• タグ別アーカイブ: 疎経活血湯
  • 提案は引っ込めることに極意あり?

     やや高齢のお客様が、湿布薬を買いに来店。
     膝に貼るというのだけれど、痛いというほどではなく違和感程度で、寒さや湿気は関係しないみたい。
     ただ、歩きすぎるとなるらしい。
     湿布薬を希望されているから、ひとまず『のびのびサロンシップ』を案内した。
     他のシップと違い、名前の通りに伸びるこのシップは、真ん中辺りに切り込みを入れると膝を覆うように貼れるので。
     でも、価格的に安い『アスコラルL』の大容量に惹かれたようで、そちらを買いたいとの申し出。
     もちろん構わないんですが、主成分はもちろん添加物でかぶれることもありますし、貼り心地も違いますから、小容量の物を試してみてはと提案し、同製品の小容量をお買い上げ頂いた。
     あと、前もって長い距離を歩くと分かっている時に先に飲んでおく薬として、『疎経活血湯』を紹介した。

     『のどぬ~るスプレー』をレジに持ってきたお客様に症状を確認したところ、主訴は咳と喉の違和感だという。
     数日前に38度くらいに発熱して病院で抗生剤を処方されたというから、体の中が乾燥したんじゃないですかね。
     それに、抗生剤は体を守る菌まで倒してしまいがちで、消毒系の『のどぬ~るスプレー』を使ったら、余計に体が外部からの侵入者に対して無防備になってしまいます。
     そんなお話をし、上半身を潤して咳を止める『麦門冬湯』を案内してみたんだけど、やっぱりスプレータイプがイイと希望されたため、せめて抗炎症系をとアズレン製剤の物を勧めて、お買い上げ頂いた。
     あと、体内を潤すには血行が大事なので、ゆったり入浴して体を温めるよう伝えた。

     魚の目の薬を求めていらしたお客様、患部は足の爪の間だというので、液剤を使って絆創膏で覆う方法を提案したんだけど、前に使ったのがそのまま貼るタイプだったということから同じ物をと希望され、そちらを購入された。
     爪の間に、上手く薬剤が届くのかなぁ(^_^;)?
     そう疑問に思ったら、患部が柔らかくなったら自分でほじっているそうな。
     あうっ、そういうことはまず、専門医の指導を受けてからのほうが良いのでは……。
     人間の体というのは、良くも悪くも防衛機構が働くから、患部に刺激を与えると余計にその部分を守ろうとして、魚の目が再発してしまうなんてこともありえる。
     魚の目やタコ・イボの塗り薬というのは、基本的に患部の皮膚をわざと腐らせて新しい皮膚に入れ替わるのを促進するものなので、自然なターンオーバー(周期)に任せておいたほうが良い。
     でも、病院に行くのは嫌みたい。
     何か嫌な思いをしたことがあるのか、面倒なだけなのか。
     その辺りは、もう少し話し込んでみないことには分らない。
     ただ、医師との出逢いは運みたいなものだから、「その時に」良い医師に出逢うというのは難しい。
     たいした病気ではない時に、頼れる医師を探すチャンスだと思って何軒か巡ってみるくらいの気持ちでいたほうが良いです。
     というお話をして、お客様を見送った。

     

  • プライドと病苦を天秤にかけるの?

     痔の薬の棚で、珍しく『乙字湯』を手にされているお客様がいたので、声を掛けてみた。
     いや、たいていは『ボラギノール』や『プリザエース』だけ見て、内服薬の『乙字湯』に興味を持ってもらえることが無いんで。
     便秘を伴う出血性の痔なら、『乙字湯』で中から治すのが良いと思うんだけどねぇ。
     まぁ、それを言うと『乙字湯』より、『レンシン』の方がもっと良いんだけど、入荷ルートが限られていて、うちのお店で取り扱えないのが残念。
     さて、そのお客様によると友人からの頼まれ物で、特に塗り薬や注入軟膏あるいは内服薬などの指定はされていないという。
     それどころか、痔の状態も分からないんだとか。
     なんですか、それは(;´Д`)?
     その友人は病院に行ったことは無く、さりとてドラッグストアーに自分で行くのも嫌がってるらしく、お客様曰く「プライドが高いヤツだから」とのこと。
     ますます、なんなんだ………。
     とりあえず、便秘気味ではあるようで、『乙字湯』を買っていかれた。
     はてさて、本人が納得するか、そして適応するか、謎だけが残ったり。

