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  • 薬の以前の使用感というのは重要な情報です

     やや高齢のお客様から、お腹にガスが溜まると相談されたため『ガスピタン』を案内したところ、以前に『ザ・ガード』を使っていたことがあり、効いた気がするというので継続してみてはとお話して、『ザ・ガード整腸錠α3+』をお買い上げいただいた。
     安易ではあるが、市販薬の効果は使用者のうち約3分の2程度とも云われ、「効くと思えば効く」ということもあるから、以前の使用感というのは案外と重要なのだ。
     ところが、お会計をしてから実は便秘していると話され、『コーラック』を毎日使ってるというので、排便は週に2~3回あれば正常であることを伝えたのだけれど、お帰りになってから、お腹のガスが『コーラック』の副作用の可能性をお話し忘れたことに気がついた(´・ω・`)

     お客様から酔い止めを求められ、比較的眠くなりやすい物となりにくい物があることを説明して案内したのだけれど、なんだか聞き流されてしまった。
     お客様自身が『乗り物酔い止めQD錠』をレジに持ってきたさいに改めて眠くなって良いか尋ねると、他の物を選ぼうとしたが「面倒くさいからいいや」と、そのまま購入された。
     ただ、船に乗るというから、むしろ眠くなった方が良いかもと伝えた。

     『パブロンエースAX』を購入されるお客様に念のためヒアリングしたところ、喉の痛みと熱感が今朝からあるとのことなので適応しそうである。
     そう伝えると、コンビニでどんな食事を買ったら良いか尋ねられたので、インスタントスープで構わないから消化に良く体を温める物を勧めた。
     消化をするのにもエネルギーを使うため、風邪を治すエネルギーが消化に取られてしまうと治りが遅くなってしまうから。
     また、家に『葛根湯』があると分かり、家に置いておくより持ち歩くと出先で素早く風邪に対応できることを伝えた。
     タイミングとしては、風邪の初期ではなく「予感がする」段階で用いるのが効果的。

     

  • 総合風邪薬を使うときは起きている症状を確かめて

     『ベンザブロックL』と『ルルアタックEX』などで迷っている夫婦のお客様が前者をレジに持ってきたので、念のためヒアリングしてみた。
     患者はご主人で、喉の痛みと鼻水があるものの鼻水は透明だそうだから、内臓の冷えやアレルギーの可能性を伝えると花粉症だとのこと。
     喉の痛みも花粉症の可能性があり、また胃炎でも喉が痛くなることを伝えたうえで、そのままお買上げいただいた。
     でもヒアリングに応じたのは主に奥さんで、患者本人であるご主人は興味無さげだったため、鼻水と喉に適用する風邪薬『ルルアタックNX』の方を紹介できなかった。
     鼻と喉の症状は胃とは無縁ではないため、奥さんには消化に良い食事をさせるように伝えた。

     若いお客様から喉の痛みと頭痛の相談を受け、痛むのは喉仏の辺りとのことで、『ルルアタックEX』と『パブロンエースAX』と『ベンザブロックL』を候補に挙げた。
     私としては、咳が無ければ鎮痛剤だけか『ペラックT』との組み合わせを提案したいところだったのだが、風邪薬を希望されたため、『ルルアタックEX』を勧めてお買い上げいただいた。
     ただ、喉の痛みは花粉や胃炎でも起きるし、頭痛もまたズキズキするタイプは胃と関係するため、実のところ風邪とは断定しにくい。
     とはいえ見分けがつかなくても養生方は同じで、胃に負担をかけない食事をすれば炎症は軽くなるし消化に無駄なエネルギーを使わずに済むから、体調の悪化を防ぐことができる。

     お客様が『バファリンプレミアム』をレジに持ってきたがイブプロフェンが入っているので食事に気をつけるようお話したところ、患者は奥さんで頭痛と吐き気を訴えているというため『柴胡桂枝湯』を案内した。
     『バファリンプレミアム』には乾燥水酸化アルミニウムゲルが配合されいるから、副作用に吐き気を起こすことがあるし。
     頭痛の痛み方は分からず、頭痛と吐き気がセットで起きることはよくあるそうなので、ズキズキする場合は胃の不具合と関係することを説明し『呉茱萸湯』も紹介した。
     今回は『バファリンA』に変更して購入され、本人には鎮痛薬以外の選択肢があることを伝えて下さいとお願いした。

     

