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  • 「聞く姿勢」は大事ですね

     小学生の子供にと、酔い止めを求めてお客様が来店。
     必ず酔う訳ではなく、初めて使うというので、お守り代わりに持って、酔ってからでも水無しで使える『トラベロップQQ』を案内してお買い上げ頂いた。
     そして、乗車前には温かい食事をして温かい物を飲ませるように勧めた。
     必ず酔う訳ではなければ、これだけでも酔うのを抑えられるはずである。
     というのも、体温より冷たい物は胃で消化されても腸が水分や栄養を吸収できないため、体温で温まるまで胃に長く留まることになり、これが酔った際の吐き気の原因の一つ。
     ありがちなのは、軽い食事で済ませようとしてパンにヨーグルトとか、野菜ジュースや牛乳との組み合わせだろうか。
     軽く済ませるのであれば、温かいスープのほうが良い。
     まぁ、前日から『苓桂朮甘湯』を飲んでおくのが、酔い止め薬の体への負担を考えたら良いと思うんだけどねぇ。
     酔い止め薬を求めてくるお客様は、もう最初から「酔い止め薬ください」って来ちゃうから、なかなか漢方薬を案内する機会が無い。
     酔い止めは欲しい、でも観光バスとかで寝ちゃうのも勿体無いという話で尋ねられてくると、紹介しやすいんだけど。

     連休に備えてか、学校行事の関係か、また小学生の子供にと酔い止めを探しにお客様がいらした。
     やはり必ず酔う訳ではなく、初めて使うというお話から『トラベロップQQ』と、同じ成分の『トラベルミンチュロップ』を案内しすると、後者を購入された。
     そして、眠くなると困る場合には漢方薬をとお話したところ興味を持たれたので、『苓桂朮甘湯』を紹介した。
     この仕事、「聞く姿勢に徹する」ことがヒアリングをするうえでも重要なんだけど、本当のところは分野や立場に関係無く必要なんだと思う。
     そういう意味では、お客や患者さんの側も「聞く姿勢」のある方が、お得なことが多いんじゃないかと(・o・)

     お客様がリップクリームを求めて来店し、治療目的ではないというので、ボディケアのコーナーを案内した。
     治療目的なら『モアリップ』が候補になるかなと思いつつ、ひとまずお客様は『メンソレータム薬用リップスティック』を選ばれたのでお会計。
     ただ唇の荒れに、初めからリップクリームだけという選択は、どうかと思う。
     口内炎がそうであるように、唇の荒れもまた胃と切り離せない症状なので。
     寒さで血管が収縮して栄養が隅々に行き渡らないのが原因でもあるし、外気の乾燥だけでなく胃の機能が低下して頑張ろうと胃炎を起こし、体の中から乾燥してしまうというのも唇の荒れの原因なのだ。
     だから、『安中散』の入った『大正漢方胃腸薬』が、唇の荒れをを治すのに使えたりする。
     だけど、初めからリップクリームをと求められると、そういうお話をする機会が無いからアドバイスもできない。
     ましてや、リップクリームを会計するたびに症状のヒアリングなんかは出来ない訳で。
     せめて、唇の荒れについて相談を受ければ、養生も含めて教えられるんだけどねぇ。
     なんといっても、食べ物ですよ食べ物。
     大根で胃を養って保水し、人参で血行を改善し皮膚の材料を荒れた唇に行き渡らせる。
     豚汁でも煮物でもシチューでも、乾燥する季節には意識的に摂るのが良いですよん。

     

  • ドラッグストアーで買い物をする意味って?

