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  • その肩こりは温めて楽になりますか?

     お客様から、奥さんが肩こりで授乳中でも使える薬をと相談されたので、浸透力のあるジクロフェナクトリウム製剤やフェルビナク製剤などを避けるようお話しして、外用薬はサルチル酸系を案内した。
     内服の方は、症状が軽ければ『葛根湯』で充分なことをお話したうえで『独活葛根湯』を紹介した。
     ただ、『葛根湯』は授乳中でも大丈夫とはいえ、子供が興奮して寝付きにくくなる可能性があるため、出来れば授乳した後に服用するようお話しした。
     また、育児によるストレスも原因に考えるから、『コリッシュ』(治肩背拘急方)も紹介し、体を温めると楽になるか調べるよう勧めた。
     患部を温めて楽になるのなら、やはり上半身を温める『葛根湯』系が良いし、温めても変化が無いようであれば、胃を悪くしていることでの肩こりと考えられる。
     すると、お客様から頭痛に鎮痛薬をという話があったが、現代薬ではどれも勧めにくいため、『呉茱萸湯』を紹介したうえで、頭痛にも種類があり、それによって適用する物が変わることを説明した。
     例えば、偏頭痛のようにズキズキしたり吐き気を伴う頭痛のには胃の不具合が関係していると考えられ、『呉茱萸湯』が適応する。
     一方、頭が締め付けられるような感じや重い感覚の頭痛は、血圧が関係していることが多く、『釣藤散』の出番となる。
     いずれにしても、肩こりの状態や頭痛の状態は本人にしか分からないことだから、代理の人からのヒアリングには限界がある。
     とりあえず奥さんに連絡を取っていただき、今回は『サロンパス』をお買い上げいただいた。
     それと、家にある薬を使うか迷った時には、遠慮なくお店にお電話くださいと伝えた。

     お客様が『アリナミンEXプラス』を求めて来店したので、同じ処方内容で価格の安い『新パワーアクトEX』も案内してみた。
     患者はご主人で主訴は肩こりだそうなので、血流が悪い場合にと『キューピーゴールドαプラス』も紹介した。
     それと、肩こりだけで疲労が無いようならばと『独活葛根湯』を紹介したところ、『新パワーアクトEX』と一緒にお買い上げいただいた。

     

  • 薬の副作用に気をつけて

     やや高齢のお客様から、「タムシの薬を」と注文されたので『ダマリンL』を案内したうえで症状を尋ねると、決まった時期になるものの、陰嚢が痒いだけで発疹などは無く、太ももに症状が広がったりもしていない模様。
     この症状だけではタムシとは判断しきれないため、タムシに湿疹の薬を使っても一応は大丈夫だが、その逆は殺菌成分が刺激になってしまい良くないことを説明し、今回は『デリケアM’s』を使っていただくことになった。
     一度は病院に行ってみることと、湿疹の場合は長めの入浴による血流改善で治る可能性を伝えた。

     やや高齢のお客様から目眩(めまい)の相談をされ、立ちくらみではなく座っていても回転するような感覚がして、立つと雲の上を歩いているようなフラフラ感が起き、すぐに歩けずに深呼吸しているという。
     すぐに歩き出さないのは、良い判断ですねとお話した。
     回転性の目眩には水分代謝を改善する『苓桂朮甘湯』を、フラフラ感には血圧調整の『釣藤散』を紹介した。
     フラフラ感には血圧が関係することをお話しすると、半年ほど前に心臓弁膜症の手術を受け、降圧剤が処方されていると分かった。
     そして、家で測った時は血圧が低かったものの定期受診のさいには正常値で担当医に言い出せなかったという。
     また、友人に誘われて飲酒したさいには倒れてしまったそうで、他に処方されている薬を尋ねたところ交感神経β受容体遮断薬(βブロッカー)が出ていることが分かったため、副作用に目眩があることと、服用中に飲酒しては駄目なことをお話した。
     お酒を誘った友人には、「これくらいで酔うのは、普段から飲んでないのがいけない」と言われたらしい。
     オマエは人を殺す気かヽ(`Д´)ノプンプン
     お客様には、次の診察を待たずに担当に相談するよう勧めた。
     私の方も、もっと早い段階で服用している薬が無いか確認するべきだった。
     今回のように、起きている症状が副作用の可能性が高いことがあるから。
     ただ、副作用を単純に「薬の悪い作用」と勘違いされるのも困る。
     例えばアレルギー薬のジフェンヒドラミンの副作用は眠くなることだが、睡眠補助剤として活用されることもある。
     あくまで、特定の目的の主作用に対して副次的に起きるのが副作用で、その副作用を利用して別な目的に活用することがあるから、副作用を怖いものとして認識するのは誤り。
     これは食べ物にも云えることで、トマトを食べて得られるリコピンなどの栄養素とトマトに含まれるアルカロイド系の毒素や、ワインに含まれるポリフェノールが有用である一方、アルコールが有害であるのと同じ。
     それらの毒や有害作用のある物にしたって、鎮痛や消毒といった別な目的には有用なんである。