  • 知らないほうが良かった? オロナインH軟膏の真実

     夫婦のお客様が風邪の棚の前に立ち、「風邪か分からない」という声が聞こえたため気にかけていたところ、『新ルルAゴールドs』と『マードレトローチ』をレジに持ってきた。
     ヒアリングしてみると家族が喉の痛みと鼻水とのことで、どちらも主訴とは微妙に合わないため風邪薬を使うのであれば『新ルルAゴールドDX』をと案内すると変更を決められ、『マードレトローチ』は不要と考えられることを伝えると、そちらは取りやめになった。
     『マードレトローチ』は喉の痛みには適応するが、桔梗が入っており鼻水を酷くしてしまう可能性がある。
     本人だったら、風邪薬もやめて『ペラックT』や『駆風解毒湯』で喉の痛みを抑え、鼻水に関しては温かい物を積極的に飲んだり厚着をするなりして体を温めることを提案するのだけれど。

     やや高齢のお客様から『オロナインH軟膏』を求められ消毒薬の棚を案内すると、「消毒なの?」と驚かれたので「その通りです」と答えた。
     『マキロンS』などの液体の消毒薬との違いとしては、軟膏にすることで蒸発しにくく患部を消毒し続けて保護することが『オロナインH軟膏』の利点なのである。
     ただし、これまた同じ消毒でも擦り傷などには、化膿を防ぐため抗生物質の『テラマイシン』などの方が良いことを説明した。
     どうやらお客様は『オロナインH軟膏』を万能の傷薬と思っていたらしく、本日は購入は取りやめとなった。
     確かに『オロナインH軟膏』の効能書きには色々と書いてあるけれど、あれは要するに患部を消毒して保護するから、自然に治癒しやすくなるという事である。
     古い薬で、効能を取得した当時の基準によるものだろう。
     ちなみに他者の研究員さんの話では、おそらく『オロナインH軟膏』などの古い薬は収益性は低いもののメーカーを代表するブランド力のため終売にできないのだろうと聞いた。
     一度終売してしまうと、再販する時に改めて治験を行なわなければならず、莫大な費用がかかるうえ同じ効能を取得できなくなる可能性もあるからなんだとか。

     夫婦のお客様のうちご主人が「消毒薬を」とレジにいらっしゃり、患部の修復を手伝う『マキロンS』と患部の疼きを抑える『デシンA』を案内さところ、 用途が以前からの傷だというので『アットノンEX クリーム』を案内し、血が出て傷口が疼く場合にと『テラコートリル』を紹介した。
     今回は、以前から使ってると言う『デシンA』を購入されたが、消毒薬に違いがあるの初めて知ったとのことで「ありがとう」と言われた。

     

  • 歌手や俳優あるいは人前で声を使う仕事の人の三種の神器

     『イブA錠EX』を手にしたお客様から、『アリナミン』のドリンク剤を求められたのだけれど、詳しくヒアリングすると成人の娘さんが頭痛と肩こりを訴えており、『アリナミン』シリーズのどれかの錠剤を飲んでも効かなかったとのこと。
     同じ『アリナミン』シリーズでも成分が違えば効き方が違い、どれが合わなかったのかが分からないと困ってしまう。
     娘さんはハープ奏者というお話もあったため、『ズッキノン』(釣藤散)を紹介してみた。
     もし『釣藤散』が効くようであれば、職業病のようなものなので病院で処方してもらえないか相談してみるよう勧めた。
     また頭痛にしても痛み方で原因が変わり、『釣藤散』が合う頭痛は肩こりとの連動型で、締め付けられるような頭痛だったり、血圧が関係して朝方に頭が重くなるような頭痛である。
     そして、偏頭痛に起きがちなズキズキする頭痛はストレスや胃の不具合と関係するのだけれど、その場合は胃の保護機能を落としてしまう痛み止めを使うと、胃を悪くして鎮痛剤を使い一時的に治っても、鎮痛剤により胃が悪くなりまた鎮痛剤を使うという無限ループに陥ってしまう。
     しかし、今回はお客様が頭痛の痛み方までは聞いていなかったというため、まず『ズッキノン』を使ってみて、やはり痛みが治らないようであれば『イブA錠EX』を使ってみるよう提案したところ、両方購入された。

