• タグ別アーカイブ: 釣藤散
  • 薬の説明書は捨てないで

     高齢の母親の親子が来店し、息子さんから母親の便秘の相談を受けた。
     長いと一週間くらいで、しかし便は柔らかいというため腸を刺激するタイプよりも便の量を増やす『スルーラック S』と『新ウィズワン』そして『サトラックス』を案内した。
     息子さんから相談される前に、母親が息子に「どれが良いと思う?」と尋ねていたのだが、再び息子さんと相談している様子の後にいつのまにか帰られた。

     フェルビナク製剤を手にしたお客様から、患部を温めるのと冷やすのとどちらが良いかと質問され、打ち身などの急性症状は冷やし、他は鎮痛成分の違いの方が重要ですとお話した。
     患者は成人の息子さんで、肩こりと首の痛みを訴えているらしい。
     その症状は以前からで、病院から処方してもらった薬で一時的に軽くなっても、疲労が溜まったりしてしばらくするとまたなるとのことだった。
     筋肉がガチガチに固まるというから、内服薬も必要かもしれないことをお話して『ドキシン錠』と『コリホグス』を紹介はしたけれど、処方されてる薬が分からないため今の時点では勧められないことを伝えた。
     なにしろその息子さん、処方薬の説明書を全部捨ててるというのだから困ってしまう。
     お客様には、おくすり手帳を作っているか確認するよう勧めた。
     そのうえで、『釣藤散』のような漢方薬も選択肢になることをお話すると、どうやら処方されたのは漢方薬だったようだ。
     また、家には以前に買った『ボルタレンEXテープ』があるらしく、お話しているうちに思い出したのか、処方されたのは『ロキソニンテープ』と『カロナール』だったと思うと言われ、しかもまだ使っていないということから、まずはそれらを使ってみるよう勧め、本日はお買上げは無しとなった。

     

  • ホントは訊かれたくない胃薬のコト

     お客様から、ご主人が食後のゲップと膨満感があるとのことで薬の相談をされたのだが、早食いのうえ、病院からは複数の薬が処方されてるというのにお薬手帳を持ってきていないため、処方構成が比較的単純な風邪薬などより胃薬の方が飲み合わせが難しいことを説明した。
     こう言ってはなんだが、登録販売者の間でも胃薬が鬼門だという人は少なくない。
     というのも胃薬の中には、胃酸の分泌を抑える制酸剤と消化を助ける消化剤が一緒に入っている物もある。
     反対の作用の成分がどうして入ってるのかといえば、メーカーの研究者さん曰く「市場のニーズです」とのこと。
     つまり、「なんにでも効く薬が欲しい」というニーズに応えた結果、実際の個別の症状に対応した物を選択するのが非常に難しくなってしまっているのが胃薬なのだ。
     そのうえ、風邪薬に含まれる解熱剤や咳止めの気管支拡張剤などは作用機序が明確なので、他の服用している薬が分からなくても、血圧を下げる降圧剤などとの飲み合わせは予測が立てやすいから、重大な副作用を起こす可能性が高い成分を避ければ、まず問題無い。
     それに、風邪自体が「放っておいても治る」病気である。
     以前に製薬メーカーの研究員さんから風邪薬の治験データを見せてもらったが、風邪薬の主眼はあくまで症状の緩和であって、服用した場合と服用しなかった場合とを比較しても、風邪が完治するまでの日数に優位な差は無かったし、その点は研究員さんも認めていた。
     一方、胃薬に用いられる成分には、水分代謝に影響する物、血管の拡張収縮に影響する物、神経伝達に影響する物と多岐にわたり、そのうえ先に書いたように互いに異なる作用の物が混淆されており、なおかつ風邪と違い胃の病気は放っておいて治るというたぐいのものではなく悪化する可能性を孕んでいるのだ。
     風邪薬は飲み合わせを気にして相談されるお客様は少なくないのに、圧倒的に胃薬は自分で選ばれることが多いし、案内を申し出ても「大丈夫です」と断られる。
     しかし、訊かれたら訊かれたで非常に選定が難しく、正直なところ私も「お客様から訊かれなきゃ、お客様が選んだ薬をそのまま売りたい」のが胃薬なんである。
     今回は、ご主人と連絡が取れたので8種類ほどの薬の名前を聞き出して調べたところ、不眠に精神安定剤が処方されていて、降圧剤の他に脂質異常と糖尿病の薬もあった。
     お客様は「精神の薬は関係無いと思う」と言われていたが、精神活動に影響するセロトニンは胃の働きにも関係し、当然のことながら精神安定剤によっては副作用が胃の機能を低下させるものであることを説明した。
     そして、やはり処方されている精神安定剤の副作用の項目には、ご主人の症状と関係がありそうな記述を見つけた。
     副作用の可能性があるため、まずは担当医に相談するよう勧めたのだけれど、何か薬は買っていきたいと頼まれる。
     むー、困った。
     薬を頼りにするのであれば、薬の怖さも意識してもらいたいところ。
     仕方ないので『半夏瀉心湯』を候補に考え、再度ご主人に連絡していただき肋骨の下側に指を入れて痛むか確認してもらうと、それは無いと言うので『六君子湯』を試してもらうことになった。
     お客様には重ねて、市販薬を購入するさいにもおくすり手帳は必要なことと、これだけ薬を飲まれているとなれば災害時には本人が持っていることが重要なことを説明した。
     災害で避難した場合、救援物資にその薬を要請することもできるので。
     また、ご主人に早食いさせないために食べながら話しかけたり、あるいは食卓にいっぺんに食事を出さずに小分けでおかわりをさせる方法を提案した。