     

  • 店頭での患者さんの確認が大事

     中学生連れのお客様が『キンカン』を持ってきたさいに、虫刺されとしては蚊ぐらいにしか効かないことを説明したところ、『ムヒクール』に変更され、ついでに娘さんが以前に病院から処方された薬で薬疹を起こしたことがあり、安全な鎮痛薬をと相談を受けた。
     しかし、処方された薬を覚えていないそうなので『バファリンシリーズ』を例に、系統による選別が重要なことを説明した。
     例えば『バファリンA』と『バファリンルナi』とでは、同じ銘柄であっても成分は縁もゆかりも無い、赤の他人みたいな関係である。
     また、漢方薬で頭痛と肩こりが連動している場合の『ズッキノン』(釣藤散)を紹介すると、学習塾の冷房が強いという話だったので、上半身を温める『葛根湯』を提案し、勉強によるストレスのケースに『コリッシュ』(治肩背拘急方)も紹介した。
     この時点になって、患者は連れている中学生ではなく上のお子さんの高校生だと分かった。
     ありゃん、思い込みは駄目ですな(^_^;)
     ちゃんと患者さんの確認をしないと。
     詳しくお話を訊くと、お風呂に入っても入っても頭痛や肩こりが楽にならないようなので、上半身を温めるのは適さない可能性が出てきた。
     そこで、適応の簡易鑑別法として、冷たい水と温かいお湯を飲み比べて、症状が軽減するか試してみるよう勧めた。
     温かいお湯を飲んで軽減するのであれば『葛根湯』『呉茱萸湯』が適応するだろうし、冷たい水を飲んで落ち着くようなら『コリッシュ』や『釣藤散』の方が合うだろう。

     常連のご夫婦のお客様が来店し、以前からご主人が咳払いを繰り返していたので『ストレージH』(半夏厚朴湯)を試していただいたのだが、よく効いたとのことで、追加購入された。
     今日は他にも2件のお客様が、『半夏厚朴湯購入』された。
     何か気圧の関係だろうか。
     風邪や花粉症以外でも、特定の症状の患者さんは同じ日に集中したりする。
     だから、天候や気圧の予報をもとに発注しておくこともある。

     

  • 数値だけでは分からないことも

     『ロキソニン』を求めて来店したお客様に置いていないことを告げ、 近くのドラッグストアーを紹介した。
     用途は変偏頭痛で、ズキズキするというお話と気圧の変化が関係しているようだったため『釣藤散』を案内したところ、お買い上げいただいた。
     『釣藤散』のパッケージには「高血圧」と書かれている商品もあり、「自分は高血圧じゃない」という人もいるのだけれど、この場合の高血圧とは「数値上」のことではなく、その人自身の一日の中の血圧の上昇のことだと思ってもらったほうが分かりやすいと思う。
     数値上は高くなくても、一日のうちに上下の幅があり過ぎると不調になるので。
     そして、ズキズキするタイプの頭痛は血管が収縮した後の拡張により引き起こされる炎症なため、体を冷やすと体の方はもっと頑張って炎症させようとしてしまうということを説明したら、ラーメンを食べると頭痛が治るということだった。
     ふむぅ、ラーメンだと温かいというより熱いだけど、その高温が影響するのか、体内の気圧が変わるということなのだろうか。
     興味深い話である(・o・)

     お客様から、サプリメントの『マカ』と『ブルーベリーエキス』の同時摂取について尋ねられたので、問題は無いことをお話ししたが、どちらも短期的であることも伝えた。
     最近、朝がだるくて『リポビタンD』なども飲み、『マカ』は知人から勧められたとのことだったので、どちらも最後のラストスパート向けであり、これから何かを始めるという時や、まだ先が長い場合には『ユンケル』などの生薬系とを使い分ける方法を案内した。
     イメージとしては、現代薬系の栄養ドリンクは「消費した物の補充」で、生薬系の栄養ドリンクは「先に貯蔵しておいて消費していく」と考えると分かりやすいのではないか。
     消費した物を補充しても、すでに疲れている状況では、実のところ「時すでに遅し」なのだ。