     やや高齢のお客様が来店し、テレビ通販で見たコルセットが欲しいと注文された。
     しかし、製品名はおろかメーカー名も、その通販番組の名前も分からないという。
     ええと……、どうすれば良いの私は(^_^;)?
     そして詳しくお話を訊くと、腰痛で整形外科には通っており、コルセットも入手したものの、体型の関係かマジックテープだとすぐ外れてしまい、通販で見た物は外れにくいと思ったそう。
     しかし、コルセットを探すにあたって担当医には相談しておらず、その理由は病院に行って待つのも他の人たちを待たせるのも嫌だからだという。
     ええと、江戸っ子ですか?←偏見
     それと、内科にも通っており、そこでは多く薬が処方されているため、飲み合わせのことがあるためか整形外科では鎮痛剤を処方してくれなかったとのこと。
     それでいて、お薬手帳を持ち歩いていないから、こちらもアドバイスのしようが無い。
     いや一応は、保険の適用薬の『疎経活血湯』を紹介だけはしたけど、やはり内科で処方されているという薬の内容が分からないことには、漢方薬といえども安易に売ることは出来ない。
     内科医には腰痛のことを伝えていないというから、その多く処方されているという薬の選別なり、腰痛を緩和するための薬を処方してもらえないかを相談するよう勧めて、今日のところはお帰り頂いた。

     

  • 情報料は別途という時代が来るだろうか

     夫婦で来店し、旦那さんの咳について相談を受けた。
     咳は今朝からで、一週間前には喉の痛みがあったものの、喉の痛みについては落ち着いているそう。
     おそらく胃炎を起こしていて、胃に覆いかぶさるようにある肺から気管支にかけてが乾燥しているのだろうと予想し、咳が出るタイミングは話そうと息を吸う時ではと問い掛けるとドンピシャだった。
     まぁ、これは占い師が使うコールドリーディングの一種である。
     コールドリーディングとは、大きくは外れないだろうという問い掛けをして、相手に「私は貴方よりも貴方のことをよく知っていますよ」と錯覚させる技術で、これを活用することで信頼性を高める、あるいは騙すことができる。
     いや、外れたら外れたで、「そういう例もありますので」と知識が豊富なように装い、次の質問をシレッと続けて正解を探るだけのこと。
     ………と書くと、何やら悪いことをしてるみたいですが(^_^;)
     病院の診察室とか、話をするのが前提の場所と違って、店頭に買い物に来るお客様の殆どは、手軽に問題を解決できることを望み、長話もする気は無いから、質問は少ないほうが好ましい。
     でも、適切な薬を提供するには、現在の症状の他に経過はもちろん、他に使用した薬の情報、付随して食生活や仕事のこと、家族の有無にその家族の健康状態など、情報は多いほうが良い。
     そこで必要なのは、短時間でお客様の信頼を得て自ら色々なことを話してもらえるようにするのと、お話中にも肌の色や眼の状態、唇の艶や声の強弱といった身体的な情報を読み取るための時間稼ぎなのだ。
     でもって、ドラッグストアーで買う薬の販売価格には当然の事ながら、従業員の賃金が含まれている訳で、何も相談せずに自分で買うお客様というのは、これはもう「楽して儲ける」ことができて大変ありがたいです(*´∀`)
     ……あれ?
     ええとつまり、単純に成分とかを丸暗記してるんじゃなくて、小めんを優雅に泳ぐ白鳥が水面下では必死に足を動かしてるんですよーとかなんとか、カッコつけてみるテスト。
     とにかく、今回のお客様には体内が乾燥しているだろうことを納得して頂き、上半身を潤す『麦門冬湯』を試してもらう事になった。
     それと、咳が出ている間はキュウリやトマトといった夏野菜を避けるように伝えた。
     胃炎に限らず、体としては患部を治すために炎症を起こしたい理由があり、体を冷やす食事をすると、体の方はもっと温めようと頑張ってしまい炎症を強めてしまうので。
     というような情報の提供も、薬の販売価格に含まれていますので、訊かないと損ですよん♪
     そういえば、化粧品なんかに関する情報誌には「実は原価は10円」とか載ってたりするけど、入手の手間や調合の手間を考えてないよね?
     そして、使いこなすための知識とか、そういうのも含めての販売価格だと思うんだけど。
     そういう意味では、ネット通販で薬を買う人は、通販での販売価格をどう考えてるんだろう?
     個人的には、ネットでの薬の通販は推進派なんだけど、やっぱり販売店に相談のメールの一つもしないで買ってるのなら、私は「損してる」と思う。

