• タグ別アーカイブ: 治肩背拘急方
  • 売るべきか売らざるべきか、それが問題だ

     『独活葛根湯』と『ドキシン錠』を見比べているお客様に声を掛けてみたところ、ご主人が五十肩に『独活葛根湯』を使っているものの飲みにくいと言っているため、もっと錠剤の小さい物は無いかと探しに来たそう。
     ありゃん、錠剤の大きさとなると分からないなぁ(^-^;
     そして詳しくお話を訊くと、ご主人は精神科を受診していて薬を処方されているそう。
     でも、お薬手帳は持参していないうえ、服用している薬の内容は不明。
     じゃあ『独活葛根湯』はというと、ご主人が自分で選んで買ったらしい。
     あうっ、それは駄目なパターン(;´Д`)
     精神面が胃腸の働きに関係していたら『独活葛根湯』は避けたほうが良いかもしれないし、『ドキシン錠』は筋弛緩剤が入っているから服用している薬との併用がマズイ可能性がある。
     むしろストレスが関係している場合には、『コリッシュ』(治肩背拘急方)のほうが向いているかもしれないので紹介してみると、ご主人は頭痛持ちであり、これまた自分で『イブA』を使って頭痛は治まっても肩の痛みは消えず、『独活葛根湯』にしても効いていないらしい。
     それは、ますます適応していないという事では……。
     仕事で重い物を運んだりしているという話からすると、上昇する熱を下ろす『桃核承気湯』や、上半身を温める『葛根湯』とは違い、熱を冷まして気を巡らせ血流を改善する『疎経活血湯』も候補になりそうなので紹介した。
     そのうえで、精神科の医師には肩の痛みについては伝えていないというから、紹介した漢方薬の使用も含めて相談してみるよう勧めた。
     科目が違っても、症状が関連するかの判断や他の医師を紹介してもらえるかもしれないと思って、とにかく悩んでる症状は全部伝えたほうが良いです。
     あと、お客様自身も頭痛になることがあり、頭が重く感じる頭痛だそうだから寒暖差が影響していると考えられ、『呉茱萸湯』を案内した。
     本日のところは相談のみとなり、漢方薬に詳しい病院を紹介した。

     やや高齢のお客様から、80代の母親が嘔吐していると相談を受けた。
     3日ほど前に吐いて、それからほとんど食事をしていないということで最初は胃腸薬を注文されたんだけど、甲状腺の治療を受けていて薬を処方されているというので調べてみたら、高齢者には副作用が出やすいうえ、他の薬との相互作用を起こしやすい性質のある薬だった。
     しかも、普通に服用していても心臓に負担が掛かる薬である。
     病院に連れて行ってもらいたいところではあるけれど、老々介護で連れて行くのも大変だとという。
     うーんうーん、ドラッグストアーの店頭では手に余るナリよ(´・ω・`)
     処方されている薬の作用機序を調べ直して、今日も吐いたそうだけど下痢は無いというお話から、『半夏瀉心湯』『柴胡桂枝湯』を候補にし、体力の低下を考慮して『柴胡桂枝湯』を試して頂くことになった。
     すると、介護食を一緒に購入されたけど、無理に食べさせないことと、『柴胡桂枝湯』にしても一回の服用量を減らして小分けにするよう勧めた。
     いずれにしても、受診は検討してください。
     あと、お薬手帳に記録して担当医への報告もお忘れなく。
     お会計を済ませて、ヤレヤレと思ったら、実は緑内障もあると告げられた……。
     『柴胡桂枝湯』は問題無いけど、後出しはヤメテーヽ(;´Д`)ノ

     

  • 「自己責任」は「自分勝手」と紙一重

     ご夫婦で来店したお客様から、授乳中に使える肩こりのバップ剤をと求められ、『サロンパス』を勧めてお買い上げ頂いた。
     フェルビナク製剤なんかも完全に駄目な訳ではないけれど、やはり危険は避けておくほうが良いだろう。
     そして、自宅に『葛根湯』があるようであれば、授乳中の肩こりはもちろん風邪の初期にも使えますよと案内すると、家にあるとの事だった。
     それから、子育てにストレスはつきもの。
     ストレスによる肩こりとも考えられるので、『葛根湯』や入浴など温めて症状が緩和しない時には、『コリッシュ』(治肩背拘急方)を試してみてくださいと紹介した。

