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  • 痛みが強い場合には我慢するより薬を使いましょう

     お客様がインドメタシン製剤の『バンテリンコーワ』をレジに思ってきたけれど、肩こりにフェルビナク製剤を使っていたそうで、痛むほどではないというお話から継続してみてはどうかと提案し『リフェンダゲル』に変更となった。
     温めると楽になるというお話から『独活葛根湯』を紹介し、若い頃の姿勢の悪さが原因と言われるので、枕のオーダーメイドも提案してみた。
     枕のオーダーメイドは3万円くらいするらしいけれど、苦痛が解消されるのであれば悪くないのではないだろうか。
     私は毎晩、奥さんと抱き合って寝てるんで起きると肩が痛い(;´∀`)

     夫婦のお客様が来店し、ご主人が肩こりと頭痛がするとのことで現代薬を避けたいというお話から『ズッキノン』(釣藤散)を案内して、お買い上げいただいた。
     ただ、痛みが強い場合には我慢するより、現代薬を選択するのは悪いことではありませんとお話した。
     何故なら痛みを我慢するということが体力を使い、思考力を鈍らせ、他の問題を起こしてしまうかもしれないからだ。
     今回は肩こりと連動してそうな頭痛だったので緊張型と思われるが、ズキズキする頭痛は胃の不具合と関係することを伝えた。

     お客様から『ポリグリップ』を求められたけれど、売り場に案内すると歯の詰め物が取れてしまい、代わりに詰めるつもりとお話されたため、患部が化膿してしまう危険性を伝えて受診を勧めた。
     仕事から帰る頃には歯医者が終わってしまうというので、一駅隣に行くことになるけれど、平日はもちろん土日も遅くまでやっている歯医者を紹介した。

     

  • セルフメディケーションと家庭の事情

     高齢のお客様からマウスピースの洗浄の相談を受け、『キッチンハイター』で洗っても汚れが落ちないというため、部分入れ歯用の『ポリデント』を案内し購入を決められた。
     その後に、病院から肩こりに『釣藤散』『葛根湯』が、ドライアイに『白虎加人参湯』が処方されてるというお話があった。
     また入眠困難なため、ベンゾジアゼピン系の安定剤も処方されているという。
     しかし、頭痛に『ロキソニン』や『イブ』だけでなく『プレミアムバファリン』なども効かず、『ケロリン』を常用していて、漢方薬は効いてるかどうか分からないから飲んでいないというお話だった。
     ん?
     『ケロリン』が効いてるなら、『バファリンプレミアム』じゃなくて『バファリンA』が効くんじゃないかな。
     『バファリンA』に胃薬になる桂枝が入ってるのが『ケロリン』で、効かなかったという薬に共通するのはロキソニンと、化学構造式の似ているイブプロフェンが入っている点。
     アセチルサリチル酸、いわゆるアスピリンが効くということなのではあるまいか。
     それと、『ケロリン』には無水カフェインが入っていて、それが睡眠を妨げている可能性が考えられるから、それなら『バファリンA』の方が向いているはずだ。
     『バファリンプレミアム』は名前が豪華だけど、『バファリンA』の上位版という訳ではなく成分違いの別物である。
     それらを説明し、お客様の頭痛は朝方に後頭部が痛むというお話だったので、『釣藤散』を先に使ってみるよう勧めたところ、家に余っているというのに『ズッキノン』(ズッキノン)を購入された。
     担当医や薬剤師が話を聞いてくれないという不満を述べていて、それを私が聞いていたことのお礼のつもりで購入されたのかもとも思った。
     『ケロリン』を勧めたのは息子さんとのことで、息子さんは調剤薬局に勤務している薬剤さんなのだとか。
     ただ、その息子さんにはあまり自分の症状や薬の話を訊かないようにしている模様。
     この辺りは複雑ですな。
     家庭の事情には立ち入りにくい。

