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  • 患者さん本人と話せないのがモドカシイ

     『ベンザブロックL』を購入するお客様に用途を尋ねると、常備薬にというお話だった。
     ただ、「いつも喉からくる」というのは、ある意味誤解で、風邪の原因となるウイルスだけでも200種類以上あり、体のどの部位に異常を起こすかは、そのウイルスの種類と体質と、その時の体の免疫力といった多種多様の要因が複雑に関係する。
     だから、「いつも喉からくる」のが、喉が弱いからとは限らず(むしろ抵抗力が強いとも云える)、しかも発熱や頭重感といった他の症状が無い場合には、胃炎や逆流性食道炎を喉の痛みとして感じていたり、体内が乾燥しているというケースもある。
     胃炎や逆流性食道炎による喉の痛みなら『半夏瀉心湯』といった胃薬の出番だし、体内の乾燥には咳が出ていなくても保水して咳を止める『麦門冬湯』が適応し、判別しにくくて発熱などの風邪の兆候が無ければ『駆風解毒湯』が候補となる。
     なので、『ベンザブロックL』を風邪の常備薬にするのであれば、発熱向けの『ベンザブロックIP』と、鼻風邪向けの『ベンザブロックS』というように、他の症状の物を揃えておいたほうが良いことを説明した。
     いや、ホント商売抜きで。
     それと、喉の痛みが風邪と見分けがつかない時には、いずれにしろ消化に良い食事をするように勧めた。
     胃が原因にしろ、体内の乾燥にしろ、本当の風邪にしろ、胃腸をいたわっておけば体力の低下を防いで、症状の緩和につながるので。
     ……ああ、我ながら面倒な店員だと、読み返して思った(;´Д`)

     男性のお客様が来店し、奥さんの腹痛と下痢の相談を受けた。
     症状が朝からということ以外は、詳細不明。
     仕方ないとはいえ、痛む場所がヘソの上なのか下なのか、それとも周囲なのかとか、水様便になっているのか、喉は渇くかなどは重要な情報なので、分からないのは困る。
     お客様の携帯電話で本人に連絡させてもらえると良いんだけど、なかなかこちらからは言い出せないし……。
     お客様からは整腸剤を尋ねられたため『ザ・ガード』を案内はしたけど、腹痛には痛み止めの入った『桂枝加芍薬湯』と、冷たい物を飲み過ぎたのなら『胃苓湯』をと紹介してみた。
     しかし、あまり反応を示されないので、普段から偏食をしていなければ、経口補水塩で水分補給をしつつ、丸一日絶食する方法を提案してみた。
     すると、奥さんに電話したらしく、『ビオフェルミンS』を購入して帰っていかれた。
     えっ……、それ腹痛にも下痢にも効かない………。
     その電話で、本人と話をさせてェ~(*」>д<)」!!

     

  • 薬を買う時に何も相談しないのは怖いですよ

     奥様の代理で、お客様から巻き爪の炎症と、喉の痛みと口内炎の相談を受けた。
     一見、つながりがあるのは喉の痛みと口内炎だけのように思えるかもしれないけど、巻き爪で炎症が起きたのは体力の低下でつながつている可能性がある。
     また、高温多湿によるストレスによる免疫力の低下という事も。
     ひとまず巻き爪の炎症には『クロマイP軟膏』を勧め、口内炎については、自宅に皮膚の再生を促すビタミンB剤はあるようなので、内服で炎症を抑えるトラネキサム酸と甘草の入っている『トラフル錠』を案内して、両方を購入して頂いた。
     ちなみに、喉の痛み止めの『ペラックT』も『トラフル錠』と同じ処方である。
     つまり、今回の主訴の喉の痛みと口内炎の両方に使えるという訳。
     さらにちなみに、『黄連解毒湯』も炎症による喉の痛みと口内炎に使えるうえ、夏場には日焼けの跡のケアにも使える。