     鎮痛剤の相談を受けたお客様の買い物カゴを覗くと、『葛根湯』が入っていたので症状を尋ねると、頭の片側がズキンズキンと痛むという。
     上半身を温める『葛根湯』が適応する頭痛は、眼の奥が重いような頭痛や、肩こりと連動した下に引っ張られるような頭痛で、ズキンズキンと拍動するような頭痛ではかえって悪くなる。
     そう説明すると、すでに自宅にあった『葛根湯』を服用し、治らないため鎮痛薬と追加の『葛根湯』を買いに来たそう。
     鎮痛剤を使うのはともかく、どうして効かなかった『葛根湯』を買い足そうと思うのか、その心理が分らない(´・д・`)ゞ
     というか、鎮痛剤の相談をされた段階で、経過を話してくださいな。
     そして詳しくお話を訊くと、鼻水があり、その鼻水は透明でサラサラだという。
     なるほど、その鼻水は内臓の冷えが原因だろうから、それだけなら『葛根湯』で温めるというのは一つの手である。
     しかし、効かなかったということと頭痛の種類からすると、冷えで胃の機能が低下しているのが頭痛の原因のように思える。
     だとすれば、『柴胡桂枝湯』の出番である。
     そのうえで鎮痛剤もとなると、やはり胃への負担を考慮して『バファリンA』か『イブA』だろうと案内したら、『イブA』は家にあるとのこと。
     そして、もともと胃は悪くなりがちだというので、『コリッシュ』(治肩背拘急方)も紹介してみた。
     本日は、『葛根湯』を取りやめて『柴胡桂枝湯』をお買い上げ頂いた。

     やや高齢の二人組のお客様が来店し、一人から『ロキソニン』を注文された。
     しかし取り扱っていないため説明しつつ用途を尋ねると、明日のマラソン大会に参加するのに、足が痛むから鎮痛剤が欲しいという。
     練習での筋肉疲労が思い当たるというから、鎮痛効果だけでなく炎症を抑える『新セデス錠』を案内すると、「治したい訳じゃないのよ」と言われてしまった。
     それは分かるけど、痛みというのは体の異常を知らせている訳で、鎮痛剤でそれを感じなくさせるということは、患部に無理をさせても気づかなくなるということで危ない。
     世の中には、生まれながらに無痛症の人もいて、骨が折れたり出血するほどの怪我を負っても気づかないため、命の危機に毎日されされていたりする。
     そこまで極端でないにしても、鎮痛剤で痛みに対して鈍感にしてしまうのだから、せめて炎症くらいは抑えておいたほうが良い。
     しかし、「痛みさえ感じなければいいの」と本人は言い、一緒に来ている友人らしい人も「たいしたことないから」と言う。
     その「たいしたことない」の根拠を訊きたい(-_-;)
     しかもその人、「炎症してる訳じゃないの。痛いだけだから」とも言い出す。
     炎症じゃなくて足が痛んでるとしたら、もっと大変な病気じゃないのかと。
     そして本人からは、「明日だけしのければいいから」と強く要望され、『ロキソニン』を望まれるのなら『イブプロフェン』も化学構造式が似ていますから、代用になりますよと説明すると購入された。
     途中で、専任のコーチや相談できる医師はいないのか尋ねてみたけど、まぁ無駄だった。
     たとえ病態を悪化させるとしても、「患者さんの希望を第一に」というのが医療に携わる人間が優先しなければならない事だと頭では理解できていても、やはり心情的には納得いかない。
     なによりも、個人的には「自分の体を大切にしない人間にはスポーツをする資格は無い」と思うのだけどどうか。
     本人は「自己責任」のつもりなのかもしれないが、もし大会中に怪我をすれば運営者はもちろん、もし当日に中止になったり今大会が最後なんてことになったら他の参加者にも迷惑が掛かるわけで、それを考えないのは「自分勝手」だとしか思えない。
     せっかく申し込んだ大会だから参加したいとうのであれば、専任のコーチは難しくとも頼る医師くらいは、自分で見つけておくべきだろう。
     そして、当日に向けて体調管理して、練習のペース配分をしたうえで、異常があれば参加を諦める。
     その覚悟が無いレジャー気分なら、それこそ大会になど参加せず自分で走れば良い。
     それなら正に、「自己責任」である。
     結局のところ、参加者の一人としてマラソン大会を担っている一員という自覚が無くて、お客様気分なんだろうな。
     マラソン大会が、どうなろうが知ったこっちゃないという意識。
     まぁ、実のところ私怨みたいなもので、マラソンは公道を使うため、「一番迷惑なスポーツ」と思っていて良い印象がない。
     だから、余計にいい加減な参加が許せなかったりヽ( ´ー`)ノ
     ちなみに、筋肉疲労が内蔵にも負担を掛けて腎臓などの循環器系を悪くしてしまう事もあるから、私としてはかなり本気で止めたかった。

