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  • 誰かのために薬を買うときには本人へのヒアリングを忘れずに

     お客様が『エスタックイブFT』をレジに持ってきたのだけれど、患者はご主人で発熱と疲労があり、すでに3日ほど経過していて、昼間は一旦熱が下がるものの夜にまた上がるという。
     風邪としては後期に入っていると考えられるため、解熱剤は体力を消耗してしまうと説明して『柴胡桂枝湯』を勧め変更となった。
     食欲が無いのでドリンクゼリーで過ごしていると言われ、それは良い対応ですと伝えたうえで、体を休めるというのは内臓も含めて休める意味でもあることをお話した。

     『新コンタックかぜEX』をレジに持ってきたお客様から、のど飴を求められたため喉の痛み方について尋ねてみたが、患者はご主人で詳しく聞いてきていないとのこと。
     一口にのど飴と言っても、それは剤形が飴の形をしているだけのことで、成分によって消毒系と抗炎症系、さらに冷却型や気道開放型などがあることを説明したのだけれど、興味無さげだったため病院で喉の痛みに処方されるトラネキサム酸の入った『ペラックT』を紹介した。
     すると、同じく病院で処方されることもあるアズレン製剤の『パブロントローチAZ』をお買い上げいただくことになり、風邪薬を服用する前に使ってみて様子を見るよう勧めた。
     喉の奥が痛む場合には胃炎の可能性があることも伝えてみたのだけれど、私の説明に興味が無いのか、ご主人に関心が無いのか……。
     ご主人の代わりに買いに来ているのだから、後者ということは無いはず……(^_^;)

     成人の息子さんが喉の痛みと鼻づまりと咳を訴えているとの相談を受け、『ルルアタックEX』と『パブロンエースAX』を候補にしたところ、明日も仕事を休めないというので、解熱剤や咳止め成分による疲労を回避するために、『銀翹散』も紹介した。
     現代薬にノンカフェインの『新ヒストミンゴールド液』を併用する方法も提案し、今回は喉の痛みを主軸に『ルルアタック EX』の購入を決められた。
     一緒にのど飴を求められ、気休め程度の指定部外品にするか効能が期待できる医薬品にするかお話して、今回は『ルルアタックEX』があることから『ヴィックスドロップ』をお買い上げいただいた。
     息子さんには消化に良い食事を勧めたのだけれど、すでにうどんに飽きてカツ丼を食べたがっているというので、内臓を休める重要性から量を控えるよう伝えて、後は本人の判断ですねとお話した。

     

  • 似た効能の薬は成分を比較するのが大事

     夫婦のお客様が来店し、外用消炎剤を求められた。
     奥さんが一ヶ月ほど前から五十肩で、薬を使うのは初めてとのことから、成分によって鎮痛効果と浸透力が違うことを説明した。
     そして、最初に鎮痛効果の高い物を使い、痛みが弱まったら薬も弱い物へ乗り換えるようお話して、今回はインドメタシン製剤の『ボルタレンローション』をお買い上げいただいた。
     また、温めると少し楽になるというため、『独活葛根湯』も紹介してみた。
     病院には行ってはみたものの良くならず、今は鍼灸院に通ってるという。
     効果があるのなら鍼も良いだろうけど、病院を1軒で諦めてしまうというのも早計なため、もう少し当たってみるよう勧めた。
     私自身は、アトピー性皮膚炎だった頃には都内はもちろん、県外にも病院を探し、ようやく完治したんである。

     『ルルアタックNX』と『エスタックNT』で迷っていたお客様が後者を選んでレジに持ってきたのだけれど、改めてヒアリングしてみると、主訴は鼻水と咳だという。
     どちらも鼻風邪向けを謳っていて似ているようで、しかし処方内容は異なるため、比較をするのは大事。
     お客様は鼻水は透明なものの咳が激しいというので、去痰剤が入っている前者の方が適用すると考えられることと、鼻水を抑えるのにも前者が有用と説明をして、変更となった。
     体のエネルギーの消耗を抑えるために、食欲があっても消化の良い食事にして量を控えるように伝えたら、苦笑されてしまった。

