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  • 総合風邪薬にも「性格の違い」があります

     ご主人の風邪に『パブロンエースAX』が良いか、お客様から尋ねられた。
     厳密には「風邪」という病気は無く、複数の症状を総合して「風邪」と称するので、まずは症状の確認となる。
     総合風邪薬にしも、処方内容を比較していくと「発熱に強い」「鼻炎が得意」「咳に効果的」というように、各製品で性格が違う。
     症状を尋ねると、主訴は鼻水と咳で、鼻水は透明なサラサラということから内臓の冷えと考えられ、咳もそれほどではないという話からは鼻水が喉に落ちて起きるのではないかとも思われる。
     ただ、本人ではないため症状のヒアリングは、これが限界か。
     温めれば、本来は咳には適応しない『葛根湯』でも充分に対応できそうではあるものの、総合風邪薬を希望しているようなので、鼻炎に偏らせつつ咳の面倒も見てくれる『ルルアタックNX』を案内して、お買い上げ頂いた。
     そのうえで、入浴や下半身の厚着で温めるよう伝えた。

     お客様から、1週間以上続いている咳について相談を受け、その前に発熱したりしなかったというので、体内の乾燥を考えてまずは『麦門冬湯』を案内した。
     でも、咳が酷くなる時や楽になる時があるかも確認してみると、外に出たりして寒気を吸うと咳が出ると分かったため、『カンポアズマ』に変更してお買い上げ頂いた。

     『新ルルゴールドDX』を購入されるお客様に、咳や喉の痛みがあるのかを尋ねると、患者は成人の息子さんで、本人は悪寒を訴えているものの他の症状は現れていない模様。
     置き薬にもしようと思って総合風邪薬を選んだらしいのだけれど、悪寒というのは風邪と戦うためにエネルギーを蓄えている段階なので、そのタイミングで風邪薬を投入するというのは、その準備を止めることになる。
     ゆっくり休めるのであれば、それも悪くはないものの、摂取した風邪薬の処理に無駄に体力を使うことになるため、表に現れる症状は抑え込めても、風邪そのものは長引かせてしまうことがある。
     学業なり仕事なりで休めないようなら、むしろ体自身に風邪と直接対決させたほうが良い。
     悪寒の後には発熱があるはずで、発熱によってウイルスの活動を阻害するので、『葛根湯』で温めてみてはと提案した。
     すると、風邪の時にはユンケルが良く効くと聞いたというお話が。
     あれは、効くというより体がビックリするだけだから、その場を乗り切って後は休めるという状況でないと勧めにくい。
     むしろ、発熱後の回復期に後押しするのに使ったほうが良いだろう。
     あと、カフェインが入っている栄養剤は眠りを浅くしてしまう可能性があるので、使うとすればカフェインの入っていない物をとお話した。
     特に、鎮痛剤や風邪薬の中には無水カフェインが入っている物があるため、重複には気をつけてもらいたいところ。
     お客様には『新ヒストミンゴールド液』を紹介し、今回は『葛根湯』をお買い上げ頂いた。
     ちなみに、『葛根湯』で上半身が温まり血流が良くなると、そのまま発熱しないで治ってしまう可能性もある。
     もし発熱に進行したら、『麻黄湯』に乗り換えて熱を発散し、汗が出てくる頃には風邪は回復期に入るので『柴胡桂枝湯』に乗り換えると、立ち直りが早いです( ´∀`)b

     

