• タグ別アーカイブ: 桂枝湯
  • 大柴胡湯(だいさいことう)
    胆石症、胆のう炎、黄疸、肝機能障害、高血圧症、脳溢血、蕁麻疹(じんましん)、胃酸過多症、急性胃腸カタル、悪心、嘔吐、食欲不振、痔疾、糖尿病、ノイローゼ、不眠症


    適応症状

     比較的体力のある人で、便秘がちで、上腹部が張って苦しく、耳鳴り、肩こりなどが伴うものの次の症状:
     胆石症、胆のう炎、黄疸、肝機能障害、高血圧症、脳溢血、蕁麻疹(じんましん)、胃酸過多症、急性胃腸カタル、悪心、嘔吐、食欲不振、痔疾、糖尿病、ノイローゼ、不眠症

    用方・容量(顆粒製品の場合)

     1日3回、成人1回1包(2.5g)を食前にお湯または水で服用してください。
     ただし、15歳未満7歳以上は2/3包、7歳未満4歳以上は1/2包、4歳未満2歳以上は1/3包。

    組成(顆粒製品の場合)

     3包(7.5g)中、次の成分を含みます。
        さいこ(柴胡)6.0g
       はんげ(半夏)4.0g
        おうごん(黄ごん)3.0g
        しゃくやく(芍薬)3.0g
        たいそう(大棗)3.0g     
        きじつ(枳実)2.0g
        しょうきょう(生姜)1.0g
       だいおう(大黄)1.0g
     以上の割合に混合した生薬より得たエキス4.5g含有します。

    類似処方鑑別

    小柴胡湯  胸脇苦満が本方ほど強くなく、体力がやや劣り、便秘を伴わない場合に用いる。

    柴胡加竜骨牡蠣湯  胸脇苦満があり、胸部の動悸、精神神経症状の強い場合に用いる。

    柴胡桂枝湯  体力がやや劣り、便秘を伴わず、腹直筋の緊張がある場合に用いる。

    使用上の注意

    1.次の場合には医師または薬剤師に相談してください
     (1)本剤を服用後、症状の改善が認められない場合は、他の漢方薬を考慮する事。
     (2)複数の漢方薬を併用する場合は、含有生薬の重複に注意する事。
     (3)腹部が軟弱で腹壁に力が無い患者。
     (5)体力が著しく衰えている患者。
     (6)下痢、腹痛、食欲不振などの胃腸障害を起こす事があるので注意。
     (7)妊婦および妊娠している可能性のある婦人には慎重に投与する事。


    2.服用に際して、次のことに注意してください
     (1)定められた用法、用量を厳守してください。
     (2)小児に服用させる場合には、保護者の指導監督のもとに服用させてください。
     (3)本剤は、2歳未満の乳幼児に服用させないでください。


    3.服用中または服用後は、次のことに注意してください
     (1)本剤の服用により、発疹・発赤、かゆみ、悪心、食欲不振、胃部不快感等の症状があらわれた場合には、服用を中止し、医師または薬剤師に相談してください。 
     (2)本剤を服用することにより、尿量が減少する、顔や手足がむくむ、まぶたが重くなる、手がこわばる、血圧が高くなる、頭痛等の症状があらわれた場合には、服用を中止し、医師または薬剤師に相談してください。
     (3)1ヵ月位(感冒、鼻かぜ、頭痛に服用する場合には、数回)服用しても症状の改善がみられない場合には、服用を中止し、医師または薬剤師に相談してください。
     (4)長期連用する場合には、医師または薬剤師に相談してください。


    4.保管及び取扱い上の注意
     (1)小児の手のとどかない所に保管してください。
     (2)直射日光をさけ、なるべく湿気の少ない涼しい所に保管してください。
     (3)1包を分割した残りを使用する場合には、袋の口を折り返して保管し、2日以内に使用してください。


    5.その他
     本剤は生薬(薬用の草根木皮等)を用いた製品ですので、製品により多少色調等が異なることがありますが効能・効果には変わりありません。


     

  • 小柴胡湯(しょうさいことう)
    ………諸種の急性熱性病、湿疹や喘息を伴う花粉症、肺炎、気管支炎、感冒、胸膜炎・肺結核などの結核性諸疾患の補助療法、リンパ腺炎、慢性胃腸障害、肝機能障害