     『タイガーバーム』を求めて、お客様が来店。
     確か、輸入販売をしていた株式会社龍角散の契約は切れたんじゃなかったっけ。
     うちのお店からは、すでに引き上げてしまっている。
     成分としては『メンソレータム軟膏』が近いので案内すると、お買い上げ頂くことになった。
     他に、外用消炎剤で『フェイタスZ2.0%』より『フェイタス5.0』の方が濃くて効くのかと質問された。
     ブランド名を浸透させようと同じ名前で出すメーカーが悪いんだけど、『フェイタスZ』と『フェイタス』は、成分からして別物なことを説明した。
     『フェイタスZ』の主成分はジクロフェナクナトリウムで鎮痛効果と浸透力に優れ、『フェイタス』の主成分はフェルビナクであり鎮痛効果は弱まるものの浸透力は高い。
     つまり単純な主成分の濃さで言えば『フェイタス』の方が濃いと言えるけど、効果が違うものを濃さだけで比べるのは難しい。
     しかも薬の場合は強ければ良いかって言うと、症状の強弱や体との相性もあるため、なおさら単純には比べられない。
     だからまずは、容量の少ない物で試してみてくださいという事になる。
     そして、フェルビナク製剤の方を『メンソレータム軟膏』と一緒に購入されるというので症状を尋ねたら、頚椎狭窄症による腰痛だという。
     そこで、内服薬として『疎経活血湯』を紹介してみたら、飲み薬は嫌だとの返事。
     ん?
     これは嫌な予感……。
     予感は当たり、高血圧や糖尿病の薬を病院から処方されているため、これ以上は飲み薬を増やしたくないと。
     あうっ(;´Д`)
     塗り薬と内服薬も組み合わせによる副作用とかあるから、そういうことは必ず言ってもらわなきゃ困りますよぅ。
     しかも、お薬手帳が無くて処方されている薬が不明だし。
     いつもはお薬手帳を持ち歩くのが今日は忘れたというお話だけど、ウッカリのために危険度を上げるのは好ましくなく、今日のところはフェルビナク製剤はやめてはとお話した。
     しかし、やはり貼り薬は欲しいと言われ、代わりに『ロイヒつぼ膏』を購入された。
     お客様には、市販薬の記録もお薬手帳で一元管理して、担当医には使った市販薬について報告するようお願いした。

     

  • 副作用がすぐに出るとは限らない

     夫婦で来店されたお客様が外用消炎剤の棚を眺めていたので声を掛け、鎮痛効果の強さを三段階と、浸透力の違いを説明しつつ、誰が使うのかと症状を確認すると、ご主人が肩こりで奥さんが腰痛だとのこと。
     夫婦共に病院を受診したことは無いそうなので、酷くなってから行こうと思うより、現状を把握するために一度は受診してみるよう勧めた。
     そのうえでインドメタシン製剤の『ハリックス55IDプラス』の購入を決められたけど、一応は薬は相性もあるため、同じ薬ではない方が良いかもしれませんとお話した。
     そして会計時に、肩こりには『葛根湯』を試してみるよう伝えたら、大変驚かれた。
     効能にも書いてあるし、病院で処方される事もあります。
     そういう情報を提供するためにも、訊いてもらえると良いんですけどね。
     声を掛けるのって心労が激しいから、自分からは避けたいので(´・ω・`)
     肩こりで痛みが強い場合には『独活葛根湯』を、腰痛が痛みよりも痺れ感や重い感じがする時には『疎経活血湯』をと付け加えておいた。

     『ガストール』と『スルーラックデトファイバー』を一緒に購入されるお客様に、念のため成分表示を確認させて頂き、問題の無いことを伝えた。
    「最近、厳しくなった?」と訊かれたんで、特にそんなことはありませんと答えた。
     他のドラッグストアーでも用途を尋ねられたりしたそうなんだけど、それはその店員個人が基本に忠実な人か、店舗管理者の指導が良いのだと思う。
     ただ、お客さま曰く「いつもは別々に買っている」というので、薬を買う時には他に使う薬との相互作用に気をつけることと、市販薬もお薬手帳で処方薬と一緒に一元管理するように勧めた。
     一般的に、風邪薬や鎮痛剤は飲み合わせを気にする人がいるのに対して、胃腸薬は大丈夫だと思われてるみたいなんだけど、実は胃腸薬のほうが副作用が怖かったりする。
     というのも、鎮痛薬や風邪薬なんかは血圧に影響するとはいえ、こと血圧に関して言うなら服用を中止すれば元に戻るため、誤解されると困るが、その点においてむしろ心配は少ない。
     ところが胃腸薬は、体に蓄積される無機質が主成分だったりするので、服用を中止しただけでは副作用を解消できず、そもそも自覚症状が現れにくいから、気づいた時には事態が進行してるなんてことも。
     たまに電話で家にある薬を飲み合わせて良いか問い合わせが入ることがあるけど、そういう相談をするためにも行きつけのドラッグストアーの電話番号を電話帳に登録しておくのがお勧め。