     

  • 薬だけでなく買うもの全てにアンテナを張っていないと駄目かも

     やや高齢のお客様が『レスタミン糖衣錠』をレジに持ってきたが、症状を詳しく訊くと、手術後に背中側の腰に管を通していて、ガーゼを止めているテープでかぶれてしまったとのお話。
     ガーゼを貼ると2~3日はそのままにするため、塗り薬より飲み薬をと思ったようだ。
     話を聞かなければ、危うくそのまま売ってしまうところだった。
     治療のために服用している薬があるはずで、それを知りたいところだが、お薬手帳を持参しておらず、しかし他に血圧の薬も服用しているという。
     家は近いそうなので、一旦お帰りいただいてから、お薬手帳を見せてもらい調べることとなった。
     すると、痛風の薬も処方されていることが分かった。
     薬の辞典とニラメッコした限りでは、『レスタミン糖衣錠』との飲み合わせに問題は無さそうだが、担当医に報告することと、お薬手帳を持ち歩くように伝えた。 他にガーゼを固定するのにテーピング用のテープを購入されようとしたため、固定粘着シートと、防水フィルムを紹介した。 どちらが良いかお客様が迷われたので、患部を見せていただいたところ、後者の方が向いていると判断し、お買い上げいただいた。
     こういう時、更衣室のようなところがあると良いんだけどねぇ。
     棚の物陰で患部を見せてもらっちゃったよ……σ(^◇^;)。

     常連のお客様から「頭の良くなる薬は?」と訊かれ、サプリではイチョウ葉やDHAが候補となることをお話しすると、「漢方では?」と尋ねられたので、やはり血流が大事なことを説明したうえで、『葛根湯』を朝に服用すると頭がシャッキリすることを伝えたところ購入された。
     ただ、血圧が高めの場合には『釣藤散』の方が適応するというお話もしたのだが、そちらは耳に入らなかった模様(^_^;)

     

  • 頭痛の原因は多種多様

     お客様から、ご主人の頭痛についての相談を受け、以前に『ロキソニン』を使ったことがあるというので、科学構造式の似ているイブプロフェン製剤の『イブA』を案内した。
     すると、本人はあまり薬を飲まないようにしているそうで、漢方薬はどうかと相談された。
     そうなると、ズキズキして吐き気を伴う場合の『呉茱萸湯』や、低血圧で目眩を伴う時の『苓桂朮甘湯』、肩が張り血圧の関係する『釣藤散』、暑気あたりや胃を悪くしたさいに使う『五苓散』というように、頭痛の種類を鑑別しなければならないことを説明した。
     こうして比べてみると、鎮痛剤は痛みを感じなくさせるだけで、治すものではないというのが良く分かる。
     同時に、鎮痛剤は誰が買いに来ても良い物ではないというのも分かってもらえるだろうか。
     本日のところは、本人に訊いてみるとお帰りになった。

     高校生の親子が来店し、『バファリンルナi』と『バファリンプレミアム』の違いを尋ねられ、いわゆる同銘柄のスタンダードである『バファリンA』とは縁もゆかりも無いことを基本情報に、それぞれの成分の違いを説明した。
     また、『エルペインコーワ』のように鎮痛剤に子宮の痙攣を抑える鎮痙攣薬を合わせた生理痛の薬もあるので、生理痛と頭痛薬とで薬を使い分ける方法も提案した。
     そして、娘さんは病院には行ったことがないそうなので、定期的に受診してみることを勧めた。
     毎度の生理痛が当たり前と思っていると、成人してから大病を見逃してしまう可能性があるので。
     漢方薬では、『当帰芍薬散』『桂枝茯苓丸』を体質に合わせて選び生理前から服用すると、期間中の随伴症状が軽減されるから、辛い時だけ鎮痛剤を併用することで、鎮痛剤の利用回数を減らす方法もお勧めである。
     本日は、『バファリンルナi』をお買い上げいただき、お会計のさいに母親が自身は頭痛だと話されたので、ズキズキする頭痛なら胃と関係があり『呉茱萸湯』を、肩が張ったりお湯を飲んで楽になるようなら上半身を温める『葛根湯』が適応することを伝えた。