     『リフレライフ』(安中散加茯苓)の大容量をレジに持ってきたお客様に、使用したことがあるか尋ねてみた。
     初めて使うのに大容量は、やはり心配なので。
     すると、旦那さんからストレスとパッケージに書かれている胃薬をと頼まれたそうで、主訴は胃痛とのこと。
     そして、特に銘柄は指定されて無く、だから初めて使うらしい。
     ええと、それで大容量で良いんでしょうか(^_^;)?
     一応、本人に鳩尾(みぞおち)の少し右側に逸れた肋骨の裏側へ指を入れてみて痛みを感じるかどうか試すよう勧め、そのままお買い上げ頂いた。
     痛がるようなら、『半夏瀉心湯』が適応するからもしれないから。
     とはいえ、やっぱり本人にヒアリングできないまま売るのは不安だ。
     同じストレス性の胃痛でも、「胃が働かなくて」起きる胃痛と、「胃が働きすぎて」起きる胃痛では違う。
     前者の場合は『安中散加茯苓』で良いし、後者なら『半夏瀉心湯』が適応することが多く、もともと胃の機能が低くて食べるとすぐ満腹になるような人なら『六君子湯』だって考えられる。
     もう一つの見分け方としては、「胃が働かない」場合は温かいお茶を飲むと痛みが落ち着いて、「胃が働き過ぎる」時には胃炎の傾向があるため冷たい飲み物を欲しがるというのもある。
     もちろん、それぞれの混合型だってあるし、それこそストレスを受けやすい人ならば、今日は「働かない型」だけど翌日は「働き過ぎ型」なんて事もあるから、初めて使う胃薬に大容量を選ぶというのは、ただただ心配。
     効いたんだか効いてないんだか分からないまま、とりあえずモッタイナイから飲み切るまで使い続けるという人もいるからねぇε-(´・_・`)

     サプリメントの『グルコサミン』を購入されるお客様に、膝の曲げ伸ばし運動を欠かさないようにとお話したら、驚かれた。
     体の材料は基本的に血液で各部に運ばれるけど、軟骨の周囲には血管が及んでなくて、軟骨と軟骨の間にある滑液が代わりに運ぶので、滑液を動かしたほうが行き渡るという理屈。
     まぁ、経口摂取した栄養素は全ていったん分解されてから再構成されるのだから、狙った場所に運ばれるかというと、そう上手くはいかない訳ですが。
     それでも、せっかくお金を掛けてサプリメントを摂るなら、効果的と思われることはやっておいた方が良いと思われ。
     そういう事では、栄養素ごとに摂取する時間も考慮したほうが良いものの、そこまでやると今度は考えすぎてストレスになり、別な病気になりそう(笑)

     昨日の日記で、医薬品レジがただでさえパニックになっていたところに医薬品以外の雑貨を買うお客様が並んで困ったと書いたけど、薬以外のお会計を断るのは私自身は全力て否定したい。
     これは、人員を増やせないお店側が悪いんで。
     なにより、日記でも何度か書いてるけど、日用品を買いに来たお客様が鼻を啜っていたり咳をしていたりが気になって声を掛けて薬を案内した事があるように、スーパーやコンビニじゃなくドラッグストアーで買い物をする意味って、そこにこそあるんじゃないかと思うから。
     常連さんなら顔色や歩き方でも体調がいつもと違うというのが分かることがあるし、しょっちゅう咳をしている人でも咳の音がいつも違うと気づいて話を振り薬事相談になったりとか。
     だから理想としては、日用雑貨を買いに来たお客様のお会計をしている時に薬事相談や健康相談に話が流れたら、すみやかにレジを他の人に交代して、そのまま相談に応じられる体制になることなんだけど……、それには人手が増えないと(-_-;)
     この辺りは、会社が本気でドラッグストアーを地域の医療ネットワークを担う物として、スーパーやコンビニとは違う立ち位置を確立することを考えてくれないと、個人ではどうしようもない。
     スーパーやコンビニに薬を置いてますみたいな現在の業態は、高齢化社会で儲けるためにも向いてないと思うんだけどな。

     

  • 代替策を多く持つのが課題

     『パンシロン01+』を手にしたお客様から、胸やけの相談を受けた。
     痛みは無いそうで、以前に『大正漢方胃腸薬』を使ってみたものの合わなかった模様。
     原因にはストレスが思い当たるそうで、『安中散』に鎮痙剤の『芍薬甘草湯』を合わせた『大正漢方胃腸薬』が合わないとすると『半夏瀉心湯』かなと思い、鳩尾(みぞおち)から小拳一つ分右にズレた肋骨の下側にお客様に指を入れてもらったけど、痛くはないという。
     ふむぅ、ハズレか。
     それなら、同じ『安中散』の系統で『四逆散』を加えた緊張によるストレスに適応する『爽和』か、水分代謝の異常で思い悩むタイプに向く『安中散加茯苓』をと案内してみた。
     実のところストレスは複合的なもので、スッパリと判別できる訳ではないが、今回は『安中散加茯苓』を試して頂くことになった。

