお話すると、化粧品のハンドクリームを使っているという。
     でも患部の状態を見ると、皮膚の再生が追いついていない。
     そのため、血行促進が必要なことを説明して『ヒビケア』などを案内してみたが、効能に書いてある症状が全て該当しないとならないと考えているらしかった。
     それでいて、『オロナインH軟膏』には多くの効能が書いてあるのは信じているのだから、その心理が良く分からない。
     『オロナインH軟膏』に多くの効能が書いてあるのは、いわば主な効用が消毒で、外傷なら消毒が適応しない訳が無いから該当するだけ。
     そして市販薬というのは、症状の緩和が目的であって必ずしも治療目的ではないため、完治しなくても一定の効果があれば効能として認められる。
     つまり、繰り返しになるけど、外傷に消毒が一定の効果があるのは当たり前。
     でも、同時に緩和が主な目標だから、長期的な継続状態ならば、病院を受診するなりして治療は検討した方が良い。
     現に、お客様の手荒れの状態は、うっすらと血が滲んでいる。
     しかし、『オロナインH軟膏』の効能に「しもやけ」とあり、自分はしもやけにも使っていて、やはり「なんにでも効く」のではないかと言われる。
     む~、患者さんを論破したい訳じゃないから強く否定はできない、かといって症状が改善しないのを放置しておいて良いものかと悩む。
     一応は、内服薬に『当帰四逆加呉茱萸生姜湯』も紹介してみたけど、やはり興味は持たれず、受診勧奨も気乗りしない様子。
     病院に行ったという話が出てこないから、病院を回って諦めたというのでも無さそうだし。
     そう思っていたら、唐突に黒ジンジャーのサプリメントを飲んでると言われた。
     血行改善のために、という事だろうか?
     にしても、患部を見る限りじゃ効いてないんじゃないかと……。
     『オロナインH軟膏』はお買い上げ頂いたけど、何か他に良いアプローチは無かっただろうかと自問自答。
     頭では、患者さんの希望に沿うのが鉄則で、「助けよう」などと考えるのは思い上がりだと分かってはいるんですが(-_-;)

     

  • 自分を大切にすることから始めましょう

     成人の女性が母親と来店し、当初は「むくみ」の相談だったため『五苓散』『防已黄耆湯』を候補に考えた。
     しかし、水分代謝の異常を示すような、体を動かした後に急に止まると汗が吹き出すといった症状は無く、手足が重だるいという話が出たので、軌道修正し『当帰四逆加呉茱萸生姜湯』を案内した。
     病院を受診したことがあるか尋ねたところ、「冷え性で行ってもしょうがない」と思われているようだった。
     確かに、現代医学では原因を特定できないと効果的な治療ができないから、漢方薬なり養生の知識を持ち合わせていない医師に当たってしまうと、行くだけ無駄という事になりかねないんだけど。
     でもそこは、どんな職種の専門家にも得手不得手がある訳で、漢方薬寄りの私でも現代薬の選択肢を始めから排除するような事はしないから、何軒かは訪れてみて、治療の候補を増やしておいたほうが良いです。
     特に今回のお客様の場合は、痩せ型で脂肪が少なく、そのせいで「むくみ」が目立つとも言え、筋肉による発熱が不足しているのと、血行不順で熱を循環させられないのが原因のように思える。
     こういう時には、血流を改善し水分を巡らせて手足に熱を分散させることのできる『当帰四逆加呉茱萸生姜湯』が、最初にして最後の選択というくらい便利に使えるのだ。
     まぁ、落語の『葛根湯医者』みたいにならないようには、気をつけないといけませんが。
     二階から転げ落ちても、「よし葛根湯を飲ませておけ( ゚Д゚)⊃ ⌒ ○」みたいな(笑)
     お客様には『当帰四逆加呉茱萸生姜湯』を試して頂くことになったけど、念のため近くの漢方薬に詳しい病院を紹介しておいた。

