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  • 親馬鹿と馬鹿親は似てるようで違う

     お客様から、サプリメントの『ブルーベリー』に何かを加えたものの中で、どれが良く効くかと質問された。
     いやぁ、難しいなぁ。
     そもそも、サプリメントで「効く」とは言えないし。
     改めて関連製品を眺めてみると、アサイーやDHAなんかが入ってるのね。
     アサイーは抗酸化作用のあるポリフェノールが豊富らしいけど、ブルーベリーにも含まれてる訳だから、より濃くなるという理解で良いのかな。
     老化を抑えるためとか?
     DHAは、細胞膜に取り込まれると固まりにくい性質があるそうで、それで血流を良くする効果を狙うのかね。
     メーカーも、色々と考えていますな。
     私はこういう時、「自分があまり摂らない栄養」を選択するように勧めているので、今回はアスタキサンチン入りの物を案内した。
     アサイーはブルーベリーと成分が被るし、DHAは魚介類を何かしら食べれば摂れるのに比べれば、天然の赤い色素で鮭や海老を食べる機会のほうが少ないかなと。
     ちなみにアスタキサンチンも資料を読むと、抗酸化作用に血液サラサラとか書いてあり、眼精疲労の回復が期待できる……らしい。
     という、あくまで「世間話」をして『ルテイブルーベリー&アスタキサンチン』をお買い上げ頂いた。

     3日ほど前に熱が出てから喉の痛みが取れないと、お客様から相談を受けた。
     そして、痰が絡み鼻水も出る模様。
     主訴や経過を、ちゃんと伝えてもらえると助かる。
     これが当たり前になると、良いんだけどねぇ。
     鼻水は少しで色は無いようなので、熱が下がっているのであれば風邪薬を継続するより、喉の痛みに特化したほうが良いでしょうとお話して、『駆風解毒湯』を案内した。
     また、痰が絡むのが喉の痛みより気になるようなら、上半身に水分を集めて痰をサラサラにする『麦門冬湯』をと、候補に加えた。
     すると、あとは自分で選ぶというので私はレジに戻って事務作業をしていたら、『駆風解毒湯』を手に持ったのを見かけたんだけど、そのまま日用品のコーナーへ移動していった。
     いつ戻ってきても良いようにレジで待機していたら、お客様が小走りで戻ってきたものの、『駆風解毒湯』を元の棚に戻して帰っていかれた。
     日用品がすでにレジ袋に入っていたから、他のレジで医薬品のお会計ができないため、購入するのを中止されたか……。
     ううん、一応は医薬品のコーナーには専用レジでしかお会計できないことは掲示してあるんだけどねぇ。
     いつもなら薬の案内をしたら、そのまま専用レジに誘導しているので、うっかり説明を忘れたのがイカンのだけど。
     でも今回は、それにしても珍しいパターンだ。
     専用レジ以外でお会計できないことを知ると大抵のお客様は、怒ったり面倒臭がって、そのまま医薬品を置いて帰られて、あとで一般レジのパートさんが持ってくる。
     わざわざ店に戻しに来たのに買わなかったというのは、どういう心理ゆえなのか。

     小学校低学年の男の子を連れたお客様から、『ロートこどもソフト』と『ロートアルガードこどもクリア』の比較を質問された。
     成分からすると、痒みや炎症で本人が目をこすってしまうくらいなら、後者の方が適応することを説明すると、現に痒みがある訳ではなく、プールから上がった時に使うというので、『ロートこどもソフト』を購入して頂くことになった。
     このやりとりの最中、子供の方は『妖怪ウォッチ』のパッケージの『ロートこどもソフト』を欲しがっていたから、結果として良かった(´∀`)
     むしろ感心したのは、ちゃんと親がパッケージに流されずに内容の確認をされたこと。
     いるんですよ、薬を買うのに子供に選ばせる親が。
     パッケージに『アンパンマン』とかのキャラクターが印刷されている、子供用の風邪薬と鼻炎薬と咳止め薬が並んでいて、「どれがイイ?」って子供に尋ねるの。
     いやいやいやいやいや、症状で選びましょうよ。
     お菓子を買ってあげるんじゃないんだから(;´Д`)
     そこで慌てて声を掛けて、症状を確認し適応しそうな物を案内するも、最終的に「子供がコレがイイって言うから」と、症状と合わない薬を買っていくなんてことが何度も……orz

     

  • 「初めての共同作業」と言うと何か違う(笑)

     疲れ目の目薬を求めて来店したお客様に例によって、価格と効き目に必ずしも関係性が無いことを説明し、これまた例によってスマホの見過ぎというお話があったため、まずは『ロートデジアイ』と『サンテPC』を案内した。
     それと、体の内側からも症状を緩和することを提案し、『Q&P iPLUS』を紹介したところ、『ロートデジアイ』と一緒に購入してもらえた。
     お客様は赤ん坊連れで、実行するのは難しいかなと思ったけど、養生としてお風呂に長く入浴して下半身を温めるよう勧めた。
     やはり、それは難しいようだったため、熱いお湯に浸したタオルを閉じた目に当てて眼の周囲の血行を助ける方法を提案し、『めぐりズム蒸気でホットアイマスク』シリーズを紹介しておいた。
     私としては商売関係無く案内したつもりだけど、こういうのも「売り込み」と思われちゃうかな?