     若いお客様から、頭痛に「強い薬を」と希望されたが、相性も関係することをお話し、使ったことがある物を尋ねると『バファリンA』とのことだった。
     そして痛み方は締めつけられる様な感じとのお話だったので、血圧や肩こりなどが関係する可能性を説明し『ズッキノン』(釣藤散)を紹介してみたが興味を示されず、『バファリンA』は全然効かなかったと言うので、他の成分を試してみるよう勧めたところ、『バファリンルナi』を購入された。
     同じ『バファリン』のブランド名がついているが、中味はイブプロフェン製剤で別物である。

     

  • os-1は一気飲みしないように注意

     以前に朝方の頭痛と疲労感の相談を受けたお客様が来店し、病院から『加味帰脾湯』が処方されるになったという報告を受けた。
     お客様は抗うつ剤や複数の眠剤が処方されていたため、その時には販売せずに、担当医に『加味帰脾湯』を処方してもらえないか相談するように勧めていたのだ。
     まだ効果は体感できないということだったが、朝方の頭痛は今は午後に移行したそう。
     朝方の頭痛は血圧が関係することが多いから当初は『釣藤散』を候補に考えたのだけれど、疲労感を胃腸の機能低下ではないかと推測して『加味帰脾湯』にした。
     頭痛が午後に移ったということは、一定の効果を得られたのかもしれず、詳しく聞いてみると冷たい水を飲んでいるというので、温かい物を飲むよう勧めた。
     胃が冷えるのもまた、頭痛の原因になるので。

     若いお客様が『OS-1』をまとめ買いされるので、スポーツか発熱かと尋ねたところ発熱に使うとのことだった。
     そこで、一気には飲まずに、ペットボトル本体の目盛りを参考にして小分けに補給するようお話した。
     一気に飲んでしまっては、ビックリした体の方は排泄に努めようとしてしまい意味が無くなる。
     何回かに分けて飲むことで、体に浸透していくのだ。
     それから消化にエネルギーを取られないよう、今日のところは食事を控えるか消化に良い食事をするよう伝えた。
     すると、病院から何か薬が処方されているらしく、食後の服用とのことだったのでインスタントスープを勧めた。
     食後に服用するとなると、大抵は胃に負担のかかる物だと思われるので。
     そしたらお客様から、「難しいですね」と言われてしまったため、風邪をひいたら体を休めるだけでなく内臓も休ませるということですとお話してみた。
     休ませるということは、「何もしない」ということだから、そう考えれば難しいことはないと思うのだけれど、どうか。

     