     お客様が『HPかぜシロップいちご味』をレジに持ってきたところにヒアリングしてみると、幼児が発熱して病院で処方してもらったシロップの味が気に入らなかったのか、吐いてしまったという。
     主訴は咳だけだそうなのだが、同じく『HPかぜシロップいちご味』の別の味も試したものの、やはり駄目だったそう。
     もし、いちごシロップが良いのであれば咳だけであることを考えると『ムヒこどもせきどめシロップいちご味』の方が良いかもしれないと伝えたうえで、『HPかぜシロップいちご味』をお買い上げいただいた。
     ただ、本来は処方された薬の内容を確認したかった。
     覚えていないとなれば、なおさらお薬手帳を持参してもらいたいところ。
     発熱により胃を悪くしてる可能性を伝えると、食欲は無いそうなので、本人がお腹が空いたと言うまでは、栄養をつけさせようと無理に食べさせなくても良いことを伝えた。

     

  • 患者さんとの考え方がスレ違い

     お客様から『キズパワーパッド』の売り場を尋ねられて案内したのだけれど、使い方として怪我をした直後に患部を洗って使う物で、患部が乾いていたりカサブタができたりしててからでは適さないことを説明すると残念がられた。
     状態を詳しく訊くと、すでに塞がった傷痕を消したいとのことだったため『アットノン』シリーズを案内したところ、ローションタイプを日に1回塗っていただけというため、ガーゼや絆創膏で患部を保護しながら使うようお話した。
     ジクロフェナクナトリウム製剤の湿布を寝る時だけしか貼らなかったり、花粉症の予防薬である『アレジオン』を症状が酷くなってから使っていたりというように、予想外の使い方をしている場合があるから、「効かなかった」と云われても、すぐに代わりの薬をとはいかず検証が必要になる。
     そのうえ薬自体は、全員に必ず効く訳ではないため、相性の問題なのか使い方の問題なのか分かりにくいのが困りもの。
     また、お客様は「虫刺されの痕」と言っているのだけれど、実際はノミだったらしく、刺すのは蚊だけで他の虫は牙で皮膚を噛みちぎるので治療方法が異なることを説明した。
     蚊以外の虫喰われたら、早い段階で怪我をしたのと同様の対応が必要なのだ。
     お客様は、病院には初期に行ったきりで、その後に痕が治らなかったため行かなかったとのこと。
     初期には炎症を抑えたりする薬は処方されて、患部の回復は後回しのはずだから再受診を勧めたところ、病院に行ってみるとのことで本日はお買上げは無しとなった。
     この辺りは、医師を始めとする医療関係者と、患者さんとの考え方がスレ違ってるんだろうなぁ。
     まずは現状の悪化を防ぐのを最優先するのが治療の手順なんだけど、患者さんは一足飛びに完治を望む。
     そうすると、「状態が悪化しない」=「治っていない」と考えて、時には順調に進んでいる治療すらやめてしまうことがある。
     当然、医療関係者側のヒアリングも大事なのだけれど、患者さんの方でも治療方針がどういうものか質問したほうが良い。
    「全部ちゃんと説明してくれ」と全ての患者さんが望んでいればそうしたいのは山々なれど、それを鬱陶しいと感じる患者さんもいるもんだから、その加減が難しいので。
     おそらく私も一部の、いやあるいは多くのお客様から鬱陶しがられてる可能性はある(´・ω・`)
     でも、知らずに適応しない薬を選んでしまう人、想定外の使い方をしている人、病院に通院していながら医師に病状を伝えていない人がいるかもしれず、自動販売機になる訳にはいかないと思う次第。
     今回のお客様には、それから内服薬として『トラフルBBチャージ』などを使う方法も案内し、同じ病院でビタミン製剤を処方してもらえないか相談してみるよう勧めた。
     すると、ビタミンCはどうかと訊かれたので、美白効果はあっても皮膚の再生には材料不足であることを伝えた。

     お客様が各種ののど飴やトローチを見較べていたため気にかけていたところ、レジに『南天のど飴』を持ってきたため、咳の有無を確認した。
     患者はご主人で、主訴は咳だということから気道を開かせる『南天のど飴』は適用することを伝えたうえで、経過を詳しく訊いてみると風邪をひいた後に咳だけが長く続いてるとのこと。
     体内が乾燥してる可能性をお話して、『麦門冬湯』を紹介した。
     お客様は、ずいぶん長いこと選んでいたけれど、のど飴やトローチには消毒系と抗炎症系の他にも冷却や気道開放というように、成分によって効き方が違うことを説明した。
     パッケージに書いてある宣伝文句や効能を見るだけでは分かりにくいだろうから、相談してもらった方が手間がかかりませんよん。