    小柴胡湯
    適応症状 

     体力中程度で上腹部が張って苦しく、舌苔を生じ、口中不快、食欲不振、時により微熱、悪心などのあるものの次の症状:
     諸種の急性熱性病、湿疹や喘息を伴う花粉症、肺炎、気管支炎、感冒、胸膜炎・肺結核などの結核性諸疾患の補助療法、リンパ腺炎、慢性胃腸障害、肝機能障害

    用方・容量(顆粒製品の場合) 

     1日3回、成人1回1包(2.5g)を食前にお湯または水で服用してください。
     ただし、15歳未満7歳以上は2/3包、7歳未満4歳以上は1/2包、4歳未満2歳以上は1/3包。

    組成(顆粒製品の場合) 

     3包(7.5g)中、次の成分を含みます。
      さいこ(柴胡)7.0g
      はんげ(半夏)5.0g
      おうごん(黄ごん)3.0g
      たいそう(大棗)3.0g
     にんじん(人參)3.0g
      かんぞう(甘草)2.0g
     しょうきょう(生姜)1.0g
     以上の割合に混合した生薬より得たエキス4.5g含有します。

    類似処方鑑別 

    大柴胡湯  体力が充実し、胸脇苦満の程度が強く、便秘を伴う場合に用いる。

    柴胡加竜骨牡蠣湯  不安、不眠、動悸などが一層顕著な場合に用いる。

    柴胡桂枝湯  胸脇苦満と同時に両側の腹直筋の緊張がある場合に用いる。

    柴胡桂枝乾姜湯  本方より体質が虚弱で、体力がやや消耗し動悸が認められる場合に用いる。

    補中益気湯  全身衰弱し、体力が消耗した場合に用いる。

    使用上の注意 

    1.次の場合には医師または薬剤師に相談してください
     (1)本剤を服用後、症状の改善が認められない場合は、他の漢方薬を考慮する事。
     (2)甘草を含有する漢方薬を長期服用する場合は、血清カリウム値や血圧の測定などを充分に行い、異常が認められた場合は、服用を中止する事。
     (3)複数の漢方薬を併用する場合は、含有生薬の重複に注意する事。(特に甘草を含有する漢方薬の併用には、より注意を必要とする。)
     (4)肝臓、心臓または腎臓に障害のある人。
     (5)インターフェロン製剤で治療を受けている人。
     (6)血圧の高い人または高齢者。
     (7)今までに薬により発疹・発赤、かゆみ等を起こしたことがある人。
     (8)むくみのある人。


    2.服用に際して、次のことに注意してください
     (1)定められた用法、用量を厳守してください。
     (2)小児に服用させる場合には、保護者の指導監督のもとに服用させてください。
     (3)本剤は、2歳未満の乳幼児に服用させないでください。


    3.服用中または服用後は、次のことに注意してください
     (1)本剤の服用により、発疹・発赤、かゆみ、悪心、食欲不振、胃部不快感等の症状があらわれた場合には、服用を中止し、医師または薬剤師に相談してください。 
     (2)本剤を服用することにより、尿量が減少する、顔や手足がむくむ、まぶたが重くなる、手がこわばる、血圧が高くなる、頭痛等の症状があらわれた場合には、服用を中止し、医師または薬剤師に相談してください。
     (3)1ヵ月位(感冒、鼻かぜ、頭痛に服用する場合には、数回)服用しても症状の改善がみられない場合には、服用を中止し、医師または薬剤師に相談してください。
     (4)長期連用する場合には、医師または薬剤師に相談してください。


    4.保管及び取扱い上の注意
     (1)小児の手のとどかない所に保管してください。
     (2)直射日光をさけ、なるべく湿気の少ない涼しい所に保管してください。
     (3)1包を分割した残りを使用する場合には、袋の口を折り返して保管し、2日以内に使用してください。


    5.その他
     本剤は生薬(薬用の草根木皮等)を用いた製品ですので、製品により多少色調等が異なることがありますが効能・効果には変わりありません。

    小柴胡湯
     

  • 医者に取り合ってもらえなかったら患者さんはどうすれば?