     

  • 便通が1日1回というのは刷り込みです

     やや高齢のお客様が、疲労対策の漢方薬を見ていて、どれが良いかと相談された。
     主訴は、肩から頭にかけてのこりと疲労感で、引越しをして家族が増えたことと、仕事が忙しく休めていないというお話に、発症が2週間ほど前からというので気圧の変化も関係しそうと思われた。
     病院からは、何か筋肉の緊張を緩める薬が処方されているようなのだが、お薬手帳を持っておらず内容は不明。
     睡眠時体は問題ないものの、トイレには何度か起きているというので腎機能が低下していると考えられる。
     食欲はあるというお話から、環境の変化によるストレスと考え『補中益気湯』をまず提案したが、肩から頭にかけてのこわばりと、頭が朝方にボーッとするということに焦点を当て直し『釣藤散』も紹介した。
     パッケージに大きく高血圧と書いてあるため、血圧は問題ないという話だったが、時間帯による変化は病院での設定では分かからないことを伝えると、『釣藤散』をお買い上げいただいた。
     ただ、お客様の様子からすると、話を聞いてもらいたいというのが第一だったようにも思われる。

     やや高齢のお客様から便秘に『新ウィズワン』を使ったところ、便が柔らかくなりすぎたため、もっと「効き目の弱い物」を捜していると相談された。
     しかし、『新ウィズワン』の作用機序は、腸内の水分を集めて便を柔らかくするものなので、効き目が強い弱いというよりも、効果としては正常と思われることを説明した。
     そのうえで、軟便が気になるのであればと『オイルデル』を紹介し、お買い上げいただいた。
     こちらは、『麻子仁丸』に近い物で、商品名のように植物油によって腸内の滑りを良くするイメージ。
     高齢者の便秘にも、効果的である。
     ただ、お客様は便通が1日おきというのを心配していたが、食べる量が少なくなっていて、お腹は苦しくないというので、便秘とは限らないことを伝えた。
     1日1回の便通が正常という刷り込みがあるが、実際には人それぞれだし、年を取れば内臓の機能は低下するのだから、あまり便通は毎日とは考えない方が良い。
     気にし過ぎると、それがストレスになって胃腸の働きを悪くしてしまう。

     

  • 背中のこりや痛みは他の病気が隠れているかも

     『アレジオン』の購入を決められたお客様が、使うのは初めてとのことだったので即効性に乏しく予防薬として活用するのが有用なことを説明した。
     そして、即効性があり眠くなりにくい物として『ロートアルガードクイックチュアブル』を紹介した上で、『アレジオン』をお買い上げいただいた。
     鼻水が出るのは内臓が冷えていると考えられるため、入浴時間を長くしたり温かい物を飲んで、体を積極的に温めるよう伝えた。

     肩こりにと『タイガーバーム』を求めてお客様が来店したが、輸入元の会社が取り扱うやめてしまったことを説明し、成分の近い物として『メンソレータム軟膏』と『トクホンチールOX』を紹介した。
     両方の購入を決められ、もう少し詳しく症状を尋ねると、肩こりから頭痛にもなっているようだったので『葛根湯』で上半身を温めたり、反対に昇り気味の血圧を下げる『釣藤散』で血流を整える方法があることを伝えたところ、病院に通っているということから、担当医に処方してもらえるか相談してみるよう提案した。

     乳幼児を連れていたお客様が外用消炎剤の棚で迷ってる様子だったので、授乳中の可能性を考えて見守っていたところ、『サロンパスハイ』を選んでレジに持ってきた。
     外用薬から授乳には関係無いと思ってる人は少なくないから、ひとまず安心。
     しかし、主成分のサリチル酸グリコールは、いわゆる湿布臭い匂いがするため、それを伝えるとご主人が使うそうで匂いを嫌がるかもというお返事。
     主訴は背中のこりで、お客様か使うのでなければ浸透力のある薬でも大丈夫だから、フェルビナク製剤を案内し変更となった。
     整骨院になかなか行けないというお話だったけど、背中のこりや痛みは他の病気が隠れている可能性もあるため、軽減しないようであれば状態を確認するだけでもと受診を勧めた。
     お客様を脅すつもりは無いものの、内臓には痛覚神経が無く、内臓に不具合があった場合には近くの痛覚神経がそれを痛みとして脳に送ったりするのだ。
     以前に私自身はそれで肺炎を見逃してしまったし、胃痛を背中の痛みとして誤認することは多くあり、肝臓がんだったなんてケースもあるから油断はできない。