     成人の息子さんが風邪をひいたとのことで、お客様が来店した。
     発症したのは今日で、直近に計った体温が38.5度だったということの他には、目立った症状は無いというお話。
     明後日から出張の予定と聞いたので、出ていない症状に対応する余計な成分での疲労を避けるために、発熱に特化した『ルルアタックFX』を勧めた。
     ところが、当初は発熱以外に症状は無いというお話だったのが、すでに食欲が落ちていると分かった。
     ありゃん(;´・ω・)
     答えを急ぎすぎたか。
     ヒアリング不足でした。
     そういう事でしたら、出張も控えていることですし、変則ですが風邪の後期に用いる『柴胡桂枝湯』を併用してみましょうと提案し、両方をお買い上げ頂いた。
     そうそう、『柴胡桂枝湯』は名前が効能を表していて、柴胡が肝臓を助け、桂枝が胃を助けます。
     風邪でダメージを受けるのは、ウイルスが直接進入する胃と、体の代謝機能を司る肝臓なので、ここを下支えすることで風邪と戦う戦闘力を上げます。
     というお話を、本人にも伝えてください。
     風邪を治すのには、思い込みも必要なので(・∀・)

     『のどスプレー』を求めて来店したお客様に、患部の炎症を抑える物としてアズレン系を勧めつつ、詳しく症状を尋ねると発症したのは昨日からで、喉の奥が痛むという。
     喉の奥が痛むのって、実のところ判断が難しいんだよねぇ。
     患者さんやその家族の中には風邪と決めつけてしまう人が少なくないけど、ウイルスの侵入による炎症もあれば、花粉症などのように異物に対するアレルギー反応もあるし、体内の乾燥を痛みと感じることもあり、自覚の無い胃炎や逆流性食道炎が喉の痛みに繋がっている事もある。
     それらは店頭で診断できるものではないし、また登録販売者や薬剤師にも法的に診断することは認められていない。
     だから、症状や環境などをヒアリングし、起きていることの可能性を患者さんに提示して、適応する薬の候補を挙げながら、最終的には患者さんか家族といった購入者に決定してもらわなければならない。
     つまりそのためには、自分の思い込みだけで決めつけてしまうお客様では困るし、こちらの勧める物にハイハイと従うだけのお客様でも困る。
     酷なようではあるけれど、自分の体を治すのは自分だということを自覚して、自分で自分に責任を持ってもらえないと、規制緩和で手軽に薬を買えるようになったことに意味が無くなってしまう。
     病気を治すのは、いわば患者さんと医療関係者の共同作業なわけで、それをほとんど初顔合わせでやらなければならないのだから、手軽さに反して難しいということをもっと多くの人に知ってもらいたい。
     例えば、何か料理を作るために材料を買う時に、予め調理方法を知っているのでなければ、レシピを全く調べないということは無いだろう。
     スーパーの店頭で店員に調理の仕方を尋ねるというのはあまりしないと思うけど、それは自分でネットや本で調べたり、詳しい人に聞くからのはず。
     ところが薬を買う人の多くはパッケージを眺めはしても、その成分がそれぞれどういう目的で配合されているのかとかは調べない。
     これはおそらくパッケージ化されているから、レトルト食品を買う感覚に近いのだろうと思う。
     もうそれで完成品だから、自分で手を加えるとか使い方を考える必要が無い。
     確かに、「薬は用法用量を守る」のが重要ではあるのだけれど、実のところ使用の際には「食後30分以内に」とか「1日3回」を守っているとは言い難いのではないか。
     でもそれは、要するに「どうして食後30分以内になっているのか」とか「なんで1日3回なのか」については調べないし、考えないからというのと同じ。
     レトルト食品を温める際に、「500Wで××分」とか「熱湯で○○分」と指定されている根拠を考えないのと似ているかもしれない。
     でも、「ちょっと冷めててもいいや」とか「加熱しすぎて少しくらい不味くなっても構わない」と同レベルに、自分の体のことを考えてるのだとしたら、やっぱり変だ。
     だって、苦しいのは自分、あるいは家族、もしくは友人知人なのだから。
     市販の薬は、パッケージ化されたレトルト食品と同じように見えるかもしれない。
     でも、薬は食べ物じゃない。
     薬はどちらかと言うと、道具に近い物なんである。
     何かの道具を使いこなすには、知識が必要で、反復練習も欠かせない。
     だけど、病気になることは趣味には成り得ないし、当然ながら実益も無い。
     積極的に調べるには「怖い」以外の動機は考えにくく、好きでもないことを調べるのはやはり苦痛だろうし、練習なんかしようがない。
     となれば、詳しい人に補助してもらうのが、どんな分野でも当たり前だと思うのだけど、どうか?
     ……と、長々と引っ張ってきたのは、今回のお客様に『駆風解毒湯』と『ペラックT』を案内したところ、実は血痰が出て、血の色が鮮やかじゃないという話をされたことに衝撃を受けたから。
     いや、私の考え過ぎなのかもしれないんですが。
     吐血する場合や、血便が出る場合、血の色が鮮やかなら比較的出入口に近い部分の傷からの出血なので心配が少ないものの、色が赤黒かったりすると奥の方で出血しているケースが疑われ、外科的な治療が必要となる可能性さえある。
     もっとも、血痰自体は気管支炎や花粉症でも起きるため大袈裟に考える必要は無いとは云えるけど、重大な病気に気づく手掛かりにもなるから油断はできない。
     近年では患者数が減り、死の病ではなくなったとはいえ発症すれば隔離が必要な、結核という事だってありえる。
     少なくとも、『のどスプレー』で対処しようと考えるほど軽い症状ではないため、病院の受診を勧めた。
     まぁ、さすがにここまで患者さんを脅すような言い方はせずに、どこか傷ついているかもしれず、悪化すると治るのに時間が掛かるから、むしろ早めに回復するためにとお話して、お客様も納得した様子で帰られた。
     でも、言いたいことが溜まってしまったので吐き出した次第σ(^◇^;)。

     

  • 選択肢が多すぎても大変?