     先日、糖尿病の治療中のご主人に、服用している薬と影響の少ない風邪薬として医師から大正製薬の『麦門冬湯』を勧められたというお客様が再訪
     やはり、『パブロン50』だったそうだ。
     分かって良かった。
     発熱が無くて咳だけならばアセトアミノフェンは不要なことをお話して、基本処方の『麦門冬湯』をお買い上げいただいた。
     後で調べてみたら『パブロン50』を作ってるのはジェーピーエス製薬で、販売が大正製薬だった。
     ジェーピーエス製薬といえば個人薬局が出資して作った製薬メーカーのため、商品を大手のドラッグストアなどには卸してくれないのだが、やはり会社経営として販路を広げなければならなくなったのだろう。
     その調子で、もっと漢方薬を流通させてくれんかな。

     

  • 風邪においての現代薬と漢方薬の使い分け

     お客様が『アデロンゴールド』と『葛根湯』を見較べていて乾いた咳をしていたため気にかけていたところ、両方をレジに持ってきたので『葛根湯』は乾燥性の咳には適応しないことを伝えた。
     すると『アデロンゴールド』は自分用で、『葛根湯』は小学生の子供用に常備しておくとのことだった。
     『葛根湯』の適用について興味を示されたので、風邪に限らず肩こりなど上半身を温めると改善する症状に適応することを説明し、喉が痛む場合には『桔梗湯』との併用や、上半身を冷やして治す『銀翹散』との使い分けを説明した。
     また、発熱してからは『麻黄湯』に乗り換えることと、吐き気のある風邪に市販薬で対応できるのは『柴胡桂枝湯』くらいしか無いことを教えたところ、今回は『葛根湯』『柴胡桂枝湯』に変更して『アデロンゴールド』と一緒に購入された。
     風邪においての現代薬と漢方薬の使い分けとしては、今を乗り切れば後はゆっくり休めるという場合に現代薬を使い、まだ予感の段階や先が長いという場合には漢方薬で体力を維持しながら乗り切るという方法が考えられる。
     または昼間は直接的に症状を抑えるために現代薬を使い、夜は体を回復させるために『柴胡桂枝湯』を使うという方法もあることを伝えた。

     お客様が『新ルルA錠』をレジに持ってきたが、咳の有無を尋ねると無いそうで、主訴は喉の痛みと色のついた鼻水ということから『新ルルAゴールドDX』の方を勧めて変更となった。
     すると、いつもは『新ルルAゴールドDX』を買っているとのことだった。
     うう……、どうしてそんなテキトーな買い方をしているのか……。
     どれも似てはいるが、まずは咳があることが条件となる。
     そのうえで『新ルルA錠』を基本と考えた場合、他の二つは鼻水が酷い場合に有効で、なおかつ喉の痛みが強い場合には『新ルルAゴールドDX』の方が向いていると考えられるから、症状との対応を確認してもらいたいところ。

     

  • ピアスをしている人は抗生物質を常備しましょう

     お客様から『マキロンS』を求められ、念のため『マキロンS』が傷口の再生を助けるに対して、傷口の疼きを抑える『デシンA』もあることを説明したところ、ピアスの穴の消毒に使うとのことだった。
     それだと、皮膚の再生を促す『マキロンS』はむしろ邪魔かもしれない。
     安い方が良いとの要望もあったため、消毒だけの『キズニコ』を案内して購入された。
     家に抗生物質の塗り薬は無いというため、常備薬として『テラマイシン』などを用意しておくよう勧めた。

     やや高齢のお客様が『パブロンゴールドA』をレジに持ってきたのだけれど、いつも風邪に使っているというもののシリーズの違いを知らないようだったので症状を確認すると、喉がイガイガするのと腰の違和感、そして鼻水とのことだった。
     咳が無いのであれば『パブロンゴールドA』は向かないため、症状に合わせた薬を選んだ方が体への負担が少ないことを説明した。
     鼻水は内臓が冷えている可能性があり、腰の違和感を関節痛の一種と考えて『麻黄湯』を案内すると、家が近いとのことで具合が悪くなってから買いにいらっしゃるというお話になり、本日は購入しないことに。
     しかし栄養ドリンクについても尋ねられたのでノンカフェインの物を勧めたところ、帰ってからコーヒーを飲むつもりだったというお話から、まさに日常生活でカフェインを摂取する機会は多いため、カフェイン入りの栄養ドリンクは避けるよう伝えた。
     それこそ『パブロンゴールドA』といった風邪薬にもカフェインが入っていることが多いので、気をつけてもらいたいところ。
     あと、ご主人が糖尿病の治療中で、影響の少ない風邪薬として大正製薬の『麦門冬湯』を医師から勧められたというのだが、大正製薬のラインナップには『麦門冬湯』そのものというのは無いはず。
     『麦門冬湯』と現代薬を合わせた『パブロン50』はあるのだが、それではないと言われてしまい、製品名が分からなかった。