  • 受験の緊張緩和は親子で一緒に

     『十全大補湯』を購入される常連のお客様から、サプリメントの『グリシン』について本当に安眠できるのか質問された。
     最小のアミノ酸にどんな効果があるのか疑問とのことだったが、神経伝達物質であることと単純に穏やかな甘味で神経が安らぐ可能性はありますとお話した。
     まぁ要するに、甘い物であればグリシンである必要は無いのだけれど。
     何しろどんな食べ物も、一旦は分解されてアミノ酸になるのだから。
     カルシウムを飲んだからといって、取り込んだカルシウムがそのまま使われる訳ではないし、魚を頭から食べたからといって脳みそが人間の脳の材料になる訳でも無いヽ(´ー`)ノ

     夫婦の客様が来店し、始めにご主人から『イビキスト』について尋ねられ売り場を案内したが、イビキには加齢による喉の奥が垂れ下がって鳴る低音のタイプと、鼻腔で鳴るタイプの2種類があり、『イビキスト』は後者に適することをお話しした。
     鼻をかむと鼻血が出やすいそうなので合うかもしれないと伝えると、購入を決められた。
     他に娘さんの頭痛の相談を受け、『ロキソニン』と『イブ』が効かなかったというので、系統の違う『バファリン A』を試してみることを提案した。
     ただ、頭痛は締めつけられるタイプのようなので、緊張型の頭痛は血圧も関係する可能性をお話して『釣藤散』を紹介した。
     すると、もちろん年齢的に高血圧ではないと否定されたが、『釣藤散』のパッケージに書いてある高血圧とは、数値上のことではなく、1日の中でのその人の変化の話である。
     奥さんは、『呉茱萸湯』のパッケージに書いてある「吐き気を伴う頭痛」の表記に関心を示されたので、ズキズキするタイプの頭痛は胃と関係することを説明し、娘さんが受験生とのことから『半夏厚朴湯』を紹介すると、『釣藤散』と一緒に購入された。
     『半夏厚朴湯』は発表会に出るとか試験のように緊張してしまう時にリラックスさせる効果があるのだが、受験生の親が使うこともあることを伝えた。
     というのも緊張性のストレスというのは、家族など身近な関係にある人へ伝播してしまいがちでがあるからだ。
     なので『半夏厚朴湯』は、昔から親子で飲むと効果的とされている。
     奥さんから、『釣藤散』『半夏厚朴湯』を一緒に飲ませて良いかと尋ねられ、問題は無いものの効果が薄くなることは考えられるため、一時間程度は離して服用するように伝えた。

     

  • 痛い時に鎮痛薬を使うのは悪いことではない

     お客様が『イブクイック頭痛薬』を購入するさいに、朝方の頭痛と疲労感、そして中途覚醒してしまうことについて相談された。
     そういう相談は、お会計をする前にしてもらいたいところ(^_^;)
     職場に着いて仕事を始めると治るというので、『ズッキノン』(釣藤散)を案内すると肩こりも思い当たるようだった。
     しかし、他に服用している薬があるというので病状を尋ねると言いにくそうな素振りだったため、お薬手帳を拝見させてもらった。
     すると、抗うつ薬などが5種類ほど処方されていて、そのうちのひとつはSNRI(セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬)だった。
     この処方内容からすると、おそらくパニック障害なのだと思われる。
     こうしておくすり手帳見せてもらえれば、お客様が言いづらい治療の内容でも推察できるので助かる。
     さて、そうなると店頭で安易に薬を売ることはできない。
     本当のところ、『イブクイック頭痛薬』の購入も取りやめてもらいたいところなのだけれど。
     ううん、そのために先にお会計してから相談してきたのかしらん。
     睡眠自体は短時間ながら眠りは深く感じるようなので『加味帰脾湯』が使えそうではあるため、 担当医に相談してみるよう勧めた。
     また、『イブクイック頭痛薬』のような市販薬を購入したさいには、担当医にも使ったことを報告するように伝えた。