     男性のお客様から、顔の肌荒れの相談を受けた。
     頬の周辺が、白く乾燥したみたいになっているものの、痒みは無いとのこと。
     季節的に毎年なるようで、今回は草野球で日焼けをしたらしく、その後にタオルで強く拭いてからなったらしい。
     日焼けでダメージを受けたところに、追加ダメージを与えたのがマズかったんじゃないかな(^_^;)?
     痒みが無い点から、『ヘパローション』と『ロコベースリペアミルク』を案内しつつ、体の中からのケアとして『チョコラBBプラス』や『ビューティーアクトBBプラス』など内服薬の併用を勧めた。
     肌に赤味が残っていれば、『黄連解毒湯』も案内するところだけど、今回は該当しないから話題にも出さず。
     あまり一時にあれやこれやと薬を並べると、選択肢が無駄に増えてお客様が話を聞くのに負担になるかもと思って。
     今回は、『チョコラBBプラス』だけを購入される事になったため、効果を上げるためには成分を体に行き渡らせるのに血流が大事なことをお話して、20分以上の半身浴を提案した。
     また、洗顔をしっかりやっているという話が出たため、むしろそれで皮膚のバリヤーとなる皮脂を落とし過ぎているのが原因の可能性を説明し、洗顔フォームを良く泡立てて、指が顔に触れないくらいに軽く撫でるだけの洗顔方法を教えた。

     喉の痛みの相談で、お客様がいらした。
     症状は昨日からで、頭痛や悪寒といった風邪の兆候は無い模様。
     そういう時には、風邪薬よりも喉の痛みをピンポイントで抑えた方が疲れなくて済むことを説明して、患部を冷やす『駆風解毒湯』と患部の熱を発散する『ペラックT』を案内した。
     でも、予算面で千円以下にしたいような要望を受けたため、炎症を抑えるアズレン系のトローチで『パブロントローチAZ』と『マードレトローチ』を紹介した。
     すると、症状を詳しく確認した際に、ツバを飲むのも痛いというお話があり、改めて『駆風解毒湯』を勧めると、お買い上げ頂けた。
     また、患部は喉の奥のようだったから、自覚症状の無い胃炎を起こしている可能性をお話して、食事は消化に良い物にして量を控えるように伝えた。
     一概には言えないけど、喉の手前が痛むなら外部からのウイルスや汚染物の侵入を防ぐために炎症を起こしていて、喉の奥が痛む場合には逆流性食道炎か胃炎を、脳からは人体構造の正確な位置なんて分からないため、喉の痛みと誤認しているというケースがあるので。
     そして、ウイルスが原因でも喉と胃は繋がっているから胃に優しい食事にした方が、胃の機能低下を防ぎ早い回復を期待できる。

     

  • 日焼けした肌の痛みを治す飲み薬って!?

     小学生の子供の引っ掻き傷に使いたいとのことで、お客様から『キズパワーパッド』の種別と使い方について質問された。
     ところが、製品の説明をしつつ傷の状態を確認したら、虫刺されで患部を掻き崩しているというのが分かった。
     そこで、虫刺されの痒み止めよりもステロイド剤をと案内すると、以前に子供に病院で処方されたステロイド剤が未開封で残っているそうな。
     それでしたら、ステロイド剤を普通の絆創膏に塗って使い、痒みが落ち着いてから傷口の回復に『キズパワーパッド』を使う方が良いですよと提案した。
     ちなみに、『キズパワーパッド』は湿潤療法で患部を治すため、傷薬のたぐいは併用してはいけない。
     それと、虫刺されで怖いのは痒みとかより何より、虫が運んでくる病原菌の感染なので、虫除けが重要ですとお話した。
     すると、子供はアトピー性皮膚炎だとのこと。
     必ずしもディードを避けなければならない訳ではないけれど(私自身アレルギー性皮膚炎を患っていたが、ディードを使っていて問題は無かった)、心配な気持ちは分かるので、『ユーカノン虫除けウェットティッシュ』を案内して、それのみをお買い上げ頂いた。