     

  • 相談第一! 薬を買わなくても構いません

     お客様から、風邪以外に喉が痛くなることがあるのか訊かれたので、外部からの侵入だとウイルスだけでなく花粉でも起こり、喉の奥の場合は胃炎や逆流性食道炎でもなることを説明した。
     すると、主訴は喉の痛みと血痰で、風邪薬を飲んだけど治らなかったとのことだった。
     使った風邪薬の銘柄は不明なものの、意外と総合風邪薬には喉の炎症を抑える成分が入っていないことを伝えた。
     血痰については医師からは「問題無い」と言われたものの、セカンドオピニオンで病院を変えようかと言うので、紹介状を書いてもらうよう勧めた。
     ただ病院を変えるだけだと診療履歴が継続されなくなり、患者が病院を転々としていることを医師が把握できなくなるのは好ましくない。
     お客様は神経質そうな感じもあったため、血管が浅いと切れやすいことをお話した。
     そして『ペラックT』と『駆風解毒湯』を案内したところ、ポリープの話も出たため実際には何もできていないのに喉が締まる感じがする場合の『半夏厚朴湯』も紹介してみた。
     本日は相談のみで、お買い上げは無し。

     お客様から『葛根湯』を求められたが、奥さんが鼻水と喉の痛みを訴え微熱もあるというため、単独では適応しないと考えられるため、『桔梗湯』との併用を提案した。
     しかし、だるさもあると分かったので、疲労で熱が出せないことによる微熱の可能性をお話して、『柴胡桂枝湯』を案内したところ、直前にはお腹を壊しており、以前に購入した物があるという。
     『葛根湯』は胃腸に負担をかけるから、そういう時には使ってはいけない。
     むしろ、すぐにでも連絡して『柴胡桂枝湯』を服用してもらうのが一番と勧めて、本日はお買上げは無しとなった。
     ただ、お帰りになってから喉の痛みにだけ『ペラックT』を案内しても良かったかもしれないと気がついた。

     閉店時間を過ぎてお店を閉めようというタイミングでお客様が来店し、数日前に打撲したとのことで『サロンパス』に興味を持たれたが、以前に使ったことがあるのは『フェイタス』シリーズだったというため、同じ物かインドメタシン製剤を使ってみてはと提案した。
     ただ購入は無く、外に出てからメモをしていたと他の従業員から聞いたので、もしかしたら価格調査だったのかも。

     

  • 声を出しにくい時には響かせる発声法を

     お客様から声嗄れの相談を受け『響声破笛丸』を案内すると家にあるというので、そちらを先に使ってはと勧めたうえで『パブロントローチAZ』を紹介し、お買い上げいただいた。
     声も出しにくいようだったため、下の前歯の裏に舌先を当ててアーチ状にし、上の前歯に息を流して上顎に当ててを響かせる発声法を教えた。
     これは演劇をやってる人の発声法の一つで、上顎に息を当てて頭蓋骨をスピーカー代わりに響かせることにより、喉に負担をかけずに遠くの人に声を届かせることができる。
     小学生の頃に、教科書の読み上げなどでよく先生が「もっと大きな声で」などと言っていたが、あれでは駄目なんである。
     緊張すればするほど喉が締って声を出せなくなるのだから、大きな声を出すように指導するのではなく、声を響かせる方法を教えるべきなのだ。

