情報の提供はリクエストに応える前か後か

 やや高齢のお客様から、『コンドロイチンZS』について尋ねられた。
 主訴は膝痛で、冷えや湿度は関わっていないようだったけど、なにしろ『コンドロイチンZS』は価格が高いから、原因が推測できないと私としては勧めにくい。
 そうお話すると、座る動作がつらくなり、病院では膝関節の軟骨の減りを指摘されたという。
 なるほど、そうであれば無駄になることも無いか。
 ただ、血行不良による患部周辺の栄養不足も痛みとして脳は認知するため、血流改善する『疎経活血湯』が適応する可能性はあるし、やはり冷えが関係するようなら『桂枝加苓朮附湯』で温めたほうが良いこともある。
 それに、お客様のポッチャリ体型は水分代謝の異常による水毒も考えられるため、関節部の痛みが強い場合の『防已黄耆湯』と下半身に疲れを感じる場合の『九味檳榔湯』を合わせて紹介してみた。
 すると、漢方薬は効くのに時間が掛かると思われているようだったため、「風邪には葛根湯」と云われるように、痛み止めを目的とするような急性症状には早く効くことを説明した。
 もちろん、体質改善となれば長く掛かるけれど、長期連用は医師の診察を受けながらのほうが良いし、何よりも保険が適用されるのは費用面で重要な事だろう。
 というようなお話をして、本日のところはお買い上げは無し。

 やや高齢のお客様から、『パテックスうすぴたシップ』と『ハリックス55EX冷感A』の違いを質問されたので、前者は抗炎症剤のみで後者には血流改善のトコフェロール酢酸エチルが加わっていることを説明した。
 患部は膝だそうなので、湿布の真ん中に切れ込みを入れて膝頭をその穴に入れ、四方を伸ばすと膝の周囲を包める『のびのびサロンシップ』を紹介したところ、そちらの購入を決められた。
 それから、膝が痛む時には冷えが関係するようなお話があったため、『桂枝加苓朮附湯』を紹介してみたけど、その時にはもう私に正対してくれなかったから、興味は持ってもらえなかった模様。
 ひとまずお客様のリクエストに応えてから提案するのが、案内やヒアリングの基本的な手法なんだけど、目的を果たしてからだと別な提案や追加の情報を提供しても聞いてもらえないということがあるんだよねぇ。
 難しいもんである( ´Д`)=3

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