     

  • 同じ症状のようで原因と対応策は複数あります

     やや高齢のお客様より、『ハルンケア』のご相談。
     最近になって、夜中に2~3回起きてしまう頻尿とのことで、テレビCMで見た『ハルンケア』を気に留められたそう。
     夜中ということだと、冷えや湿気が考えられるので下半身を温める『八味地黄丸』の『ハルンケア』は、適応すると考えられることをお話した。
     すると、効能書きに頻尿には関係無さそうな、かすみ目や腰痛などもあるのが不思議に思えるようなので、糖尿病が失明に繋がることがあるのを例にして、加齢による腎機能の低下が関係することを説明した。
     そして、一日分の『ハルンケア』より、小容量の錠剤の方が費用的には安く済みますと勧めて、お買い上げ頂いた。
     ちなみに、『八味地黄丸』の適応より虚弱な人には『知柏地黄丸』が、疲労感が顕著な場合は『杞菊地黄丸』を、より高齢で不定愁訴の場合には『牛車腎気丸』が候補となります( ・∀・ )ゞ

     『葛根湯』を購入されるお客様に、風邪の場合は発熱したら適応時期を過ぎていることをお話すると、旦那さんの肩こりと、成人の息子さんの鼻炎に使うつもりとのこと。
     いずれも『葛根湯』で対応できるとは思われるものの、詳しくお話を訊くと、旦那さんは自分で風邪だと思い、発熱していないのに総合風邪薬を服用したそう。
     ありゃん(;・∀・)
     発熱していない段階で総合風邪薬を使うと、神経に作用するため疲労してしまうことをお話して、より肩こりに寄せた処方の『独活葛根湯』を紹介した。
     すると、旦那さんは偏頭痛もあるらしく、仕事で車を運転することが多いそうなので、緊張型頭痛の場合に用いる『釣藤散』と、悩みによるストレス性の頭痛に用いる『コリッシュ』(治肩背拘急方)を案内してみた。
     それから、息子さんは花粉症があり、鼻炎は鼻水と鼻づまりの両方を行ったり来たりのようなので、『葛根湯』の変方である『葛根湯加川きゅう辛夷』を紹介した。
     興味を持って聞いてもらえたとは思うけど、とりあえず『葛根湯』は双方に通じる基本処方でもあるので、そのままお買い上げ頂いた。
     お二人ともお風呂には入るそうだから、のぼせ対策に水で濡らしたタオルを頭に乗せるなどして、少しばかり長湯(20~30分)をするよう勧めた。

     