     咳と喉の痛みと鼻水の相談を、お客様から受けた。
     3日ほど前からで、その間に37.5度くらいに発熱したとのこと。
     総合風邪薬を使うのが手軽ではあるけれど、風邪で3日というのは治りかけとも考えられ、そのタイミングでは無駄な成分が体に負担を掛けてしまう可能性がある。
     頼まれ物だと症状の詳細が分からないから総合風邪薬しか選択できなかったりするのに対して、本人が来店している時には、できるだけストライクを狙いたいところ。
     主訴の中で今一番つらい症状を尋ねると咳だそうで、再び発熱するのに備えたいというので、血管を広げて熱を放散させるアセトアミノフェンと体内の乾燥を取り除く『麦門冬湯』を合わせた『パブロン50』を勧めた。
     しかし、やはり鼻水も気になるというので『パイロンS』を案内すると、購入を決められた。
     お会計の段になって、実は初期の喉の痛みに『葛根湯』を使い、その時には鼻水に色が付いていたそうなので、その段階には『銀翹散』が適応したかもしれませんと紹介した。
     まぁ、鼻水があると『銀翹散』を使うかは迷うところなんだけど。
     上半身を温める『葛根湯』で熱を発散させて、『桔梗湯』に喉の痛みの面倒を見させるという方が使いやすいかもしれない。
     ただ、併用の組み合わせは、それこそ相談してもらわないと判断は難しいかも。

     

  • 患者さんと付添人とのバランスに悩む

     やや高齢のお客様が娘さんと思われる人と来店し、売場にいらした時から咳の音が、体内の乾燥によるもので『麦門冬湯』が適応しそうな感じだった。
     でも早めに声を掛けても、たいていは案内を断られるため、ひとまずお客様自身が薬を選ぶのを見守ることにした。
     しばらくすると相談を受け、やはり主訴は咳で風邪を思わせる他の症状は無く、咳はほぼ一年中出ており痰が絡むというから、『麦門冬湯』で良さそう。
     歳を取ると体の保水力が落ち、実際に飲む水の量も減るから、なおさら保水を助ける必要がある。
     お客様本人に説明しつつ、娘さんにもお話して『麦門冬湯』を購入して頂いた。
     高齢者でも子供でも、やはり基本は本人に話しかけて、本人からヒアリングをして本人に説明をしなきゃならないんだけど、付き添いの人を無視する訳にもいかず、さりとて付き添いの人に話を振ると、そのまま本人に取って代わって対応しようとされるため、なかなかにバランスが難しい。
     今回は付き添いの人の方もバランス感覚に優れてるというか、要所要所で本人のフォローをされる程度で、お話しやすかった。
     これが、あまりに本人を措いて代わりに対応されるようだと、物理的に体を双方の間に入れて分断し、本人に話をしてから同じ話を付き添いの人にもするという手間が必要になる。
     とはいえ、本人が忘れている事や、客観的な事実の確認には、付き添う人との話も重要。
     だからこそ、なおさら対応が難しい。