     ご夫婦で来店し、奥さんが昨夜に炊飯器の水蒸気で火傷(ヤケド)したそうで、腕に水疱ができていた。
     薬をと求められたけど、水疱自体に殺菌効果と皮膚の再生促進作用があるため、破れないようにガーゼなどで保護するよう勧めた。
     ちなみに、火傷直後には『冷えピタ』を当てて、夕飯の支度を続けたそうな。
     ううん、『冷えピタ』や『熱さまシート』の冷却効果なんてたかが知れたもんだし、反対に氷や保冷剤とかでは刺激になって患部を傷めてしまうから、流水で1時間は冷やしてもらいたいんだけどなぁ。
     お話からすると、夕飯が遅くなるといけないから、冷やす時間が無かったみたい。
     ええと、ご主人をお説教したほうが良いのかしらん(;´д`)
     奥さんには、お説教にならないように、体のほうが大切ですから、また同じようなことがあった時には、水道で患部の上部あたりから1時間ほど冷やしてくださいと「お願い」した。
     また、よくよく聞いてみれば、家にステロイド剤があり、水疱の上から塗ったそう。
     ありゃん、それはヒヤリング不足でした。
     ただ、水疱がある状態で塗って、誤って破ってしまうほうが困るので、やはり患部の保護を優先し、破れてしまったら抗生物質とステロイド剤の入った『クロマイP軟膏』を使うよう勧め、お買い上げ頂いた。

     

  • 使った薬の情報は大事です

     咳止めを求めて、お客様が来店。
     数日前に風邪をひき、『パブロン』を服用したというのだけれど、どの『パブロン』だったかは覚えていないそう。
     しかも、実際には発熱は無く喉が痛かっただけだった模様。
     それで総合かぜ薬を飲んだら、副作用で体内が乾燥して咳になってる可能性がある。
     そうお話して『麦門冬湯』を勧めたものの、液剤を希望されたため、痰はそれほど出ていないのを確認して『ブロン液L』を案内しお買い上げ頂いた。
     使った薬は、成分表示を手元に残しておくか、スマホで写真を撮っておいてくださいね~。

     お客様から、「しもやけの薬をください」と言われて目が点。
     いや、夏場にしもやけって、それは自律神経が乱れての血行不良ではないのか。
     暑さに負けて内臓が疲労したり、冷房の強い場所と暑い屋外を行き来した時に、血管の収縮拡張が身体への負担になって自律神経が乱れ体の体温調節が上手くいかず、偏った部位が冷えてしまうのだ。
     でも後で調べたら、疾患名としては『しもやけ』という事になるらしい。
     なるほど、先入観はイカンね。
     実際、お客様は医師から「しもやけの薬」ということで塗り薬を処方されたそう。
     ところが、薬の内容が不明のうえ、実際に患部は見せてもらえず、状態を尋ねても教えてもらえなかった。
     店頭で言いづらい部位ということは、無いと思うんだけど……。
     でも話しているうちに、どうも精神不安があるように見受けられたため、まずは希望に沿う薬で、なおかつ穏やかな成分の物を案内するしか無いかなと判断し、『ユースキンA』を紹介した。
     そのうえで、病院を再訪して治療したほうが良いでしょうとお話すると、買わずに帰られた。
     正直、帰ってもらえてホッ=3
     それでちゃんと、病院に行ってもらえれば最善なんだけど。
     足が浮腫むという話も出たから静脈循環障害なのかもしれないし、末梢循環障害のレイノー病かもしれず、担当医が分かりやすく『しもやけ』と説明しただけという可能性が排除できない。
     せめて、処方された薬の内容が分かれば、病態の予測もできるんだけど、精神不安があるようではカウンセリングと経過観察が大事で、カルテのような物を作れないドラッグストアーで継続的な治療は無理。
     候補として『当帰四逆加呉茱萸生姜湯』を当然のように考えたけど、内服薬は考えていないようだったから紹介すらできなかった(;´・ω・)

     