     高齢のお客様から『浅田飴』のニッキとクールのどちらが効くか質問されたが、主成分に違いは無いことをお話し、比較するとすれば『南天のど飴』は気道を開く物で、『浅田飴』は患部を冷やし、胃の機能を低下させることで咳を止めることを説明した。
     主訴は咳と喉の痛みで、ご本人は「風邪だと思う」とのことだったがその根拠は不明。
     確かに「風邪」とは「上気道の炎症」を指す病名ではあるものの、原因の多くはウイルス性であり、「上気道の炎症」は花粉症かもしれないし、逆流性食道炎の炎症が広がった場合にも起きるため、私たちが勝手に診断できないのと同様、患者さん自身が診断するのも好ましくない。
     つまり、咳と喉の痛みから風邪と推察するのは間違ってるとは言えないものの、鼻炎を併発していないのであれば安易に「風邪薬」に飛びついいてはいけないのだ。
     そういう意味においては、風邪薬ではなく『浅田飴』を使おうと思ったお客様の判断は賞賛に値すると勝手に思う。
     ただ、血圧関係で通院してる病院の担当医に症状を伝えたところ「風邪薬を出しましょうか」と言われたのを断ってしまい、それを後悔しているようだった。
     医師が風邪薬として何を処方しようと考えていたのかは不明なれど、最近ではウイルスなどの炎症の原因を排出するために去痰剤を出す程度に留めている医師も少なくないというから、保険が適用されないのがモッタイナイくらいの話である。
     すでに咳は一週間くらい続いているというので、体内が乾燥している可能性をお話すると、喉の痛みは実は大したことはないと言うため上半身を潤す『麦門冬湯』を紹介し、お買い上げいただいた。
     それから、コンサートを聴きに行くと緊張して咳が出るというため、そちらには緊張性の咳に使う『半夏厚朴湯』を紹介してみたら、ご自身で歌を唄うというお話もあったため『響声破笛丸』も案内した。
     喉の乾燥を防ぐ『麦門冬湯』、リラックスする『半夏厚朴湯』、声嗄れしたら『響声破笛丸』のこれらは、歌手や俳優あるいは人前で声を使う仕事の人の三種の神器なので、ぜひ覚えておいてもらいたいところ。

     

  • 『コエンザイムQ10』の還元型と包接体の違い

     お客様から、『コエンザイムQ10』の還元型と包接体の違いを質問された。
     即答できずお時間を頂いて調べたところ、『コエンザイムQ10』はそのままで体で使用するのにはエネルギーを必要として、高齢者やストレスが多い人は体内で還元しにくいため初めから還元されている還元型が向いているのに対して、包接体はオリゴ糖であるシクロデキストリンで包むことにより体に吸収しやすくしたものだそうだ。
     つまり、体ですぐ使えるように加工されているか、ひとまず吸収されやすいように加工しているかという違いになる訳だが、そのまま体で使えるのが有利とも言い切れない。
     料理をするのに野菜や肉の下拵えができていれば使いやすいとしても、料理の仕方によっては下拵えの仕方を変えなければならないなんて事もあるだろう。
     そして『コエンザイムQ10』は、体内でエネルギーとなるATP (アデノシン三リン酸) の産生に関与しているとされているが、まだ未解明な部分が多いうえ、体内でも必要量の約60%を生産しているというから、外部から摂取することの有効性も疑問と言わざるをえない。
     ということをお客様に説明したところ今回は還元型を購入され、もし効果を体感できたら教えて下さいとお願いした。

     『ファンテユンケル』と『ファンテユンケル3B』を購入されるお客様がマスクをしていて風邪のようだったため、内容としては『ファンテユンケル』の方が疲労回復を期待できるものの、カフェインが入っており眠りを妨げるかもしれないため、ノンカフェインの『ファンテユンケル3B』を先に使うよう勧めた。
     お客様からは、「そうします」とのお返事。
     同じブランド名のドリンク剤でも成分によって活躍の仕方が違うから、分からなければ是非ご相談を(・∀・)

     お客様から、喉の痛みの相談を受け奥の方が痛むというため『ペラックT』と『駆風解毒湯』を案内したところ、『補中益気湯』と亜鉛のサプリメントを飲んでいるとのこと。
     喉の痛みの原因が胃の不具合の可能性もあり亜鉛が影響しているかもしれないため、亜鉛のサプリメントを中止して『補中益気湯』のみを継続するよう勧めた。
     そして『駆風解毒湯』を購入されたので、ガラガラとうがいをするかのように飲むと効果的なことを伝えた。

     