     日焼けケアのローションをと来店した女性のお客様、見るからに顔も二の腕も真っ赤で、それはもはやヤケドの域だった。
     日焼けをヤケドと認識していない人は、結構いる。
     お客様は、『SEABREEZE(シーブリーズ)』のような物を考えていたみたいだけど、これはもうヤケドと同じですから炎症を抑えないと駄目ですとお話した。
     昨年はこれで、「薬が欲しいわけじゃない!!」と怒って帰られてしまうケースもあり、私としては「ドラッグストアーに来ておいて、薬が欲しいわけじゃない」というのが理解できなかった。
     後で、登録販売者のSNSで質問したら、「ボディローションが欲しかったんじゃないですか?」と諭されて、やっと理解した次第。
     世の中には、「薬以外で症状を治したい人がいるんだ」という新鮮な驚きと共に、そういうリクエストにも応えなきゃならないんだなぁと、この仕事の難しさを痛感したもんである。
     しかし同時に、「自分の方針というものも持たなければ駄目だ」と思うようにもなってきた。
     それはつまり、「お客様の要望に応えることだけが、お客様のためになる訳でもない」ということ。
     だって、この仕事のお客様は同時に患者さんでもあるので。
     まぁ、こちらも人間なので、怒られるのは嫌だし、怒鳴られるのは小心者で苦手だから、そういうお客様には要望の物を案内して放置したいところ(o ̄∇ ̄)o
     とはいえ、職務を全く果たさない訳にもいかないため、一応は説明したり提案はする。
     ただ、引き際はだいぶ早くなったと思う(笑)
    「この人は話を聞が気が無いな」と悟ったら、怒られる前にサッと引くε≡≡ヘ( ´Д`)ノ
     で、今回のお客様は実際に肌がピリピリ痛むそうで、「日焼け=ヤケド」と理解して頂けて、抗炎症成分の入っている『桃の葉ローション』を案内すると、そのまま購入された。
     それと内服薬として、『黄連解毒湯』という体の中も外も炎症を抑える漢方薬を紹介した。
     興味は持ってもらえたようだけど、本日のところは『桃の葉ローション』のみをお使い頂くことに。
     まぁ、これは仕方がない。
     そもそも日焼けをヤケドと思わない人が多いのだから、日焼けを飲み薬で治すなんて、それこそ「知らない世界」であろう。
     外でのスポーツなどをする人は、暑気あたりを防ぐ『五苓散』と一緒に、『黄連解毒湯』も常備しておくと夏を乗り切るのに良いと思われます。
     注意点としては、『黄連解毒湯』の生薬構成は極めてシンプルで、冷やす物に冷やす物と冷やす物が三重に入っているため、ものすごく虚弱体質であるとか、胃腸が弱い人や痩せ型の人は、お腹を下す可能性があること。
     一応は、下痢を抑制する黄柏(オウバク)も入っているから、そこまで心配はいらないはずだけど、そういう人が初めて服用する時には、規定の容量より少なめから服用した方が良いかも。
     心配な場合は、『七物降下湯』で代用して下さい。
     使用目標に「高血圧」とありますが、日焼けでの熱を下げるのが目的なため、その点は気にせず。
     虚弱な人の、のぼせ症状を下ろすのが効能だから、それを転じて日焼けの熱を下ろすのに使おうという事なので。

     『カコナール』を購入されるお客様に、発熱後は他の漢方薬への乗り換えを検討することと、夏風邪には向かないことを伝えた。
     余計なことかもしれないけど、「風邪には葛根湯」が世間に浸透しすぎて、特に胃腸に来る夏風邪にも使うようなことがあると不都合があるので。
     昨日今日と『葛根湯』を求めるお客様が続いてるのは、先日の雨で冷えたからだろうけど。
     それだけに、梅雨が明けて一気に暑くなると今度は暑気あたりで食欲を落とし、夏風邪の人が増えるはず。
     その時にまた、何も確認せずに『葛根湯』を夏風邪にと買われると困る。
     もちろん患者さんも困るだろうけど、せっかく夏風邪向けに『柴胡桂枝湯』『かっ香正気散』を多めに発注した私が困るヽ( ´ー`)ノ

     

  • 夏の風邪に葛根湯を使うのは気をつけて

     疲れ目の相談で、お客様が来店。
     疲れ目の目薬は、何しろ商品点数が多いので、まず価格と効き目に直接的な関係は無いことを説明した。
     例えば、安い物は処方が古くて開発費を回収済みなのに対して、新製品は成分的には珍しくなくても新しい組み合わせの場合だと改めて治験をしなければならず、それだけで数十億円が掛かったりする。
     だから選ぶ際の考え方として、古い処方のほうが安全性が高いと考えて安い物から試して段階的に高い物へ乗り換えていくとか、反対に最初に新開発の物を体感してみるというのは、好みみたいなもんである。
     原因として思い当たることがあるか尋ねたら、スマホの見過ぎとのことから、『サンテPC』と『ロートデジアイ』を案内した。
     どちらも、デジタル系の目の疲労という顔をしたパッケージだけど、中身はなんのことはない、ごく標準的な疲れ目対策の内容。
     でもまぁ、種類を絞ったほうが選びやすいかなと(笑)
     一応は、同じような角膜の保護と細胞の修復の成分に、『サンテPC』の方が炎症を抑える処方を加えてあるかなくらいの違いはあるけど。
     以前に「シンプルな処方を」とリクエストされたお客様は『ロートデジアイ』を選んだけど、今回のお客様は『サンテPC』を購入された。
     いずれにしても、成分表示は取っておくように伝えた。
     よくあるパターンが、「今度はコッチを試してみよう」と選んだ物が、実は同じ処方内容です、なので。

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     『カコナールはちみつジンジャー』を購入されたお客様に、『葛根湯』は発熱したら他の物への乗り換えを検討するよう伝えたところ、他の物を知らなかった模様。
     そうだよねぇ、「風邪には葛根湯」のフレーズが突出して有名になってしまったもんねぇ。
     発熱したら『麻黄湯』に乗り換えて熱を発散して、発熱で汗をかき始めたら『柴胡桂枝湯』に乗り換えて体力の低下を防ぐことで、風邪を比較的短期間に済ませて、なおかつぶり返しを回避することができる。
     よくあるのが、発熱から解熱まで『葛根湯』で通して、『葛根湯』は上半身を温めるから体内が乾燥してしまい咳となり、咳が出ているのを「まだ風邪が治っていない」と思って、なお『葛根湯』を飲み続けるというパターン。
     そういう時には、上半身を潤す咳止めの『麦門冬湯』に乗り換えると良いんだけど、これもあまり知られていない。
     あと、これからの季節、『葛根湯』は胃腸を悪くする夏風邪には向かないので、その点にも注意が必要。
     先にも書いたように、上半身を温めるのが『葛根湯』の働きのため、気温が高い季節には余計に頭が痛くなったりボウッとしてしまうし、なにより胃を傷めてしまい、夏バテや暑気あたりを起こしていたりすると、なおさら風邪を悪化させてしまう。
     使うとすれば、雨に濡れて体が冷えたとか、冷房の効いた屋内で過ごしていて鼻風邪をひいたというような時だろう。
     夏場の風邪には、胃と肝臓の働きを助ける『柴胡桂枝湯』か、胃腸の風邪に使う『かっ香正気散』が最適なのでお忘れなく(・o・)

     

  • 敵がいるのに自分の武装解除したら占領されますよ?