     外用消炎剤の棚にいらしたお客様から呼ばれて駆けつけると、筋肉ついに使うから「強いのを」と注文された。
     そもそも筋肉痛にそんな強い薬は必要無いと思うのだけれど、お話を訊いてみると『ボルタレン』を常用しており、他店で少し弱いのにしたら効かなかったから、やはり強いのにしたいという。
     だけど、その効かなかったという薬がなんだったのかは覚えていないそう。
     効いたにしても効かなかったにしても、使った薬は覚えておきましょう(^_^;)
     せめてパッケージを捨てずに取っておくか、携帯電話やスマホで写真に撮っておくのが吉です。
     そんなお話をしてみたら、筋肉痛に使うというお話はどこへやら、若い頃から肩こりや背中の張り、腰痛と長く付き合っているという。
     背中の張りは寝る時の姿勢や寝返りの少なさが影響していたりするため、枕をオーダーメードしてもらうことや、内服薬を使うことなどにまで話を広げると、以前に交通事故に遭い軽いヘルニアと診断されているということが分かった。
     筋肉痛の話から、思えば遠くへ来たもんだ。
     そして内服薬に興味を示されたので、上半身に使う『独活葛根湯』と、ヘルニアや坐骨神経痛に使う『疎経活血湯』を紹介すると、奥さんと一緒に使うかなと言われたので、同じ薬が適応するかは分からないことを説明した。
     性別が違えば体質も違うだろうし、外での仕事の内容や食事だって違えば、表に出ている症状が似ていても原因が同じとは限らないので。
     すると奥さんの方は、肩が上がらないらしい。
     であれば『独活葛根湯』の適応か考えられるものの、頭重感もあるらしいというお話から『釣藤散』を案内すると、『疎経活血湯』は自分が試したいとのとこで、両方を購入された。
     そしていったんお会計を済ませた帰る段になって、11歳の子供が学校から帰ってきてから首が痛いと言っていたというお話が出て、そちらは急性のようだったため『インドメタシンローション』を案内して、お買い上げ頂いた。

     

  • 不足した物を補給して役に立つかは不明

     『リキロングゴールド』を手にしたお客様から、疲労に効くかと尋ねられた。
     ただ、お客様自身も気休め程度と考えている様子。
     とはいえ、『リキロングゴールド』にはゴオウ(牛の胆石)やロクジョウ(鹿の角)といった生薬が入っているから、タウリン系の栄養ドリンクよりは良いだろう。
     比較として、同じくゴオウとロクジョウが入っている『ハイクタンD』も紹介してみた。
     そもそもタウリンが疲労に効くというのは因果関係が逆で、ものすごく単純に言うと疲労を回復する過程で消費され、不足すれば体の中で合成される物であるものの、じゃあタウリンを外から継ぎ足せば元気になるのかというと、その作用はむしろ単純ではない。
     しかも、余ったタウリンは毎日オシッコで排泄されるんである。
     その点からすると、生薬成分を含んだ栄養ドリンクを摂取する意味は、要は食べ物の摂取と同じで、飲んですぐ効くというよりは体内で代謝され変換され合成されてから、各種の栄養となって体に行き渡るため、「腹持ちが良い」みたいに中長期的な効果が期待できる。
     あくまで、期待ですが。
     カルシウムなんかも、昔はイライラしてる人に向かって「カルシウムが足りない」なんて言ってたもんだけど、イライラした時に体内のカルシウムが消費されて鎮静効果を発揮するが、それは体内にあった物を使ってるんであって、カルシウムを摂ればイライラが治まるというものでもない。
     もっとも、イライラを鎮める漢方薬に『柴胡加竜骨牡蛎湯』というのがあり、この竜骨というのが動物の骨だから、カルシウムを摂取するという考え方は同じなんだけど。
     ただそれでも、いわゆる抽出された純粋な成分ではなく、微量な他の物も混じった状態で摂取するほうが、体内で処理される過程で有益な働きをするらしい。
     それなら純粋な成分を摂取するのは駄目かというとそんな事も無くて、例えば塩化ナトリウムだけの塩よりミネラル豊富な自然塩を有難がってる人たちがいるけど、ミネラルの処理が腎臓に負担を掛けてしまう事があるから、人によっては自然塩は避けたほうが良かったりする。
     というように、栄養ドリンクを選ぶのもまた難しい。
     だから私としては、タウリン系は「後は倒れるだけだー!!」というラストスパートに、生薬系は「これから始めるぞ!」とか「まだまだ先が長い」というように使い分ける方法を提案している。
     するとお客様は、以前は『ゼナ』シリーズを好んで使っていたそうで、ブランド名の前後に数字や記号が付くと内容が変わるということは理解されているようだった。
     そしてお話の中で、人参に興味を持たれたから『セパホルンZ3』を案内すると購入された。
     あっ、そうそう『リポビタンJr.』は朝鮮人参と同じウコギ科の刺五加と、マツブサ科の五味子が入っていて、『リポビタンD』よりだいぶ贅沢な内容で、子供にはモッタイナイと思うんだけど、興味がありましたら是非(⌒▽⌒)
     と紹介しておいた。