     咳の相談で来店したお客様、仕事の関係で一日に2回の服用タイプをと希望された。
     一応、漢方薬にもエキス増量を謳っていて一日に2回の服用という物はある。
     そうえで、仕事の環境的に空気が悪いそうなので、『麦門冬湯』を案内した。
     上半身を潤す『麦門冬湯』は、外気からの汚染物質を体外に排出する痰にも水分を与えて、より外に出しやすくする。
     すると、煙草も吸うというお話があり、『ダスモック』(清肺湯)を紹介したんだけど、錠剤を希望され、どちらも錠剤タイプを置いていないため、痰を出すことを主目的に『ブロン錠エース』を勧めて、お買い上げ頂いた。

     

  • 「普段どうだったか?」というのは薬を選定するうえで重要な情報

     『爽和』と『太田漢方胃腸薬2』を見比べて迷っているお客様がいたので声を掛けてみたけど、案内は断られた。
     どちらもストレス性の胃の不調を謳っているから、分かりづらいかと思ったんだけどな。
     『爽和』は『安中散』に手足の冷えを改善する『四逆散』を加えたもので、仕事が変わったとか誰かに怒られるとか外部から受けるストレスに対応する。
     一方、『太田漢方胃腸薬2』は『安中散』に水分代謝を改善する茯苓を加えた『安中散加茯苓』という処方で、起きてもいないことを心配したりといった内面的なストレスに向いている。
     ただ、どちらにも痛み止めは入っていないので、胃が不調で胃痛があるようなら、『安中散』と痛み止めの『芍薬甘草湯』を合わせた『大正漢方胃腸薬』の方が良い。
     今回は『太田漢方胃腸薬2』を選ばれ、お会計をしながら症状を尋ねるとゲップが出るというお話があったため、『半夏瀉心湯』も紹介してみたけど、パッケージに「胸やけ」とあるのを見て「違う」とのことで、そのまま購入となった。
     まぁ確かに『安中散加茯苓』もゲップには対応しているものの、それだと『六君子湯』も候補になるから実に難しいところ。
     本当は、鳩尾(みぞおち)に指を入れようとして痛むかどうかを確認したいところだったけど、そこまで踏み込める雰囲気ではなかったから訊けなかった。
     人差し指と中指と薬指の3本を揃えて鳩尾に少し食い込ませてみて痛むようなら、神経性胃炎の『半夏瀉心湯』が適応するのに対して、元から胃弱で基本機能が低い場合は『六君子湯』が使える。
     ここで問題になるのは、胃の基本機能と症状が相対的だということ。
     例えば、走るのが遅いからといってそれは足が悪いということにはならないが、無理に早く走ろうとすればその疲労の度合は大きくなるだろう。
     その場合は元々の足の機能に対して無理をしたことを考慮した、中長期的なケアが必要となる。
     でも、元が頑健な足であるのなら一時的な疲労などものともしないだろうから、下支えのようなケアは不要。
     それは胃腸薬の使い方にも云えて、「普段どうだったか?」というのは使用する薬を選定するうえで重要な情報なのだ。
     先のように鳩尾に指を入れてみて痛むようなら胃酸過多が考えられるが、それは同時に元々の胃の機能は低くないと考えられる。
     また、普段から水や氷といった冷たい飲み物を好むのなら、胃の機能が高い一方で胃炎を起こしやすいと推測でき、お湯や温かいお茶を好むのは胃の機能が低下していて内臓が冷えやすいことを示している。
     お年寄りが温かいお茶を好むのは、なんとなく落ち着くというよりも加齢により胃の機能が衰えているからとなる。
     今回のお客様はストレスの表記があるパッケージの『爽和』と『太田漢方胃腸薬2』から選んだのだから、ストレスが思い当たるのは間違いないのだろうけど、ストレスに対する体への負担も元々の機能と相対的だから、果たしてどうだったのかは分らない。
     実のところ、それを知りたい欲もあるんだよねぇ。
     ぶっちゃけ適応するかどうかを知識として覚えても、実際に運用しての効果は患者さんから教えてもらわないと分からない。
     でも、ドラッグストアーじゃ薬を売った後に患者さんが報告に来てくれることは滅多に無く、その積み重ねは難しい。
     なので、たまに「良くなったよ」と言ってもらえると、気持ち的に「☆⌒ヾ(*゚∀゚)ヒャッホゥ♪」と嬉しいだけでなく、勉強になるから有り難いです。
     もちろん、「効かなかったねぇ」と言われて落ち込むこともある訳ですが(´・ω・`)