  • 市販薬はブランド名ではなく主訴に合わせて選びましょう

     『パブロンSα』をレジに持ってきたお客様に症状を確認すると、患者はご主人で、頭痛に「パブロンを」と頼まれてきたそう。
     でも、主訴は頭痛のみで他の症状は無く、普段から偏頭痛があるのだとか。
     だとすれば、咳と鼻炎に適している『パブロンSα』では、あまり意味が無いように思える。
     『パブロンSα』を選んだ理由は、常備薬にもしようと思ったことと、今回もご主人が服用して、いったんは良くなったからだそう。
     頭痛が主訴でもあるので鎮痛剤の使用を勧めたら、『バファリンA』が効かなかったため、ご主人は総合風邪薬をと思ったらしい。
     成分違いの物に乗り換えずに、色々と他の薬が入っている物の方が効きそうと考えたのだろうか。
     確かに、そういう選択も無いとは言えないけど、それならせめて鎮痛効果の高い『ルルアタックEX』とかの方が良いだろう。
     なにより、総合風邪薬のように起きていない症状に対する成分まで入っていると、その無駄になる成分の処理で体の方は疲労してしまう。
     しかし、これが買いに来た本人なら、もう少し詳しくヒアリングできるものの、頼まれて買いに来たケースでは本人の希望を優先するしか無い。
     ただ、本人は『パブロン』という銘柄を指定しているだけで、その銘柄の中での製品の区別はしていないみたいだから、同シリーズの『パブロンエースAX』の方を勧めて、お買い上げ頂くことになった。
     それにしも気になるのは、偏頭痛の方。
     温めて楽になる場合なら『葛根湯』が使えるし、肩こりなどと連動しているようなら血行不良を改善しと筋肉を弛緩させる『釣藤散』が候補になり、もっと明確に高血圧が関係していれば名前が効能でもある『七物降下湯』が効果的、そして意外と知られていないのが胃を悪くして頭痛になるケースで『柴胡桂枝湯』が適応する。
     いずれにしても、頭痛が単独で起こることは無く、何かしら他の病気と連動している可能性もある。
     ご主人は整体には通っていて、「いつものこと」と思っているようでもあるため、「いつものこと」で油断しないようにとお話した。
    「いつものこと」だという事であればこそ、症状が重くなるときと軽くときの記録と、使う薬の選別はしてもらいたいところ。
    「いつもと違う」という時に気づくためには、それまでの積み重ねが必要なので。

     咳止めを買いに来たお客様、1週間ほど続いており、直前に発熱などは無かったそうだけど、喉がイガイガする感じというお話からすると、やはり体内の乾燥が原因かと思い、『麦門冬湯』を案内した。
     でも、タバコの臭いがしたため、気管支の周囲の血流が悪くなって栄養不足になっている可能性をお話して、『ダスモック』(清肺湯)に変更、試して頂くことになった。

     中学生の子供が口内炎ということで相談を受け、強い炎症を抑えるステロイド剤と、軽度の場合の非ステロイド剤の両方を案内した。
     患部は上顎の前歯近くで、それほど痛みは無いものの膨らんでいて、すでに1週間くらい経っているそう。
     ううん、患部が気になって、つい舌で突いちゃたりしてるのかな。
     熱い物を飲んでヤケドしたとかキッカケになるようなことは思い当たらないようだけど、膨らんでいるようだとステロイド剤かなと『ケナログ』を勧めてお買い上げ頂いたけど、病院の受診も検討するよう伝えた。
     『ルゴール液』などで消毒した方が良いか尋ねられたが、それが過剰な刺激になるかもしれず、やめるようにお話した。

     

  • 薬選びはマークシートでは答えが出ない(でも試験はマークシートだった)

     花粉症の薬を求めて来店したお客様、今までに『パブロン鼻炎カプセルSα』などを使っていて、中には合わない物もあったそうなんだけど、その合わなかった物は覚えておらず、「なんでもいい」と注文された。
     一番困るパターンなんだよなぁ(^_^;)
     参考になる情報が無いのに「なんでもいい」というのは、レストランで肉が好みなのか野菜好きなのか、濃い味と薄い味ではどちらが好きかを伝えずに「オススメで」と言われるようなもんで。
     まだ症状が激しく出ていないのでありれば、予防薬でもある『アレジオン』をと紹介してみたところ、今抑えたいとのことで、やはり『パブロン鼻炎カプセルSα』を使って頂くことになった。
     今度は、使用感をメモして成分表示を取っておいてくださいな(・o・)