  • 頭痛がするからといって頭が悪い訳ではない

     やや高齢のお客様が、床ずれということで相談にいらしたんだけど、話を良く聞いたら違って、長時間座っていたり自転車に乗っていて臀部が擦れたようだとのこと。
     一般に「床ずれ」というと字面から「寝たきりで腰の辺りが衣服や下着と擦れて起きる」と思われがちだけど、医学的には「褥瘡」(じょくそう)と呼び、起きていることは患者さん自身の体重で局所的に血流が滞って鬱血し、栄養不足になった細胞が壊死する現象である。
     だから、「ちょっと床ずれで~」といった感じで気軽に相談されると、むしろビックリしてしまう。
     なにしろ、皮膚組織が死んじゃってる状態という事だから。
     そのため、「床ずれじゃない」と分かってホッとしてしまったのはナイショだ(^_^;)
     患部はカサブタのようになっていて、痛くはないものの痒いそう。
     人間に「痒み」を感じる神経は無く、脳が「弱い痛み」を「痒み」として認識している。
     そういう意味では、「痒み」を軽視もできない。
     自宅には『クロマイP軟膏』があり、3日ほど使っていても良くならないという話だったけど、それも詳しく聞いてみると、汗疹だと思い制汗パウダーを併用していて、しかも患部を全く保護していないと分かった。
     それはまず、『クロマイP軟膏』を単独で使って、患部は下着と擦れないようにガーゼを当てて保護しましょうと提案。
     ガーゼと固定するための『スキナゲート』を、お買い上げ頂いた。

     お客様から、かすみ目と疲れて目の相談を受け、価格と効き目に関連は無いことを説明しつつ、あまり安いのも不安そうだったため、『スマイル40EXゴールド』を案内し、クールの方を使って頂くことになった。
     そして、成人の娘さんの肩こりについても相談を受け、勉強をしていて肩がこるというものの、温めても駄目だったという。
     一般的な肩こりは血行不良だったりするから、『独活葛根湯』で上半身を温めてやれば改善することが多いのだけれど、『コリッシュ』(治肩背拘急方)を案内してストレス性の可能性をお話したところ、普段の勉強というよりも試験前に酷くなるようだということで、試して頂くことになった。

     肩こりの相談で来店したお客様は、病院で『ロキソニン』と『葛根湯』が処方されたものの、『葛根湯』を飲むと背中が痛む感じがするという。
     その事については、友人からは胃が悪いのではないかと指摘されたそうな。
     おおっ、その友人は只者ではありませんね(`・ω・´)!!
     するとお客様が、キョトンとした。
     しまった、反応が芝居がかり過ぎたか。
     つい、演劇をしていた頃の癖がσ(^◇^;)。
     お客様としては、どうして友人がそう言ったのか分からない様子で、そのこともあって相談にいらしたようだ。
     人間の生命活動は、複雑な化学プラント工場による奇跡の連続によって維持されていて、それこそ「生命の神秘」と呼べるほど。
     しかし、あまりに完璧にするのには無理があるのだろう。
     生きることにリソースを割いて、点検業務は案外と手抜きをしていたりする。
     その一つが、「痛み」の取り扱い方。
     世の中には、『無痛症』という病気を患っている人もおり、その人は痛みというものを一切感じない。
     一見良さそうだが、転んで骨が折れても何も感じない。
     どこかに強く打ちつけて内出血を起こしても、打ちつけたことすら気づかないから、生命の危機にさらされる。
     つまり、痛みを感じるというのは体の不具合を知らせる大事な機能なのだが、その信号を受け取る脳の方では、あまり信号の種類を区別しない。
     信号の種類を区別しないもんだから、信号の発信元の特定もしない事がある。
     要するに、「痛む場所が悪いとは限らない」のである。
     そう、頭痛がするからといって頭が悪い訳ではないのだ。
     ………って、あれ?
     なんか、色いろんな意味で変な言い回しになってしまった(笑)
     とにかく、脳からは内臓の位置情報なんか認識していないうえ、内臓には痛感神経が無いため、内臓に不具合が起きると近くを通っている神経が代わりに感知し、時には体表部近くの皮膚領域の神経が脳に異常を伝える。
     これを「関連痛」と言い、私が肺炎になった時には肩の痛みとして感じた。
     咳が出ず、熱も微熱だったもんだから全く肺炎とは気づかずに、インドメタシン製剤の『バンテリンクリーム』でも塗ろうかと思ったくらい。
     でも、トイレに行こうとしたら立ち上がれず、その時には明確な言葉も喋れなくなり、奥さんに「きゅうきゅうしゃ……」と呟くのがやっと。
     でも、奥さんは事態を把握できず(私が明確に喋れなかったため)、電話のところまで這いずってみせて、ようやく異常に気がつき救急車を呼ぶことになった。
     あとで考えると、家に『バンテリン』や鎮痛剤が無いおかげで助かった気がする。
     うちは普段から鎮痛剤のたぐいは常備しておらず、いわば「買いに行けるかどうか」を症状の軽重を測る物差しのようにしていた。
     夜中でなければ近隣にドラッグストアーがあるし、朝が来るまで耐えられないほどの痛みなら迷わず救急車を呼ぶ事態だと想定していたので。
     でも、もし鎮痛剤があって効いてしまったら、一時的に安堵してしまい、さらに悪い状態になっていたかもしれない。
     うちの奥さん察しが悪いから、私が寝たままでも気にしないだろうし(;´・ω・)
     ………話が逸れ過ぎた。
     とにかく、お客様は痩せ型で声の張りが無くて、もともと胃は弱いというお話だったので、『ロキソニン』も『葛根湯』も胃への負担が大きいはず。
     薬の影響で起きた胃の不具合を、脳が背中の痛みとして誤認していると考えられる。
     胃が弱くて『葛根湯』が使えない人には、『コリッシュ』(治肩背拘急方)の方が適応するので紹介してみたところ、購入して頂くことになった。

