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  • 仕事より病院を優先してほしい

     高齢のお客様から『馬油』のローションタイプを求められたけれど、置いていないことを伝えると成人の息子さんが以前にヤケドで使ったことがあるというので、『オロナインH軟膏』や『ワセリン』でも代用できるのではとお話した。
     すると今回は、息子さんが手の甲を切ったというため湿潤療法での対応を勧めようとしたところ、かなりの深手で範囲も広く、けっこう出血した模様。
     しかし病院に行くより仕事が優先だと受診を嫌がり、そのうえ包帯を巻くのも大げさだとしてガーゼを当てただけだそうだ。
     そのガーゼは血まみれだったそうで、お客様は見るのも怖いと言っていた。
     しかも、そのガーゼを交換もせずに血が滲んでくると重ねていくだけだという。
     化膿を防ぐための抗生剤とガーゼをお買い上げいただいたけれど、大丈夫なんだろうか……。

     やや高齢のお客様から3歳の孫の咳の相談を受け、シロップ剤を考えたけれど液剤は嫌がるということから粉を希望された。
     『麦門冬湯』を考えたものの、痰が出るというので『五虎湯』を使っていただくことにした。
     痰が出なくなってカラ咳になったら、『麦門冬湯』への乗り換えも検討するよう伝えた。

     やや高齢のお客様が『腎仙散』をレジに持ってきたけれど、以前に使ったことがあるというもののヒアリングすると、急な寒さの影響があるようだったため『ボーコレン』(五淋散)を提案し変更となった。

     

  • 市販薬を選ぶ時には効能よりも適応を検討するのが大事

     お客様が『新コンタックかぜEX』と『ベンザブロックIPプラス』と見較べていたため声をかけてみたところ、『葛根湯』の液剤の方が良いか尋ねられたのでヒアリングしたところ、ご主人が発熱と悪寒と喉の痛みを訴えているという。
     症状からすると『葛根湯』の適応時期を過ぎているため、使うなら『麻黄湯』をと案内した。
     そして喉の痛みはあっても咳は無いと言うので、咳が無い時に風邪薬はお勧めできないのだけれど、明日は仕事休めるということから服用による疲労感が出る可能性をお話したうえで『ルルアタックEX』を紹介し、お買い上げいただいた。
     すでに食欲は無いというので無理に食べさせなくても良い事と、入浴はしても良いことを伝えた。
     昔は入浴が駄目だと言われていたけれど、あれはまだ内風呂が普及していなくて、銭湯の帰りに湯冷めしてしまうからである。
     自ら発熱するのには体力を使うから入浴をして、発熱するのを支援してあげた方が良いのだ。

     高齢のお客様が『五虎湯』『麦門冬湯』で迷ってる様子だったので声をかけたところ、ご主人が咳と痰が絡み、たまに頭痛がするとのこと。
     以前に私が案内したさいには、『麦門冬湯』を使ったそうだ。
     今回は頭痛に『葛根湯』を使っていたというので、その『葛根湯』は咳の原因になってしまう事をお話したところ、発熱したというため体内が乾燥している可能性があることから、『麦門冬湯』が適応することを説明して、お買い上げいただいた。
     口腔内に膿の匂いがするようだというため『チクナイン』(辛夷清肺湯)も考えたけれど、鼻の症状は無いという。
     『麦門冬湯』で咳が治まり、膿の匂いが残るようなら『チクナイン』に乗り換えを検討しても良いだろう。
     頭痛の方は肩こりが関係ありそうな話だったので、『釣藤散』を紹介した。

     

  • 腸の機能が落ちると胃にも影響があります

     お客様が『五虎湯』『麦門冬湯』を見較べていたので声をかけてみたけれど、案内は断られた。
     『麦門冬湯』をレジに持ってきたさいに改めて、『五虎湯』は上半身に熱が篭った時の咳、特に寝る前に咳き込むような場合に適応し、『麦門冬湯』は体内が乾燥している時の咳であり、話そうとしたり食べようとしたりして息を吸うと咳き込む場合に適用することを説明した。
     するとお客様は、咳とともに喉の乾燥感があるというので適応すると考えられることをお話して、お買い上げいただいた。
     あと、体内が乾燥している原因としては胃炎を起こしてる可能性が考えられ、炎症を抑えるために夏野菜を避け、消化に良い食事をするよう勧めた。