     外用消炎薬の棚を眺めているお客様に声を掛けたところ、以前に脳梗塞で倒れた高齢の親から頼まれたとのこと。
     でも、主訴は痛みではなく、片足の痺れ感というか違和感だというから、外用消炎剤が適応するとも思えない。
     そうお話はしてみたけれど、そうは言っても頼まれ物だから、本人の納得のためには買っていかない訳にも行かないというので、そうなると影響の無さそうな弱い物をという話になり、『アンメルツ持続性ゲル』を案内して、お買い上げ頂いた。
     ゲルにしたのは、使う時に一手間あった方が、本人が満足するのではないかと思ったから。
     それにしても気になるのは、痺れ感の方。
     リハビリのために通院はしていて、何か飲み薬は処方されているらしいのだけれど、担当医には話していないとか。
     ええん、なんで(^_^;)?
     お客様の言うには、人の話を聞くような人じゃなくて、そのくせ強がりな性格らしい。
     難儀やなぁ……。
     脳梗塞後に四肢の痺れ感が残るのは珍しい事じゃないし、感じるとこは担当医に伝えたほうが良いのに。
     お客様に神経の伝達を助ける『疎経活血湯』を紹介して、担当医に相談してみるようお話した。

     

  • 情報の提供はリクエストに応える前か後か

     やや高齢のお客様から、『コンドロイチンZS』について尋ねられた。
     主訴は膝痛で、冷えや湿度は関わっていないようだったけど、なにしろ『コンドロイチンZS』は価格が高いから、原因が推測できないと私としては勧めにくい。
     そうお話すると、座る動作がつらくなり、病院では膝関節の軟骨の減りを指摘されたという。
     なるほど、そうであれば無駄になることも無いか。
     ただ、血行不良による患部周辺の栄養不足も痛みとして脳は認知するため、血流改善する『疎経活血湯』が適応する可能性はあるし、やはり冷えが関係するようなら『桂枝加苓朮附湯』で温めたほうが良いこともある。
     それに、お客様のポッチャリ体型は水分代謝の異常による水毒も考えられるため、関節部の痛みが強い場合の『防已黄耆湯』と下半身に疲れを感じる場合の『九味檳榔湯』を合わせて紹介してみた。
     すると、漢方薬は効くのに時間が掛かると思われているようだったため、「風邪には葛根湯」と云われるように、痛み止めを目的とするような急性症状には早く効くことを説明した。
     もちろん、体質改善となれば長く掛かるけれど、長期連用は医師の診察を受けながらのほうが良いし、何よりも保険が適用されるのは費用面で重要な事だろう。
     というようなお話をして、本日のところはお買い上げは無し。

     やや高齢のお客様から、『パテックスうすぴたシップ』と『ハリックス55EX冷感A』の違いを質問されたので、前者は抗炎症剤のみで後者には血流改善のトコフェロール酢酸エチルが加わっていることを説明した。
     患部は膝だそうなので、湿布の真ん中に切れ込みを入れて膝頭をその穴に入れ、四方を伸ばすと膝の周囲を包める『のびのびサロンシップ』を紹介したところ、そちらの購入を決められた。
     それから、膝が痛む時には冷えが関係するようなお話があったため、『桂枝加苓朮附湯』を紹介してみたけど、その時にはもう私に正対してくれなかったから、興味は持ってもらえなかった模様。
     ひとまずお客様のリクエストに応えてから提案するのが、案内やヒアリングの基本的な手法なんだけど、目的を果たしてからだと別な提案や追加の情報を提供しても聞いてもらえないということがあるんだよねぇ。
     難しいもんである( ´Д`)=3

     