     

  • 症状のヒアリングには回数を重ねなければならない事も

     『スルーラックS』を毎週のように購入しているお客様に『スルーラックS』を試して頂いたのだけれど、効いているかはまだよく分からないというお話だった。
     ううん……、外しちゃったかなぁ(;´・ω・)
     ただ、今日になってまた新しい情報を得た。
     腹筋を鍛えるためのストレッチを案内してみたら、以前に腹筋運動をして脱腸を起こした事があり、当時の担当医から過度な運動を止められたそう。
     ストレッチは、普通に腹筋するよりは負荷が掛からないとはいえ、そういう病歴があっては簡単には勧められない。
     そのうえ、あれやこれやと勧めると鬱陶しく思われるだろうし、なかなかに対応が難しくなりそうだ。
     という訳で、今回も『スルーラックS』は購入された。

     以前に腹痛に『コムレケア』(芍薬甘草湯)を、別に日にはお臍の下辺りがゴロゴロと動いて下痢気味になるのに対して『桂枝加芍薬湯』を使って頂いたお客様が、具合が良かったからと『桂枝加芍薬湯』の追加で求めて来店。
     そして前回にも相談を受けた肩こりについては、病院で五十肩と診断されたというのだけれど、詳しく訊いたら肩関節ではなくて、肩の外側が痛むと分かった。
     ありゃま。
     一回のヒアリングでは、症状を把握しきれないねぇ(・_・;)
     温めると少し楽になるというので『独活葛根湯』と、お腹のことから神経性も考えられるため『コリッシュ』(治肩背拘急方)を前回と同じく案内したものの、神経痛となると『疎経活血湯』の適応も考えられそう。
     他に昼間に、自分の心臓の音も気になってしまうようであれば、『加味逍遙散』が候補になることを説明した。
     ただ、症状が多岐に渡ることと、以前に紹介した漢方に詳しい病院をまだ訪れていないというので、重ねて受診してみるよう勧めた。

     

  • 疑問に思わないと質問も出ないということ

     以前にも、中学生の息子んさにと『ブリーズライト』を買いにいらしたお客様。
     その時とは別にラージサイズを購入して使ってみたら、大きすぎて取れやすかったそうで、サイズごとに粘着力が違うのかと尋ねられた。
     え~と……、私は使ったことが無いので断言できませんが、粘着力は変わらないと思います(^_^;)
     キッズタイプだと今度は小さすぎるかもしれないため、やはりレギュラーサイズが良いのではと勧めた。