  • 職分を越えられないから連携したい

     小学生の子供の日焼けの相談で、お客様が来店。
     学校のプールで日焼けしたのが昨日、そして今日になって背中が真っ赤になり、痛痒さを訴えているという。
     昔は、プールの周囲には日除けの木が植えてあったりしたもんだけど、いつの頃からか不審者が身を隠しやすく防犯上好ましくないという声が出て無くなってしまったんだよなぁ。(蜂の巣ができるという話もあった)
     児童公園なんかの木々も抜かれて、今頃になって日除けが公園に無いことが問題になったりしてる。
     似たような件だと、地元の住宅街を縦横に流れている幅2メートルほどの用水路を、子供が転落すると危ないからという理由で上を覆い地下水路化しようなんて話が出たことも。
     でも、大規模火災が起きた時に延焼を食い止めるのに必要という意見が出て、実施されずに済んだ。
     目の前の危険性にしか考えが及ばず、長期的かつ多角的な視野を持たないくせに声が大きい人がいると迷惑ですな。
     ……話が逸れた。
     お客様は、『シー・ブリーズ』のような日焼けローションを考えていたみたいだけど、日焼けはヤケドと同じことを説明し、痛痒さが治まるまでは「日焼けケア」ではなく、「ヤケドの治療」をしましょうと勧めた。
     まず塗る物として『桃の葉ローション』と、内服薬として『黄連解毒湯』を紹介。
     すると、化粧品の『カーマインローション』について質問された。
     主成分の酸化亜鉛に鎮痛効果があるとはいえ、『桃の葉ローション』に含まれるグリチルリチン酸二カリウムの方が炎症を抑えるだろうし、アライトンの皮膚修復作用の方が治療効果を期待できるはずである。
     そして、漢方薬は長く飲まないと効果が無いのではと心配されたけど、効能に「口内炎」とあるように、急性症状に効かなければ意味が無い。
     頓服的に使うか、正気的な服用が必要になるかは、使用目標によって変わることを説明した。
     それこそ日差しの強い日には、特別お腹が弱くなければ、持ち歩いて服用するという運用の仕方もある。
     という訳で、『桃の葉ローション』と『黄連解毒湯』をお買い上げ頂いた。

     常連のお客様が訪れ、病院で担当医に『八味地黄丸』が頻尿に効いた気がしないと相談したところ、過活動膀胱に用いる現代薬に切り替わったと知らされた。
     私も、以前にお客様の話を聞いて過活動膀胱ではないかと考え、お客様に可能性をお話した時には、「それはないんじゃないかと思う」と言われたんだけどね。
     まぁ、私たちには病気を診断する職権は無いから。
     それでも、ただ「担当医に相談してみては?」と言うだけでは、お客様からしたら「何を伝えたら良いか」「何を質問したら良いか」が分からないという事もある訳で。
     だから、時には「この病気の可能性を尋ねてみては?」とか「この薬を使えるか相談してみては?」と、具体的な提案をしてみる事がある。
     それを受けて、担当医がどういうリアクションを取るかは読めないんだけど。
     この辺は、現役の医師からの話も聞きたいところ。
     医師と薬剤師と登録販売者に限らず、同じ医療業界とは思えないくらい繋がりが薄いと感じる。
     とてもじゃないけど、医療業界が結託して陰謀を張り巡らせるなんて無理。
     ………また話が逸れちゃった。
     このお客様は以前から手足の冷えを強く感じるとも訴えているので、一緒に処方されているという『当帰芍薬散』ではなく『当帰四逆加呉茱萸生姜湯』を担当医に相談してみるよう伝えており、実際に相談してみたところ「使ったことがないから」と断られたそうな。
     ううむ、慎重な医師なのか?
     お客様の話では、自身でも「漢方薬に詳しくない」と言ってるらしんだけど。
     効能書きだけ見ると、やたらと体を温めるような内容で、お客様は痩せ型だからその点を心配してるんだろうか。
     血流を改善することでストレスを軽減し、水分代謝を整えつつ体を温める『当帰四逆加呉茱萸生姜湯』は、『当帰芍薬散』が合いそうでいながら、効果が今ひとつという時に使う「最後の一手」とでも云うべき物。
     職分を越えて意見もできないし、困ったねどうも。
     お客様が、もう一度相談してみたいというので、私が参考にしている漢方薬の書籍から解説部分を書き写したメモを渡した。
     その医師が、自分で漢方薬に詳しい医師に問い合わせてくれると良いんだけどなぁ。
     医師の間にも、そういうコミュニティーはあるだろうし。

     