     『のどぬ~るスプレー』と『イソジンうがい薬』をレジに持ってきたお客様に、現に喉が痛い時にはイソジンは使わないように伝えた。
     殺菌するということは、健康な喉の細胞も傷めつけることになるので。
     すると、一番気になっているのは喉の痛みではなく、声嗄れの方だそうな。
     病院では声帯周囲炎と診断され、何かの薬が処方されたという。
     何かって……、何(^_^;)?
     薬を買う時に、他に服用している薬があるのなら気をつけてもらいたいし、何も相談しないのは怖いですよ(汗)
     しかも、処方された薬は効かなかったらしい。
     それはなおさら、覚えいおいてもらいわないと……。
     そもそもは風邪がキッカケらしいのだけど、すでに一ヶ月以上経過していて、主訴は喉の痛みだと思っていたら、あまり痛みは無いとか。
     そういう事でしたら、のどスプレーならアズレン系を、内服なら『響声破笛丸』をと案内したら後者を購入して頂けた。
     名前がもう、そのまま効能なので伝えやすいっちゃ伝えやすい。
     それにつけても、何を基準にしているか分からないまま薬を買う人の多さよ。
     専門職に確認をしないなら自分で勉強をしてもらいたいし、勉強しないなら専門職に訊いてもらいたいんだけどねぇ。
     私としては、職能で日常的に必要な知識でなければ、専門職を頼るのが楽だと思うんだけど。
     自分で民事裁判を起こすことは可能としても、弁護士や司法書士を頼らないなら、自分で六法全書と過去の判例を調べなきゃならないのと同じで、同じことを薬で考えたら成分による効能効果だけでなく、副作用の事故報告なんかの資料にも目を通さなきゃならない訳で、その苦労を考えたら頼ってもらった方が楽だと思われ。
     まぁ、失敗した接客事例も日記に書いているので、それで信頼性を損なっていたら、お客様にも同業者にも大変申し訳なくσ(^◇^;)。

     

  • パッケージにある表記は自分で調べないと情報不足

     お客様が、『パブロン学童用』『マイフレンS』『こどもかぜ薬』を両手に抱えてレジに相談にみえたので、選ばれた物は細かな差異はあるものの、ほとんど同じことを説明した。
     患者さんは7歳の子供で、熱は38度には届かない微熱であるものの、食欲が無く疲れ気味だということから、『柴胡桂枝湯』を案内した。
     ただ、パッケージに「胃腸炎」とあるため、下痢とかはしていないと言われた。
     書いてある効能が全部当てはまらないと使えないと思われるケースも良くあり、起きてない症状の効能が書いてあっても気にしないパータンの反対。
     『柴胡桂枝湯』は、食欲を改善する桂枝と、疲労を回復する柴胡が入っていることを説明した。
     一方、頭痛も訴えているらしく、パッケージの表側には書いてないけど効能には頭痛も書いてあり、症状から判断するに、その頭痛は発熱ではなく胃の不調によるものと考えられることを伝えた。
     それと、発熱について心配されて解熱剤を望んでいるようだったけど、発熱することで風邪を治すことと、微熱なのは疲労していて熱を出せなくなっている可能性をお話した。
     そのため、胃の負担を軽減するのに食事を控えるようアドバイスすると、栄養補給が必要なのではないかと心配された。
     気持ちは分かりますが、食糧難の時代ならともかく、よほど偏った食生活をしていなければ大丈夫なことと、消化吸収にもエネルギーを消費するため、風邪を治すのに必要なエネルギーが空費してしまうことを伝えた。
     そして、『柴胡桂枝湯』を購入して頂いた。
     それと、お腹が空くようであれば、甘い物を与えるよう提案した。
     脳は甘い物を認識すると、満腹感を得るので量を食べないで済む。

     常連のお客様から、朝の散歩に出ると両腕が赤くなると相談された。
     顔には現れず、患部の痒みは弱い模様。
     とりあえず、抗炎症作用のある『ユースキンあせもジェル』と『桃の葉ローション』を案内した。
     すると同じ棚の並びの『ユースキンあせもクリーム』にも、興味を示された。
     同じメーカーのうえパッケージのデザインも同じで紛らわしいけど、『ユースキンあせもジェル』と比べると殺菌寄りの成分で、「あせも」とパッケージに書いてあっても、実は別物だったりする。
     昨日の日記でも書いたように、パッケージにある表記は自分で調べないと情報不足なのだ。
     同じブランド名でジェルとクリームという薬剤の形状だけが違うように見えて、実は成分構成が違うというのは薬に多々あることなので注意が必要(`・ω・´)
     今回は、『ユースキンあせもジェル』をお買い上げ頂いた。

     