     『葛根湯』を購入されたお客様に、「発熱するまで」が適応期と説明して、発熱時の『麻黄湯』と、解熱後の『柴胡桂枝湯』を紹介した。
     また、喉が痛い時には『桔梗湯』を併用するか、『銀翹散』の方を使うよう伝えた。
     『葛根湯』自体は、本部からの送り込みで山のように在庫があるから、何も考えずに買い込んでくれると助かるんだけどねー。

     のどトローチを求めて来店されたお客様に、使った事がある物を尋ねると、『新コルゲンコーワートローチ』との事だったのだけれど、その時に効いたかは覚えていないというので、現在の症状の方を重ねて尋ねた。
     人間は得てして、成功体験を反復しがちなはずなのに、何故か自分の体調を回復させるために使う薬については、効いたか覚えていなくて、でも前に使ったからという理由で同じ物をチョイスするという人が多い気がする。
     統計を取った訳じゃないから、気がするだけかもしれないけど。
     今回の症状は、喉が乾燥してエアコン等の風を吸い込むと咳が出るそうなので、『麦門冬湯』が適応しそう。
     即断もできないため、さらに詳しく話を訊いてみたところでは、数日前に風邪をひいて病院で抗生物質などを処方され、風邪が治った後の喉の痛みを担当医に伝えても、「風邪は治ってますから」と取り合ってもらえなかったとか。
     お客様の一方的な話だから鵜呑みにはできないけど、それが事実なら「なんだその医者( ̄^ ̄)=3」ってなモンである。
    「医は仁術」(医術は、病を治すのではなく人を助ける術)のはずではなかったか。
     よほど気が強くないと、「他の医者に変えてくれ」とは言いにくいよなぁ。
     それに、大きい病院じゃなくて個人の診療所だったら、病院を変えるとまた初診料が必要になるし。
     どこぞの、医者と敵対するのを煽るような「病院不要論」には与したくないけど、具体的にどうすればというのが思いつかない。
     せいぜい、相手も人間だから、「アナタだけが頼りなんです」と煽ててみせるのも手だけど、それで適当に解熱鎮痛薬とか処方されても困るしねぇ。
     少しでも薬の知識があれば、希望する薬を処方してもらえないか、お願いする事はできるかもしれないけど。
     今回の主訴は喉の痛みよりも、咳き込む方のようだったので、やはり『麦門冬湯』を勧めて、お買い上げ頂いた。
     それと、体を冷やすと、かえって体の方は温めようと不要な熱を出して体内が乾燥してしまうため、キュウリなどを避けるようお話したら、キュウリは大好きとの事だったので、咳が出ている間だけでも控えましょうと伝えた。

     

  • 小建中湯(しょうけんちゅうとう)
    小児虚弱体質、疲労倦怠、神経質、慢性胃腸炎、小児夜尿症、夜泣き

    小建中湯
    適応症状 

     体質虚弱で疲労しやすく、血色がすぐれず、腹痛、動悸、手足のほてり、冷え、頻尿および多尿などのいずれかを伴う次の症状:
     小児虚弱体質、疲労倦怠、神経質、慢性胃腸炎、小児夜尿症、夜泣き

    用方・容量(顆粒製品の場合) 

     1日3回、成人1回2包(5.0g)を食前にお湯または水で服用してください。
     ただし、15歳未満7歳以上は2/3包、7歳未満4歳以上は1/2包、4歳未満2歳以上は1/3包。

    組成(顆粒製品の場合) 

     6包(15.0g)中、次の成分を含みます。
       シャクヤク(芍薬) 6.0g    
        ケイヒ(桂皮) 4.0g
       タイソウ(大棗) 4.0g
       カンゾウ(甘草) 2.0g
       ショウキョウ(生姜) 1.0g
         粉末飴 10.0g
     以上の割合に混合した生薬より得たエキス3.75g含有します。