     『アレグラ』を求めて来店したお客様に、置いていないことを告げたうえで、成分は違うものの作用機序は近く、臨床試験においても優位な差は無かったとされる『アレジオン』を紹介すると、お買い上げ頂いた。
     ただ、『アレジオン』の久光製薬の学術部の人は、差があるとも言ってるんだよねぇ。
     メーカーの学術部の人の説明を、どこまで信じるか難しいところ。
     この辺は、メーカーの社風や研究員の個性にもよるので。
     個人的に信用ならないのがS製薬、信頼しているのがE製薬なんだけど(笑)
     というのも、登録販売者には外部研修を受ける義務があり、その講習では製薬メーカーから講師が派遣される。
     講習では、グループワークによる症例問題があって、私が毎年参加している講習の場合、特定の症例に4つの市販薬から選ぶというのをやらされる。
     で、S製薬の講師が出題するときには、答えを考えるだけ無駄。
     なにしろ、どの問題も正解がS製薬の薬なんだもん。
     複数の問題をやってもそんなだから、しまいにはグループワークで一緒の班になった人たちもシラケちゃって、「どうせコレですよねー(。・ω・)(・ω・。)ネー」ってS製薬の薬を選んで発表。
     当初は、講師から選んだ理由を尋ねられて真面目に答えてたけど、それも馬鹿馬鹿しくなって「効きそうだから」って答えちゃったよ( ´Д`)=3
     それに比べたら、E製薬の講師が出す問題は難しい。
     難しいというか、「この中に、正解は有りません」とかやらかす。
     正確には、一応の正解は提示し、それは必ずしも自社製品とは限らないうえ、回答の候補のなっている薬以外にも、他社製品をポンポン挙げる。
     そして、本来のこのワークグループの狙いである、「お客様へのヒアリング」において、何を聞き出し、どんな情報に注目すべるきかを、次々に指摘されるため、受講するこちらも俄然本気にならざるをえない。
     ………ああ、話が脱線した。
     いずれにしも、『アレグラ』と『アレジオン』は本来は予防薬として使ったほうが効果的なため、花粉症の症状が顕著な場合には他の抗ヒスタミン薬で抑えてから、改めて乗り換えたほうが良い。
     ただし、併用は好ましくないので、その点は注意して下さい。
     あと、花粉症はそもそも免疫反応の異常で、本来は外敵ではない花粉を、ウイルスなどと誤って攻撃することで起きる訳だけど、そのレーダーというか敵味方の識別を担っているのは腸だという説がある。(あくまで仮説)
     そして、その識別は脳に頼らず自動識別となっている。
     この辺は、ウイルスが体内に侵入したり骨折したりしても、まず発熱して体温を上げることで血流を良くしたり免疫力を向上させようとするのと同じ。
     状況によっては患部を冷やした方が良い場合にも、防御機能として自動的に発熱するというのは困るものの、いちいち脳の指示を仰いでいては対応が遅くなったりするからと、物理的に物を冷やすほうが温めるのより難しいからだろう。
     とにかく、敵味方の識別に腸が関与しているので、腸の機能を正常に保つことが、免疫反応をも正常にすると考えられ、そのためには入浴や下半身の厚着などで腸を温めるのが良い。
     というお話を、お客様に伝えた。

     湿布薬を買いにいらしたお客様は、腰痛に使いたいとのことで、特に銘柄は決めていないというため、鎮痛効果と浸透力の違いにより、大きく分けて三段階の物があることを説明した。
     すると、立ち仕事だというお話から、鎮痛効果が少し強めで浸透力もあるフェルビナク製剤を勧め、『ホームパスFRテープV』をお買い上げ頂いた。
     今回は流れ的にお話しなかったけど、立ち仕事であれば『疎経活血湯』も案内したかったな。

     『エスタックイブNT』を購入されるお客様に症状を尋ねると、主訴は鼻水と喉の痛みで、透明な鼻水がツーッと垂れてくるという。
     そのままお買い上げ頂いたけど、風邪ではない可能性もあるため、部屋に暖房が点いてても体の方を積極的に温めるよう勧めた。
     ううむ、あまりお話に応じてもらえなかったから踏み込めなかったけど、もし咳や痰もあるようだったら、『ルルアタックNX』の方が適応するかもなぁ。
     この2つ、どちらも鼻風邪をパッケージで謳ってるけど、処方的には喉まで面倒を見てくれるのは『ルルアタックNX』のはずだから。
     お客様が自身で選べるのが小売業における市販薬の良い所な反面、お客様が選んだ物に疑義を挟むのは難しい。
     しかも、その疑義は臨床面から云えば誤差の範囲かもしれず、体質によって相性もあり、治ると信じれば治ってしまう人間の治癒力も介在するため、正解もまた無い。
     なんとも、鵺と対峙している気分であるε-(´・_・`)