     『小児用バファリン』を求めて来店したお客様に棚を案内したところ、鎮痛薬に頼らない方が良いかと質問されたので「その通りです」と答えたうえで痛み方を確認するようお話しした。
     誤解のないように付け加えると、痛い時に鎮痛薬を使うのは悪いことではない。
     痛みに耐えることで体力を消耗すると、病状が進行してしまったり他の病気を併発することも考えられるから。
     あくまで、鎮痛薬に「頼ってしまう」ことで、治療の機会を逃したり症状の改善を検討しないのが好ましくないという話である。
     今回、患者は11歳の子供で、主訴は頭痛とのこと。
     ズキズキする痛みなら血管の収縮と拡張によるもので、胃の不具合とも関係することを説明し、他に肩こりと連動して起きる頭が重いような頭痛もあることを説明した。
     すると、本人は吐き気を訴えることもあるそうで、今回も吐き気止めを頼まれたというので水分代謝を改善して吐き気のある頭痛に用いる『呉茱萸湯』を紹介したが、粉が飲めないということで『小児用バファリン』のみをお買い上げいただいた。
     ただ、本当に粉が飲めないかどうかは本人でないと分からない。
     私も子供の頃は、粉が苦手でオブラートに包んで飲んでいたが、そのうち病気での苦しさと天秤にかけて気にならなくなった。
     それもあって、本人に薬を買う練習をさせてみてはとお話しした。
     そもそもの頭痛の状態も本人でないと分からないわけだし、自分の体に起きていることを人に伝えるというのは、案外と練習しないとできないもんである。

     

  • 素直に買われると不安になる

     やや高齢の夫婦のお客様から、大幸薬品とイヅミ薬品の『正露丸』の違いを尋ねられ、そもそもの『正露丸』が食中り向けの「飲む消毒薬」だとすれば、本来は悪いモノを早く排泄するのが重要で下痢を止めてはいけないものの、 市場のニーズとして下痢止めるために使いたいということがあるため、下痢止めのロートエキスを足してあるのがイヅミ薬品の『正露丸』だと説明した。
     そういう意味では、大幸薬品の『正露丸』とは別に、『ストッパEX』などの下痢止めを用意しておいて使い分けた方が良い事をお話しした。
     また、『正露丸』の糖衣錠は単に甘味を付けた物ではなく、抗炎症の生薬を二つ抜いてあるので、シクシクするような腹痛には弱いと考えられることも伝えた。
     ただ、今回は旅行に持っていくというので、下痢止めも兼ねられるイヅミ製の『正露丸』を勧めた。
     それから、胃腸炎と風邪の両方に対応できる『柴胡桂枝湯』を紹介したところ、白髪の相談も受けたため腎を養う『牛車腎気丸』を案内すると、両方とも購入された。
     買っていただけるのは有り難いのだけれど、普段は「いつも使ってるから」とか「ポイントが付くから」という理由で提案した薬を退けられるから、紹介した物を全て買われると逆に不安になってしまう(^_^;)

     お客様から、家族の蕁麻疹(じんましん)について相談を受けた。
     1ヶ月前くらいからとのことで飲み薬を希望されたことから、『レスタミン錠』と『アレルギール錠』に加え、現代薬と漢方薬の『十味敗毒湯』を合わせた『タウロミン錠』を案内した。
     また、上半身が虫刺されみたいに赤く腫れてるという話もあったため、患部の赤味と熱を取り除く『黄連解毒湯』も紹介した。
     しかし、予算と合わなかったようで値段の高さに驚かれたため、いずれも主成分の薬は病院で処方してもらえることを伝え、本日はお帰りになった。

     解熱鎮痛剤の店で迷っている様子のお客様がいらしたので声をかけてみたが、案内は断られた。
     やがて、『セデス・ハイ』のキャンペーン品をレジに持ってきて、『セデスファースト』があるか尋ねられた。
     『新セデス錠』が『セデスファースト』と同じ内容であることを説明したところ、『新セデス錠』は家に残ってるとのことだった。
    「先に聞けばよかった」とお客様に言われ、症状をヒアリングをすると頭痛とのことで、締め付けられるような感じというお話から肩こりを指摘すると思い当たるようだった。
     そこで『葛根湯』を提案してみたけれど、以前に『葛根湯』は気持ち悪くなったというので、『釣藤散』が適用するかもと紹介した。
     今回は、『セデス・ハイ』を通常パッケージ品に変更してお買い上げとなった。