     親子のお客様が来店し、母親が『エスタックイブ』をレジに持ってきたけれど、患者は高校生の娘さんの方で主訴は鼻づまりとのこと。
     本人にヒアリングしてみると他に症状は無いと言うので鼻炎薬を提案したところ、母親が割り込んで「花粉症じゃない」「風邪だと思う」と代弁された。
     市販の風邪薬はどれを選んでも咳止めが入っていることが多く、咳が出ていないのに服用すると体の負担になって、本格的な風邪に進行してしまう可能性がある。
     また、鼻炎は花粉症とは限らないことを説明し、『パブロン鼻炎カプセルSα』や『ストナリニS』などを紹介すると、母親から「分からないからお勧めを選んで」と言われ、本人に確認したうえで『パブロン鼻炎カプセルSα』を使っていただくことになった。
     『葛根湯加川きゅう辛夷』も提案したのだけれど、母親が漢方薬を嫌いらしく却下された。
     娘さんを大切にしているのは分かるものの、娘さんの話も聞かず、娘さんに判断させることもしないというのは、余計なお世話なれど、なんだか心配である。
     本人には、鼻づまりは上半身に熱が篭って循環していないのが原因と考えられることを説明し、普段はシャワーだと言うので入浴して下半身を温めると熱が循環して鼻づまりが少しは楽になることを伝えた。
     どうにも家庭の事情には立ち入りにくい。
     でもそれが、今後の健康に関わってくるんだよねぇ( ´Д`)=3

     

  • 市販薬を選ぶ時には効能よりも適応を検討するのが大事

     お客様が『新コンタックかぜEX』と『ベンザブロックIPプラス』と見較べていたため声をかけてみたところ、『葛根湯』の液剤の方が良いか尋ねられたのでヒアリングしたところ、ご主人が発熱と悪寒と喉の痛みを訴えているという。
     症状からすると『葛根湯』の適応時期を過ぎているため、使うなら『麻黄湯』をと案内した。
     そして喉の痛みはあっても咳は無いと言うので、咳が無い時に風邪薬はお勧めできないのだけれど、明日は仕事休めるということから服用による疲労感が出る可能性をお話したうえで『ルルアタックEX』を紹介し、お買い上げいただいた。
     すでに食欲は無いというので無理に食べさせなくても良い事と、入浴はしても良いことを伝えた。
     昔は入浴が駄目だと言われていたけれど、あれはまだ内風呂が普及していなくて、銭湯の帰りに湯冷めしてしまうからである。
     自ら発熱するのには体力を使うから入浴をして、発熱するのを支援してあげた方が良いのだ。

     高齢のお客様が『五虎湯』『麦門冬湯』で迷ってる様子だったので声をかけたところ、ご主人が咳と痰が絡み、たまに頭痛がするとのこと。
     以前に私が案内したさいには、『麦門冬湯』を使ったそうだ。
     今回は頭痛に『葛根湯』を使っていたというので、その『葛根湯』は咳の原因になってしまう事をお話したところ、発熱したというため体内が乾燥している可能性があることから、『麦門冬湯』が適応することを説明して、お買い上げいただいた。
     口腔内に膿の匂いがするようだというため『チクナイン』(辛夷清肺湯)も考えたけれど、鼻の症状は無いという。
     『麦門冬湯』で咳が治まり、膿の匂いが残るようなら『チクナイン』に乗り換えを検討しても良いだろう。
     頭痛の方は肩こりが関係ありそうな話だったので、『釣藤散』を紹介した。

     

  • ほうれい線対策には漢方薬!?

     お客様から授乳中に『ヴィックスドロップ』を使って良いか質問され、ぶっちゃけて言う形ではあるが「毒にも薬にもなりません」とお答えした。
     それほど喉が痛むわけではないとのことだったが、授乳中でも服用できる喉の薬はあることを伝えた。
     特に授乳中は水分が失われやすいので、上半身に保水する『麦門冬湯』を紹介してみたのだけれど、興味は示されなかった。

     常連のお客様から『奥田脳神経薬』の質問を受け調べたところ、『釣藤散』に現代薬を合わせたもので、『ドキシン錠』を使ったことのあるお客様には適応するかもとお話したところ購入された。