    類似処方鑑別 

    桂枝加芍薬湯  本方に比してやや体力が充実した人で、腹痛は腹壁の筋肉が薄く、腹直筋の緊張する場合に用いる。

    大建中湯  本方に比して体力のやや低下した人で、腹直筋の緊張はなく、鼓腸を呈し、時に腸管の蠕動亢進を認める場合に用いる。

    柴胡桂枝湯  体力中等度の人で、しばしば腹痛を伴い、腹直筋の緊張は同様であるが、助骨弓下部に抵抗・圧痛(胸脇苦満)および季助部の苦満感を呈する場合に用いる。

    六味丸  体力中等度で、軽度の口渇、頻尿などの排尿異常を伴い、胃腸症状が無く、腹直筋の緊張を認めない場合に用いる。

    使用上の注意 

    1.次の場合には医師または薬剤師に相談してください
     (1)本剤を服用後、症状の改善が認められない場合は、他の漢方薬を考慮する事。
     (2)複数の漢方薬を併用する場合は、含有生薬の重複に注意する事。(特に甘草を含有する漢方薬の併用には、より注意を必要とする。)
     (3)発疹、瘙痒等の過敏症状が現れる事があるので注意。


    2.服用に際して、次のことに注意してください
     (1)定められた用法、用量を厳守してください。
     (2)小児に服用させる場合には、保護者の指導監督のもとに服用させてください。
     (3)本剤は、2歳未満の乳幼児に服用させないでください。


    3.服用中または服用後は、次のことに注意してください
     (1)本剤の服用により、発疹・発赤、かゆみ、悪心、食欲不振、胃部不快感等の症状があらわれた場合には、服用を中止し、医師または薬剤師に相談してください。 
     (2)本剤を服用することにより、尿量が減少する、顔や手足がむくむ、まぶたが重くなる、手がこわばる、血圧が高くなる、頭痛等の症状があらわれた場合には、服用を中止し、医師または薬剤師に相談してください。
     (3)1ヵ月位(感冒、鼻かぜ、頭痛に服用する場合には、数回)服用しても症状の改善がみられない場合には、服用を中止し、医師または薬剤師に相談してください。
     (4)長期連用する場合には、医師または薬剤師に相談してください。


    4.保管及び取扱い上の注意
     (1)小児の手のとどかない所に保管してください。
     (2)直射日光をさけ、なるべく湿気の少ない涼しい所に保管してください。
     (3)1包を分割した残りを使用する場合には、袋の口を折り返して保管し、2日以内に使用してください。


    5.その他
     本剤は生薬(薬用の草根木皮等)を用いた製品ですので、製品により多少色調等が異なることがありますが効能・効果には変わりありません。

    小建中湯
     

  • 飲み会の幹事さんに覚えておいてもらいたい事

     『口内炎パッチ』を購入されたお客様に、口内炎の原因で一番多いのは、胃の不調である事をお話したところ、興味を示されたので『半夏瀉心湯』と『柴胡桂枝湯』を紹介した。
     そして、つい夜更かししてしまうというお話が出たため、『半夏瀉心湯』の方を勧めてお買い上げ頂いた。
     すると、5歳の子供が腹痛を起こしやすいと相談された。
     吐き気や下痢などは無いようだから、子供なりにストレス等で痙攣を起こしているのだろうと思い、『芍薬甘草湯』を案内した。
     今回は購入には至らなかったけど、こうして家族の相談を受ける事もあるし、やっぱり積極的に声を掛けないと駄目だなと痛感。

     お客様から、痰と咳の相談を受け、現代薬の『ストナ去たんカプセル』と漢方薬の『麦門冬湯』を案内しつつ、体内が乾燥している可能性と、その原因が胃炎と考えられる事を説明したところ、以前に喉のつかえ感があり、逆流性食道炎と診断されたと話された。
     今回も、そもそも飲み会で胃を悪くしてから咳が出始めたというので、胃のつかえには『半夏瀉心湯』を、喉のつかえには『半夏厚朴湯』をと紹介した。
     今日のところは『麦門冬湯』を購入して頂いたのだけれど、飲み会では最初の一杯がビールになりがちなため、参加する前にコンビニに立ち寄って、温かいお茶を飲んでおくようにお話した。
     最初に冷たいビールを飲んでしまっては、胃の働きを悪くしてから飲み食いする事になり、二日酔いの原因にもなるので。
     私がいつもしている例え話は、「最初に冷たいビールを飲むのは、冷水を浴びせてから走れと言っているようなもの。体を温めて準備運動をしてから走りだせば、後から冷水を浴びせられても、なんともありません」といった感じ。
     お客様自身は焼酎が好みだそうだから、お湯割りから始めるのが良いんだけどねぇ。
     幹事さんには、その辺りにも気を回して欲しいところ。
     例えば、全員か、ある程度の人数が集合するまでは乾杯を待つのも常だろうから、お店に相談して温かいお茶を用意してもらって、先に来た人達に飲んでてもらうとか。
     飲み屋側にも、お茶くらいは無料でサービスしてもらいたいね。
     胃の働きが良くなれば、追加注文を期待できるんだし(o ̄∇ ̄)o