  • 何ごとも反復練習が大事です

     やや高齢のお客様から目の痒みと鼻炎の相談を受けたのだけれど、病院で血液をサラサラにするために『アスピリン』が処方されているとのこと。
     そのうえ、他にコレステロール値を下げるための薬も処方されているというのに、そちらの薬は何だか分からなくて、お薬手帳は家に置いてきたそうな。
     なんて、中途半端な情報σ(^◇^;)。
     目の痒みには目薬を使っていたそうなのに、そちらも不明だとか。
     その目薬を他のドラッグストアーで買った時には、処方されている薬と影響しないように、防腐剤の入っていない物を選んだというのだけれど、どういう基準なのか分からない~(>_<)
     防腐剤の悪いイメージは、ワインの防腐剤に昔は鉛が使われていたことから来るのだろうか。
     問題なのは「防腐剤の成分」であって、「防腐剤」なんて大雑把な括りでは無意味なのに。
     よく「無農薬」にこだわってる人がいるけど、そういう人に「水飴」も「農薬」なことを教えると、たいてい驚く。
     ホームセンターに行けば、農薬として水飴が売ってることなんかすぐに確認できるのに、無農薬にこだわっている割には、農薬の種類には無頓着だったりするから意味不明。
     ……話が逸れた。
     とりあえず鼻炎については『葛根湯加川きゅう辛夷』を案内してみたら、主訴は鼻炎よりも目の痒みだというので『十味敗毒湯』を紹介した。
     そして保険の適用薬だから病院でも処方してもらえることを教えたところ、通院している病院は近いことが分かった。
     それでしたら、処方されている薬を確認しないまま市販薬を買うより、安全を優先して市販薬で使って良い物を問い合わせてみてはいかがでしょうと提案した。
     困ったら担当医(あるいは薬剤師)に相談する、という練習が必要だと思います。
     そのため、本日のお買い上げは無し。

     水仕事をしているというお客様から、手荒れの相談を受けた。
     手を見せて頂くと干からびたようになっていたものの、痒みは無いという。
     今までに、尿素の入っている『ケラチナミン』や、『ヘパクリーム』を使って効果が感じられなかったそうなので、保湿しつつ炎症を抑える『アロエ軟膏』と、血流改善からアプローチする『メンタームメディカルクリームG』を案内した。
     ただ気になる点が2つ。
     尿素を使った時には肌がピリピリしたという事と、仕事を終えた直後ではなく、家に帰ってお風呂に入ってから塗っていたという事。
     肌のピリピリについては肌が刺激に弱いと考えられ、お風呂上がりにと考えてしまうのは何度も塗り直す手間を惜しんだからと思われ、この両者は共に治療の妨げになる。
     刺激は避けた方が良いとして、手間を惜しんでいては病気を治すのは、ままならない。
     難病やアトピー性皮膚炎という事でなければ、治すために集中的な努力はして欲しいところ。
     お客様の患部の状態からして、保湿よりも皮膚の再生を促すのが重要だと判断し、『メンタームメディカルクリームG』を試して頂くことにした。
     それと、内服薬として『当帰四逆加呉茱萸生姜湯』を勧めてみたけど、こちらは反応が薄かった。
     血流を良くして温めるから、外用薬よりも重要なのに……。
     まぁ、治療方針をこちらで立てたとしても、選ぶのは患者さん本人だから仕方が無い。
     でも、内服薬を使わないのであれば、別な方法で患部を温めて血流を良くしてもらわなければ、外用薬だけでは力不足というもの。
     そのため、お風呂に入る時には手も湯船に入れ、シャワーを浴びる時には体だけではなく手先にもしっかりと浴びるようお話した。

     