     小学校低学年の子供を連れたお客様が来店し、『ハイドロコロイドパッド』を持ってきて消毒薬を求められたけれど、水道水で傷口を洗ってしまえば充分なことを説明した。
     自転車で転び足に打撲もあるとのことで湿布薬も求められたため、薬剤によっては年齢制限があることを説明したうえで『アスコラルL』を一緒にお買い上げいただいた。
     湿潤療法以外の対処法としては、普通の絆創膏に抗生物質を塗って使う方法を教えたところ、家には抗生物質があるというので、もし患部が化膿する様子がある場合は湿潤療法から切り替えるようにお話した。
     湿潤療法は、傷口が浅く極めて初期での対応が必要なのだが、たまに化膿しているのに湿潤療法を続けている人に遭遇して驚くことがある。
     お客様には当面は炎症を抑えるために、夏野菜を避けるようお話した。
     体を冷やす夏野菜を摂ると、体の方は対抗しようと熱を発して炎症を強めてしまうので。

     高校生の親子が来店し、『エスタックイブファインEX』を購入されるさいに症状を確認すると、子供の方が発熱と鼻づまりと喉の痛みがあるというので適応すると思われることを伝えた。
     ただ母親の方は喉の痛みがあるということだったが、他に症状は無いようなので胃炎や花粉症なども考えられることを説明し、咳が無ければ一緒には使わないようにとお話すると、胃炎は否定されたものの花粉症は思い当たるようだった。
     しかし胃炎というものは一般の人が思っているよりも自覚症状は無いから注意が必要であるし、喉の炎症が胃にまで広がることを警戒して、喉が痛くなったらその時点で消化しやすい食事にした方が良い。
     今回の子供は本格的な風邪の症状のようだったから、消化にエネルギーを取られると風邪を治すエネルギーが不足し長引くことになるため、食欲に任せて食べ過ぎないよう伝えた。

     

  • アレルギーが思い当たったらアレルゲンの検査を

     幼児を連れたお客様が来店し、自身が鼻水と咳と頭重感があるとのことだった。
     3日以上経っているというので『カンポアズマ』を考えたが、鼻水に色があるのと頭重感とのことから『ルルアタックNX』を勧めた。
     子供の風邪がうつったようだが、子供は当初は鼻水が多かったのから始まり、まだ夜に咳をしているというので『五虎湯』と子供用の咳止めシロップを提示したところ、苦くても大丈夫とのことから前者を一緒にお買い上げいただいた。
     粉が飲めると、薬の選択肢は広がるから助かる。
     うちの次郎なんかは、幼少期にミミズの粉をお湯で溶いて飲ませていたおかげか、苦手な剤形というのは特に無い。
     ただ、お客様からは『五虎湯』に桂枝が入ってるか訊かれた。
     以前にシナモンと黒ゴマのドリンクを飲んだところ、アレルギー症状が出たという。
     『五虎湯』に桂枝は入ってはいないが、アレルゲンを調べた訳ではないというため、それは改めて調べた方が良いと伝えた。

     咳止めの棚を眺めているお客様が湿った咳の音がしたため気にかけていたところ、『パブロンSせき止め』を購入されたので、鼻水もあるのではと尋ねると出るとのことだった。
     鼻水と湿った咳の組み合わせは内臓が冷えていると考えられるため積極的に温かいものを飲んでお腹周りを温めるよう勧めた。
    生薬系の薬なら、『カンポアズマ』が適用するように思われる。

     やや高齢のお客様から、『アリナミンEXプラス』と『新パワーアクトEX』の違いを尋ねられ、同じ処方内容であることを説明したところ、ご主人が眼精疲労ということだったので、成分違いで『キューピーコーワiプラス』も候補になることをお話した。
     目薬は効いた気がしなかったらしいとのことだったが、銘柄は不明で色は赤かったというため、ビタミンB12が入っていると思われる。
     成分が違えば効果があるかもしれないから、目薬はもちろん内服薬なども成分表示を取っておくよう勧めた。
     また、『めぐリズム』などで目の周囲を温めて血流を良くするのも重要とお話して、その流れから『葛根湯』を提示したところ、風邪に備えてということで購入された。
     それから、加齢による目の症状には『牛車腎気丸』を紹介してみると、漢方薬の効く速さを訊かれたので、根本的に治療する「本治」は時間がかかり、症状を抑える「標治」は早いことを説明し、特に『葛根湯』は早めに早めに使うのが勝負だから、家に置いておくより持ち歩くようにと伝えた。
     ご主人は入浴時間は短いそうだが、目にタオルを当てて入っているというので、それは良いことですねとお話した。
     あと、目と腎は関係するため、お腹周りを温めることも助けになりますと付け加えた。
     歳を取ると弱るのが腎で、『牛車腎気丸』が加齢による目の症状に適応するのは、そういう理由である。