     お客様から「胃腸炎の薬を」と頼まれ症状を尋ねると、食べると胃痛がするとのこと。
     ひとまずお客様の意を汲んでパッケージに「胃腸炎」と書いてある『柴胡桂枝湯』を紹介しつつ、痛み止めの入っている『大正漢方胃腸薬』を案内してみた。
     しかし、詳しく話を訊いてみると疲労もあるようだった。
     そうであれば、『桂枝湯』で胃の機能を補強して柴胡剤で疲労を緩和したほうが良さそうなので、『柴胡桂枝湯』を使って頂くことにした。

     

  • 時には安楽椅子探偵のように

     『ベンザブロックSプラス』と『葛根湯』を手にして迷われてる様子のお客様に声を掛けてみると、熱は測っていなくて不明なものの熱感は無く、鼻水と鼻づまりを繰り返しているという。
     そうであれば『葛根湯』をと思うものの、体が少しだるく、3日ほど前には喉が痛かったそうなので、もう少し検討したほうが良さそう。
     そこで詳しく訊いてみると、だるいとは云っても食欲が落ちている訳ではない模様。
     喉の痛みについては、喉の奥だったか手前だったかや、ヒリヒリしていたかズキズキしていたか、喉が狭く感じたかなどをヒアリングしてみたけど、治ってしまって覚えていないそうな。
     ううん、まぁ、普通は覚えていないでしょうね。
     まさに、「喉元すぎれば熱さ忘れる」ですが(^_^;)
     スマホや携帯電話という文明の利器があるので、酷くなったら病院へ行こうとか、その前に薬を買おうかと思う時には、日記でもメモでも良いので、体調不良のことを書き残しておくと、後々のために良いです。
     万が一、感染症やら食中毒やらが原因という場合においては、なおさら感染ルートの洗い出しに役に立ちますし。
     それはともかく、お客様が嫌がらず面倒臭からずにヒアリングに応じて頂けたため、鼻水には色が付いているという情報を引き出せた。
     色が付いているとなると、これは風邪が疑われるから、発熱にも備えておいたほうが良さそうだ。
     鼻炎薬でありながら風邪にもそのまま転用できる『葛根湯加川きゅう辛夷』を提案し、試してもらう事になった。
     この手のヒアリングにおいては、本来は質問は多くても三つ程度までとされているから、だいぶ逸脱してしまった。
     これは、今回の反省点である。
     でも、患者さんが根気良く応えてくださると、こちらも本気で向き合いたくなる。
     感情に左右されちゃプロ失格ですが、感情を持った人間でもあるので。
     それにやはり、推理で答えを導くには、証拠集めが必要なんです。
     そうそう、お客様はここのところ入浴せずにシャワーのみで過ごしているとも分かったため、環境的に入れないということが無ければ、ゆったり温まるよう勧めた。

     『セイロガン糖衣錠A』を購入されるお客様に、『正露丸』と違って患部の炎症を抑えて痛みを緩和する甘草と陳皮が入っていないことを伝えると、驚きつつも、そういえば以前に使った時には腹痛が治まらなかったと言われた。
     痛みが治まらなかった原因が別にある可能性はあるけど、やはり『セイロガン糖衣A』は『正露丸』より抗炎症作用は弱いと思う。
     でも、多くの人が『セイロガン糖衣錠A』は、ただ『正露丸』をコーティングして、独特の匂いが無く甘い味付けなだけだと誤解してるんだろうなぁ。
     そもそも『正露丸』は「飲む消毒薬」みたいな物で、戦争で汚染地域に行くことを想定して開発された薬だから、キャンプなどに行くのではなく、国内の都市部への旅行なら他の胃腸薬を検討しても良いだろう。
     今回のお客様は、いつも旅行に常備しいるとのことで、『セイロガン糖衣錠A』をそのまま購入されたけど、他の選択についても質問された。
     対抗は、『安中散』『芍薬甘草湯』を組み合わせた『大正漢方胃腸薬』かな。
     あと、急性の食中りに使える『胃苓湯』が候補になるし、乗り物酔いやら熱中症やらと応用範囲の広い『五苓散』も外し難い。
     お話していて、お客様は漢方薬は長く飲まないと効かないイメージを持ってることが分かった。
     それを言ったら、『正露丸』も生薬の組み合わせで漢方薬みたいなものですし、「風邪には葛根湯」という宣伝文句もあるように、急性症状には早く効きますと説明した。