     お客様から「喉の風邪薬を」との相談を受け、『ルルアタックEX』と『パブロンエースAX』に『ベンザブロックLプラス』を案内した。
     そのうえで喉の痛み以外の症状を尋ねると、初期に透明な鼻水があったようだが主訴以外は起きていないというため、喉の痛みに特化してはと提案し『ペラックT』と『駆風解毒湯』も紹介してみた。
     しかし、周囲の人は風邪をひいていると話さるので、トラネキサム酸の入っている『ルルアタックEX』をすすめたところ、体のだるさがあると言われたので体力落とさないために『新ヒストミンゴールド液』との併用を提案し、両方をお買い上げいただいた。
     実のところ体のだるさがあるとなると、風邪薬にはもれなく咳止めが入っていて、咳止めの成分が体をだるくしてしまうから、やはり勧めにくいのだけれど。
     だるさの情報が後からだったので、話の流れ上、『新エスタックゴールド錠』(葛根湯加桔梗)を紹介しそこなってしまった。
     まぁ、その『新エスタックゴールド錠』にも咳止め成分が入っているのだけれど。
     お客様には、内臓を休めるために消化に良い食事をとお話したら、「鍋物とか?」と訊かれたので、良い選択ですと答えた。
     消化をするのにもエネルギーが必要で、風邪をひいて体を休めるというのは内臓も含めて休ませることなんである。

     お客様が『ザ・ガード整腸錠α3+』などの整腸剤と漢方薬の棚を行ったりきたりして見ていたので気にかけていたところ、『ザ・ガード整腸錠α3+』の購入を決められたため使用経験を尋ねてみた。
     使うのは初めてで、主訴はお腹が張ることと食欲低下ということからすると、『六君子湯』が適応するかもとお話してみたら、思い当たるようだった。
     乳酸菌を育てる納豆菌が入ってることの利点をお話したうえで『ザ・ガード整腸錠α3+』をお買い上げいただいたが、胃腸の仕組みとして肉類や脂肪は胃ではなく腸が消化するため、腸の機能低下により胃の働きも悪くなることを説明した。
     どういう事かというと、腸で消化が進んでいないと胃の方に食べ物を送ってこないようストップの指示を出し、胃で消化が終わっている物も留め置かれ、これが膨満感になる。
     そういう意味では『ザ・ガード整腸錠α3+』のような整腸剤を使うことで、胃の働きが回復し食欲が向上することも考えられる。
     つまり、腸の機能が低下することで食欲不振になっている場合には、胃薬を飲んでも改善しないことがあるのだ。
     お客様はシャワー派だというので、腸の血行を良くするためには入浴した方が良いことをお話したうえで、シャワーだけで済ます場合には前から浴びるのではなく、後ろを向いて腰の辺りに浴びながら髪や体を洗って、少しでも腰回りの血行を良くするよう勧めた。

     

  • 痒みを我慢すると、より弱い痒みに敏感になる

     お客様が『カンポアズマ』をレジに持ってきたさいに、寒冷による咳に適していることを伝えると、よく分かっていないようだったが前回も使ったことがあり、喘息もあるというのでそのまま販売した。
     『ダスモック』(清肺湯)も考えたのだけれど、タバコを吸っていないというため、乾燥性の咳に使う『麦門冬湯』と、 体内に熱が篭って出る咳に適応する『五虎湯』も紹介しておいた。
     それと、人間の体は機械ではないし原因が異なる場合もあるので、前に効いたから次も同じ薬が効くとは限らないことを伝えた。

     子供を連れたお客様からアンパンマンの絵柄の『ムヒパッチA』を求められ、『ヒドランパッチ』も案内してみたところ内容の違いを知らないようだったので、『ヒドランパッチ』には局所麻酔が入っていて痒みが強い場合に適していることを説明したところ、強い薬と思われたらしく怖がられてしまった。
     そのうえ、お客様が『マキロンパッチエース』に興味を持たれたのでステロイド剤が入っていて、より炎症が強い場合に用いることを説明すると、また怖がられた。
     今回は『ヒドランパッチ』の購入を決められたが、今度は添加物を気にされたので薬剤を安定させたり日持ちさせたりするためには添加物が入っていない方が安心して使えないことを説明した。
     添加物が体に蓄積されるとして恐怖心を煽る記事などがあるが、ヒ素を飲むと毛髪に痕跡が残るように、ちゃんと人間の体は体外に排泄するのだ。
     薬の主成分や料理の食材ではなく、添加物の方をモリモリ食べるのでなければ、心配はいらないんである。
     また、強い薬を怖がる心理は分かるけれど、例えば痒みを我慢すると体の方は脳に気づいてもらえないと学習して、より弱い痒みに敏感になってしまうから、初期対応は強めの薬の方が良い。
     ただしその強い薬を、良く効くからといって連用してはいけないのだ。
     そうそう、子供からは麻酔って何と訊かれたので、痛みを止める薬だよと説明した。
     子供の疑問には、即座に答えてあげるのが肝要である。
     そしてもう少し大きく育ってきたら、 自分で調べさせるのが良い。
     いつまでも質問に答えてばかりいると、大きくなってから自分探しなんてことを始めてしまうんである。←偏見