     喉の痛みと声嗄れの相談をお客様から受け経過を尋ねたところ、花粉症で病院からは『クラリチン』が処方されており、微熱があったため自己判断で『ストナジェルサイズS』を併用したという。
     う~む、断定はできないけど、その併用が声嗄れに影響したんじゃないかと。
     『クラリチン』の方は第ニ世代の抗ヒスタミン薬だから、口が乾いたりといった副作用は少ないはずなのに、そこに第一世代の抗ヒスタミン薬であるジフェニルピラリンが入っている『ストナジェルサイズS』を併用しては、元も子もない。
     微熱に対処するなら、アセトアミノフェンだけが入っている解熱剤か、漢方薬で花粉症と風邪の両方に対応する『葛根湯加川きゅう辛夷』を選択してもらいたかった。
     漢方薬は選択肢に入っていないかもしれないので、喉の炎症を抑えるために『パブロントローチAZ』を案内してみたら、トローチ全般を飴のような物と思っていて薬とは考えていなかったと言われた。
     なるほど~、こういう一般の人の感覚というのは忘れがち。
     どんな分野でも、素人からすれば「何が分からないのかが分らない」から、そもそも質問したりしない事があるということを肝に銘じておかないと。
     とはいえ、やっぱり薬を使うのに自己判断は避けてもらいたいですが。
     そして、喉の痛みに『駆風解毒湯』を紹介してみると、漢方薬を避けている訳でもないと分かり、声嗄れの方を早く治したいと要望されたため、『響声破笛丸』をお勧めして、お買い上げ頂いた。

     肩こりの相談で訪れたお客様、今までにそんなになったことは無く、温まると楽になるというお話から、『独活葛根湯』を案内してお買い上げ頂いた。
     上半身を温める『葛根湯』に鎮痛効果のある独活が入っているこの処方は、『サロンパス』や『トクホン』を常用している人に試してもらいたい内服薬。
     あと、ストレスが思い当たる場合の肩こりに使う『コリッシュ』(治肩背拘急方)も、紹介だけしておいた。
     ストレスは胃に来るので、胃の具合が悪くなると前かがみになり、首だけで重い頭を支えるため、これが肩こりに繋がる。
     これもまた、湿布薬だけで対応していては改善しないので、ぜひ内服薬も候補に加えておいてもらいたい。

     

  • 治肩背拘急方(じけんぱいこうきゅうほう)
    ………ストレスによる肩こり、背中の痛み

    created by Rinker
    ¥800 (2024/04/25 08:32:34時点 楽天市場調べ-詳細)
    効能 

     以下の諸症状の鎮痛(痛み止め):
     ストレスによる肩こり、背中の痛み

    用方 

     1日3回を食間に服用して下さい。
     大人(15歳以上) 1包

    成分 

     1包(1.2g)中
    セイヒ(青皮)・・・・・・1333.33mg
    ウヤク(烏薬)・・・・・・1000.00mg
    ガジュツ(莪ジュツ)・・・1000.00mg
    ブクリョウ(茯苓)・・・・1333.33mg
    カンゾウ(甘草)・・・・・・333.33mg
    コウブシ(香附子)・・・・1000.00mg

    使用上の注意 

    1.服用中または服用後は、次のことに注意してください
     (1)本製品の服用により、発疹・発赤、かゆみ、悪心、食欲不振、胃部不快感等の症状があらわれた場合には、服用を中止し、医師または薬剤師に相談してください。 
     (2)本製品を服用することにより、尿量が減少する、顔や手足がむくむ、まぶたが重くなる、手がこわばる、血圧が高くなる、頭痛等の症状があらわれた場合には、服用を中止し、医師または薬剤師に相談してください。
     (3)1ヵ月位服用しても症状の改善がみられない場合には、服用を中止し、医師または薬剤師に相談してください。
     (4)長期連用する場合には、医師または薬剤師に相談してください。 


    2.保管及び取扱い上の注意
     (1)小児の手のとどかない所に保管してください。
     (2)直射日光をさけ、なるべく湿気の少ない涼しい所に密栓をして保管してください。
     (3)服用に際しては、添付文書をよく読んで下さい。


    3.その他
     本製品は生薬(薬用の草根木皮等)を用いた製品ですので、製品により多少色調等が異なることがありますが効能・効果には変わりありません。

    created by Rinker
    ¥800 (2024/04/25 08:32:34時点 楽天市場調べ-詳細)
     