     

  • 受診勧奨して本当に病院を訪れる人がどれくらいいるのか

     お客様が『大正漢方胃腸薬』をレジに持ってきたけど、その前に胃腸薬の棚で『第一三共胃腸薬』や『スクラート胃腸薬』などを眺めているのを見かけていたため、症状について確認してみた。
     お客様は痩せ型で、主訴は胃痛と胃もたれとのこと。
     胃痛については、おヘソの右上が痛み、油物を食べるとすぐ胃もたれを起こすという。
     胃の働きが落ちているとすれば『半夏瀉心湯』も考えられるけど、みぞおちに指を入れてもらっても痛くはないというので、そのまま痛み止めに芍薬が入っている『大正漢方胃腸薬』を使って頂くことにした。
     『安中散』が主体の『大正漢方胃腸薬』は、食べる前に飲んでおくという使い方が出来ることも伝えた。
     痩せ型なことからすると『六君子湯』も使えるなと思い当たったけど、お客様から「難しいのねぇ」と言われたため、今日のところは紹介しなかった。
     余計に難しいと思われると、不安にさせてしまうかもしれず、そうなると使ってもらう漢方薬の効果にも影響するかもしれないから。
     ただ、胃腸薬は気軽に買われることが多い反面、薬売りの立場からすると皮膚疾患と並んで扱いが難しく、できれば「相談されたくないジャンル」だったりする。
     それだけに、逆に相談されずに気軽に買われるのは、頭痛などの鎮痛薬以上に心配になる。

     やや高齢のお客様が『ダマリンL』を求めて来店し、お会計をしながら症状を尋ねると、水虫に毎年なるという。
     ただし、受診したことはなく、ゆえに本当に真菌による症状なのかは不明。
     そして詳しく訊いたら、その水虫らしき症状は爪にまで入り込んできているらしい。
     いや、それでしたらなおさら受診して、内服薬の併用も見当が必要かもしれませんと、やや脅かし気味に受診を勧めた。
     あまり店頭では案内する機会が無いけど、『十味敗毒湯』は抵抗力を高めるという使い方で水虫に用いることがある。
     まぁとにかく、受診勧奨して本当に病院を訪れる人がどれくらいいるのか判断のしようが無いから、たまには強めに言っておかないとね。

     

  • 経口補水液は小まめに複数回に分けて飲む

     お客様が『爽和』などのストレス性の胃腸薬の箱を手に取り、『半夏厚朴湯』のパッケージも眺めていたため声を掛けてみた。
     お話を聞くと、主訴は胃痛と胃のつかえ感とのこと。
     私が触診をする訳にはいかないため、お客様自身に(みぞおち)に指の第一関節までを食い込ませようとすると痛いか試してもらったら、痛むというので『半夏瀉心湯』の方が適応すると考えられることをお話した。
     『半夏厚朴湯』がストレスによって気管支が詰まるのに適応するのに対して、『半夏瀉心湯』は食道からもう少し下の胃の上部にかけて緊張を解く。
     まぁ、「瀉心」というのが瀉心とは「心下のつかえを下ろす」という意味だし。
     一応、『爽和』についても説明して、こちらは健胃剤として働く『安中散』に、緊張によって細い血管が締まり手足が冷えるときに緩和する『四逆散』を加えたもので、どちらかという対人や環境といった外的な要因でのストレスに適応する。
     類似処方には、同じく『安中散』に、水分代謝を改善する茯苓を加えた『安中散加茯苓』があり、こちらは胃に余分な水分が溜まることで前かがみがちになって、起きてもいないことを心配して悩むような内的な心因性のストレスに適応する。
     今回のお客様は、外的なストレスが思い当たるらしく、もし『半夏瀉心湯』が効かない場合の乗り換え先として『爽和』は次点候補となることを説明すると、ひとまず『半夏瀉心湯』を試して頂くことになった。

