同じ名前でも違う薬、違う名前でも中味は同じ

 お客様から、咳と鼻水の相談を受けた。
 鼻水は透明で、風邪はひかなかったそうなので体内が冷えて出る咳と判断し『カンポアズマ』を候補にした。
 しかし、もう少し詳しくお話を訊いてみたところ、息をすると咳になるらしく、最近エアコンの掃除をしていないという話もあったことから、『麦門冬湯』も案内した。
 すると、軽い頭痛もあるというので胃を悪くしている可能性をお話すると思い当たるようだったため、『呉茱萸湯』も紹介したうえで『麦門冬湯』が胃薬も兼ねることを説明したうえで、『麦門冬湯』の方をお買い上げいただいた。

【第(2)類医薬品】《ツムラ》 生薬製剤 カンポアズマ 8包

 以前に回転性目眩(めまい)に『苓桂朮甘湯』を使っていただいたお客様から、また目眩があり、今回はのぼせも感じるとのことで更年期障害かもしれないから『桂枝茯苓丸』とどちらが良いか相談された。
 今回の目眩はフラフラする感じということから、『苓桂朮甘湯』は適応しないと考えられることをお話ししたところ、眩暈そのものは落ち着いているということも勘案し、『桂枝茯苓丸』を試していただくことになった。
 ただ、フラフラする目眩の候補として『ズッキノン』(釣藤散)も紹介した。
 パッケージに「高血圧」と書いてあるため「自分は低い方」とのことだったが、この「高血圧」というのは数値上のことではなく、本人の1日の中での相対的なものであり、血圧の変化に自身が耐えられないとフラフラする目眩が起きるのだ。
 そう説明すると、『ズッキノン』の塗り薬も欲しいと言われたが、これは内服薬の『ズッキノン』とは全くの別物で、『アンメルツヨコヨコ』と同じ成分であり、だからわざわざうちのお店には置いていない。
 なので、『アンメルツヨコヨコ』を『桂枝茯苓丸』と一緒にお買い上げいただいた。

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