  • 服用している薬の情報は早めに教えて下さいな

     お客様がご自身で『柴胡桂枝湯』を選ばれたので念の為に症状を尋ねたところ、胃腸の風邪になりやすく、置き薬にしようと思っているとのこと。
     漢方薬に詳しくはないそうで、POPに書いておいたアピールが功を奏した模様。
     バンザーイ(∩´∀`)∩
     一方、『ズッキノン』の外用薬を選ばれたため、内容は『サロンパスA』や『トクホン』などと同じだということを説明すると、驚かれていた。
     症状は、肩こりからくる頭痛だそうなので、内服薬を考えると同シリーズの『ズッキノン』(釣藤散)が合うと思ったものの、よく考えたら胃が弱い人には使えない。
     そこで、肩こりからくる頭痛というのは、胃の不調からくる頭痛なのではないかと推測。
     胃が悪いと前かがみになりがちで、前かがみになるとボウリングの玉一個分ほどの頭の重さを首だけで支えることになり、それが肩こりになり頭痛にまで繋がってるんじゃなかろうかと。
     その場合には、『治肩背拘急方』の『コリッシュ』の方が適応するでしょうと紹介して、一緒にお買い上げ頂いた。

     お客様から、通常の浣腸とノズルの長い物との違いを質問された。
     詳しくお話を訊くと、便通が4日ほど無く、お腹が張って苦しいとのこと。
     『ビオフェルミン』や『ザ・ガード』を試しても、改善しなかったそう。
     漢方薬も使ったひとがあるそうで、『桂枝加芍薬湯』は効かず、『大柴胡湯』は使った時だけ良いが戻ってしまうという。
     うむむむ、これは難しい。
     『大黄甘草湯』を使ったこと無いなら試してもらいたいけど、漢方薬という大きな括りで信頼されていない現状では勧めにくい。
     ところが、寝付きが悪いため通院しているという話が出て処方されている薬を確かめさせてもらったら、眠剤や精神安定剤が多数。
     ありゃん、この情報は先に欲しかった。
     おそらくと言うか、まず間違い無く、これが便秘の原因だろう。
     お薬手帳を見る限りでは、いっぺんに出ているというのではなく色々と試している段階なのかも。
     となると、あまり横槍になるような薬も案内できないため、別なアプローチとして『サトラックス』を紹介した。
     『サトラックス』は、腸を刺激するというより、便の嵩を増やして柔らかくする作用があって、自然排便に近い。
     薬剤によって腸内が乾燥して起きる便秘には、その方が体への負担も少ないはずである。
     今日のところは、紹介のみ。

     

  • 時すでにお寿司(カレーだけど)

     『ウット』を購入されたお客様に用途を尋ねたところ、不眠ではなく肩こりに使うというお返事。
     緊張をほぐす作用があるから、肩の筋肉のこわばりを緩めると考えられない事も無いけど、あまり勧められる使い方じゃないなぁ。
     『独活葛根湯』を紹介してみたら、胃が弱く普通の『葛根湯』が駄目で、以前に病院で『ロキソニン』が処方された時にも胃が苦しくなったという。
     ふむぅ、胃が弱くて肩こりとなると、水分代謝の異常が考えれるし、ストレスとの関係もありそう。
     そう考えて『コリッシュ』(治肩背拘急方)を案内してみたところ、漢方薬は長く飲まなければ効かないのではないかと質問された。
     その点は、漢方薬でも急性症状には早く効くし、長く服用するというのは体質改善を目標にした場合であることを説明した。
     今日のところは、そのまま『ウット』を購入されたけど、こちらはむしろ長く服用して良い薬ではないため、漢方薬に興味がありましたらと、近くの漢方薬に詳しい病院を紹介した。

    created by Rinker
    ¥800 (2024/04/25 08:32:34時点 楽天市場調べ-詳細)

     お客様から、風邪に効く栄養ドリンクをとの注文を受け、念のため服用した薬があるか尋ねたところ、職場に常備してあるという『パブロン』を飲んだというのだれど、種類を覚えていなかった。
     主訴は喉の痛みと悪寒で、発現したのは今日からとのこと。
     本来は、栄養ドリンクを吸収して代謝するのにもエネルギーを消費して、風邪を治すエネルギーが削がれてしまうから、回復期に入るまでは控えて欲しいんだけどねぇ。
    「お客様のご要望とあらば」というのが、小売業の務めでもでもあるから、なんとも対応に悩むところ。
     新規のお客様には、まず信頼を得てから細かな指導をとも云えるし、飛び込みのお客様は二度と来ないかもしれないから、その時に出来るだけの情報を与えなければとも云えるので。
     とりあえず今回は、無水カフェインが入った『パブロン』を服用した可能性を考え、カフェインを含んでいない『新ヒストミンゴールド』を案内したうえで、この後の予定を確認すると、このまま夜勤に突入するそうな。
     ありゃん、それでしたら栄養ドリンクなんて言わずに、『麻黄湯』の液剤がありますから、治療を考えて頂いた方が良いと思いますと勧めて、お買い上げ頂いた。
     そして、『麻黄湯』を服用する間は、『パブロン』は飲まないように伝えた。
     また、お異様ドリンクを控えた方が良い理由と同じで、食事は胃に優しい物にするようお話したら、夕食にカツカレーを食べたというお返事。
     あうっ(・_・;)