     知人から漢方薬を勧められたというお客様が来店したんだけど、肝心の漢方薬の名前を覚えていない(^_^;)
     とりあえず症状を尋ねてみると、こむら返りということだから『芍薬甘草湯』の『コムレケア』を案内してみたら、間違いない模様。
     ただ、こむら返りに『芍薬甘草湯』というのは当然の選択ではあるものの、最近購入される方はテレビの影響らしいので、いくつか確認をと思い、ヒアリングしてみた。
     すると、今までにも何度かなっているものの、季節などが関係するかは、発症時に意識したことが無いため分からないという。
     それでも、漢方薬を勧めた知人からは水分補給が必要なことも教えられたらしく、ペットボトルの経口補水液を数種類ほど買い物カゴに入れていた。
     それは確かに、その通り。
     だけど、経口補水液は一時にまとめて飲むのではなく、小まめに複数回に分けて飲むのでなければ体が適切に処理できないことをお話したら、知らなかった様子。
     例えるなら、ゲリラ豪雨で用水路に水が溢れるようなもので、人間の体も急に水を送られてきても処理できないのだ。
     実際、経口補水液のペットボトルには目盛りが付いているのに、案外と知らない人が多いし。
     知人さん、できればそこまで教えてあげて下さいな(^_^;)
     あと、腸は体温より低いと吸収できないため、冷たい物は胃で温まるまで留め置かれてしまい、経口補水液を熱中症対策に使う場合には冷やし過ぎないことも重要。
     熱中症が疑われる場合に体を冷やすのが必要なのは確かだけど、補給する水分は常温のほうが良い。
     こむら返り対策に寝る前に飲むにしても、冷たい状態で飲むと胃に留め置かれて寝付きが悪くなるし。
     そして、こむら返りの原因は水分代謝の異常や筋肉疲労ばかりではなく、心臓疾患でも起きるため、繰り返す場合は病院の受診も視野に入れるようお話した。

     

  • 制酸剤を繰り返し使う人には

     お客様から、肩こりに貼る物より塗る物をと希望され、鎮痛剤としては弱いサリチル酸、中くらいでも皮膚に浸透しやすいフェルビナク、第2類薬では店頭で一番強いインドメタシンの三段階で案内した。
     強さと浸透の良さではジクロフェナクナトリウムもあるんだけど、存在を忘れがちσ(^◇^;)。
     今回もジクロフェナクナトリウムを候補に挙げるのを忘れて、お客様はフェルビナク製剤の購入を決められた。
     そしてお会計しながら、ストレス性の肩こりもありますというお話をして、そういう時には胃薬で治るケースもあるこをお話すると、胃は丈夫とのこと。
     そうであれば、内服薬として上半身を温める『葛根湯』も使えますと伝えたところ、足が冷えるというお返事が。
     それはなおさら、体を温めたほうが良いですな。
     半身浴で20分以上は湯船に浸かり、血流の改善をするよう提案した。
     暖かくなってきたから、のぼせないように窓やドアを開け放すか、水で濡らしたタオルを頭に乗せて。

     『リフレライフ』(安中散加茯苓)を眺めていたお客様に声を掛けると、胃のつかえ感があるとのこと。
     水分代謝を改善し、色々と悩みがちな人の胃の機能低下に使う『安中散加茯苓』より、『半夏瀉心湯』の方が適応しそうですと案内したら、実際に制酸剤を病院から処方されて使っているらしい。
     制酸剤を繰り返し使う人には、なおさら『半夏瀉心湯』が向いている。
     一応、ストレスは思い当たるらしく『半夏瀉心湯』も神経性胃炎に用いるが、『安中散』『四逆散』を合わせた『爽和』も適応するかもしれない。
     そう思って紹介してみたが、以前に『安中散』と痛み止めの『芍薬甘草湯』を合方してある『大正漢方胃腸薬』を使った時には、効かなかったというお話があり、候補を取り下げた。
     本日のところは、相談のみ。
     販売につながらなかったのは一店員としては残念だけど、もとよりドラッグストアーの売上のメインは今や薬ではなく日用品だったりするので、買わなくても気軽に相談してもらえれば良いかと。

     