     成人の息子さんが風邪をひいたとのことで、お客様から「風邪薬と一緒に飲める栄養ドリンクを」と注文された。
     しかし肝心の服用した風邪薬は不明で、発症してから3日ほど経っており、現在は微熱と咳だという。
     風邪の初期だと栄養ドリンクを体内で処理するのに余計な負担が掛かってしまうから、飲むタイミングとしては悪くない。
     ただ、微熱というのは本人の体感らしく、計ってはいないそうな。
     食欲はあるそうだけど、それは脳がエネルギーを欲しているだけなのか、胃腸がちゃんと働いてるうえでの事なのか、判断がしづらい。
     ふむぅ、本人が頼んだのか、親が何かしてあげたくて買いに来たのかでも、勧める物が変わってくるしなぁ。
     本人が頼んだ場合は、ひとまず注文通りの物を提示しつつ養生法の情報を提供するし、頼まれた訳ではないのなら該当品を幾つか提示しても最終的に何も売らないという選択肢もある。
     情報不足のまま売って、「それが当たり前」のように思われても困るので、できれば薬を買う時には「現在の症状の把握」「症状の経過」「使用した薬の内容」の三点セットが必要だということを理解して次回に活かしてもらいたいところ。
     とりあえず、食欲があるようであれば風邪を治すのに必ずしも栄養ドリンクは必要ではないことを説明したうえで、咳に対応できて胃にも優しく、奮い立たせるというよりは労(いたわ)る『新ヒストミンゴールド液』を案内した。
     そして、現在の咳は風邪薬の副作用か発熱によって体内が乾燥しているのが原因の可能性をお話して、『麦門冬湯』を紹介した。
     結局のところ、本人に頼まれた訳ではない様子で、本日のところはお買い上げは無し。
     食欲については、内臓は疲れているかもしれないので、食欲に任せて食べないように伝えて下さいとお話した。

     一方、成人の息子さんからメールで薬を頼まれたというお客様が来店。
     主訴は、喉の痛みと鼻水と咳だという。
     ただ、主訴の苦しさの順位づけは不明のようだった。
     まぁ、たぶん無意識に一番最初に一番苦しい症状を挙げるだろうけど。
     人に薬を頼む時には、その辺も覚えておいてくれると助かります。
     特に風邪の場合、そもそも風邪というものが定義が曖昧で、呼吸器系の炎症などを総じて『風邪症候群』と呼ぶものの、あくまで「病状」のことで特定の「疾患」の名前ではない。
     だから風邪薬においても、解熱と鼻炎抑制と咳止めと去痰といった総合的な物は、的を狙わずに全方位に攻撃するようなもので、体に余計に負担を掛けてエネルギーを消耗させ、表立った症状は軽減しても、病状としては長引かせてしまう事がある。
     それよりは、狙いを定めて症状に対して各個撃破していった方が効率が良く、一番苦しい症状を潰すと随伴症状も一緒に軽減したりする。
     患者さんの望むことが、「早く治ること」であるならば、主訴の順位づけは重要なのだ。
     風邪を引いている事を「早く感じなくすること」なら、感じ方が弱まれば良いだけなので、長引いても構わないのかもしれないけど。
     総合かぜ薬で特に問題なのは、炎症を起こしてるということは熱を出すことでウイルスを倒したり、鼻水や咳でウイルスを排出しようと体が戦ってる状態のところへ、別な軍隊が割り込んできて武装解除させるようなもんなので、本当に体を休めて体力の温存に務めないと、敵のウイルスは依然として元気なまま体に留まり悪化させてしまう事がある。
     子供の場合なら、いざとなれば学校を休むとか出来るだろうけど、成人の場合は仕事があるからと無理してしまい、なお悪いことに、薬による症状の軽減を治ったものと錯覚する可能性が高い。
     最悪の場合は、肺炎に一直線である。
     だから、本人であれば体を休められるかどうかを確認して、休めないようなら体力を温存するためにも総合ではなく症状別の風邪薬を案内している。
     今回の場合は、ひとまず土日で休めるみたいだったけれど、同時にこの二日間で治したいというお話だったため、喉の痛みを主訴の一番手とした『パブロンエースAX』と、鼻炎を主訴とした場合の『ベンザブロックSプラス』を候補にしたところ、前者を購入された。
     鼻炎が、鼻水なのか鼻づまりなのか分からなかったから候補にしなかったけど、鼻水が無くて喉の痛みが主訴であれば、眠くなりにくい物として『銀翹散』をと紹介だけしておいた。
     これは、2日間で治らなかった場合の予防線。

     