  • 風邪の初期に最強のタッグチーム

     膝痛に『フェイタス』を使ってたというお客様が買いに来たんだけど、外用消炎剤の棚を見たらジクロフェナクナトリウム製剤なのかフェルビナク製剤なのか、パッケージを見ても思い出せないと困られて、こちらも困った(^_^;)
     市販薬の名前は、あくまでブランド名なので、名前の後に数字や記号が付いていたら、成分が全く違うということも珍しくない。
     そして、成分によっては他の薬との併用を避けなければならなかったり、気をつけなければならない事柄も変わるため注意が必要。
     お薬手帳があれば、市販品でも成分表示を貼っておくか、スマホや携帯電話で写真に撮っておくのが吉です。
     今回のお客様の膝痛は、冷えや湿気などは関係無いらしく、運動の後に痛むというお話から、鎮痛剤として強くなくても良いのではとお話して、フェルビナク製剤の『フェイタス5.0』を購入して頂いた。
     そして、運動するのが予め分かっているのであれば、内服薬の『疎経活血湯』を前後に服用する方法を提案したところ、内服薬は考えていなかったそう。
     試してみたいとのことで、一緒にお買い上げとなった。
     ちなみに、病院へは「足を引きずるくらいになったら」行こうと思っていたというから、現状を把握するために受診するのも必要なことを伝えた。
     病院へ行く機会を減らすというのがセルフメディケーションの考え方だけど、酷くなってから行くのでは通院が必要になる訳で、早い段階で行くことにより、通院が必要か治療は不要かの判断ができる。
     病院へ行くかどうかを自分で判断できるようになるには、それこそ医学的な知識が必要となってしまい、いくらセルフメディケーションと言ったって無理というものである。
     まぁ、その判断の助けになるくらいの助言ができるようになりたいとは思っています。
     ………思ってるだけかもしれませんが(゜゜☆\(–メ)ポカッ

     風邪薬をお客様から希望されたのだけれど、主訴に喉の痛みと頭痛があるものの、発熱は無く鼻炎や咳も現れていない段階では、『ルルアタックEX』や『ベンザブロックL』でも時期尚早に思われた。
     そこで、発熱していない段階でも使える漢方薬を提案し、喉の痛みに合わせて『銀翹散』を案内すると、家にあった『葛根湯』を服用したという。
     上半身を冷やす『銀翹散』とは逆なれど、初期の段階なら頭痛にも喉の痛みにも『葛根湯』は有効である。
     しかも、まだ1日分は家に残っているというから、『葛根湯』を無駄にせず、喉の痛みには『桔梗湯』を併用するよう提案した。
     上半身を温める『葛根湯』と、炎症部分を局所的に冷やす『桔梗湯』の組み合わせは、風邪の初期においては最強のタッグチーム。
     明確に風邪の症状が現れていない初期に服用すると疲労を招きやすい総合風邪薬より、体力を温存しておけるから常備しておけば、学校や仕事を休みにくいという時に安心できるはずだ。

     

  • 何年も前に受けた診断は再受診してみよう

     風邪薬の棚で迷っている様子のお客様がいたので声を掛けてみたけど、「大丈夫です」と断られた。
     でも『パブロンSゴールドW』をレジに持ってきたさいに改めて、痰や咳があるのか尋ねたら、主訴は発熱と節々の痛みだという。
     そして、痰は絡んでるそうなので色を訊いてみたら、確認していないそう。
     ふむぅ、痰に色が付いていればウイルスなどの死骸で風邪と戦ってる最中、透明なら戦いは終わって体内が乾燥していると見立てることができるんだけどな。
     それによって、まだ発熱を支援するべきか、もう解熱して良いかが決まる。
     いずれにしても、咳が無いのであれば発熱に的を絞って『ルルアタックFX』をと提案すると、変更して購入された。
     あと、栄養ドリンクについて質問されたけど、すでに食欲が落ちているという事から、体には風邪を治すことに専念してもらい、解熱後の回復期に使うよう勧め、『柴胡桂枝湯』を紹介した。
     風邪をひいて慌てて栄養ドリンクを摂取するというのは、まだ残弾があるところに弾込めをさせるようなもので、そこに人員を割いてしまうと、かえって戦いを中断させてしまう。

     やや高齢のお客様がいらして、膝痛の相談を受けた。
     暑さ寒さは関係無く、たまになるというお話だったので、ひとまずフェルビナク製剤とインドメタシン製剤を案内した。
     そして詳しくお話を訊くと、整形外科でヒアルロン酸の注射を3回ほど受けたものの効果は感じられなかったそうな。
     インドメタシン製剤の『ハリックス55IDプラス』を使って頂くことになり、さらにお話を訊くとウォーキングをしているというのだけれど、それが毎日少しとか定期的ではなく、長距離をたまにやるらしく、そのうえ靴の外側が擦り減るというお話。
     たまに運動をまとめてやるのは、体の負担が大きくて駄目ですよぅ(^_^;)
     そうお話したら、さらに昔には腰椎に異常があると診断され、当時は治療できないと言われて放置しているとか。
     異常の内容は分かりませんが、無意識に庇って歩き方が偏っていて靴の減りや膝痛にも影響してるんじゃないでしょうか。
     『疎経活血湯』を紹介しつつ、20年以上も前の話であれば治療法が出来ているかもしれず、改めて受診してみるように勧めた。
     私も歯列矯正から始まって、矯正だけでは治らないからと大学病院を紹介されたら顎関節異常症と診断され、そのうえ珍しい症例なので研究させてくれたら手術代を大学病院で出しますという事になった。
     入院してる時に、カーテンの向こう側で担当医と偉い先生が話し合ってる声が聞こえ、「学会で発表した、あの方法を試してみたら?」とか言ってたのが、軽くガクブルだったけど。
     何年も前に受けた診断をそのまま放置しているのであれば、受診してみるのも良いかと思われ(・o・)ノ
     ああ、自分の乱視も20年前に診察してもらった時には、手術をしたうえでメガネを使って補正するのがやっとと言われたけど、今なら少しは改善策があるのかなぁ?
     縦書きの本なら同じ行が二行続くだけなんだけど、横書きだと字が重なって読みにくいんだよねぇ(;´Д`)