  • カロリーや塩分量が表示されているコンビニ弁当は悪くない

     やや高齢のお客様から『独活葛根湯』と『疎経活血湯』の違いを質問され、前者は上半身を温めて肩こりなどを癒やし、後者は血流を改善して治すことを説明すると、主訴は五十肩のようだった。
     シャツを脱ぐときに肩が痛くて上がらないと言うので『独活葛根湯』は適応すると考えられることをお話したところ、以前に坐骨神経痛の治療を受けたことがあり現在も痺れ感が残っているというため『疎経活血湯』は適応するが病院でも処方してもらえることを説明して、ひとまず苦しい方の症状から対応するよう勧めて『独活葛根湯』を、お買い上げいただいた。

     やや高齢のお客様から『ルアタックEX』と『ルルアタックNX』の違いを尋ねられ、前者が喉の痛み向け後者が鼻炎に対応することを説明しヒアリングしてみたら、患者は成人の息子さんで頼まれ物なんだとか。
     そのため肝心の主訴が、喉の痛みと鼻水ということ以外は分からなかった。
     いつもは本人が『エスタックイブファインEX』などを選んでいるようだが、ストレスで毎春になるようなので胃炎の可能性もお話して、起きていない症状の成分が疲労させてしまうかもしれないため、喉の痛みに『ペラックT』を使い、鼻水は温かい食事をして体を積極的に温めるよう提案した。
     喉と鼻がつながってるのは当然として、そのまま胃にも続いているから胃を悪くすると喉や鼻も不調になるため、咳が出ていないなら咳止めの入った風邪薬は避けたほうが無難である。
     本日は『ペラックT』をお買い上げになり、スープなどの消化の良い食事をとお話すると、一人暮らしを始めたばかりでお弁当を買うように言ってしまったとのこと。
     日々の食事は、なにも自炊でなければならないということは無いし、コンビニ弁当でさえも30年前と比べれば良くなっているから、手間をかける必要も無いだろう。
     それこそコンビニ弁当でスープ系は選べるし、うどんなんかもある。
     自炊信仰は行き過ぎれば害で、濃い味付けを好む人が自炊すればかえって塩分過多になることを考えれば、カロリーや塩分量が表示されているコンビニ弁当は悪くない。
     塩分の摂り過ぎより食材の偏りが心配されるものの、若いうちはそれも大丈夫ないだろう。
     それに塩分の摂り過ぎが高血圧をもたらし、高血圧が寿命を縮めると云われたのは、東北地方の人が塩分の濃い物を好み短命だったことから推測されたことだけれど、その後の研究において冬期に外出が減り運動不足のほうが原因となっている可能性が高いと見方が変わってきている。
     塩分過多による高血圧が短命に結びつくのなら、九州や沖縄だって同じはずだし。

     

  • 必要かどうかを選ぶのはお客様だけど本人じゃない場合は?

     お客様から口内炎の薬をと注文され、炎症が強い場合と弱い場合とで薬が違うことを説明したところ患者は高校生の息子さんで、痛むのは舌だそう。
     しかも家に『ケナログ』はあるものの嫌がっているというので、内服薬の『トラフル錠』と同じ成分の『ペラックT』を紹介し、そちらをお買い上げいただいた。
     ただ、ある物を使わないのもモッタイナイ話なので、改めて『ケナログ』と併用してみるよう提案し、口内炎や舌炎は胃の不具合も考えられるため、消化の良い食事をするよう伝えた。

     成人の娘さんの鼻炎の相談を受け、主訴は痒みで以前は『ロートアルガードST鼻炎スプレー』と『鼻炎クールスプレーα』を使っていたというのだけれど、前者がステロイド剤であるなどの違いは知らなかった模様。
     ステロイド剤の方は、患部の炎症が激しい場合に向いていることと、長期連用する物ではないことを説明した。
     使用感がスーッとする物をとのリクエストで、『AGアレルカットクール』を案内して、お買い上げいただいた。
     それと、花粉症であればお腹周りを温めて腸の機能を整えると、症状が軽減する可能性があることを伝えた。

     『のどスプレーパープルショットW』を選ばれたお客様が、『パブロンうがい薬AZ』と『イソジンうがい薬』もレジに持ってきたので、『のどスプレーパープルショットW』が一つあれば後の二つは不要と考えられることをお話した。
     なにしろ、『のどスプレーパープルショットW』のWとは、抗炎症剤と消毒薬の組み合わせを意味しているので。
     一旦は購入を取りやめようとされたが、 『のどスプレーパープルショットW』は自分用で他の二つは頼まれ物とのことで全てお買上げになった。
     喉の痛みは風邪などばかりではなく胃炎の可能性もあるため、喉スプレーの種類を選ぶときには注意が必要なことを伝えた。

     