     

  • 本気の姿勢に心動かされるのです

     『ファリフルハップ』を4つもまとめて購入されるお客様がいらしたので、用途を尋ねたところ腰痛で、他のサリチル酸メチルのパップ剤より効く感じがするらしい。
     オオバクやサンシシなどの生薬が、合っているという事なのだろうか。
     ただ、病院に行ったのは一度きりだというので、再診するように勧めた。
     すると、他に症状が重い人が待合室で待っていると思うと、遠慮してしまう気持ちを話された。
     いやいや、自分も患者なんですから、何も誰にも遠慮する事はありません。
     それに、詳しく症状を訊いてみると、膝がガクガクするという。
     それも腰痛とは別件だと思って、その時に医師に相談しなかったようだけど、医師には思い当たる事は全部話してみるよう勧めた。
     関係するかどうか、何か治療法があるかどうかは、その話を聞かなければ考える事もできないのですから。
     私からは、内服薬として『疎経活血湯』を紹介した。

     サプリメントを購入されたお客様が、マスク越しに鼻を啜っていたので、失礼かなとは思いつつ症状を尋ねてみたら、鼻水と咳だと言うので、『小青龍湯』を案内してみた。
     しかし、詳しく訊いてみると微熱があるようだという話が出たため、『柴胡桂枝湯』も紹介してみた。
     とはいえ、やはりここは主訴に重点を置くべきだろう。
     そこで、佐藤製薬の『ストナデイタイム』を勧めて、お買い上げ頂いた。
     『ストナデイタイム』は、『小青龍湯』にアセトアミノフェンとエテンザミドを加えた処方で、漢方薬と現代薬のハイブリット。
     『小青龍湯』だけでは面倒を見切れない発熱に対処できるので、この処方は使い勝手が良くて助かる。

     ダイエット食品に興味を示されたお客様がいらしたので、漢方薬も案内してみたら、以前に服用して上手くいかなかったと言われた。
     それは、『防風通聖散』でしょうか、『防已黄耆湯』でしょうか、『大柴胡湯』でしょうか。
     しかし、何を使ったかは分からないそうな。
     ううん、失礼だろうから本人には言わなかったけど、それは本気でダイエットする気があったのかと疑問に思ったり。
     そういう大雑把で、場当たり的にダイエットしようとしても、多分この先も上手くいかないかと……。
     病気の治療もそうだけど、楽をして簡単にという気持ちは分かるとしても、本当に努力する姿勢が微塵も感じられないと、手助けする方も、楽して簡単な対応で済ませたくなります。
     職業として手は抜かないけど、プラスαは厳しいのが正直なところ(;´・ω・)
     気持ちに左右されてるうちは、プロには成れませんな。

     

  • 主訴が主訴とは限らない

     旦那さんから、『第一三共胃腸薬』を頼まれたというお客様から、自身の喉の痛みを相談された。
     風邪をひいて一週間ほど「パブロンを服用していた」というのだけれど、どの『パブロン』かは覚えておらず、熱は37度程度の微熱だったという。
     携帯端末やスマホで写真を撮ったり、日常での些細な発見をメールしたりSNSに投稿したりする人は少なくないはずなのに、自分の体に関わる薬を写真なりメモなりで残そうという人には、なかなか出逢えないのが残念(´・ω・`)
     今回の場合、最初は「喉の痛み」という話だったが、体の中が乾燥している可能性をお話して『麦門冬湯』を紹介しつつ、喉の痛みに『駆風解毒湯』を紹介したところ、喉の痛みよりも乾燥感があって、「痰が絡む」というように主訴が変わっていった。
     そして『麦門冬湯』を購入して頂き、風邪が微熱だったのは風邪が軽かったのではなく、疲労で体が熱を出せなかったのではないかとお話したら、孫2人の面倒を見ていて思い当たるとか。
     また、夜中に喉が渇くものの、口の中がベタつく感じがするので、水を飲んだりしないという話が出たので、口腔内が乾燥したままだと、かえって菌やウイルスが増殖してしまう事と、後で一気に水分を摂っても体が保適切に水できるかは別な話なので、枕元に水筒やペットボトルを置いて、小まめに水分補給をするように勧めた。
     そして、疲労している時の風邪の予防や解熱後の回復期に適応する『柴胡桂枝湯』を紹介した。