     

  • 健康食品と薬の組み合わせも安全とは限らない

     お客様から、『ナチュラルケア』のヒハツとGABAの違いを尋ねられた。
     ご主人が高血圧で上と下の幅が狭いというお話から、ヒハツの方が期待できることを伝えお買い上げいただいた。
     一般に高血圧と言っても、上と下の値が40以上離れていれば、それほど問題は無いとされる。
     心配なのは幅が狭い場合で、血管があまり伸縮していない、つまり動脈硬化が懸念される。
     病院では今のところ問題ないと言われているそうなのだが、フラフラする目眩(めまい)を経験しているらしい。
     薬の相談を受けていれば『釣藤散』を紹介したいところなのだが、本人でないとそこまで踏み込みにくい。
     もしかすると、病院で薬を処方されているから健康食品でと考えているのかもしれない。
     本当は健康食品と薬の組み合わせも安全とは限らないから、そういう考え方は危ないんだけど、これもまた本人でないと話しにくい。

     お客様が酔い止めの『トラベルミンファミリー』を手にされたが、以前に『トラベルミンチュロップレモン味』を使っていたというので、同じ銘柄でも処方内容が違うことを説明した。
     すると、前に使ったのが余っているそうで、行きと帰りで違う物を使うといけないか訊くかれたため、そんな事はアリませんとお答えしたうえで、同処方の『トラベルミンチュロップぶどう味』をお買い上げいただいた。
     酔い止めの処方の大まかな違いとしては、やや眠くなりやすいタイプと眠くなりにくいタイプとがある。
     今回でいえば、『トラベルミンファミリー』が前者で、『トラベルミンチュロップ』が後者となる。
     考え方の一つとして、必ず酔ってしまうならばいっそ寝てしまった方が良いだろうし、観光旅行などでは寝てしまってはもったいないという事になるだろう。

     

  • 若い頃の感覚でいると危ない

     やや高齢のお客様が『アンメルツゴールドEX』を購入されるので、念のため症状を確認すると肩こりとのことだった。
     『アンメルツゴールドEX』は、同じアンメルツの名前が付いていても『アンメルツヨコヨコ』とは中味が別物で、どちらかと打ち身や捻挫などといった急性症状に適している強めの消炎鎮痛剤である。
     飲み薬はどうですかと『独活葛根湯』を紹介してみたら、以前に『葛根湯』を使って体が熱くなったそう。
     確かに『葛根湯』は上半身を温めて血行を良くする物だから、そうなるだろう。
     お客様は手足が冷えたことは無く、年の割には筋肉質な方で、お風呂上がりにはクーラーと扇風機の両方の風に当たるというくらい暑がりなんだとか。
     ううむ、となると体の機能が亢進していて、その負担が肩こりになっているのかもしれないから、『釣藤散』の方が適しているかもしれない。
     若い頃に剣道をやっていたそうで、その感覚でいるのは、ちと危ない。
     そうお話をして、『アンメルツゴールドEX』をそのままお買い上げいただいた。

     やや高齢のお客様から『ナボリンS』を求められたので、案内したうえで症状を尋ねると主訴は肩こり。
     お風呂などで温まると楽になるというお話から『独活葛根湯』を案内したところ、病院で手足のしびれや神経痛に用いるビタミンB12製剤と『半夏白朮天麻湯』が処方されていると分かった。
     『半夏白朮天麻湯』は水分代謝の異常による水毒に関連する症状、例えば目眩や頭痛などに適応する。
     肩こりが温めると楽になるという話と合致するし、ビタミンB12製剤が処方されているのなら『ナボリンS』は不要なことをお話した。
     ただ、目眩は回転性ではないそうだから、『半夏白朮天麻湯』より『釣藤散』の方が合うようにも思える。
     かといって医師の診断に口は出せないので、どうしようかと思ったら、漢方薬に詳しい別な病院を知っているらしいため、そこで適応しているか相談をしてみてはと勧め、本日はお買い上げは無しとなった。