  • 店頭に来てもらうのが一番ではあるものの帰りが心配

     やや高齢のお客様が外用消炎剤の棚の前で迷われていて、漢方薬も手にとっていたので興味が有るのかなと思い声を掛けてみた。
     主訴は腰痛で、家では『フェイタスローション』を使っているものの、あまり効いた感じがしないという。
     病院では『葛根湯』を処方されたらしいのだけど、どうして上半身を温める『葛根湯』が処方されたのかは不明で、やはりというか当然というか効かなかったそう。
     腰の痛みは「鉄板が張り付いたような感じ」で、お風呂に入ると楽になるというお話から、血流が悪くなっている場合に対応する『疎経活血湯』と、温めて水分代謝を改善する『桂枝加苓朮附湯』を紹介した。
     また、病院では「更年期障害でしょう」と言われたそうで、冷えを強く感じるというお話もあったため『当帰四逆加呉茱萸生姜湯』も案内した。
     ただ、近く改めて検査に病院に行くと分かったため、漢方薬の名前と適応症をメモして渡した。
     本日のところは、塗り薬として『インドメタシンローション』を案内して、そちらをお買い上げ頂いた。
     そして、担当医が漢方薬に理解が無い時に備えて、漢方薬に詳しい診療所を紹介した。

     鼻風邪ということで来店したお客様は、熱は計っていないというお話だったけれど、見た目からも顔が赤くて目が虚ろで、家に帰れるのかが心配になるくらいだった。
     主訴は鼻水と咳ということから、『小青龍湯』にアセトアミノフェンとエテンザミドを合わせた『ストナデイタイム』を勧めて、お買い上げ頂いた。
     食欲は有るとの事だったけど、風邪を治すためのエネルギーが欲しくて脳が指示しているだけで、すでに胃腸の機能は低下しているだろうから、消化に良い物にして、量を控えるよう伝えた。
     どうか、無事に家に辿り着いて下さい(;´Д`)ノ~

     

  • 頭脳は大人、態度は子供

     『ベンザブロックL』をレジに持ってきたお客様に症状を尋ねてみると、ご主人が4日ほど前に38度の熱を出し、その時には『ルルアタックEX』を服用したという。
     そして今は、喉の痛みが続き微熱がある模様。
     で、そのご主人本人も一緒に来店してるのに、何故か我関せずで他の棚をウロウロしていて、私が症状を尋ねては奥さんが訊きに行くというのを繰り返し、結局は喉の痛み方とか他に出ている症状は無いのか、疲労感はといった現状を確認できないまま購入して頂くことになった。
     食欲はあるようだというお話だったので奥さんには、食欲は風邪を治すエネルギーが欲しくて脳が指令しているだけで、胃腸の方は疲弊している可能性があるため、食欲に任せて食べさせないようにお話した。
     でも、なんなんだろうね、こういう男性。
     今回だけじゃなくて、結構あるんだよねぇ。
     夫婦で一緒に買物に来ていて、奥さんが薬を買うから患者本人かと思ったら違うっていうパターン。
     症状の受け答えも、本人が答えずに奥さんがするの。
     なんだか、小児科の診察室のような光景……(;´・ω・)

     鼻づまりと喉の痛みを訴えるお客様、熱は無いようで風邪ではない可能性があるが、本人の弁によると「いつも熱は出ないんだ」とのこと。
     上半身を冷やす『銀翹散』を勧めたいところだったけど、お話にあまり時間が取れなそうにセカセカしていて、現代薬を望まれているようでもあったため、『新コンタックかぜEX』を案内して、お買い上げ頂いた。
     事情はあるだろうけど、できれば落ち着いて検討する時間は欲しいところ。

     お客様がレジで絆創膏を購入するさいに、「これ、霜焼けですよね?」と手を差し出してきた。
     見てみると、霜焼けだけではなく薄皮がめくれて血が滲んでおり、化膿しそうに思えたため化膿止めを使うように勧めた。
     また、手が蒼黒くなっていたため、内服薬も検討するようにお話したら、そそくさと帰られてしまった。
     手を見せられた時にはもうお会計は済んでいたものの、売りつけられると思ったのかも……。
     そりゃ確かに、内服薬に『当帰四逆加呉茱萸生姜湯』を紹介したいと思ったけど、保険の適用薬だから病院で処方してもらえることも説明するつもりだったんだがなぁ。
     ハァ、やるせない気持ち(;´д`)=3