     

  • 置き薬は応用を考えておかないと無駄になりがち

     お客様から、『パブロンSゴールドW』が咳と喉の痛みに使えるか尋ねられたので、喉がメインであれば『パブロンエースAX』か処方がシンプルな『ルルアタックEX』をと勧めた。
     また、発熱などの風邪の兆候が無ければ、鼻炎などの成分も入った風邪薬よりも、喉にターゲットを絞った『駆風解毒湯』の方が体への負担が少ないですよとお話したら、喉は痛いというより乾燥感があるという。
     上半身の乾燥であれば、咳と合わせて考えて『麦門冬湯』の方が良いかもしれません。
     しかし、本日は予算が合わないようで、何も買わずに帰られた。
     しまった~、つい予算のことを忘れてしまう。
     でも、喉の痛みの『ペラックT』じゃ、安くても主訴とも合わないしなぁ……。

     お客様が、ヤケドの薬を求めて来店した。
     でも、「ヤケドの薬」という物は、そもそも存在しない。
     大火傷なら病院に行くべきだし、家庭で対応する範囲の軽度のヤケドでは、患部を流水で30分以上「冷やすこと」と「清潔にすること」だけで、自然治癒に任せるしかない。
     どうしてもとなれば、初期の痛みを軽減するために局所麻酔の入った『メモA』や炎症を抑えるステロイド剤を使い、感染を防ぐための抗生剤の軟膏を使うくらいか。
     あるいは、湿潤療法で『キズパワーパッド』のような絆創膏を使う手もある。
     いずれにしても、自然治癒の補助であり、ヤケドを「治す」訳ではない。
     というような事が、ヤケドの薬を求めてお客様が来ると、つい頭の中でグルグルしてしまう。
     そんな事をひとまず措いて、お客様の要望を訊いてみると、探しているのは『タイガーバーム』だそうな。
     『タイガーバーム』は、輸入代理をしていた会社が国内での取り扱いをやめたはずである。
     そのため、代用品として『メンソレータム軟膏』を紹介した。
     局所麻酔が入っていて、油分で患部を保護するということでは、『タイガーバーム』と変わらない。
     そのうえで、患者が誰なのかと患部の状態を尋ねると、ご主人と成人の娘さんだという。
     二人同時にヤケドしたのかと思ったら、娘さんは今日で、ご主人は日が経っているそう。
     そして、ヤケドの置き薬を欲しいという話になったため、最初のように「ヤケドの薬」という物は無いことを説明し、ステロイド剤のように他の皮膚炎などに使う薬を備えておいて応用する方法をお話したうえで、『クロマイP軟膏』を案内した。
     それから、冬場の手荒れなどにも使える『ワセリン』や『アロエ軟膏』で、炎症が治まった頃に患部を保護する方法を伝えた。
     あと、皮膚の再生を促す『紫雲膏』も紹介したけど、こちらは『タイガーバーム』と同じく服に色移りしてしまうことを説明したら、それは嫌がられた。
     ありゃん、『タイガーバーム』を探しているのなら、色移りは気にしないのかなと思ったんだけどな。
     結局、「考えてみます」とお客様はお帰りになった。
     ううん、ヒアリングで気分を害してしまったかなぁ……。
     今日は、ダメダメだ~(>_<)

     

  • 主観と客観のすり合わせが難しい

     ニキビの薬で迷っている様子のお客様に声を掛けてみたけど、案内は断られた。
     でも、その後も長考されていたため、改めて『ペアアクネクリームW』や『クレアラシル』は赤ニキビのような炎症向きで、『ビフナイト』は角質を柔らかくして皮脂を吸収して治す白ニキビ向きであることをお話した。
     すると、患部は白ニキビであるようだったので『ビフナイト』を考えたのだけれど、お客様の血色からすると血行促進作用のある『クレアラシル』の方が適応するように思われたので、そちらを勧めてお買い上げ頂いた。
     そして、不要な物を回収して皮膚の材料を運ぶのは血液だから、血流を良くするために下半身を温めるよう伝えた。