     

  • 腸を大切に! 腸は体の自動防衛機構、故障すると無差別攻撃します

     『ズッキノン』を購入されるお客様に、以前から使っている物なのか確認したところ、頭痛に使い続けてるというので、中身は漢方薬の『釣藤散』だから、病院でも処方してもらえることを伝えた。
     保険が適用される方が診察料を入れても安上がりだし、連用するなら医師の診察は定期的に受けた方が良い。
     症状を尋ねると、特に朝方に頭重感があるそうだから、『釣藤散』が適応するのは確かだろう。
     ただ、その症状は血圧と関係している可能性があるから、あまり自前で対処するのは心配。
     養生として、室内にいる時や寝る際には、下半身だけ厚着をするよう勧めた。

     お客様がレジに『アレジオン』を持ってきたさいに使用経験があるか確認すると初めてで、すでに花粉症の症状が強くでてるというので、それだと効いてくるのに時間が掛かる可能性をお話した。
     一方、『パブロン鼻炎速溶錠』は以前に使って眠くなったというお話から、眠くなりにくい物として『ロートアルガードクイックチュアブル』を案内しつつ、『小青龍湯』を紹介してみたら興味を持たれた。
     ただ、『小青龍湯』は病院でも処方してもらえることを伝えると、もともとは実家の近くの病院で何か薬を処方されていたらしい。
     今日のところは、『パブロン鼻炎速溶錠』を購入された。
     眠くなったというお話なのに、『パブロン鼻炎速溶錠』を選ばれるところが不思議ではある。
     入浴について尋ねると湯船には長く入ってるそうで、のぼせや心臓への負担さえ気をつければ花粉症の養生として良いことをお話した。
     そのうえで、トマトやキュウリなどの夏野菜を避けるよう伝えた。
     そして、どうやら花粉症が免疫反応の異常であることを知らないようだと分かった。
     自分は仕事上のことだから知ってる訳だけど、一般的に認知度ってどうなんだろう?
     本来、人間の免疫反応は外部からの敵、例えばウイルスや菌を攻撃するのだが、花粉などを敵と誤認して攻撃し、排除しようとして起きるのが涙や鼻水で、鼻づまりは敵の侵入を阻止するため、目の痒みや肌の炎症は健康な部位を犠牲にしてでも敵を殲滅する戦いを仕掛ける、これが花粉症の主な症状の原因。
     なので、本物のウイルスに侵されて風邪をひき発熱すると、攻撃対象が変わるから花粉症の症状は軽くなったりする。
     まぁ、今度は風邪で苦しむ訳ですが。
     花粉症から風邪に移行してしまう事があるのは、花粉相手に無駄弾を撃ちエネルギーを消耗し、そこをウイルスにつけ込まれるからだし、その反対に風邪が治ったと思ったら花粉症になってしまうのは、体としては敵を排除しきれていないからと不毛な消耗戦に突入するからである。
     で、肝心の敵味方を識別する防衛機構の要は腸が担っている。
     心臓が人間の意志とは関係無く自動で動いているように、免疫機能もまた完全自動制御。
     なにしろ相手は小さいから、いちいち脳が認識してから攻撃したのでは手遅れになってしまう。
     この辺は上手く出来てるなぁと思うものの、これまた自分の意志で心臓の鼓動の強弱が出来ないように、攻撃対象の変更や攻撃力の制御ができないのが困りもの。
     せめて出来るのは、防衛機構を担っている腸の状態を良好に保つことである。
     それが、日頃から温めて血流を良くし、腸内細菌の活動を手助けすることなのだ。
     その簡単な方法が、長めの入浴と下半身の厚着という次第。
     あっ、ちなみに私自身は花粉症になった時に、攻撃力を弱めることだけは自分の意志で出来ます(o ̄∇ ̄)o
     いや、他の人もできるのかもしれないけど、花粉症の人に訊くと実践してるという人に会ったことが無いので、あまりやる人はいないのかなと。
     それは、全身の力を抜いて背筋を伸ばさず首をうなだれ、手はダラーンと下げて、足は引きずるように歩き、何をするにもゆっくりした動作で動くこと。
     さきにも書いたように、免疫反応は攻撃力に直結するから、いわば全軍の士気を下げてやるんである。
     そうすると、目鼻の痒みも鼻水やクシャミも、かなり軽くなる。
     ただし、周囲の人からは今にも倒れそうな姿に見えるらしく、「大丈夫ですか?」と心配されるけど(笑)