     

  • 安全とは言い切れないのは漢方薬でも同じ

     お客様から特定のメーカーの漢方薬シリーズの『甘草湯』を希望されたものの、すでにうちのお店の定番棚から外れていて取り扱っていないため、同じメーカーの別シリーズの『甘草湯』を案内して購入して頂いた。
     以前にそのメーカーの営業さんに聞いた話じゃ、先のシリーズから風邪や咳関係の漢方薬を外して、慢性疾患なんかの漢方薬を充実していくらしい。
     それはともかく、お会計をしながらお客様に『甘草湯』の用途を尋ねると、扁桃炎になりやすく常備薬にしているという。
     うん?
     扁桃炎に?
     確かに抗炎症作用があって、『芍薬甘草湯』『大黄甘草湯』のようにメインとして使われることがあるけれど、一方で多くの漢方処方に甘草湯が入っているのは、保水作用と抗アレルギー作用により効き目を補助し、苦味や辛味を伴う他の生薬との味を整えるためとされている。
     そして甘草の抗炎症作用は、熱を発散するもので冷やす力は無いから、喉の痛みに使うとすれば極めて初期の段階。
     お客様のように常備しておき、喉に違和感を感じたら使うというのは、確かに理に適っている。
     逆に言えば、喉の痛みを感じてから店頭に買いに来た段階では、もう『甘草湯』を使うタイミンクとしては遅いと考えられる。
     そこでお、扁桃炎になりやすいのであれば、進行した場合には患部を冷やす『桔梗湯』と、冷やしつつ熱の発散もする『駆風解毒湯』も覚えておいてもにいたいと思い、お客様に両方を紹介した。
     すると、他の薬との飲み合わせを心配されたが、その点で言うのなら単味剤の『甘草湯』の方が心配だし、甘草は炎症に関わる漢方薬の多くに入っていて、『四物湯』(ジオウ・トウキ・シャクヤク・センキュウ)という漢方薬を基本に生薬を足したり引いたりすることで適応と副作用を勘案するため、一概には安全とは言い切れないのは、どんな漢方薬でも同じことを説明した。
     とはいえ、飲み合わせを気にするのは良いことなので、お薬手帳を持ち歩くよう勧めた。
     あと、喉が腫れた時にも発熱していなければ、お風呂に入って体を温めるようお話した。
     扁桃炎というのは、熱を出すことでウイルス菌を倒す体の防衛機能が正常に働いている証拠。
     しかし、発熱するというのはエネルギーを多量に消費するため、この発熱により体力の低下を招き、喉で敵を撃退できないと風邪として進行してしまう。
     だから、風邪をひいたら体を温かくするというのは、発熱を助けてやりエネルギーの消費を抑えるためなんである。
     そうすれば、体の方も自分だけで無理やり発熱するのを控えて、早い段階で炎症を終えることができる。

     お客様から腰痛ベルトを希望され売り場を案内したが、症状を尋ねると痛むのは朝だけで、動いてからは大丈夫だという。
     それ、寝返りが少なくて同じ姿勢でいるせいや、自重による血行不良じゃないですかねぇ。
     いや、もしかすると寝返りが少ない原因が、特定の姿勢を取ると体に違和感があって、無意識に姿勢を保とうしているのかも。
     症状からすると『疎経活血湯』が適応するように思えますが、現状を把握するために病院を受信してみるよう勧めた。
     そこで、腰痛ベルトが必要かどうかを判断してもらってから購入を決められても良いかと。