  • 今すぐ家に有る薬を写真に撮ってみましょう

     鼻水の相談で来店したお客様が、発熱しそうとも言っていたので『葛根湯』を勧めたのだけれど、漢方薬は甘草が入っているから駄目だとのこと。
     確かに、甘草の副作用で低カリウム血症を起こす人もいるため、その場合には使えない。
     しかも甘草は、必ずしも炎症を抑えるというような効能での目的ではなく、各生薬の効果を高めるためや、水と油を混ぜるためにエタノールを入れて乳化させるように各生薬の結びつきを強めるために配合されていたりするので、多くの漢方薬に基材のごとく含まれている。
     この点については、本当に入っていなければならないのか、今後の研究を待ちたいところ。
     まぁ、そういう訳なので代わりに熱風邪に適応する『ルルアタックFX』を案内してみたら、お客様は『パブロンエース』を選ばれて購入された。
     家族で使うからとのことで、「総合かぜ薬」ということを重視したのだろう。
     ただ、家族間でも年齢や体質の違い、仕事や学校での環境の違いがあるから、使い分けが必要なケースがあることをお話すると、「大丈夫」というお返事。
     何が「大丈夫」なのか、よく分らないけど(・_・;)
     お客様自身は「自身の選択」としてそれで良いとしても、家族の方はどうなんだろう。
     それとも、あまり考えないかな?
     今までの経験から言って、旦那さんとか男性は夫婦や彼女と自分の病状のことで薬を買いに来ても我関せずだったり、子供は親の選んだ物を選択するしかなかったりで、個人的にはすごく心配なんですが。

     『プチキンカン』と『ヒドランパッチ』をレジに持ってきたお客様に、『キンカン』は蚊にくらいにしか効かないことを説明したら、昨年に購入した『ウナコーワもろこしヘッド』を使ったものの効かないため、他の物をと思ったという。
     効かなかった理由が、一年前の物で古いからなのか成分的なせいなのかは判断がつかないけど、少なくとも『ウナコーワ』が効かなければ『キンカン』は、なお効かないと考えられることを伝えた。
     すると、最初に確認しなかった私もボンヤリしていたのだが、患者は小学生の子供だとのこと。
     そして、患部をかなり痒がっていて赤くなっているらしい。
     それだと、虫刺されの薬より抗炎症効果が高いステロイド剤の『コートf ATクリーム』で症状を抑えた方が良いでしょうと勧めて、お買い上げ頂いた。
     ところがそれで終わらず、実は瞼も刺されていて痒がっているというお話が出た。
     まさか、『キンカン』を塗るつもりだった訳じゃないですよね(;・∀・)?
     それとも『ヒドランパッチ』を瞼に……?
     とにかく瞼にクリームや軟膏は塗れないので、痒み止めの成分が入っている目薬を使う方法を教えた。
     具体的には、炎症を鎮めるグリチルリチン酸二カリウムか、抗ヒスタミンのクロルフェニラミンマレイン酸塩が入っている目薬である。
     これらの成分が入っている虫刺されの薬も有るので、その応用として目薬を目の近くの患部に使う。
     すると、家に「ワンピースのパッケージ」の目薬が有るという。
     えーと、それだけではなんの目薬か分かりません(^_^;)
     追加情報として、「赤い目薬」だったとも言われたけど、「白い塗り薬だった」と言われるのと同じくらいに手掛かりにならない。
     家に有れば無駄な買い物は避けたいという気持ちは分かるんですが、そのためにはお薬手帳でもスマホでも、なにかしらメモをしておかないと。
     主婦の知恵的なサイトで、「買い物に出る前に冷蔵庫の中を写真に撮っておく」というのを見たことあるけど、あれなんかそのまま「家にある薬を写真に撮っておく」という方法に使える。
     いつでも見返せるように、フォルダー分けしておくとなお良し(・o・)ノ
     一応、『ワンピース』はメジャーなので、ネットで検索してみたら『ロートこどもソフト』でそういうのが出ているらしい。
     間違いなければ、クロルフェニラミンマレイン酸塩が入っているので使えます。
     ということで、それは家に帰ってから確かめてみるということに。

     

  • 小出しの情報は推理小説を読み解くが如く

     お客様から『イソジンうがい薬』の大容量を希望され、使用状況を尋ねたところ、家族全員で使うとのことだった。
     ただ、『イソジンうがい薬』はあくまで予防に使う物で、現に喉が痛い時には、かえって粘膜細胞を傷めてしまうことと、風邪シーズンなどに集中的に使う用法には適していても、毎日外出のたびに嗽(うがい)をする習慣があれば水道水だけで充分なことをお話した。
     すると、少容量のほうを購入された。
     あうっ、商売下手な私(;´・ω・)
     でも、水道水だけでの嗽では、「帰ってきたら嗽」「靴を脱いだら嗽」を徹底して下さいとも付け加えた。
     嗽による除菌効果について疑問を呈する健康情報もあるけれど、現代社会での生活では乾燥の方が問題で、外での汚れを洗い流したうえで喉を湿らせること自体に意味がある。