     

  • 総合風邪薬が咳の原因なることも

     この間、頭痛と喉の痛みに『ルルアタックEX』を購入していただいたお客様が来店した。
     頭痛は治ったものの、喉の痛みが残っていて咳が出ているとのこと。
     使ったのが2日分だったため追加をと思われたようだが、喉の痛みか咳にターゲットを絞って乗り換えることを提案したところ、咳はそれほどでもないと言うので『ペラックT』と『駆風解毒湯』を案内し、前者をお買い上げいただいた。
     これは予想だが、『ルルアタックEX』にはイブプロフェンが入っているから頭痛はそれで治ったと思われるが、咳がしていない時に咳止めを飲むことで体の中が乾燥して咳が出るようになってしまったのではないだろうか。
     咳止めは神経に働きかけるため、水分代謝に異常をきたしてしまうのだ。
     それがしばしば、総合風邪薬を飲むことで咳を呼び起こすことになるから、咳が無ければ鎮痛薬と喉の薬の組み合わせといったように、起きている症状のみに絞った薬を使う方が良い。
     この間もお客様に伝えたことではあるが、消化に良い食事を継続していただくようお話した。

     やや高齢のお客様から『メンタームG』をと注文されたが、おそらくは『メンタームメディカルG』のことだろう。
     しかし用途を尋ねると傷跡に使うというので、『アットノン』を案内したところ、「あんなの効かない」と言われてしまった。
     そして患部を見せてもらうと足の黒いシミのようだったため、『クロキュアb』を勧めてお買上げとなった。
     お客様は早口で気忙しく独り言も多かったものだから、対応が大変だった( ;´Д`)=3

     

  • 奥さんを愛していれば店員に相談できるはず!?

     風邪薬の棚で『ベンザブロックL』を選ばれたお客様が、その後も電話をしたり『葛根湯』を見たりしていたため声をかけたところ、妊娠中の奥さんが鼻水と喉の痛みと咳があるとのことだった。
     鼻水は黄色いそうだから、総合的に見て風邪と考えて良いだろう。
     3日ほど前からだというから、すでに『葛根湯』を使うには遅いことと、そもそも妊娠中は薬を使うのは避けた方が良いこと、そして漢方薬だからといって安全ではないことをお話した。
     そのうえで、鼻の症状に合わせた場合には『葛根湯加川きゅう辛夷』を紹介してみたら、家には以前に処方された『小青竜湯』があると教えられた。
     もちろん、咳には『葛根湯加川きゅう辛夷』は適応しないし、鼻づまりに『小青竜湯』は合わない。
     ただ、家にある薬の情報というのは大事なので教えてもらえると助かる。
     風邪自体は放っておいても治るため、高熱でなければ自然治癒を待つのが最善なれど、咳は抑えておかないと体力の低下につながるため咳止めに『麦門冬湯』と、今後の体力の維持に『柴胡桂枝湯』も考えられるが、咳はそれほどでもないようなので、喉の痛みと鼻づまりに合わせて今回は『銀翹散』を提案し、お買い上げいただいた。
     それにしても、奥さんが妊娠しているのにどうして相談もせず自分で薬を選んで買おうと思ったのか。
     もっとも、『銀翹散』にしても妊娠中の服用は医師や薬剤師そして登録販売者に相談をすることとなっており禁忌ではないものの、相談されたらされたで困ってしまうのだけれど。
     それだけに、妊娠中の奥さんに使わせる薬を安易に選んで買うのは避けてもらいたい。
     奥さんを愛しているのなら。
     ……( ゚д゚)ハッ!!
     特に奥さんを愛していない私は?

     お客様が『葛根湯加川きゅう辛夷』と『チクナイン』(辛夷清肺湯)を見較べいたので声をかけたところ、鼻づまりでスッキリしないとのことだった。
     そこで『荊芥連翹湯』も候補に加えて、体を温めると症状が楽になる場合『葛根湯加川きゅう辛夷』を、冷やすと楽になるのなら『荊芥連翹湯』、そして鼻汁が喉に落ちる場合は胃を悪くしている可能性があり『辛夷清肺湯』が適応すると説明した。
     今回は『葛根湯加川きゅう辛夷』辛夷をお使いいただくことになったので、のぼせないように気をつけつつ入浴時間を長くし、温かい物を積極的に飲むよう勧めたところ、「聞いて良かった」と言っていただけた。