  • モッタイナイ気持ちは分かるけど

     小学校低学年の子供を連れたお客様が来店し、子供の目の下の腫れに効く薬をと要望された。
     虫刺されのように見えるものの、赤味は無く、痒みは本人に訊くと弱いみたい。
     塗り薬を目元には使えないため、痒み止め成分の入っている目薬『ロートアルガードこどもクリア』を塗る方法を提案すると、分包の物を希望された。
     継続して使う訳じゃない時には、確かに一瓶はモッタイナイと思う気持ちは分かる。
     でも、生憎とそういう物は無いので……。
     本来の使い方である、目薬として紫外線による目のダメージの修復にも使えますのでと説明して、お買い上げ頂いた。

     ご主人の頼まれ物ということで、水虫の薬を求めてお客様が来店。
     ただ、病院を受診したことは無いという。
     足の指の間の皮が白く剥けると言われても、湿気っても皮膚がふやけて皮が剥けることがあれば、皮膚の色が変わらずに痒みも無い水虫というのもあるので、一度は検査を受けるように本人に伝えてください。
     そう説明したうえで、『ダマリンL』を試して頂くことにした。

     やや高齢のお客様が『ベンザブロックS』をレジに持ってきたので症状を尋ねると、主訴は鼻水だけで他に目立った風邪の兆候のような症状は無く、鼻の内側に痒みを感じるという。
     そういう事でしたら、解熱剤やら余計な成分が入った風邪薬より『小青龍湯』の方が向いていますよと案内して、お買い上げ頂いた。

     

  • 気をつけたいのは「素人に毛が生えた」というヤツ

     『新コンタックかぜ総合』と『マードレトローチ』をお客様が購入されるので、症状を確認したところ、発熱はあるというお話だったため、そのまま販売。
     別に、いつもいつもお客様の購入の邪魔をしている訳ではありません(笑)
     ただ、喉の痛みだけの場合は、風邪ではなく胃炎などの可能性があるので、発熱や鼻炎といった余計な症状に対する成分が入っている総合かぜ薬よりも、主訴にターゲットを絞った方が早く回復することを伝えた。

     普通は製薬メーカーの営業さんは来訪すると挨拶があってから自社製品のメンテナンスをするもんなんだけど、R社の営業さんはフラリと現れて、勝手に売り場に手を入れ自社への報告用の写真を撮っていく。
     軽く嫌味の一つも言ってやろうと思っていたら(←性格悪し)、スーッと近づいてきて水虫の相談をされた。
     はいっ(;・∀・)?
     以前に病院で菌は検出されているそうで、痒みは強くないというので痒み止めや麻酔成分などが入っている『BTプラスV8』より、殺菌がメインで処方がシンプルな『ラミシールAT』を案内して、お買い上げ頂いた。
     これで、嫌味を言うタイミングを完全に失った(笑)
     でも、この辺はさすがに製薬メーカーの人だなぁと感心。
     どんな分野でも本当のプロというのは、自分の知識や技量を過信せず、より詳しい人や専門の人を頼る分別や謙虚さを持っているもの。
     それができないのが、すなわちヤブ医者であり、いわゆる「素人に毛が生えた」というヤツである。
     ………自爆した気がしないでもない(;´Д`)

     成人の息子さんが咳をしているとの事で、咳止めを求めてお客様が来店。
     家にあった風邪薬を飲ませたというのだけれど、内容が不明で困った。
     発熱や鼻炎などは無かったそうなので、咳止めだけの薬にした方が良いでしょうとお話して、風邪薬による体内の乾燥を想定し『麦門冬湯』を案内してみた。
     息子さんは接客業をしているというから、屋内での勤務で余計に乾燥しているだろうし。
     でも、本人が粉薬が飲めないというため『ベンザブロックせき止め錠』を案内すると、錠剤も苦手だという。
     ううん、それだと液剤か。
     『新トニン液』を紹介してみたら、液剤もシロップの味付けが駄目だそう。
     私なんかは注射が駄目だから(目をギュッと閉じて腕が硬直して張りが入らなくなるもんだから、看護婦さんに苦笑いされる)、あまり人のことを言えないんだけど、「幼稚園児以下かい」と呆れそうになる。
     いや、この場合は「親馬鹿かい」の方もあるけど。
     なんでも自分を基準に語るのは愚の骨頂、最も唾棄するべき最低な思考法とは思うものの、生後二ヶ月ほどで喘息を患い、まだ世間的に認知されていない花粉症になり、アトピー性皮膚炎で血を流しながら過ごしてきて、薬を飲まない日が1日たりとも無かった私としては、薬を飲む苦しさと症状の苦しさの、どっちを天秤にかけるのかと腹が立ったり。
     ………感情的になるのも、「素人に毛が生えた」というヤツですな。
     もう少しオブラートに包んで、咳の苦しさと、薬の飲み方を天秤に掛けてみてはいかがでしょうかとお話して、『ベンザブロックせき止め錠』を購入して頂くことになった。
     それと、本人はシャワー派だそうなので、温めのお風呂に入って患部の炎症を抑えるように伝えてくださいとお願いした。
     患部が炎症するのは、体の方としてはウイルスを倒すためとか患部の細胞を活性化するためとか、何か炎症をさせたい理由がある。
     そういう時に、この季節だから冷たいものを飲食したり、エアコンで体を冷やすと、体の方は「頑張って温めなきゃ」と余計に患部を炎症させてしまう。
     そこで、温かい物を飲食したりお風呂に入ったり、特に下半身を腹巻きなどで温めると、「自分で頑張んなくてもいいか」と体のほうが力を抜いて炎症が落ち着くのだ。