  • 胃痛に鎮痛薬を使うと、頭痛と胃痛を併発しそう

     やや高齢のお客様が『駆風解毒湯』の空箱を持って来店し、「同じ物を」と注文された。
    「良く効くのに、他のお店に置いてないんだよねぇ」とのこと。
     どの程度流通してるのかは知らないけど、近隣にある4軒のドラッグストアーの中では、確かにうちの他には1軒しか無い。
     しかも、本部からの通常商品リストからは、とっくに外されちゃってるし。
     それで一時期品切れになって、やむなくその1軒のお店にお客様を案内した。
     それ以来、本部には特別発注して切らさないようにしている。
     むしろ、『桔梗湯』の液剤以外の仕入れルートが無いため、『駆風解毒湯』が無いと喉の痛みの患者さんに対応できなくて、私が困る。
     お客様も私も覚えていないけど、たぶん『駆風解毒湯』を案内したのは私なんじゃないかな。
     それも、私が勤務し始めた直後くらいに。
     常連のお客様のことを覚えるのと、以前に案内した薬が分からないと困るので、こうして日記につけるようになったのはお店に慣れてきてからだから、その前なんだと思う。
     本当は、名前も記録しておきたいところなんだけど(もちろん名前まで公開したりしないが)、個人情報の取扱は難しいため、性別と主訴と対応内容だけのメモだけが頼り。
     それでも、その甲斐あってか常連さんの持病は覚えられるようになったし、3ヶ月や半年ぶりのお客様でも案内した薬の内容を思い出しやすくなった。
     残念ながら、その間に高齢で亡くなられたお客様もいて、そのうちの二家族が「生前お世話になりました」と挨拶に来られたのには、私も正直驚いたけど。
     治療そのものには、力になれなかったからねぇ(;´・ω・)
     ……ああ、感慨に耽ってる場合じゃなかった。
     『駆風解毒湯』をお買い上げ頂いて、お客様には喉が痛む場合には、喉から直通の胃にも炎症が及んでいたりするので、消化に良い食事をするようにと伝えた。

     飲んだ胃薬が効かないからと来店したお客様が、「やっぱり鎮痛薬じゃないと駄目かな」と言って『バファリンA』や『イブA』などを手にして選び始めた。
     目玉ドコー(  Д ) ゚ ゚ポーン
     コロコロコロコロ……( Д ) …_。…
     いや、失礼。
     実のところ、これが初めてではない。
     鎮痛剤を購入されるお客様に用途を尋ねたら、「胃が痛くて」と言われたのは、すでに2度3度……以降は数えるのを諦めた。
     嫌々ながら声掛けしていて(根が引き篭もりですからね)、こうして何度か遭遇するくらいなのだから、店員に何も相談せずに当たり前のように鎮痛剤を買っていく人の中に、結構いるんじゃあるまいかと考えると頭痛がしそう、いや胃痛も併発しそうだ。
     そのたびにお客様には、胃痛に鎮痛剤を使ってはいけないことを説明してはいるんですが……。
     そして今回のお客様には『安中散』に痛み止めの『芍薬甘草湯』の加わった『大正漢方胃腸薬』を案内しようと思ったら、糖尿病の治療中だと知らされた。
     飲んだ胃薬というのも、病院で処方された物らしい。
     そうなると安易に市販薬を使う訳にはいかないため、お薬手帳について尋ねたところ、自宅のパソコンで「しっかり管理しています」と自信満々に答えられた。
     え~と……、それを持ってきて下さらないと、お薬手帳の意味がありません(;´∀`)
     本日のところは担当医に、処方された胃薬が効かなかったことを報告するように勧めて、お引取り頂いた。

     やや高齢のお客様が、虫除けと虫刺されの薬を求めて来店された。
     銘柄は特に決めてないそうなので、まず近くにあった虫刺されから『ムヒS』を標準に、キャンプなどの野外活動には効く虫の範囲が広い物をとシリーズを紹介した。
     今回は、『ムヒS』の購入を決められ、続いて虫除けの話に。
     虫除けを毎日使うことについて心配されていたけど、虫刺されで怖いのは痒くなることではなく、昨年のデング熱騒動のように他の病気に感染することで、薬害と呼べるほどの副作用ならともかく、特別に薬剤アレルギーなどが無ければ、使用したほうが良いでしょうと説明した。
     ただ、ガスでの噴射タイプで吸ってしまうのは嫌という気持ちは充分に分かるため、ノンガスのミストタイプとジェルタイプを案内し、ジェルタイプを一緒に購入して頂いた。