     『苓桂朮甘湯』を購入されるお客様に使用経験を尋ねると、これで3回目とのこと。
     目眩と耳鳴りに動悸があるといい、目眩は天井が回るような感じだそうだから、大きく外してることはない。
     ただ、今は起きていないものの以前は寝汗をかくこともあったそう。
     生理と連動していたかについては、分からないという。
     ううん、水分代謝の異常だとは思うけど、手掛かりが少ないな。
     それに、動悸に関しては『苓桂朮甘湯』では力不足のように思える。
     『苓桂朮甘湯』は病院で処方してもらえる薬でもあるし、他の選択も考えられるので、漢方薬に詳しい病院を紹介し、一度は受診してみるよう勧めた。

     

  • 胃薬は種類が多くて難しい

     『スクラート胃腸薬』を購入されるお客様に、お会計をしながら症状を尋ねると、成人の息子さんから「なんでもいいから胃薬を買ってきて」と頼まれたそうな。
     それと、家にあった胃薬を飲んでいて無くなったからというのだけれど、何を飲んでいたのか、それを飲んでみてどうだったのかも不明。
     そして肝心の症状の方はというと、「具合が悪い」としか分らない。
     ううん、せめて胃もたれなのか胃痛なのか、満腹時の不調なのか、空腹時にも苦しいのかだけでも分かれば、案内のしようがあるんだけどねぇ。
     名前の似ている『スクラート胃腸薬S』の方なら、健胃薬が入っていて応用範囲が広いけど、『スクラート胃腸薬』の方は「空腹時の胃痛」というようにグッと狭くなってしまう。
     お客様には、簡易な鑑別方法として、水を飲んで楽になるのか、お湯を飲んで楽になるのかを確かめてみるよう勧めた。
     本当に簡易過ぎるけど、それだけでも水を飲んで楽になるのなら胃炎や胃の亢進(働き過ぎ)、お湯を飲んで楽になるのは胃内停水やストレスによる胃痙攣というように考えられる。
     それに、どうも息子さんは胃薬をしょっちゅう飲んでいるというから、炭酸水素ナトリウムの摂り過ぎによる血管の収縮や、ロートエキスで胃腸の働きが悪くなっているというという可能性もある。
     なんでも摂り過ぎは、良くないんである。
     なによりも、「なんでもいいから」で胃薬を選ぶというのは、風邪薬よりも難しい。
     風邪なら、頭痛・悪寒・発熱・関節痛・咳・鼻・喉といったところだろうか。
     しかも、頭痛と悪寒と発熱と関節痛は繋がってるし、咳・鼻・喉も繋がっているから、ドコかを治せば残りの患部も一緒に治ることが期待できる。
     一方、胃薬はというと、亢進を抑える制酸剤・消化を助ける消化剤・胃を修復する健胃剤・胃酸の出過ぎを抑えるけど作用機序の違うH2ブロッカーとM1ブロッカー・粘膜修復剤・運動調整剤・鎮痛鎮痙攣剤・整腸剤・下痢を止める止瀉剤・便秘薬・痔疾剤と風邪薬よりも多種多様。
     簡単な表を示すと、息子さんは痔もあるとか。
     本日のところは、いったん返品となって、改めて症状を確認してきていただくことに。

     お客様から、肩こりに匂いがあまりしない湿布をと求められ、薬剤の種類によって違うことを説明した。
     いわゆる「湿布臭い」とか「サロンパスの匂い」と云われるのは、サリチル酸グリコールである。
     症状を確かめると、急性で軽い頭痛を伴うそうなので、浸透力のあるフェルビナク製剤を案内したうえで、内服薬に『釣藤散』と『コリッシュ』(治肩背拘急方)を紹介したところ、病院で胃潰瘍の薬が処方されていると分かった。
     おっと、それじゃ『葛根湯』は使えませんね。
     服用している薬は、先に確認するべきでした。
     次の受診が近いというから、『釣藤散』は担当医に相談してみるよう勧めた。
     本日は、『フェルビナク5.0%』をお買い上げ頂いた。