     やや高齢のお客様から『あずきのチカラ』を求められたが、置いていないことと『ほっとリフレ』を代用品として紹介したうえで上半身を温めて血行を良くするのに『葛根湯』を使ってみてはと提案したところ、風邪薬だとしか思っていなかったとのことで驚かれた。
     すると、『あずきのチカラ』の目的は肩こりなどではなく、加齢によるほうれい線対策とのことで、雑誌に紹介されていたそうだ。
     そのため、目的外の使用になるが上半身に保水する『麦門冬湯』を紹介すると購入された。
     それから、ご主人はプールから帰ると鼻水が出るというので、そういう時にも『葛根湯』が使えることと、透明な鼻水は内臓が冷えるのが原因とお話すると、お腹も壊しやすくビール好きだと言うから、ドンピシャであろう。
     お客様からは、「訊いた方がいいわね」と言っていただけた。
     ちなみに後で調べてみたら、ほうれい線対策には『五苓散』『補中益気湯』も候補になるようだ。
     『五苓散』はやはり水分代謝の改善で、『 補中益気湯』は体のエネルギーを保つからであろう。

     

  • 風邪は自然治癒を待つのがベスト

     お客様から『冷えピタ』の場所を訊かれて売り場を案内し、悪寒がする場合には良いとしても、悪寒が無く発熱が強まっているようであれば水枕や『アイスノンソフト』などを使うよう勧めた。
     すると患者は妊婦で、今朝から発熱したというため、漢方薬を使うケースもあることを伝えたうえで自然治癒を待つのがベストであることを説明した。
     ただし、咳は内臓への衝撃と体力消耗につながるため対処したほうが良い。
     『麦門冬湯』が妊婦にも使えるが、慎重な薬剤師や登録販売者は勧めないだろう。
     妊娠時にはそういう相談のできる医者を、近場で探しておくのも大事。
     体を休めるには内臓も休めることが必要なことをお話して、消化に良い食事をさせるよう勧めた。
     むしろ、内臓休めるためには無理に食事をする必要は無いので、水分と塩分の補給を兼ねてインスタント味噌汁やスープでも良いと伝えた。

     『コルゲンIB透明カプセルα』を購入されるお客様から『ロキソニン』があるか尋ねられたので、薬剤師のいる店でしか買えないことと、特別な理由が無ければイブプロフェン製剤で代用できることを伝えた。
     頭痛に使うそうで、ズキズキすることが多いものの締め付けられるような痛みもあるというため、前者は胃を悪くして起きるタイプの頭痛で、後者は肩こりなどと関係する頭痛であることを説明した。
     すると興味を持たれたようなので、プロスタグランジンというホルモンが痛みを増強する一方で胃を保護する指示を出す関係性をお話して、ズキズキする頭痛には『呉茱萸湯』を、締め付けられる頭痛には『釣藤散』を紹介した。
     お客様からは、「やはり漢方薬は体質改善のためか」と訊かれたため、急性症状にも通用することを伝えた。
     そして鎮痛剤を服用するさいには、消化に良い食事をするよう勧めたところ、鎮痛剤を飲むと胃痛がする自覚症状はあった模様。
     それから、風邪をひいたら早い段階で消化の良い食事に切り替えてエネルギーのロスを抑えるようお話した。
     寝込んでから食事を切り替えても、その頃には内臓がダメージを受けていて遅いんである。

     

  • 雲の上を歩くような目眩(めまい)は一度病院へ

     お客様が成人の息子さんから口内炎のパッチタイプの薬を頼まれたというのだけれど、患部の状態と場所は分からないという。
     炎症が強い場合の『口内炎パッチ大正クイックケア』と『トラフルダイレクト』に、日が経っていて患部の修復を促す『口内炎パッチ大正A』を案内してみると、家に『ケナログ軟膏』があるというので先に使ってみてはどうかと提案すると、帰られた。
     『ケナログ軟膏』は唾液と混ざると固まって患部に貼り付くようになるのだけれど、その感触が嫌なのか、それとも舌で舐めているうちに取れてしまうから貼るタイプを希望されたのか。
     いずれにせよ家族に頼むのであれば、患部の状態と場所も伝言しておいて欲しいところ。
     息子さんは口内炎を繰り返してるようなので、神経性胃炎が原因の可能性も伝えた。