     やや高齢のお客様が咳止めを買いにいらして、症状を詳しく訊くと、特に夜に布団に入ると咳き込むという。
     まず『五虎湯』を候補に考えたが、随分と長いこと咳が続いており、夜中に激しいものの、それが苦しいという程でもないとのお話。
     ふむぅ、症状は主観とはいえ、ちょっと判断に迷うなぁ。
     長く続いていることからすると、体内が乾燥している可能性があり、それなら『麦門冬湯』の方が適応しそうに思える。
     そうお話すると、乾燥感は思い当たるということで、『麦門冬湯』をお買い上げ頂いた。
     患者さん本人の主観による症状の訴えと、客観的な効能効果を結びつけるのは案外と難しい。

     『のどスプレーポピショット』をレジに持ってきたお客様に、のどスプレーには消毒系と抗炎症系があることを伝えると、そういう違いは知らなかった模様。
     そして症状は、喉が痛むというほどではなく違和感だそう。
     1週間以上続いているということからすると、気管支が乾燥してるんじゃないかと思う。
     だとすれば『麦門冬湯』の出番なんだけど、希望しているのはスプレーのようだから、今回は抗炎症系の物に変更してお買い上げ頂くことになった。
     一応、体内が乾燥してるのかもとお話して、『麦門冬湯』も紹介してみた。

     授乳中の奥さんが、風邪とのことで相談を受けた。
     当初は、38度の発熱で咳は無いというお話から『麻黄湯』を候補に考えたけど、詳しく症状を訊くと、昨夜に下痢をしていて食欲が低下し、だるさを訴えていると分かり、『柴胡桂枝湯』の方を案内した。
     そしてお会計の段になって、嘔吐もあったと分かった。
     どうして、情報を小出しにするの……(^_^;)?
     いや、これは私の聞き取りの技術が未熟でもあるんだけど。
     一時に添付文書にある一回量を服用させると吐いてしまう可能性もあるので、一回量を半分など小分けにして、1日のトータルの服用量を1日の容量と同じになるよう飲ませる方法を伝えた。
     あと、『柴胡桂枝湯』自体は授乳しても子供に問題は無いものの、体力や水分の低下を避けるために授乳を中止することと、下痢と嘔吐がある事からすると、病院の受診も検討するよう付け加えた。

     

  • うがい薬は必要最低限の運用で

     『パブロン鼻炎カプセル』を購入される、やや高齢のお客様に鼻水の状態を確認すると、透明でサラサラとのことだったので、内臓が冷えている可能性を伝えた。
     そして、部屋ではなく体を直接温めることが必要なので、長めの入浴や温かい物を飲食する他に、下半身を厚着するよう勧めた。

     うがい薬を求めて来店したお客様に、現に喉が痛むときには避けるようお話したところ、痛むとの事だった。
     うがい薬は、いわば消毒薬で粘膜を刺激するし、予防としても喉を守る常在菌まで洗い流してしまうから、実のところ勧めにくい。
     職場など人の集まる所で発症者がいるとか、家族が発症しているとか、限定的な運用が望ましい。
     そう説明したうえで、喉が痛むときには、喉の痛み止めを効能とした薬を使うよう勧めると、実際は痛いというところまではいっておらず、違和感がするだけだそう。
     そして、寒気がするというので、それは『葛根湯』が家にあれば適応するタイミングであることを伝えた。
     家にあるという事から、ますばそれを使うよう勧めて、本日は何も買わずにお帰りに。

     閉店作業をしてシャッターを下ろしているところに、お客様が来店して、うがい薬を求められた。
     でも、厚生労働省のインフルエンザの予防方法の項目には、手洗いはあっても、うがいについては無いことと、体を守る常在菌まで洗い流してしまうため、身近な周囲で風邪が流行っているということが無ければ、不要と考えられることを説明した。
     また、喉が痛いとしても、悪寒や頭重感など他の症状が無い場合には、風邪とは限らず、胃炎のケースもあることをお話した。
     今回は、予防にと思って買いにいらしたらしく、特に起きている症状も無いということで、そのままお帰りになられた。

     