     やや高齢のお客様がいらして、指の関節にフェルビナクのパップ剤を使っており、同じ物をと頼まれた。
     『ホームパスFRテープV』を案内したところ、ご主人が病院で処方されている外用消炎剤らしき塗り薬が自宅にあり、併用して良いか尋ねられた。
     しかし、塗り薬の正体が分からないし、消炎剤を塗ったところにパップ剤を貼るのも意味が無いので使わないようにお話して、できれば改めてその薬を持ってきて相談して下さいと伝えた。
     そもそもお客様の病状も、痛風らしいのだけれど、いまいちハッキリしなかった。
     そのまま『ホームパスFRテープV』を売ってしまったものの、なんだか釈然としない。
     陰々鬱々とするのは、自分のメンタルの弱さのせいか(´・ω・`)

     

  • 分かってて使いたい薬を指定されるのならアリだと思うんだけど

     腰痛と膝痛の相談で訪れたお客様から、以前に『ロイヒつぼ膏』でかぶれたことがあり、原因はトウガラシエキスだと思うと言われた。
     えーと、トウガラシエキスは入っていないんですけど……。
     こういう時、お客様の気分を害さずに指摘するのに悩む(;´・ω・)
     頭の中は、言い回しや言い換えをバーッとリストアツプして軽くパニックに。
     いや、まぁ、唐辛子に微量ながらノニル酸ワニリルアミドが含まれているから、まったくの別物とはならないのかもしれんけど。
     主な効果は温感刺激作用なので、かぶれの原因なのは確かだろうし。
     温めると具合は良くなるそうなので、同じ成分で配合量が少ない『温感パッチアスコラル』と、別な成分の『ハリックスほぐリラ温感』を案内してみた。
     すると、湿布の匂いが気になるという話もあったため、一般的に湿布の匂いと思われているのは、サリチル酸系であることを説明した。
     フェルビナクが浸透力に優れていることをお話すると興味を持ったものの、丸いタイプの方が好みとのことで、『温感パッチアスコラル』を購入された。
     また、内服薬として『桂枝加苓朮附湯』と『当帰四逆加呉茱萸生姜湯』を紹介すると興味を示されたので、近くの漢方薬に詳しい病院を勧めたら、主治医だそうな。
     ただ、腰痛と膝痛については整形外科とマッサージに通っていて、その漢方薬に詳しい病院が掲げてる科目が内科のため、話したことが無いという。
     ありゃん(^_^;)
     掲げてる科目は、あくまで得意分野という事だけだったりするし、自分で診れないと思えば他の病院を紹介してくれたりするから、言うだけ言ってみるのが良いですよん。
     それに、病態が意外な疾患と関係あったりするので。
     頻繁に繰り返す腓返(こむらがえ)りの原因が、心臓の血管の塞栓だったとかね。
     症状の関係性を見い出すのが医師の仕事だから、気になる症状は何でも伝えてみて下さいな。

     お客様から風邪ということで相談を受けたけど、鼻づまりの他は目立った風邪の兆候は無い様子。
     以前は『パブロンエース錠』を使っていたらしく、『新ルルAゴールド』との比較を尋ねられた。
     う~ん、鼻炎だけなら余計な物が入っていない鼻炎薬の方が、お勧めなんだけどなぁ。
     お客様としては風邪薬を使いたいらしく、そのうえ使いたい薬の候補も決められているというのは、選択肢が狭すぎて難しい……。
     成分の比較として、『新ルルAゴールド』の方がマシかな、と消極的なスタンスで勧めて、お買い上げ頂いた。
     せめて、『ベンザブロックS』も候補に加えられると良かったんだけど。
     主訴が鼻炎なのに、どうしてそっちに目が行かなかったのか分らない。
     鼻炎と風邪の区別がつきにくい時には、『葛根湯加川きゅう辛夷』も便利なんで、紹介したかった。

     今日はバレンタインデー。
     奥さんからは、例年通り何も無い(・o・)ノ
     次郎はというと、同じクラスの憧れの女の子からはもらえず、次郎曰く「人間ふなっしー」(なんだそりゃ)の女の子からもらったそうな。
     オマエね、好意を示してくれる女の子は大事にしなきゃアカンよ。
     好きな子と相思相愛なんて無いんだからね(´。・ω・。`)
     で、私は女友達から、バレンタインデーに柿の種をもらった。
     なんだよ、柿の種って(笑)
     私がお酒好きだからだそうな。
     晩酌に美味しく頂いた。
     ウマー(´¬`)

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