     

  • 血圧の変動による症状は年令に関係ありません

     中学生の子供の便秘の相談を、お客様から受けた。
     お腹が張って苦しそうな様子だということと、これまで便秘薬を使ったことは無いそうなので、『コーラックファースト』と『タゲダ漢方便秘薬』(だいおうかんぞうとう)を案内し、前者をお買い上げいただいた。
     ただお客様には、便の状態を確認するようお話して、コロコロ便ならストレス性の可能があるので『桂枝加芍薬湯』を、最初だけが硬くその後は柔らかければ腸内環境を整える『ザ・ガード』を紹介した。

     夫婦のお客様が来店し、中学生の子供がよく下痢になると相談された。
     ストレス性の下痢の場合には『桂枝加芍薬湯』が候補になりますとお話すると、冷たい物を飲んでお腹を下すしやすいというので『胃苓湯』も紹介した。
     また、食べ物のアレルギーでも下痢になるケースがあることを伝えた。
     すると、頭痛にもよくなり、病院で処方された『カロナール』が効かないというので、『バファリンルナi』を案内した。
     ただ、その頭痛の痛み方までは聞いていなくて分からないそうなので、あとで確かめてみるよう勧めた。
     冷たい物を飲んでお腹を壊しやすいとなると胃腸の不具合が頭痛にも関係している可能性があり、多くはズキズキとした偏頭痛になり、水分代謝を改善する『呉茱萸湯』が適応する。
     一方、頭重感があったり肩こりを伴う、締めつけられる頭痛には『釣藤散』が候補になる。
     『釣藤散』のパッケージに「高血圧」と書いてあるため「それは無いと思う」と言われてしまったが、この場合の高血圧というのは数値上のことではなく、本人の1日の変化でのこと。
     急激な血圧の変動による症状は、年令に関係無く誰にでも起こり得るのだ。
     本日は、『バファリンルナi』のみをお買い上げいただいた。
     やはり、本人が来店して直接相談してくれるのが一番なんだけどねー(*´・ω・)(・ω・`*)

     

  • 同じ名前でも違う薬、違う名前でも中味は同じ

     お客様から、咳と鼻水の相談を受けた。
     鼻水は透明で、風邪はひかなかったそうなので体内が冷えて出る咳と判断し『カンポアズマ』を候補にした。
     しかし、もう少し詳しくお話を訊いてみたところ、息をすると咳になるらしく、最近エアコンの掃除をしていないという話もあったことから、『麦門冬湯』も案内した。
     すると、軽い頭痛もあるというので胃を悪くしている可能性をお話すると思い当たるようだったため、『呉茱萸湯』も紹介したうえで『麦門冬湯』が胃薬も兼ねることを説明したうえで、『麦門冬湯』の方をお買い上げいただいた。

    【第(2)類医薬品】《ツムラ》 生薬製剤 カンポアズマ 8包

     以前に回転性目眩(めまい)に『苓桂朮甘湯』を使っていただいたお客様から、また目眩があり、今回はのぼせも感じるとのことで更年期障害かもしれないから『桂枝茯苓丸』とどちらが良いか相談された。
     今回の目眩はフラフラする感じということから、『苓桂朮甘湯』は適応しないと考えられることをお話ししたところ、眩暈そのものは落ち着いているということも勘案し、『桂枝茯苓丸』を試していただくことになった。
     ただ、フラフラする目眩の候補として『ズッキノン』(釣藤散)も紹介した。
     パッケージに「高血圧」と書いてあるため「自分は低い方」とのことだったが、この「高血圧」というのは数値上のことではなく、本人の1日の中での相対的なものであり、血圧の変化に自身が耐えられないとフラフラする目眩が起きるのだ。
     そう説明すると、『ズッキノン』の塗り薬も欲しいと言われたが、これは内服薬の『ズッキノン』とは全くの別物で、『アンメルツヨコヨコ』と同じ成分であり、だからわざわざうちのお店には置いていない。
     なので、『アンメルツヨコヨコ』を『桂枝茯苓丸』と一緒にお買い上げいただいた。