     

  • 値段が高いから効くのでも、安いからお得なのでもないです

     『大正漢方胃腸薬』と『リフレライフ』を手に取って迷っている様子のお客様に、声を掛けてみた。
     『大正漢方胃腸薬』は、読んで字の如くのように「体の中(胃)を安らかにして苦しみを散らす」のが効能の『安中散』と痛み止めの『芍薬甘草湯』を合わせた物。
     そして『リフレライフ』なんて分かりにくい名前が付いている方は、中身は『安中散加茯苓』で、いわば『大正漢方胃腸薬』から痛み止めを抜いて、水分代謝を改善する『茯苓』が加わっている。
     パッケージにも「ストレス」と書いてあるが、茯苓の効果からすると「明日どうしよう」とか「どうして自分は」というように、色々と考えてしまう内面的なストレスによる胃の不調に向いている。
     そして、お客様は候補にしていなかったけど、比較として『爽和』も紹介した。
     『爽和』の方は、やはり『大正漢方胃腸薬』から痛み止めを抜いて、代わりに『四逆散』を加えた生薬構成。
     漢方用語では「四逆」とは、手足を合わせた四肢のことで、四肢がとても冷たくてなかなか温まらない状態のことを云う。
     だけど、ここでは誰かに強く怒られるとか、状況的に追い込まれているといった対外的なストレスと覚えると理解しやすいと思う。
    「四逆」って、なんかこう逆な目に遭うというイメージと繋がるでしょ?
     実際、緊張したりするストレスは末梢血管が狭まって血流が悪くなるしね。
     それによって、胃の働きが悪くなるのに対して効果がある。
     とにかく『大正漢方胃腸薬』を基本として、内面的なストレスには『リフレライフ』(安中散加茯苓)を、外面的なストレスには『爽和』をと覚えて使い分けると良いでしょうと案内した。
     今回は外面的なストレスが思い当たるというので『爽和』を考えたけど、痛みの方が顕著なようだったため『大正漢方胃腸薬』を試して頂くことになった。

     ご主人の花粉症にと『アレグラ』を求めてお客様が来店したため、置いていないことを説明して、近くで取り扱っているドラッグストアーを紹介した。
     でも、本人に電話をしたらしく、しばらくして戻ってきた。
    「何でもいいから買ってきて」と頼まれたとのことで、眠くなりにくい物として『ロートアルガード鼻炎クールアップEX』を案内して、購入して頂いた。
     そして、主訴は鼻水というお話から、積極的に体を温めるよう勧めて、一つの方法としてお風呂に30分以上入ることを提案した。
     気温が高くなってきているので、のぼせそうであれば窓や扉を開けて入浴するか、タオルを水で濡らして首や頭に乗せる方法を勧めた。
     あと、電子レンジを使って構わないので、温かい物で水分補給をするようにとも伝えた。

     ご主人が3日ほど前に風邪をひき、『パブロン』を服用していたものの咳だけが残ったという相談を、お客様から受けた。
     ただ、どの『パブロン』を使っていたかは覚えていないそう。
     発熱の影響で体内が乾燥しているのだろうとは予想できるけど、本当は『パブロン』の種類も知りたいところ。
     鼻炎を抑える成分が多いタイプだと、それこそ体内が乾燥しやすくなるので。
     でも、体内の乾燥による咳止めに『麦門冬湯』を案内してみたら、錠剤を希望された。
     あうっ、うちのお店には『麦門冬湯』の錠剤は無い……。
     やむなく『ブロン錠エース』と『ブロン錠』を候補にして、痰について確認すると、痰は出ないそうなので後者を勧めて、お買い上げ頂いた。
     名前が似てて紛らわしいけど、『ブロン錠エース』の方は、痰を出しやすくするためにL-カルボシステインが含まれていて、症状に不要な成分は無い方が体への負担が少ない。
     値段が高い方が効く訳でも、値段が安い方がお得な訳でもないので、ご注意あれ。
     そうそう、体内が乾燥している時というのは胃が弱っていると考えられるため、食欲が戻っていても量を控えて、消化の良い物にするようお話した。