  • 総合風邪薬は風邪の予防と予後には使えません

     『新ルルA錠』と『パブロンSゴールドW錠』を持ったお客様から、「風邪の治りかけ」にどちらが良いか尋ねられた。
     当初は中学生の息子さんが体がだるいのと鼻水があるからと、家にあった風邪薬を服用したそうなんだけど、何の銘柄かは覚えていないとのこと。
     ただ、発熱はしておらず、現在は鼻水だけだという。
     鼻水が透明でサラサラなら、内臓が冷えたかアレルギー性のものだと考えられる。
     でも、明日には病院に行かせようと思っているそう。
     う~ん(´ェ`)
     治りかけであれば、病院に行くことで他のウイルスに感染してしまう可能性があるし、症状が治まってきてから起きていない症状に対する薬を飲んでしまうと、かえって疲労してしまうから、今は何もせずに休ませるのが一番かと。
     そう話してみたら、今日は塾に行かせてしまったという。
     休養の大事さは、侮ってはいけない。
     大抵の体調不良は、休むだけで回復するので。
     例えば、仕事が休めないのだとしても、それならそれで他の活動は制限したほうが良い。
     学校に行ったのなら、塾は休ませるくらいしないと。
     できるだけお説教にならないように、言い方に気をつけたつもり。
     それで、塾は補習を受けさせずに迎えに行くということになった。
     また、風邪が娘さんに移ったと思うとのことで、娘さんはすでに病院に連れて行き、薬も処方されているという。
     でも、やっぱり何を処方されたかは覚えていないそう。
     お薬手帳は、出かける時に持ち歩きましょうね(^_^;)
     そして、自分も予防のために最初の2つの薬のうち、どちらかを買いたいと言われた。
     でも現代薬には、風邪の予防の薬も、予後の薬も無いんだよねぇ。
     先にも書いたように、現れていない症状に対する効能の薬を飲んでも、体に負担を掛けるだけ。
     治りかけの息子さんに飲ませるとすれば『柴胡桂枝湯』が適しているし、風邪の予防には家に『葛根湯』があれば、そちらを飲んだ方が良い。
     そう勧めると、『葛根湯』は家にあるとのことで、『柴胡桂枝湯』を買ってお帰りになられた。

     やや高齢の常連のお客様が『新パワーアクトEX』と『パワーアクトゴールドα』を見比べていたので声を掛けてみたところ、眼精疲労の相談を受けた。
     一応は、前者が眼精疲労を含めた上半身の疲労に適していて、後者は下半身から全身の面倒をみる物ですと説明した。
     すると、遠距離をハイキングするのを趣味にされているとのお話。
     足の疲労は腎に影響し、腎機能の低下は眼精疲労と関係するため、腎の働きを助ける『牛車腎気丸』と、筋肉疲労に使える『疎経活血湯』を紹介した。
     自身は、コラーゲンのサプリを摂っているそうで、今日のところは『リキロングゴールド』を購入。

     

  • 誰しも得手不得手というものがありまして

     ご主人が口内炎とのことで、お客様から塗り薬をと注文された。
     炎症が強い場合に用いるステロイド剤と、痛みが弱い場合に用いる非ステロイド剤、それから皮膚の再生に主眼を置いた薬の三種類があることを説明した。
     すると、痛み方といった症状について確認してきていないという。
     うん、まぁ、そうなるかな。
     口内炎の薬の種類なんて、普段は意識しすることは無いだろうし。
     だからこそ、人に薬を頼むときには、せめて「症状の状態」「いつからか」「使った薬があるか」の3つは最低限伝えておいてもらいたいところ。
     今回のお客様は、口の中を噛んだのが原因らしいという話だったからステロイド剤かなと思ったけど、すでに3日ほど経過していると分かったので、非ステロイ剤で抗炎症作用を主体とした『サトウ口内炎軟膏』と、殺菌作用と皮膚の生成を促すことを主目的とした『口内炎軟膏大正A』を紹介し、後者をお買い上げ頂いた。