     お客様が口内炎の薬を求めて来店し、患部が下唇の裏側なのでパッチタイプよりも軟膏を勧め、『ケナログ軟膏』と『トラフル軟膏PROクイック』を案内したところ後者を購入された。
     患部は炎症が強いようなので、内服薬なら『黄連解毒湯』が適応しそうに思える。
     また、胃の状態が口に現れやすいので、神経性胃炎の可能性を伝え『半夏瀉心湯』も紹介してみた。

     子供を連れたお客様が『ムヒSクリーム』と『ポケムヒ』を購入されるので、片方を局所麻酔のリドカインが入っている『ウナ』にして使い分ける方法もあることを伝えたところ、子供が以前に『ムヒ』でかぶれてしまったというのだけれど、『ウナ』シリーズのどれだったかは覚えていなかった。
     かぶれた原因が主成分なのか添加物でなのか分からないため、成分表示は取っておくようお話して、そのままお買い上げいただいた。
     そうそう、『キンカン』も駄目だったというので、痒み止め成分が入っておらず、代わりにトウガラシチンキの刺激によって痒みを誤魔化しており、血行良くする点からすると肩こりに向いていることを説明すると納得されたようだった。

     やや高齢のお客様が来店して、父親が喉の痛みを訴えており、風邪だと思うというお話だったのだけれどそう思う根拠は不明で、『ペラックT』と『駆風解毒湯』を案内しながら、普通の人でも1日に約50回は胃液が逆流していて、年を取ると荒れた所の修復が追いつくなくなり逆流性食道炎に気づかないこともありますとお話した。
     高齢者はもちろん風邪を警戒した方が良いが、喉の痛みは乾燥でも起きるし胃炎でも起きるので、薬を使うにあたってはなおさら注意が必要である。
     今回は『ペラックT』を試していただくことになり、もし発熱などは無く咳になるようなら『麦門冬湯』をと紹介したところ、自身の目眩(めまい)の相談を受け、以前は雲の上を歩くような感じになり、その後は回転性の目眩に変わったという。
     雲の上を歩くような目眩は血圧が関係すると考えられ、漢方薬では『釣藤散』が適応するが、病院に行ったことが無ければ脳梗塞などの前兆も考えられるため受診を優先したほうが良い。
     お客様は回転性の目眩の方を心配されたけれど、回転性の方が安心で水分代謝の異常が原因と考えられることを説明し『苓桂朮甘湯』を紹介した。
     一旦お帰りになってから戻ってきて、『ペラックT』を高齢者に使って良いか心配されたけれど、まず問題ありませんと伝えたうえで、どんな薬を使うにしても経過観察は必要なことをお話した。

     

  • ブランド名で薬を選ぶと役に立たないこともある

     お客様が外用消炎剤の棚で迷ってる様子だったので声をかけてみたところ、運動後の軽い筋肉痛に『エアーサロンパスジェット』を使っていて薬剤が散ってしまうのがモッタイナイと思い、貼る物を探しているとのことだった。
     メーカーさんには申し訳ないけど、スプレータイプは効率が悪いとは私も思う。
     痛くなる訳では無いそうなので、インドメタシン製剤より鎮痛効果を落としても良いのではとお話して、浸透力のあるフェルビナク製剤の湿布を勧めてお買い上げいただいた。
     今回は貼る物を希望されたけれど、ジェルタイプを使ってマッサージを兼ねる方法や、内服薬として『疎経活血湯』も役に立つことを伝えた。
     お客様は入浴せずシャワーを使っているというため、疲労の回復はもちろん壊れた細胞は血液で運ばれてくる材料によって修復されるから血流が大事なことをお話し、膝裏など皮膚が薄くて太い血管が通っている場所を集中的に浴びるよう勧めた。