     お客様から、『養命酒』が胃腸の弱い人に使えるか質問された。
     成人の息子さんの疲労に、買ってあげようという事らしい。
     生薬成分で胃に負担が掛かるものとしては地黄が入っているけど、内容量的には問題にならないはず。
     そうお客様に話してみたら、息子さんはすぐにトイレに行くほど腸が弱く、出先ではあまり食事をしないほどだという。
     それでいて太っているというお話からすると、腸の栄養の吸収力が悪くて、慢性的な栄養不足により、余分な脂肪を溜めてしまうんじゃあるまいか。
     当然、疲労とも関係があるはずで、内服薬として『桂枝加芍薬湯』を紹介した。
     すると、本人は暑がりで、クーラーの効いた部屋でも半袖の薄着だという追加情報が。
     いやぁ、それは冷え腹も関係しそう。
     暑がりというよりは、体温調整が上手くいかないと考えられる。
     内臓、特に腸を温めることが体温調整はもちろん、腸の働きに直接関係するため、クーラーの効いた部屋で薄着になりたいとしても腹巻きだけはさせるか、お風呂にしっかり入らせるようにお話した。
     そしたら今度は、お風呂に入ると蕁麻疹のようなミミズ腫れができるという、さらなる追加情報が。
     次から次へと情報が小出しで、困ってしまう。
     まぁ、お客様からしたら、何が関係ありそうなのか分らないのと、やはり本人ではないから話しながら思い出すという感じなのだろう。
     お風呂に入るとミミズ腫れは、うちの奥さんも同じだったりするのだけれど、暑いお風呂に短時間だけ入るというスタイルじゃないかを確認するように伝えた。
     暑いお風呂に入るとビックリした血管は収縮して、短時間で上がると体が慣れる間も無く今度は汗による放熱冷却が起きるのに、血管の方はようやく開いたところでまた縮込むという過酷な状態にさらされアレルギーのような反応を起こす。
     まぁ、要するに寒暖差アレルギーと同じな訳ですが。
     ぬるいお風呂に、20以上ゆっくり入っても同じようになるのか確かめてみた方が良い。
     内の奥さんの場合、1人でお風呂に入ると豚の行水……もとい、カラスの行水で、そういう時には蕁麻疹が現れるんだけど、私はぬるめのお風呂で長湯なため、一緒に入ると現れないから、寒暖差に反応しているのだと考えられる。
     もし違っていたら、それはそれで今後の症状の緩和と体質改善のヒントになるので、できれば本人に来店してもらえるようお願いして、『養命酒』をお買い上げ頂いた。

     

  • 長患いなら病院選びも時間を掛けて

     『ルルアタックFX』をレジに持ってきたお客様に、熱風邪向けの薬で良いのか尋ねたところ、家族が昨日から発熱して39度ほどになったとのこと。
     喉の痛みなどは訴えていないそうなので、適応に問題は無いと考えられる。
     そして、『冷えピタ』の所在を尋ねられたため、案内しつつ高熱の場合には額ではなく太い血管が通っている首の後に貼るか、水枕の方が適していることを説明すると、両方を購入された。
     その後に栄養ドリンクの棚を眺め始めたけれど、栄養ドリンクを肝臓で代謝するのにもエネルギーを要するから、解熱後の回復期に使うことを勧め、今は風邪を治す邪魔になることを避けるようにとお話して取りやめに。
     同じく、体力をつけようとして無理に食事するのも控えるよう伝えた。
     風邪をひいたら栄養をつけるというのは、昔の貧しい頃の習慣で、現代においてはよほど普段から不摂生しているのでなければ不要。
     というより、栄養を付けるなら元気なうちであって、風邪をひいてしまってからではもう遅い。
     点滴を打って回復するというのは、もとより極端に体力が低下していたからであって、また経口摂取ではなく直接血管に注入するから。
     脳の方は風邪を治すためのエネルギーを欲しいから空腹の信号を出すかもしれないが、内臓の方はすでに疲弊していて、食べ物だの栄養ドリンクだのは受け入れられないと思った方が良い。
     もっとも、繰り返すけど普段から不摂生している場合は別です。
     念のため(・o・)ノ

     お客様から、メントール入りの衣類洗剤が肌の刺激になるか質問された。
     ううん、メントール自体は刺激性があるのは確かだけど、お話を訊いたら成人の息子さんがアトピー性皮膚炎があるらしく、何が刺激になるかは使ってみないと分からないとしか答えようが無い(;´・ω・)
     むしろ、それは他の成分でも同じことだから、家族でも洗い分けることを提案したところ、自分は使ってみたいとのとこで購入された。
     そしてアトピー性皮膚炎の治療に『十味敗毒湯』を紹介してみたら、以前に息子さんが来店したらしく、担当医に相談してみたけど処方してもらえなかったそう。
     どうも担当医が漢方薬自体を嫌っているようで、他の病院も勧めてみたけど、かかりつけ医で家族ぐるみで受診していて躊躇いがある模様。
     いやぁ、かかりつけ医といえども得手不得手は有るはずですから、かかりつけ医を複数持つことや乗り換えも検討してみたほうが良いと思いますよ。
     私自身も、アトピー性皮膚炎にアレルギー性鼻炎に喘息などを治すのに、十年以上の時間を掛けて病院を替えていきましたから。

     

  • 「勧善懲悪」の誤解

     以前に、『肝油ドロップ』の質問をされ、『DHA・EPA』のサプリメントを買っていかれたお客様が再訪。
     『DHA・EPA』を飲んでみて、調子が良いという。
     劇的に何か効果があるとは思えないけど、そう感じてるなら良しとしておくべきか。
     そうそう、漢方の専門医から不眠に『当帰湯』が処方されたというのは、お客様の勘違いだったらしく、『酸棗仁湯』とのこと。
     ですよね~(´∀`)
     それなら、腑に落ちる。
     高齢だったり、痩せ型で虚弱な人の不眠に適応する物だから。
     それと、もう片方の病院からは『イフェソプロジル』と『ニセルゴリン』が処方されていることが、新たに分かった。
     ありゃ、どちらも脳の血流改善に使う薬じゃないですか。
     どんな薬でもそうだけど、なおさら飲み合わせや食事に気をつけなければならない薬。
     それなのに、双方の医師に服用している薬を知らせていなのは駄目ですよ。
     改めてお客様には、お薬手帳に服用している薬の記録を付けて一元管理するようお話した。
     すると、お客様から不穏な言葉が……。
     『医者に殺されない47の心得 医療と薬を遠ざけて、元気に、長生きする方法』などを著している、近藤 誠医師を大絶賛。
     いや、それで複数の病院に掛かって、それぞれから薬を処方してもらっているというのは矛盾してるんだけど(苦笑)
     