     

  • 患者のプロはいないよね

     お客様から、喉の痛みと鼻水の相談を受けた。
     前にも書いたけど、「相談を受けた」と書いているうちの殆どは、私の方から声を掛けたからで、お客様の方からというのは滅多に無い。
     という事は、お客様の方から相談されるというのは、往々にしてお客様の自己判断による対処が上手くいかなかった場合であり、だからつまり難しいケースだったり、すでに店頭での対応の領域を外れていたりする。
     なので、正直受けたくない( ̄ε ̄;)←マテ
     今回のお客様は、4日ほど前に風邪をひき、初日から3日間は『コルゲンコーワIB透明カプセル 30カプセル』を服用していたのに、効果を感じられなかったという。
     ただ、発熱は無かったそうなので、本当に風邪だったのかは不明。
     寒さで鼻水が出て、乾燥で喉を傷めただけとも考えられる。
     風邪と紛らわしい症状は数多あり、特定するには症状の発現から経過、できれば直前の出来事などを検証しないと特定は難しい。
     だけど、鼻炎が起きると風邪、喉が痛いと風邪、と考える患者さんは多い。
     そのくせ、吐き気を風邪と関連付けて考えることは少なかったりする。
     その理由は簡単で、要するに「経験不足」である。
     普通の人は、年に風邪を1回風邪をひくかどうかで、しょっちゅう風邪をひくという人も、本当に風邪だったのかは検証してみないことには不確かだろう。
     いずれにしても、年間に女性100人と交際しても女性の謎は解けないのに、1人2人と交際したくらいでは女性への対応策など分かろうはずがない。
     ………なんだ、その例えは(爆)
     今回のお客様は、今は体のだるさも感じるというという話だったけど、風邪のせいなのか服用した薬のせいなのか判断に迷う。
     食欲はあるようだけど、仕事始めからまだ週の半ばなため、体力の温存に『柴胡桂枝湯』を使い、主訴の喉の痛みには『駆風解毒湯』を当てることを提案して、両方をお買い上げ頂いた。
     鼻水に関しては、それど酷くないようだったから『柴胡桂枝湯』で胃の働きを持ち直せば対応できると踏んだ。
     見通しが、甘いかな?
     ユンケル系の栄養ドリンクが家に有るという話だったけど、栄養ドリンクの処理にもエネルギーを消費してしまうので、今は温存しておくようにお話した。

     『ナボリンS』を買いに来たお客様に症状を尋ねると肩こりに使っているそうで、以前ほどには効かなくなった気がすると言われた。
     年齢とともに、以前に効いていた薬が効かなくなることはあるし、同じ症状だと思っても原因が違うと効かないということがある。
     上半身を温めて血流を改善する『独活葛根湯』と、高血圧を緩和して肩こりをほぐす『釣藤散』を案内したうえで、ストレスが思い当たる場合にと『コリッシュ』(治肩背拘急方)を紹介したところ購入された。
     一方、一緒に来ていた奥さんは、季節の変わり目に偏頭痛になるそうで、詳しく症状を訊いてみると、目眩もするという話だったため『苓桂朮甘湯』を案内してみた。
     すると、「我慢すれば治る」というお返事。
     ううん、ただの偏頭痛だと思っていると、将来的に重大な病気を見逃してしまう恐れもあるから、治療か軽減策を模索するよう勧めてみたんだけど、やっぱり「我慢すれば治るから」と帰られた。
     そういうのでは仕方ないけど、心配だなぁ(;´・ω・)