     鼻風邪に用いる『ルルアタックNX』と『エスタックイブNT』を見比べているお客様に声を掛けてみたら、主訴は鼻水と夜中に咳き込むことだそうで、『NX』の方が咳までカバーしていることを知っている様子。
     ありゃん、薬剤師さんか登録販売者なのかな。
     同業者相手だと墓穴を掘ることがあるから、避けたい(笑)
     『ルルアタックNX』の購入を決められて、よせば良いのに「咳の原因は体内が乾燥してるせいかもしれませんねー(・o・)」とお話したら、予想外だったらしく驚かれた。
     胃炎を起こしたりすると、胃に覆いかぶさってる肺から気管支にかけて乾燥することを知らなかったみたい。
     まぁ、反対に私が知らないことも多いんだろうけど。
     誰しも、得意分野というものがあるので。
     そういう意味では、訪れたドラッグストアーに薬剤師さんや登録販売者が複数いるようであれば、それぞれに相談してみるという手もある。
     失礼なんじゃないかなんて、気にする必要は無い。
     だって、人には得手不得手があるんだもの。
     結局、今回のお客様が医療関係者なのかは分からなかったけど、体内が乾燥している場合は『麦門冬湯』が乗り換え先として候補になることと、消化の良い食事をすることで咳を軽減できる可能性を伝えた。

     若い夫婦が赤ん坊を連れて来店し、奥さんから『ゲンタシン軟膏』を注文された。
     授乳中で、乳首が化膿してしまったため病院から処方されていた同じ物を使っていたものの、使い切ってしまったそう。
     でも、『ゲンタシン軟膏』は市販されていないはずなので、『テラマイシン軟膏』を案内した。
     そのうえで、完治するまでは授乳を控えるようお話したところ、医師からは薬を拭えば授乳しても良いと云われているとのこと。
     まぁ、安全性はそれで大丈夫としても、傷の治りは遅くなるし、完治しないうちにまた傷つくことを繰り返していると、菌の巣になってしまい、授乳とは関係無く化膿しやすくなる可能性がある。
     これが気に障ったのか、それとも病院に行くきになったのか、何も買わずに帰られた。

     やや高齢のお客様が、ヤケドの薬を求めて来店。
     日記でも繰り返し書いてるけど、「ヤケドの薬」なる物は存在しない。
     例えば、『オロナインH軟膏』の効能に書いてあるのは、あくまで患部の消毒ということで、治す訳ではない。
     他にも、『メモA』効能に書いてあったりするが、あれは局所麻酔で痛みを軽減するだけ。
     ヤケドは、初期に流水で30分冷やすことと、雑菌の侵入を防ぎ、ただ皮膚が自然治癒するのを待つしかない。
     今回のお客様は、アンカによる低温ヤケドだそうで、しかも3日ほど経過しているそう。
     あうっ……、何もできることがありません(^_^;)
     しかし、そう直に答えるのも不親切でもあるため、アロエ軟膏などを塗ってガーゼで覆い保水するか、『キズパワーパッド』による湿潤療法を提案した。
     いや、厳密に言ったら日が経ってるから、もう湿潤療法の範囲ではないんだけど。
     ただ、「何かせずにはいられない」の人間である。(遅きに失してるとはいえ)
     何か治療らしいことをして安心させるのもまた、必要なことなんである。
     ということで、『キズパワーパッド』をお買い上げ頂いた。
     ただし、湿潤療法は患部に雑菌の繁殖を招く可能性があるため、適応外での使用は慎重に。

     

  • ちょっとした情報が大切です

     お客様が来店し、ご主人が口内炎で飲み薬を希望しているというため、『トラフル錠』を案内したうえで、スプレータイプの『のどスプレー アズリースロート』を紹介した。
     要するに口内の炎症を抑えるのが基本なので、抗炎症剤のトラネキサム酸やアズレンが入っていれば構わないので。
     炎症が強い場合には、ステロイド剤のほうが良いけど。
     漢方薬では、原因となることが多い神経性胃炎の『半夏瀉心湯』を基本に、炎症が強い場合の『黄連解毒湯』を使う。
     今回の患者さんは、口の中を噛んでしまったのがキッカケらしい。
     それなら神経性胃炎は関係無さそうに思えるが、実は寝ていて筋肉がビクッと動くのと同じように、疲労などによる自律神経の失調で、口の筋肉が動いしてしまった可能性も考えられる。
     だから、ストレスの軽減に努めるよう伝えた。
     今回は、『トラフル錠』をお買い上げ頂いた。