     お客様から『バファリン』を求められて売り場を案内すると、同じシリーズでも処方内容が違うことは知らないようだった。
     特に『バファリンA』と、 他の『バファリンプレミアム』や『バファリンルナi』とでは成分が全く異なり、縁もゆかりも無い。
     今回は『バファリンA』を選ばれ、お会計時に症状をヒアリングするとズキズキする頭痛だそうなので、そのタイプは胃の不具合と関係し、頭痛がする時には消化に良い食事をすることで症状を軽減できる可能性をお話した。
     すると興味を持ってもらえたようなので、パッケージに「ズキズキする頭痛」と「吐き気」と書いてある『呉茱萸湯』を紹介し、因果関係を説明した。
     人間はストレスを受けると、神経伝達物質のセロトニンが大量に脳内に放出されて血管が収縮し、時間が経つと反動で急激に血管が拡張に転じて、この時に血管内が血流の急激な流れで炎症したり、血管の周囲にある神経を圧迫することにより、ズキンズキンと拍動するような頭痛となる。
     そして、最初のストレスというのは必ずしも精神的なことに限らず、身体の不調もまたストレスとなり、その一つが胃の不具合なのだ。
     しかも、その胃の働きもまたストレスの影響を受けやすく、思い悩んだりすると胃の機能が低下し、胃の具合が悪くなるとそれがストレスとなり頭痛の原因になる。
     この関係を断ち切るには、いったん胃に休んでもらうことなので、頭痛がする予感があったり実際に痛かったりするときには、その日の食事は胃に優しい物にするのが手っ取り早い。
     ただし、全く食べないとなるとそれでも胃酸が出たり収縮したりと無駄に動くため、具の少ないインスタントスープやインスタント味噌汁でも構わないから、何かしら流動物を入れたほうが良い。
     ちなみに、頭が締めつけられたり朝方に重い感じがしたりする頭痛は、肩こりや血圧と関係する頭痛なので、少し体を動かして血流が良くなると改善する。
     肩こりと連動して上半身が温まると楽になるようなら『葛根湯』を、頭重感があるのなら『釣藤散』を試してみると良い。
     高血圧による頭痛や耳鳴りを伴ない場合には、日本人が『四物湯』を基に開発した『七物降下湯』も候補になる。
     本当は最初に頭痛の相談をしていただいてから鎮痛薬を案内するというのが理想的ではあるのだけれど、どうしても先に薬を指名されて、お会計をするさいのレジ操作の時間を使ってヒアリングをすることになってしまう。
     下手をすると、その時には次のお客様が並んでいたりして説明を十分にできないということもあるので、体質的に使える薬が制限されているとか医師や薬剤師から指導を受けているというのでなければ、症状の相談からお願いしたいところ。

     お客様が『コルゲンコーワトローチ』と『パブロントローチAZ』と『マードレトローチ』を手に取って迷っている様子だったため気にかけていたところ、『コルゲンコーワトローチ』をレジに持ってきたのでヒアリングしてみた。
     主訴は喉の痛みだそうで、『コルゲンコーワトローチ』が消毒系、『パブロントローチAZが抗炎症系、『マードレトローチ』は抗炎症と冷却系を合わせた物であることを説明すると、『パブロントローチAZ』に変更して購入された。
     喉の痛みが明確であれば、この中で一番役に立たなそうなのは『コルゲンコーワトローチ』ということになるのだけれど、やはりブランドの威力なのか選んでしまうお客様は多い。
     お客様に喉の痛む場所を尋ねてみると奥の方だそうなので胃炎の可能性もお話したところ、元々喉が腫れやすいとのことだった。
     今回はトローチから選ぶことになったが、そうであれば熱の発散と冷却を同時に行なう『駆風解毒湯』も候補になるかもしれない。
     喉が腫れやすいというのは本人にとっては困るのは当然としても、ちゃんと敵と戦う機能が備わっているということでもあるから、上手くコントロールできるように喉の薬を何種類か候補にしておくと便利だと思う。

     