  • 消毒薬ですら違いがあります

     お客様から、『キャベジンコーワα』と耳鼻科で処方されている薬との飲み合わせを質問されたのだけれど、お薬手帳も現物も持っていないため、良いとも悪いとも言えないことをお話した。
     患者は成人の息子さんで胃もたれが主訴であるらしく、以前に飲んだ時には大丈夫だったというから、時間をずらして服用する方法は考えられる。
     ただ、胃もたれには胃の消化機能が落ちている場合と、肉や脂を腸で消化するのが追いつかなくて胃に貯蔵している場合があることを説明した。
     『キャベジンコーワα』の効果範囲は広いが、本来ならどちらなのか鑑別したうえで薬を選んだほうが効果的。
     そういう意味では、胃薬を本人以外が選ぶというのは難しい。
     風邪薬なら、ぶっちゃけ風邪自体が放っておいても治る病気なので、症状に対して効能を大きく外してしまっても構わないのだ( ̄ー ̄)←マテ
     ところが、胃薬というのはそうはいかない。
     起きている症状に合わせて薬をチョイスしないと、容易に改善しないから。
     いつもは胃薬も処方されていて、担当医からは市販薬でも大丈夫と言われたそうだが、それにしたってやはりお薬手帳で飲み合わせは確認しなければ。
     というのも薬の飲み合わせには体を悪くしてしまうだけではなく、主訴のための薬の効能を弱めてしまう場合があるからだ。
     例えば花粉症などの抗ヒスタミン薬と一部のミネラル系の胃薬を組み合わせると、抗ヒスタミン薬の効き目が弱まってしまうから、花粉症の薬を飲んでいる人が胃薬を買う場合には注意が必要である。
     今回は、そのままお買上げいただいたが、成分表示をお薬手帳に貼って担当医にら報告することと、市販薬を買うときにはお薬手帳は持参するようにお願いした。

     お客様から「マキロンのような消毒薬」をと求められ、消毒のみの『キズニコ』と、患部の修復を助ける『マキロンS』と患部の疼きを軽減する『デシンA』を紹介した。
     どれも同じように見える消毒薬ですら、内容によってこれだけ違いがあるんである。
     おそらくは「マキロンのような消毒薬」というのは単にブランド名を挙げただけだろうけれど、額面通りに受け止めるのなら「患部の修復を助ける消毒薬を」という意味にもなりえる。
     用途を尋ねると、連れている幼児の額に擦り傷ができたとのことで、患部を見せてもらったところ本当に小さな傷だったから、塩素の入った水道水で洗えば十分なことを説明した。
     心配なのは子供が何度も患部を触ることなので、その場合はワセリンや絆創膏を使うよう勧め、本日はお帰りになった。

     

  • 処方薬に疑問があれば、医師や調剤の薬剤師に質問を

     お客様が『パブロンSゴールドW』をレジに持ってきたのだけれど、主に咳と鼻の風邪で良いのか尋ねると、咳は無く微熱はあるものの鼻水は透明だという。
     そして既に一週間ほど経っているというので、風邪としては後期に入っていることを説明し、『柴胡桂枝湯』を案内した。
     『パブロンSゴールドW』に限らず市販の総合風邪薬は全般的に咳止めが入っており、咳止めの成分によっては体をだるくさせてしまうので、咳が無いのであれば主訴に合わせて別な薬を選択した方が良い。
     また、微熱は後期とはいえ症状が軽いのではなく熱を出す体力が失われている可能性をお話して、鼻水は大したことが無いということから、体を温めるよう提案したうえで『柴胡桂枝湯』を使っていただくことになった。
     食欲はあるとのことだったが内臓に負担が掛かると、なおさら治りが遅くなるため消化の良い物を量を控えて摂るようにと伝えた。

     『パブロンSゴールドW』をレジに持ってきたお客様に、喉の痛みには効き目が弱いことを伝えると、主訴は喉の痛みと鼻炎で、花粉症もあると言うから風邪かどうか判断しにくい。
     本当のところ咳が無いのであれば、喉の痛みには『ペラックT』などを使い、鼻炎には鼻炎薬を当てるのが良いのだけれど、風邪薬を希望されたためそのままお買い上げいただいた。
     それでも、花粉が喉にも反応することをお話すると理解されていたので、喉への刺激を避けるためにも消化に良い食事をするようにと伝えた。
     病院に耳鼻咽喉科という科目があるように鼻と喉は関係していて、胃にもつながっているから鼻炎が起きている時というのは、案外と胃を悪くしてるものである。