     

  • 効能書きにあるのは「症状」であって「病気」そのものではない

     出勤したら、お客様から「ありがとうございました」と言われてキョトン(・_・;)
     昨日、疲労による不眠にと『加味帰脾湯』を購入されたお客様だった。
     昨日の力の無い雰囲気と全然違うから、昨日の今日なのに別人みたいで声を掛けられた瞬間、分からなかった。
    「おかげさまで、良く眠れました」とお礼を言われるものの、「そ、それはなによりでした」と返すのがやっと。
     だって、『加味帰脾湯』を選ばれたのはお客様自身だし、私の方は「余計な詮索をしてしまった(´・ω・`)」と思っていたところなので。
     手荷物も持っていないし、買い物した様子も無く帰られたので、もしかしてわざわざをお礼を言いに寄られたのか。
     だとしたら、なんとも重ねて申し訳ない。
     でも、まだ引きずってたので復活(∩´∀`)∩バンザ──イ

     小学生の子供の咳止めを求めて来店したお客様を、咳止め薬の棚に案内したところ、いつもは『ベンザブロックせき止め錠』を使っているとの事だった。
     直前に風邪をひいており、喘息があるというお話だったので、咳の種類や季節の違いによっては、使う薬を変えたほうが良いことをお話したうえで、『ベンザブロックせき止め錠』をお買い上げ頂くことになった。
     咳に限った話じゃないけど、「風邪」とか「頭痛」とかは、表に現れている「状態」であって、「病気そのものではない」というのが、なかなか理解されないんだよねぇ。
     でも、「そういう病気」なのだと思い込んで薬を求めに来るから、対応に困る。
     パッケージや効能書きに、適応する症状が書いてあっても、それはあくまで表に現れている「症状を緩和する」だけであって、治す訳ではない。
     実際に病気を治すのは自身の体であるから、基本は「症状を緩和する」だけで良いとはいえ、市販薬のことを「病気を治す物」と勘違いしているのであれば、できることならその緩和する方法は、体が病気を治す手伝いのできる物であるのが望ましいのではないか。
     だから咳一つとっても、「どんな咳か」は治療の重要な指針になる。
     例えば、エアコン等で体が冷えると出るのか、暖かい空気を吸うと出るのか、話そうとしたり食べようとした時に息を吸うと出るのか、反対に静かにしていても咳き込んでしまうのか、そういったことで患部を「温めて熱を発散するべき」か「冷やすべき」か「乾燥を取り除くべき」かというように対応が分かれる。
     また、喘息があるようだとストレスで気管支が狭くなって咳になることがあり、それは季節の変わり目の気圧の変化や気温の変化で誘発される。
     ここまでで単純に分けると、冷えると咳が出る人には患部を温めることで熱を発散する『小青龍湯』、暖かいと咳が出るとか寝る時に咳が出るなら患部を冷やす『五虎湯』、息をする刺激で咳が出るのは体内の乾燥なので保湿する『麦門冬湯』、静かにしていても咳が出るとか気管支が狭くなって喘鳴が出るようなら緊張を緩和する『半夏厚朴湯』が候補になる。
     これは現代薬でも同じことで、同じ咳を止めるにしても「炎症を抑える」と「気管支を拡張する」と「緊張を緩和する」といった成分が配合されていて、それは薬によって入っていたり入っていなかったり配合量が違ったりしている。
     店頭で、自分でネット検索して調べるのであれば、それはそれで良いことではあるものの、どうも価格以外を調べているようには思えない素振り。(画面を覗いた訳じゃないけど)
     とにかく、症状について尋ねると、たいていは「意識したこと無いから分らない」と言われてしまうことが多く、頼まれ物や家族の代理だと、それはなおさらで、候補の選定に困ってしまう。
     なので、具合が悪いと感じて薬を買いに行く時には(病院に行く時にも)、「いつから」と「症状の経過」と「直近で服用した薬」の三つは基本として、他に症状が「酷くなる時」と「軽くなる時」などの付随した情報もメモしておいて下さな。