     『インドメタシンローション』と『スキュータムA』を見比べているお客様がいたので声を掛けたところ、打った覚えは無いのに、お尻に青痣ができていて痛むとそう。
     原因は不明なれど急性症状でもあるから、鎮痛効果の高い物のほうが良いかな。
     そう思いながら、鎮痛効果としては『スキュータムA』はサリチル酸で一番弱く、フェルビナク製剤がその上で浸透力もあり、インドメタシン製剤は市販では強い部類であることを説明した。
     すると、当初はお客様本人の話のはずだったのに、鎮痛剤の説明をしているうちに、患者が第三者のような話になった。
     どういうことなのか(^_^;)
     なんだか患者さんの特定をできないまま、鎮痛効果が高くて浸透力もあるジクロフェナクナトリウムの『ボルタレンローション』をお買い上げ頂くことになった。
     でも、1週間ほどして改善しなければ、病院を受診してくださいねと伝えた。
     ああ、打撲の内服薬として『桃核承気湯』を紹介し損なったな。
     まぁ、患者さんを特定できないことには勧めにくいけど。

     やや高齢のお客様から風邪薬をと求められたけど、主訴を確認すると喉の痛みだけで他に症状は無いというため、扁桃腺炎に用いる『駆風解毒湯』を案内した。
     しかし、さらに詳しく症状を訊くと、痛いところまでもいってなくて、喉に違和感を感じる程度だそう。
     ふむぅ、それは体の中が乾燥してるのかもとお話して、『麦門冬湯』を紹介した。
     すると、いつもは喉が痛むときには扁桃腺が腫れて、外側からも分かるほどだと言われた。
     むむっ、それは重要な情報。
     つまり今回は、そうなっていないのだから扁桃腺炎ではないということ。
     そんな訳で、『麦門冬湯』を使って頂くことになった。

     

  • 慎重であることに越したことはなし

     夫婦で来店したお客様、奥さんが風邪とのことで相談を受けたけど、鼻水は透明なサラサラタイプだそうなので、風邪ではなく内臓の冷えか、早い花粉症と考えられることを説明した。
     ご主人が「体のだるさもあるみたい」と言っていたことについては、日中と夜との寒暖差に体がついてこられないのだろう。
     当初は風邪薬を求められたが、総合の風邪薬には解熱剤や咳止めなどの成分も入っているため、敵がいないのに武装して体の中で暴れさせるような事になり、むしろ体へのダメージが大きいことを伝えると、鼻炎への対応に限定することになった。
     とはいえ、鼻水もクシャミも軽いようだから、『小青龍湯』でなくとも『葛根湯』で充分かもしれず、むしろ薬を使わずに入浴や下半身を厚着するだけでも対応できそうではある。
     一応、そうお話して『葛根湯』をお買い上げ頂くことになり、家に置いておくよりも持ち歩いて、出先で寒いと感じたら服用するように勧めた。

     『ルキノンせき止め』をレジに持ってきたお客様から、授乳中に使えるか質問されたので、避けるようにと答えた。
     そのうえで症状を確認すると、主訴の咳は夜中に強く出るらしい。
     ふむぅ、厳密には母乳に麻黄の影響が出が出て子供が興奮して寝付かなくなる可能性があって勧めにくいけど、『五虎湯』が使えそうではある。
     普通は本人の食間(空腹時)に服用するのを、授乳した後に服用するという手はあるし。
     ということを考えていたら、家にあった『葛根湯』を服用したけど良くならなかったと言われた。
     ありゃん(;´Д`)
     上半身を温める『葛根湯』は、咳を悪化させてしまうから駄目ですよぅ。
     家にある物を使いたくなる気持ちは分かるので、営業時間中であれば電話で問い合わせてくださいな。
     ひとまず、授乳後に『五虎湯』を服用する方法を話して、咳が落ち着いた後も喉の違和感が残るようであれば、『麦門冬湯』に乗り換えるよう伝えた。
     すると、お客様は以前に薬剤師さんから、漢方薬も授乳中は避けたほうが良いと言われたそうな。
     じゃあ、なんで『葛根湯』を服用したのかは訊かない(笑)
     いずれにせよ、その薬剤師さんの認識は正しいし、慎重であることは大切ですとお話すると、今回は購入を取りやめて、様子を見ることに決められた。
     そして咳の原因として、胃炎により上から被さっている肺が乾燥している可能性を付け加えたところ思い当たるようだったため、消化に良い食事をするよう勧めた。