     0歳児に使用できる鼻吸いき器を求めて来店したお客様に、2歳頃から鼻詰まりの時に鼻を通す方法として、首の横にある頸動脈を押さえる方法をお知らせした。
     寝る時に、固い枕か、タオルを丸めて首の横に当てることで、鼻づまりによる寝苦しさを軽減できる事を説明した。
     私は、子供の頃に酷い鼻づまりで病院に通っていて、当時はまだアレルギー性鼻炎が一般的に認知されていなかったけれど、お母んから教わったこの方法で、だいぶ楽に過ごせた。
     でも、この方法、何故かあまり知られていない様子で、鼻詰まりで来店したお客様に教えてあげると、大抵は感心されるか驚かれる。
     起きている時には、机の上などで腕枕を同じように首の横に当てると、その反対側の鼻は通るようになるので、是非お試しあれ(゚Д゚)ノ

     

  • テレパシー(精神感応)の超能力が欲しい

     台風18号の上陸に伴って、次郎は小学校から休校のお知らせがアプリでスマホに届いていたので、雨が激しくなる前に、お母んが実家に連れて行ってもらった。
     まぁ、地形的には何が危険という事も無いんだけど、安全管理というのは行き過ぎくらいで調度良い。
     でも自分は、一番雨が激しい時間帯に出勤。
     サービス残業などを無くすためにと、普段から勤務時間より早い出勤が禁止されているので。
     融通の効かないことである。
     ビショビショ〜(´・ω・`)

     若い男性のお客様が『葛根湯』の液剤を購入されたので、念のため「風邪の初期」というのは「発熱するまで」と説明して、発熱して汗をかくまでの『麻黄湯』と、解熱後の回復期の疲労解消に役立つ『柴胡桂枝湯』を紹介した。
     たぶん、この後も何度も日記には書くと思うから、既読の人はスルーして頂いて構いません(・o・)ノ

     お客様から、「トローチじゃない、のど飴を」と求められたため、『ヴィックスドロップ』を案内した。
     でも、用途が気になり尋ねてみたら、授乳中だから薬を避けたいという話だった。
     ありゃん、それでしたら最初に言ってもらえれば、他の選択肢も示せたのに、どうして言わないの(;´・ω・)?
     病院でも授乳中の風邪には『葛根湯』が処方されることを説明し、喉の痛みに併用する『桔梗湯』と、単独で喉の痛む風邪に用いる『銀翹散』を紹介し、服用の手軽さからか『銀翹散』を購入して頂けた。
     すると、『龍角散』について質問された。
     少しは、信用してもらえたのかしらん。
     内容は桔梗と甘草で、『銀翹散』にも同じ物が入っているから併用は必要ない事を説明した。

     『ベンザブロックLプラス錠』を購入するか迷っているという事で、お客様から相談された。
     主訴は喉の痛みで、知人から勧められた『ペラックT』は効かなかったとのこと。
     『ペラックT』は、甘草とトラネキサム酸の組み合わせで、それが効かなかったという事は、喉の痛みが熱を発散するよりも冷やす方が適しているのかもしれませんと説明し、『桔梗湯』『駆風解毒湯』を案内した。
     でも今回は、痛み止めの『イブA』の購入となった。
     あれ(;・∀・)?

     

  • 「四角くて肌色で、貼るとスーッとする」物って、な~んだ?