     

  • 精神的な受診勧奨が一番難しい

     さて、困った(;´・ω・)
     成人の息子さんが精神科で双極性うつ病と診断されて、9種類の薬を処方されており、お客様自身が受診している医師からは断薬を勧められているものの、本人は担当医を信頼していて言われるがままなので、どうしたら良いかと相談された。
     薬の内容が分からないと、一概に多いとも言い切れない。
     ブログやSNSで、薬に頼るのを糾弾している人は薬の種類の多さにに驚いてみせるけど、市販薬での複合的な成分表示を見れば分かるように、医師から処方される薬というのは基本的に単味剤で、相互に副作用を抑えたり増強したりという目的で処方されているから、そんなに驚くような話じゃない。
     まぁ、服用するのには大変だけど。
     断薬するにしても、急に服用をやめるとかえって症状が悪化することもあるので、経過観察をしながら段階を踏むようにお話した。
     また、本人はヘビースモーカーで、朝の散歩に出る時にも吸っているという。
     それでも以前に、専門の禁煙施設に通って一ヶ月は禁煙できたみたい。
     お客様は、駄目息子と連呼していたけど、ちゃんと出来る息子さんだと思いますよとフォロー。
     実のところ、お客様自身が心療内科を受診した方が良いと思うのだけれど、言い出すキッカケがつかめなかった……。

     90歳の親が、喉の痛みを訴えているとのことで来店。
     最初に『駆風解毒湯』と『パブロントローチAZ』を比較して案内したところ、数日前に風邪をひいて微熱があり、『パブロン』シリーズの風邪薬を使っていたという。
     正確な銘柄は不明だけど、解熱剤が入っているから体内が乾燥してしまったのかもしれない。
     そうお話して上半身に保水する『麦門冬湯』を勧めてみたのに、『パブロントローチAZ』を購入された。
     まぁ、抗炎症のアズレンが入っているから悪くはないはず。
     それと、熱は下がっているようなので、風邪薬の服用は中止するようにお話した。

     

  • 説明のタイミングは難しい

     外用消炎剤の棚で、鎮痛効果の強い物と弱い物の区別無く選んでいる様子のお客様がいたため、心配になり声を掛けたところ、小学校高学年の子供が成長痛とのことだった。
     となると、フェルビナクで15歳以下、インドメタシンで11歳以下の年齢制限がある。
     そう説明して、血行促進成分の入っている『アンメルツヨコヨコA』を勧めた。
     一応、成長痛であることは病院で診断されたらしいので、問題は無いはず。
     ただ、昨年も同じ時期になったというお話からすると、湿気とも関係してるんじゃないか。
     そのため養生についても少し伝えようと思ったんだけど、興味を持ってもらえなかった(´・ω・`)

     風邪の棚で迷ってる様子のご夫婦に声を掛けてみたけど、一旦は「大丈夫です」と断られた。
     やがて奥さんが『パブロンエースAX』を手にしてから、『新ルルAゴールド』を選びレジに持ってきた。
     お会計しながら鼻の症状がメインか尋ねてみたところ、患者さんはご主人で、喉の痛みを訴えており、熱は測っていないものの発熱しそうと言っているらしい。
     う~ん、それなら『パブロンエースAX』の方が向いていると思われますが。
     そう伝えてみたら、変更を決められた。
     結果として良かったはずだけど、こちらの一言で選ぶ物が変わると思うと、うっかりしたことは言えないなと怖くもなったりσ(^◇^;)
     ああ、しまった。
     それなら季節的なことを考えれば、上半身を冷やす『銀翹散』も紹介しておけば良かった。
     タイミングを、逸してしまった………。
     買い物袋に目をやると、食材をかなり購入されていて、おそらくはお酒のオツマミであろうスナック菓子も多く入っていたため、「差し出がましですが……」と前置きして、胃腸に無理な働きをさせると風邪を治すエネルギーが削がれるので、できれば治ってからのお楽しみにして、食事の量を控えるよう伝えた。