    Screenshot of pseudoctor-science-and-hobby.blogspot.jp

     『医学不要論』を著した内海 聡医師と並ぶ、本職の医師でありながら医学的にも科学的にも間違いかつ不穏当な言説を広めているトンデモ医師の一人をベタ褒めしていて困った。
     まぁ、言論の自由があるから何を公言しても良いとは思う。
     私自身の発言の自由を堅持するためには、他人の発言の自由もまた擁護しなければならないので。
     ただ、近藤医師にしろ内海医師にしろ、本当に患者さんの為を思うのなら、本なんか書いてないで研究を科学誌に投稿したり、学会に発表したりすれば良いのに、何故かそういう事はしない。
     STAP細胞の研究で小保方晴子氏が注目された時に、マスコミの報道で勘違いした人もいるようだけど、そもそも科学誌に投稿したり学会で発表するというのは、「発見したから」とか「確定したから」ということで行われるものではない。
     同じような研究をしている人たちに、「検証してくれ」というために行なうのである。
     だから、STAP細胞が実在したかどうかは本来は重要ではない。
     あの騒動はあくまで、「検証してくれ」と言っておいて、そのデータに不備があったことが問題(捏造だったのか、うかりミスかは別として)だった。
     今後もマスコミを通じて、いろんな発見や開発のニュースが世に出るだろうけど、いちいちそれに反応しても仕方ないんである。(研究にお金を出すという人がいれば別ですが)
     大事なのは、各方面からの検証と検証と検証、継続的な検証によって確実性を高めていくこと。
     でも、近藤医師も内海医師も、その検証のための研究成果を何故か専門家には委ねない。
     それでいて、一般の人に向けて持論を展開するだけという、実に不誠実極まりないのである。
     と批判の言葉が出かかったけれど、今日のところはお客様には言葉を返さなかった。
     大事なのは、近藤医師を批判することではないので。(これは内海医師にも同じこと)
     大事なのは、患者さんをそういう危ない情報から自分を守れるように、また別な情報を提供すること。
     そのためには、話を聞いてもらえる関係性を構築し、信頼を得ることを地道にしていくしか無い。
     それはまた、私自身が変な妄想に捕らわれて流布してしまう危険性を、常に内包しているからに他ならない。
     その昔、作家の川内康範先生が『月光仮面』などのヒーロー物を創作する時に、こだわったのは「正義の味方」だという話がある。
     どういう事かというと、『月光仮面』が「月よりの使者」であって、月の化身ではないように、ヒーローは「正義」そのものではなく、あくまで「正義の味方」であるということ。
     それは同時に、やはり川内先生のヒーローに共通していた、「勧善懲悪」の精神でもある。
     よく「勧善懲悪」は子供っぽい正義感のように勘違いされ、リアル志向のヒーロー物の作品を語る枕詞に「単純な勧善懲悪モノじゃなくて……」と付けられる事があるけど、それは誤用である。
     漢字を見れば分かるはずだが、「善を勧めて悪を懲らしめる」というのが「勧善懲悪」なのだ。
     善行を強制するのでも絶対視するのでもなく、あくまで「勧める」という控えめな態度がそこにある。
     そして悪に対しても、倒すのではなく懲らしめることに留めている。
     そう、「勧善懲悪」は、言うは易し行うは難しなのだ。
     常に自分は間違っている、その可能性を考えて患者さんと向き合わなければ。
     ………フッ、語ってしまったぜ( ´Д`)y─┛~←誰だオマエ

     風邪の相談で来店したお客様から症状を訊き出すと、主訴は鼻水と喉の痛みが昨日からあるという。
     悪寒は無いそうなので、風邪だとしても入り口で止まっていると考えられるため『葛根湯』を候補にしつつ、現代薬を希望されることも考え『ベンザブロックSプラス』を一緒に案内した。
     『ベンザブロックSプラス』の購入を決められ、「咳が出たら病院かしら?」と尋ねられたのには、昼に暑く夜に涼しいことに体がついていけないだけで風邪とは限らないことを説明した。
     もちろん病院に行くのは悪くないんだけれど、かえってウイルスに感染する可能性もあるから、あまり安易に受診するのも考えもの。
     養生として、鼻水が出るのは内臓が冷えていると考えられるため、入浴などで積極的に内蔵を温めるよう勧めた。

     さっきのお客様と同じように、鼻水と喉の痛みの相談で来店があり、同じように『葛根湯』と『ベンザブロックSプラス』を案内すると、眠くなりにくい物をと要望されたので『葛根湯』を推したら、漢方薬は好まなかったらしく『ベンザブロックS』を購入された。
     運転職で、朝までの待機業務らしいんだけど大丈夫かしら(^_^;)
     風邪薬で眠くなって事故を起こされちゃ困る……って、良く考えたら体調不良で勤務するのが問題な気もしますが。
     一応は、あくまで待機で運転するかは未確定ということで売ったけど、くれぐれもご注意を。
     仕事を考えたら、漢方薬の方を選択して欲しかったなぁ。
     お風呂に入って温まってもらいたかったけど、こちらも待機業務では難しいらしく、代わりに食事は消化の良い物にして量を控えるようにとお話した。