     お客様から、とあるビタミン剤を置いていないか尋ねられたのだけれど、肝心の商品名を覚えていなくて特定できなかった。
     それを服用すると「寝起きがスッキリする」というお話だったものの、寝起きがスッキリするビタミン剤というのが検討もつかない。
     まぁ、ビタミンB群かなぁとは思うけど、そんなにハッキリと改善するものなのか、不勉強で分からず。
     今までは、他のドラッグストアーで購入していたのが、取り扱いが無くなってしまい探しているという。
     ああ、それでしたら同じ商品を探す時にはJANコードが分かると入荷が可能か調べられますし、成分が分かれば同じ内容に近い物を探せますと説明した。
     ただ、寝起きがスッキリしないという事の方が、気になったけど。
     治療目的ではなかったから今回は案内しなかったけど、寝起きがスッキリしないというのは下半身の冷えや神経の疲労が関係していると考えられるから『柴胡桂枝乾姜湯』『加味帰脾湯』とか『酸棗仁湯』なんかが適応するように思える。
     反対に寝付きが悪い人は、上半身に不要な熱が篭っていたりイライラが募っていたりするから、『大柴胡湯』『柴胡加竜骨牡蛎湯』といった物が使える。
     そういえば、胃腸が弱くて思い悩むタイプの患者さんで、『柴胡桂枝湯』が効いた事があったな。
     効いて良かったけど、効能には「不眠」は無かったから、あくまで胃腸の働きを助けるのをメインにして、柴胡剤だからストレスにも効くだろうと予測しただけなんだけど。
     というような事を、お客様が帰ってから思い出す。
     特定の商品を探しているお客様に、どこまで踏み込んでお話を聞き出して良いものか、加減が分からないんだよねぇ。
     探し物が置いてない段階で、もう「用済み」と思われちゃってるだろうから。

     旦那さんが膝の痛みを訴えてるとの事で、パップ剤を買いにお客様が来店。
     この夏に太り過ぎて、運動不足もあり整形外科に行ったところ、軟骨が減っていると診断されたものの、パップ剤のみ処方されて使い切ったため、同じ物をと求められた。
     でも、それがどんな成分の物かは分からず、「四角くて肌色で、貼るとスーッとする」とは言うものの、たいていのパップ剤が白かベージュ色で、体温よりも冷たい物はメントールなどが入っていなくても冷感がしたりするから、まったく参考にならない(;´・ω・)
     一日に9時間ほどの使用で効いていたというのは、強い物と考えて良いものかどうか。
     とりあえず、太っているという点から、皮膚への浸透力のあるフェルビナク製剤を案内して、お買い上げ頂く運びとなった。
     そして、お会計の前にもう少し詳しく現状を尋ねると、太り過ぎを解消するため運動したいものの、過度の負担になるような運動は医師から止められており、一方で階段の登り降りも膝が痛くて辛いと訴えているという話から、『桂枝加苓朮附湯』を紹介したところ、一緒にお買い上げ頂いた。
     急に太ったという話から、『防已黄耆湯』の方も考えたんだけど、体格自体はガッシリしていて筋肉質らしいので候補から外した。
     ただ、やっぱり本来は、本人を観て判断したいところ。
     パップ剤しか処方されていないという話だったけれど、担当医に相談するか、別な病院で診察してもらう事も検討してみるよう勧めた。
     そうそう、お風呂が短いそうなので、例によって半身浴での長湯も勧めたが、小さい子供が2人いて、ゆっくり入れないようだった。
     う~ん、子供たちを洗い場でオモチャで遊ばせて、自分は湯船に浸かるというのは、どうでしょうと提案した。
     こういうお話も、やはり本人相手じゃないと、情報不足で踏み込みにくい。
     しかし、この時のお話が功を奏したのか、お客様ご自身の相談も受けた。
     鉄不足による貧血と診断されているものの、コレステロール値を低くするための薬を処方されているので、薬が増えるのは嫌なため、鉄剤の処方は断って食事で摂るようにしているという。
     鉄剤は胃に悪いからとも、言っていた。
     ああ、確かに昔は胃に負担がかかるからと胃薬と一緒に処方されていたらしいけど、現在の鉄剤は改良が進んで、それほどの心配は要らなくなったんですけどねぇ。
     まぁ、服用する薬が増えるのが煩わしいのは確か。
     でも、食事でと言っても、コレステロールの事を考えると、レバーを避けたりと、それはそれで難しい。
     ほうれん草ばかり食べるのも、飽きてしまいそうだし。
     あと、貧血の人は、食事に限らずサプリメントでも同じ事だけど、栄養が適切に体に吸収されていない可能性も無視できない。
     やはり栄養を吸収する腸の働きを良くするためには、なんだかもう馬鹿の一つ覚えみたいで恐縮ですが、半身浴での長湯が良いですよ。
     そんな話をしていたら、氷を食べるのが好きだという話が出た。
     テレビの健康番組なんかで、「氷を食べるのは、鉄不足の人に現れる症状の一つ」とやっていた事があるため、お客様もそう理解していた。
     確かにその解釈もあるんだけど、もう一つ胃炎を起こしている事も考えられる。
     胃が熱を持っていて、それを冷やそうと無意識に冷たい氷を食べると一時的に楽になると体が学習してしまっているパターン。
     しかもその場合、氷で急激に冷やされる胃の方は、「ヤベー、冷えると機能が低下しちゃうよ。頑張って温めなきゃ」と頑張って胃熱を起こし、無駄にエネルギーを消費して腸も道連れに機能低下という悪循環に陥ってしまう。
    「じゃあ、やめた方がイイわねー」と言われたけど、その表情は残念そう。
     私も、氷を齧るのは好きだから、その気持ちは分かる。
     デートとかで、氷を全部食べてしまうんで、相手の女性に( ゚д゚)こんな顔を何度された事か。
     ……話が逸れた。
     何かを齧る感触というのは、ガムなんかがそうであるように精神的なストレスを軽減していたりするから、それをキッパリやめるというのも別なリスクが発生する可能性がある。
     そこは、温かい物を先に飲んで胃を温めて準備運動をさせてから、氷を食べるのを楽しんでみてはいかがでしょうと提案した。

