誰しも得手不得手というものがありまして

 ご主人がとのことで、お客様から塗り薬をと注文された。
 炎症が強い場合に用いるステロイド剤と、痛みが弱い場合に用いる非ステロイド剤、それから皮膚の再生に主眼を置いた薬の三種類があることを説明した。
 すると、痛み方といった症状について確認してきていないという。
 うん、まぁ、そうなるかな。
 の薬の種類なんて、普段は意識しすることは無いだろうし。
 だからこそ、人に薬を頼むときには、せめて「症状の状態」「いつからか」「使った薬があるか」の3つは最低限伝えておいてもらいたいところ。
 今回のお客様は、口の中を噛んだのが原因らしいという話だったからステロイド剤かなと思ったけど、すでに3日ほど経過していると分かったので、非ステロイ剤で抗炎症作用を主体とした『サトウ口内炎軟膏』と、殺菌作用と皮膚の生成を促すことを主目的とした『口内炎軟膏大正A』を紹介し、後者をお買い上げ頂いた。

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 鼻に用いる『ルルアタックNX』と『エスタックイブNT』を見比べているお客様に声を掛けてみたら、主訴は鼻水と夜中にき込むことだそうで、『NX』の方がまでカバーしていることを知っている様子。
 ありゃん、薬剤師さんか登録販売者なのかな。
 同業者相手だと墓穴を掘ることがあるから、避けたい(笑)
 『ルルアタックNX』の購入を決められて、よせば良いのに「の原因は体内がしてるせいかもしれませんねー(・o・)」とお話したら、予想外だったらしく驚かれた。
 胃炎を起こしたりすると、胃に覆いかぶさってる肺から気管支にかけてすることを知らなかったみたい。
 まぁ、反対に私が知らないことも多いんだろうけど。
 誰しも、得意分野というものがあるので。
 そういう意味では、訪れたドラッグストアーに薬剤師さんや登録販売者が複数いるようであれば、それぞれに相談してみるという手もある。
 失礼なんじゃないかなんて、気にする必要は無い。
 だって、人には得手不得手があるんだもの。
 結局、今回のお客様が医療関係者なのかは分からなかったけど、体内がしている場合は『麦門冬湯』が乗り換え先として候補になることと、消化の良い食事をすることでを軽減できる可能性を伝えた。

 若い夫婦が赤ん坊を連れて来店し、奥さんから『ゲンタシン軟膏』を注文された。
 授乳中で、乳首が化膿してしまったため病院から処方されていた同じ物を使っていたものの、使い切ってしまったそう。
 でも、『ゲンタシン軟膏』は市販されていないはずなので、『テラマイシン軟膏』を案内した。
 そのうえで、完治するまでは授乳を控えるようお話したところ、医師からは薬を拭えば授乳しても良いと云われているとのこと。
 まぁ、安全性はそれで大丈夫としても、傷の治りは遅くなるし、完治しないうちにまた傷つくことを繰り返していると、菌の巣になってしまい、授乳とは関係無く化膿しやすくなる可能性がある。
 これが気に障ったのか、それとも病院に行くきになったのか、何も買わずに帰られた。

 やや高齢のお客様が、ヤケドの薬を求めて来店。
 日記でも繰り返し書いてるけど、「ヤケドの薬」なる物は存在しない。
 例えば、『オロナインH軟膏』の効能に書いてあるのは、あくまで患部の消毒ということで、治す訳ではない。
 他にも、『メモA』効能に書いてあったりするが、あれは局所麻酔で痛みを軽減するだけ。
 ヤケドは、初期に流水で30分冷やすことと、雑菌の侵入を防ぎ、ただ皮膚が自然治癒するのを待つしかない。
 今回のお客様は、アンカによる低温ヤケドだそうで、しかも3日ほど経過しているそう。
 あうっ……、何もできることがありません(^_^;)
 しかし、そう直に答えるのも不親切でもあるため、アロエ軟膏などを塗ってガーゼで覆い保水するか、『キズパワーパッド』による湿潤療法を提案した。
 いや、厳密に言ったら日が経ってるから、もう湿潤療法の範囲ではないんだけど。
 ただ、「何かせずにはいられない」の人間である。(遅きに失してるとはいえ)
 何か治療らしいことをして安心させるのもまた、必要なことなんである。
 ということで、『キズパワーパッド』をお買い上げ頂いた。
 ただし、湿潤療法は患部に雑菌の繁殖を招く可能性があるため、適応外での使用は慎重に。

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