     風邪薬の棚で『葛根湯』『銀翹散』を見ていたお客様が『パブロンSゴールドW』をレジに持ってきたため、喉の痛みには弱いことを伝えたところ常備薬にしてるとのことでそのまま購入された。
     一応、『葛根湯』『銀翹散』の違いとして、『葛根湯』は上半身を温め『銀翹散』は上半身を冷やすことを説明し、温めて具合が良くなる症状、すなわち鼻水や悪寒がする時には『葛根湯』を、鼻づまりがあり喉が痛む場合には『銀翹散』をとお話した。
     ただ、そしたら「薬の効能を追うのは難しくて」と言われてしまった。
     効能ではなく、成分に注目すれば分かりやすくなるんだけどねぇ。
     例えば、私が『パブロンSゴールドW』を売りたがってないみたいに見えるかもしれないけど、それは誤解です(笑)
     『パブロンSゴールドW』の優れたところは、去痰作用に力を入れている点。
     喉の痛みを抑える効果は弱いが、風邪や花粉症が喉に影響している場合、この去痰作用が異物を排出するのに役立つ。
     昨今の医療現場では風邪の患者さんに、菌にしか効果の無い抗生剤や体力を消耗させかねない咳止めを処方せずに、去痰剤だけを出す医師も少なくないそうだ。
     去痰剤で、原因となっているウイルスなどの異物さえ排出すれば自然治癒するという考え方なのだ。
     ただ、そのあたりの説明を受けていないのか、患者さんによっては病院で「去痰剤しか出してくれなかった」と不満を持ち、店頭に咳止めなどを買いに来るケースがある。
     処方薬に疑問があれば、医師や調剤の薬剤師に質問を(・∀・)

     

  • 居るのに無視されると寂しいです

     やや高齢のお客様のご主人が口内炎らしく、食事中に患部がしみるので何か貼る物をと要望されパッチタイプを案内すると、以前に『トラフルダイレクト』を使ったことはあるそうで、剥がれてしまうから剥がれない物をと頼まれた。
     薬の成分ならともかく使用感については分からないのが実情で、そのうえ『トラフルダイレクト』は溶けるフィルムのタイプなため、剥がれたのか溶けてしまったのかが分からない。
     しかし詳しくお話を訊くと、そもそも『トラフルダイレクト』を食事をする時しか貼っていなかったということが分かり、治すためには食後に貼り直して、できるだけ長く貼っておくのが効果的ですと説明した。
     どうやら『トラフルダイレクト』を、治すためではなく食事中に患部がしみるのを防ぐためだけに使っていたようだ。
     本当に患者さんは、意外な使い方をする。
     シップ薬でも、鎮痛消炎効果の高いジクロフェナクナトリウム製剤の物を使っているのに「効かない」と言われて使い方を確認したら、風呂上がりに貼って寝て朝に出かける時には剥がしているという患者さんがいた。
     24時間貼りっぱなしにできるというのを謳っている商品なのに(^_^;)
     とりあえず今回は、患部を覆うということでは、塗ると固まる『ケナログA軟膏』も有効と思い紹介したところ、『口内炎パッチ大正クイックケア』と『ケナログA軟膏』の両方を購入された。
     それから、口内炎は胃の不具合とも関係することを伝えると「胃は丈夫」とのお話だったが、これもまた詳しく訊くと口内炎になると風邪をひきそうなので、やはり関係がありそうだ。
     胃腸を悪くすると消化吸収の機能が低下して抵抗力が落ちるから、口内炎や風邪になりやすくなるんである。
     口内になると、どのみち食べづらくなるが、とにかくそういう時には胃に優しい食事をと勧めたのだけれど、なにしろ本人がそういう養生などを嫌がるため駄目だそうな┐(´д`)┌

     『ペラックT』をレジに持ってきたお客様が、お会計の段階で迷っている様子だったため詳しくお話を訊いてみると、3日ほど前に喉が痛くなり今は痛みは治ってきていて、気になるのは声嗄れだとのことから、『響声破笛丸』を案内して変更となった。
     実のところ喉の薬の棚はレジのそばで、私も近くにいたから遠慮無く相談してくださいな。
     お客様には「いらっしゃいませー」と、「ここにいますよ」アピールをしてるんだけど、それが余計に相談しにくくしてるのかな。
     でも本当に、いることに気がついてくれなくて、医薬品を会計できない一般レジの方に向かわれてしまうこともあるから存在をアピールしない訳にもいかないんだよねぇ。
     居るのに無視されると寂しいです(´;ω;`)ブワッ