     

  • 命綱の選択肢は多めに

     成人の息子さんに『バファリン』を頼まれたとのことで、お客様に用途を尋ねてみると、肘の痛みに使うらしい。
     ところが、『バファリン』が効いたという訳でもないそうで、どうして効かなかった物を頼んだのかが不明。
     以前に効いたから同じ物をというのなら、分かるんだけど。
     効かなかったのであれば、成分違いの物はどうでしょうと提案し、『イブA』と『バファリンプレミアム』を案内したところ、後者をお買い上げ頂いた。
     ところで、その肘の痛みで病院には行ってみたのかも尋ねてみたら、整形外科には一度行ったきりで、関節には異常無しと診断されたため、今は接骨院でマッサージを受けているという。
     ううん、病院は一軒だけで判断しない方が良いんだけどなぁ。
     医師にも得手不得手があるし、診断する能力と、治療する能力は別物なうえ、患者さんとのコミュニケーション能力は、さらに個人的なスキルだから、セカンドオピニオンと言わずサードやフォース、なんならフィフスくらいは変えても良いと思う。
     政府の医療費削減の方針には反するが、「健康は金では買えない」ので。
     努力が必要なんである。
     肘の痛みについては、痺れ感があるようなので『疎経活血湯』と、念のため、冷えて痛む場合の『桂枝加苓朮附湯』を紹介し、病院で処方してもらえないか相談してみるよう勧めた。

     『葛根湯』を購入されたお客様に用途を確認すると、置き薬にするとのこと。
     そろそろ寒くなっていくから、『葛根湯』を買い置きする人が増えてくる。
     そうなると、『葛根湯』が適応しない場面もある事を伝えておかないと、こちらも商売にならない……ゲフンゲフン((( +д+))o=3=3
     もとい、風邪を悪化させてしまう場合があるので、注意が必要。
     まず、『葛根湯』は上半身を温めるので、喉が痛い時には『桔梗湯』のように局所的に冷やす物を併用するか、喉風邪の初期に適応する『銀翹散』を代わりに用いる。
     そして発熱してくる風邪の中期には『麻黄湯』に乗り換え、発熱によって発汗するようになったり、吐き気を伴う風邪の後期には『柴胡桂枝湯』の出番となる。
     つい置き薬は種類を絞りがちになるけど、症状別に揃えておいた方が短期決戦でいけるので、小容量でも多種を揃えておくのがお勧め。
     というようなお話をして、『葛根湯』は飲むタイミングの早さが勝負だから、家に置いておくより、持ち歩くようにと伝えた。