  • そもそもの用法を間違えてたら効きません

     お客様から「良く効く頭痛薬を」と相談され鎮痛薬の棚を案内すると、他店で『バファリンA』の類似品を買って使ったことがあるとのことだった。
     主訴は頭痛で、生理とも連動しているそうなので生理痛専用薬の『エルペインコーワ』を案内するとともに、頭痛にも肩こりなどの血流と関係するものと、胃の不具合で起きるものとで種類があることを説明した。
     すると、『イブクイック頭痛薬DX』をかなりのハイペースで使い切ったというお話があり、五十肩の『独活葛根湯』に興味を持たれたので、肩こりと連動する頭痛や朝の頭重感に用いる『釣藤散』と、ズキズキタイプの偏頭痛に適応する『呉茱萸湯』も紹介した。
     『釣藤散』のパッケージには「高血圧」と書いてあるため、お客様は高血圧ではないと言われたが、この高血圧というのは数値上のことではなく1日での変化のことと説明した。
     また、『呉茱萸湯』のパッケージには「ズキズキする頭痛と吐き気」と書いてあることを例にして、偏頭痛などのズキズキする頭痛は胃の不具合と関係することをお話した。
     そして、痛みを伝えるホルモンと胃を保護するよう指示するホルモンが同じなため、イブプロフェン製剤などで痛みを抑えると胃の保護機能が低下し、一時的に頭痛が治っても胃が悪くなり、また頭痛がして鎮痛薬を飲むという無限ループに落ちいってしまう可能性を伝えた。
     本日は、以前に使ったと思われる『バファリンA』の類似品『バリファックス』をお買い上げいただいた。
     頭痛外来の受診を勧めてみたところ、かかりつけ医がいるそうなので紹介した漢方薬を相談してみるよう勧めた。
     お客様からは、「頭痛の話を詳しく聞いたのは初めて」と言われた。

     夫婦のお客様が来店し、『アレグラFX』や『アレジオン』を見ていて、購入されるのが『アネトンアルメディ鼻炎錠』だったため状況を尋ねたところ、エピナスチン製剤を服用して効かなかったという。
     エピナスチン製剤の『アレジオン』やフェキソフェナジン製剤の『アレグラFX』は、起きたアレルギーの症状を抑えるのではなく、アレルギーが起きるの防ぐので、発症してからでは遅いことを説明した。
     そして、『アネトンアルメディ鼻炎錠』で今起きてる症状が軽減してから、改めて使ってみる方法もあることをお話した。
     そのさいには、症状のある日だけ服用するのではなく、1週間なら1週間と期間を決めて飲み通すのが効果的と付け加えた。
     メーカーの研究員さんからも、ネットの掲示板で「効かない」と書かれているため、販売時に使い方を説明するよう頼まれてるんである。
     ただでさえ薬は相性なんで、そもそもの用法を間違えてたら駄目なのは当然。

     

  • 歌手や俳優あるいは人前で声を使う仕事の人の三種の神器

     『イブA錠EX』を手にしたお客様から、『アリナミン』のドリンク剤を求められたのだけれど、詳しくヒアリングすると成人の娘さんが頭痛と肩こりを訴えており、『アリナミン』シリーズのどれかの錠剤を飲んでも効かなかったとのこと。
     同じ『アリナミン』シリーズでも成分が違えば効き方が違い、どれが合わなかったのかが分からないと困ってしまう。
     娘さんはハープ奏者というお話もあったため、『ズッキノン』(釣藤散)を紹介してみた。
     もし『釣藤散』が効くようであれば、職業病のようなものなので病院で処方してもらえないか相談してみるよう勧めた。
     また頭痛にしても痛み方で原因が変わり、『釣藤散』が合う頭痛は肩こりとの連動型で、締め付けられるような頭痛だったり、血圧が関係して朝方に頭が重くなるような頭痛である。
     そして、偏頭痛に起きがちなズキズキする頭痛はストレスや胃の不具合と関係するのだけれど、その場合は胃の保護機能を落としてしまう痛み止めを使うと、胃を悪くして鎮痛剤を使い一時的に治っても、鎮痛剤により胃が悪くなりまた鎮痛剤を使うという無限ループに陥ってしまう。
     しかし、今回はお客様が頭痛の痛み方までは聞いていなかったというため、まず『ズッキノン』を使ってみて、やはり痛みが治らないようであれば『イブA錠EX』を使ってみるよう提案したところ、両方購入された。