     『パパゼリー』を求めて、お客様が来店。
     高校生の息子さんの机に置いてあげてるんだそうで、入手しづらくなって困っているという。
     ああ、うちのお店でもしばらく入荷が途絶えていまして……(;´Д`)
     聞けば息子さんは、ニンジン嫌いなんだそうな。
     でもビタミンAは、ニンジン以外にもトマトやカボチャといった色の濃い野菜で摂れますし、玉子を食べていれば肝油ドロップで摂れる栄養は全部摂れますから、価格を考えても不要だと思われます。
     というお話をしてみたけど、納得してもらえたかどうかは分らない。
     もし受験生であるのなら、緊張を緩和する『半夏厚朴湯』とか、疲労を改善する『リポビタンJr.』とか他に紹介したい物があるものの、まぁ次の機会に。
     ………また来てもらえるかしら?

     

  • 治療方針は患者さん自身が決めるものでもあります

     お客様が『ベンザエース』を求めて来店したけど、うちには置いていないことを伝えると、『ベンザブロック』のシリーズを見つけて「これでイイ」と言われた。
     いやいやいや、名前はブロンド名で、名前が少しでも違えば成分も違い効能も同じではない。
     そうお話すると、用途は置き薬だという。
     そして、家族で使うから容量の大きい物をと要望された。
     いえいえいえ、家族でも年齢が違えば性別も違い、仕事や学校などの環境が違うと体への影響が変わります。
     そのうえ、風邪は急性症状でもあるので2日ほど服用して効かなければ、他の物に乗り換えたほうが良いですよ。
     むしろ、熱風邪と喉風邪に鼻風邪にと主訴別に揃えておいたほうが対処しやすく、主訴に関わらない成分が入っていない物のほうが早く回復します。
     薬を決め打ちで来られたため、あまりお話を聞いてもらえないかなと思ったけど、案外と興味を持って頂けた様子。
     こちらも勝手に思い込んで、投げちゃいけませんな(・o・)
     『ベンザ』のブランドが安心するようで、喉風邪の『ベンザブロックL』と熱風邪の『ベンザブロックIP』の両方をお買い上げ頂いた。
     でも、夏風邪は胃腸炎を起こしやすく、胃腸炎を伴う風邪薬は現代薬には無いため、『柴胡桂枝湯』を紹介してみたんだけど、そちらには興味を持ってもらえなかった。
     ううん、これからの季節には重要なのになぁ。
     難しい……(;´・ω・)。

     火傷をしたというお客様が、「火傷の薬を」と来店。
     例によって、火傷の薬という物は無いことを説明しつつ状態を確認すると、手が赤く腫れていた。
     熱源に直接触れたのかも尋ねてみたけど、それには言葉を濁された。
     何かマヌケな失敗をしたのかもしれませんが、恥ずかしがらずに言って欲しい(;´Д`)
     水膨れになるかは現時点では分からず、細菌による汚染に備えて、抗生物質の『ドルマイシン』を案内して購入して頂いた。
     それと、氷で冷やしたと話されていたため、氷は過度の刺激になるので、流水で30分以上冷やすのが初期の手当てでは必要なことを教えた。
     やってしまったことをお説教するみたいで気がひけるんだけど、次回のことを考えると伝えない訳にもいかず。
     気分を害されたかどうかは、表情からは読み取れなかった。
     小心者なので、後々まで気になって仕方がなかった……。

     口内炎の薬を求めて来店したお客様から、大正製薬の『口内炎軟膏』と『クイックケア軟膏』では、どちらが効くかと質問された。
     前者はシコンエキスがメインで患部の修復に重点を置いており、後者はステロイド剤で炎症を素早く抑える。
     症状を早く抑えるという点では『クイックケア軟膏』の方が「効く」とは云えるけど、ステロイド剤は皮膚を弱くしてしまい患部の修復面でハンデがある。
     だから、どちらが効くかというよりは、痛みが酷いから先に抑えたいのか、痛みはそれほどじゃないから修復を優先したいのかという、患者さん自身の治療方針が選ぶ決め手となる。
     今回は、痛みを抑えたいとのことで『クイックケア軟膏』をお買い上げ頂いた。
     日記を継続して読んでくれている人は分かると思うけど、私自身は修復を優先する方。
     患者さんの希望と、自分の方針のすり合わせは、いつも悩んでしまう。

     

  • 患者さんの連れが適応しない薬を勧めるのに困ることも

     お客様が、のどスプレーの『フィニッシュA』をレジに持ってきたけど、痛むのは喉の奥だという。
     喉の奥だと、逆流性食道炎や胃炎が原因の可能性も考えられる。
     その場合は、殺菌消毒系の物は合わなかったりするため、炎症を抑えるアズレン系ののどスプレーを勧めたうえで、内服薬の『パブロントローチAZ』や『マードレトローチ』と『駆風解毒湯』を案内した。
     でも、のどスプレーを希望されていたので、アズレン系ののどスプレーをお買い上げ。
     一応は、頭重感や鼻炎など風邪の兆候が無いことからすると、胃炎の可能性は外せないので、消化に良い食事をするようにお話した。

     日焼けの相談でお客様が来店したんだけど、これがもう見事なくらい顔だけでなく太ももや腕も真っ赤で、完全にヤケド状態。
     日焼けしたのは昨日だというから、できれば昨日の段階で来てもらいたかった。
     お客様にもヤケドと同じ状態であることを説明し、痛痒さを抑えるために抗炎症成分の入っている『フリージローション』(桃の葉ローション)を勧めた。
     そして、一緒に日焼けケアの内服薬として『黄連解毒湯』を案内したところ、液剤を希望された。
     どうも、液剤のほうが効きが早いと思われているようだった。
     こむら返りに使う『芍薬甘草湯』でも服用後15分ほど、風邪に用いる『葛根湯』も1時間以内には効いてくるもので、剤形はあまり早さに関係しないことを説明したうえで、一応は『五苓黄解』の液剤を紹介した。
     全身の日焼けは全身ヤケドと同じで、実のところ内臓、特に胃腸にもダメージを受けていると考えられるから、熱を降ろしつつつ水分代謝を改善する『五苓黄解』という選択は有効ではある。
     ただ、一日あたりの価格面では、やはり『黄連解毒湯』の方がお得感がある。
     その辺りも説明すると、『フリージローション』と『黄連解毒湯』を一緒に購入して頂けることになった。
     他に、布団に敷く『エコシート』を買おうとされたけど、あくまで冷感であって熱を下げる訳ではないので費用対効果の点で勧められないことを説明し、『冷えピタ』の方を大量に購入して頂いた。
     私としては、『冷えピタ』も勧められなくて、二重にしたビニール袋に氷を入れた方が良いんだけど。
     まぁ、この場合「何かしら買いたい」というのもお客様の要望だからということで。
     そうそう、『アロエ軟膏』はどうかとも訊かれたけど、痒み止めの成分が入っていないから今の段階では早く、使うとすれば痛痒さが治まってからのケアでの乗り換え先にとお話した。
     あと、皮膚の炎症を軽減するには、温かい食事をして内臓を温めるよう勧めた。
     これは、体としては炎症を起すことで新陳代謝を活性化して皮膚の再生を促そうとするんだけど、いわばそれが痛痒い訳で、体が火照るからといってそこで冷たい物を飲んでしまうと、体の方は「体が冷えちゃう。もっと熱を出さなきゃ!!」と頑張ってしまい、より炎症症状が酷くなってしまうのだ。
     温かい物を飲むことで、体の方は「自分で無理に温めなくてもイイか(・∀・)」と落ち着き、ダメージを受けている胃腸も労(いたわ)ることができる。
     ………お客様と一緒にいた友人らしい人が、たびたび口を挟んできて、湿疹の薬なんかをお客様に勧めるんで、それを阻止するのに苦労した(;´Д`)
     なにせお客様とその人の関係性が分からないから、強く否定して面目を潰すようなマネはできないし、さりとて同意する訳にもいかないし。
     お客様は私の方の話を聞いてくれたけど、なんだったんだろうあの友人の行動は。
     親切心なのか、お客様の役に立つ自分をアピールしたかったのか謎。