     高齢のお客様から『浅田飴』のニッキとクールのどちらが効くか質問されたが、主成分に違いは無いことをお話し、比較するとすれば『南天のど飴』は気道を開く物で、『浅田飴』は患部を冷やし、胃の機能を低下させることで咳を止めることを説明した。
     主訴は咳と喉の痛みで、ご本人は「風邪だと思う」とのことだったがその根拠は不明。
     確かに「風邪」とは「上気道の炎症」を指す病名ではあるものの、原因の多くはウイルス性であり、「上気道の炎症」は花粉症かもしれないし、逆流性食道炎の炎症が広がった場合にも起きるため、私たちが勝手に診断できないのと同様、患者さん自身が診断するのも好ましくない。
     つまり、咳と喉の痛みから風邪と推察するのは間違ってるとは言えないものの、鼻炎を併発していないのであれば安易に「風邪薬」に飛びついいてはいけないのだ。
     そういう意味においては、風邪薬ではなく『浅田飴』を使おうと思ったお客様の判断は賞賛に値すると勝手に思う。
     ただ、血圧関係で通院してる病院の担当医に症状を伝えたところ「風邪薬を出しましょうか」と言われたのを断ってしまい、それを後悔しているようだった。
     医師が風邪薬として何を処方しようと考えていたのかは不明なれど、最近ではウイルスなどの炎症の原因を排出するために去痰剤を出す程度に留めている医師も少なくないというから、保険が適用されないのがモッタイナイくらいの話である。
     すでに咳は一週間くらい続いているというので、体内が乾燥している可能性をお話すると、喉の痛みは実は大したことはないと言うため上半身を潤す『麦門冬湯』を紹介し、お買い上げいただいた。
     それから、コンサートを聴きに行くと緊張して咳が出るというため、そちらには緊張性の咳に使う『半夏厚朴湯』を紹介してみたら、ご自身で歌を唄うというお話もあったため『響声破笛丸』も案内した。
     喉の乾燥を防ぐ『麦門冬湯』、リラックスする『半夏厚朴湯』、声嗄れしたら『響声破笛丸』のこれらは、歌手や俳優あるいは人前で声を使う仕事の人の三種の神器なので、ぜひ覚えておいてもらいたいところ。

     

  • 降圧剤が市販されるようになったら危ないかも

     お客様が外用消炎剤の棚で迷っている様子だったので声をかけたところ、ご主人が腰痛で、以前に仕事の関係で腰を痛めヘルニアと診断されたことがあるとのこと。
     その時に『モーラステープ』や『ロキソニンテープ』が処方されていたそうで、市販薬は弱いのかと訊かれたため必ずしもそうではないかとお話して、鎮痛効果と浸透力の違いを成分ごとに説明した。
     今は仕事を変えているものの、数日前から痛み出してるというので、痛みの度合いによって薬も乗り換えるよお話したうえで今回は浸透力があり鎮痛効果が高いジクロフェナクトリウム製剤をお買い上げいただいた。
     また、患部に痺れ感があるそうなので『疎経活血湯』を紹介した。
     それから、以前と同じ症状だと思い込むと別な病気を見逃しかねないため、定期的に検診は受けるよう伝えた。

     お客様から血圧を下げる薬を求められたけれど、市販薬には無いことを説明すると、そもそも処方された薬を覚えておらず、お薬手帳を持ってきていなかった。
     ただ、上が170で下が110であることと、後頭部がズキズキするというので、いわゆる肩こりが関係する緊張型頭痛と考えられることから、『ズッキノン』(釣藤散)を紹介したところ購入された。
     一概には言えないが高血圧で怖いのは上と下の幅が40以下と狭い場合で、幅があるのであれば血管がちゃんと収縮と拡張しているという証拠であるため、それほど心配はいらない。
     むしろ、自己判断で血圧を下げる薬を飲もうとするほうが良くない。
     もし降圧剤が市販されるようになったら、けっこう危ないんじゃないかと思う。
     お客様には、今回使う『釣藤散』をお薬手帳にメモして、担当医に報告するようお願いした。