     

  • アレルギーが思い当たったらアレルゲンの検査を

     幼児を連れたお客様が来店し、自身が鼻水と咳と頭重感があるとのことだった。
     3日以上経っているというので『カンポアズマ』を考えたが、鼻水に色があるのと頭重感とのことから『ルルアタックNX』を勧めた。
     子供の風邪がうつったようだが、子供は当初は鼻水が多かったのから始まり、まだ夜に咳をしているというので『五虎湯』と子供用の咳止めシロップを提示したところ、苦くても大丈夫とのことから前者を一緒にお買い上げいただいた。
     粉が飲めると、薬の選択肢は広がるから助かる。
     うちの次郎なんかは、幼少期にミミズの粉をお湯で溶いて飲ませていたおかげか、苦手な剤形というのは特に無い。
     ただ、お客様からは『五虎湯』に桂枝が入ってるか訊かれた。
     以前にシナモンと黒ゴマのドリンクを飲んだところ、アレルギー症状が出たという。
     『五虎湯』に桂枝は入ってはいないが、アレルゲンを調べた訳ではないというため、それは改めて調べた方が良いと伝えた。

     咳止めの棚を眺めているお客様が湿った咳の音がしたため気にかけていたところ、『パブロンSせき止め』を購入されたので、鼻水もあるのではと尋ねると出るとのことだった。
     鼻水と湿った咳の組み合わせは内臓が冷えていると考えられるため積極的に温かいものを飲んでお腹周りを温めるよう勧めた。
    生薬系の薬なら、『カンポアズマ』が適用するように思われる。

     やや高齢のお客様から、『アリナミンEXプラス』と『新パワーアクトEX』の違いを尋ねられ、同じ処方内容であることを説明したところ、ご主人が眼精疲労ということだったので、成分違いで『キューピーコーワiプラス』も候補になることをお話した。
     目薬は効いた気がしなかったらしいとのことだったが、銘柄は不明で色は赤かったというため、ビタミンB12が入っていると思われる。
     成分が違えば効果があるかもしれないから、目薬はもちろん内服薬なども成分表示を取っておくよう勧めた。
     また、『めぐリズム』などで目の周囲を温めて血流を良くするのも重要とお話して、その流れから『葛根湯』を提示したところ、風邪に備えてということで購入された。
     それから、加齢による目の症状には『牛車腎気丸』を紹介してみると、漢方薬の効く速さを訊かれたので、根本的に治療する「本治」は時間がかかり、症状を抑える「標治」は早いことを説明し、特に『葛根湯』は早めに早めに使うのが勝負だから、家に置いておくより持ち歩くようにと伝えた。
     ご主人は入浴時間は短いそうだが、目にタオルを当てて入っているというので、それは良いことですねとお話した。
     あと、目と腎は関係するため、お腹周りを温めることも助けになりますと付け加えた。
     歳を取ると弱るのが腎で、『牛車腎気丸』が加齢による目の症状に適応するのは、そういう理由である。

     

  • 咳が無いのであれば風邪薬を選ぶ必要はありません

     お客様が『葛根湯』『桔梗湯』『銀翹散』を見較べていたため声をかけたところ、高校生の子供が昨日から咳が出てダルさを訴えているらしく、3日後が遠足だとのこと。
     上半身を温める『葛根湯』は咳には適さないことと、喉の痛みが無いのであれば『桔梗湯』『銀翹散』も候補にはならないのだが、風邪に適応する漢方薬をと考えたのだろう。
     ダルさがあることを考えると、すでに胃腸の機能が低下している可能性を説明し、咳止めには『五虎湯』を使い、ダルさに『柴胡桂枝湯』を組み合わせる方法を提案した。
     しかし粉薬は飲めないそうで、味についても気にされたため味に関しては生薬によって違い、『五虎湯』はともかく『柴胡桂枝湯』は比較的味は悪くないことをお話ししたが、やはり難しいようだ。
     味の不味さで云えば、『葛根湯』に較べたら大抵の漢方薬は飲みやすいと思うんだけどね。
     お客様自身は『ホノビエン錠』を普段使っているらしく、子供に飲ませてみたが効かなかったという。
     中身は『荊芥連翹湯』と現代薬を合わせた物で、『荊芥連翹湯』は鼻づまりや熱性のニキビに使うのだから、咳に適応するとは思えないのだけれど、どうして飲ませようと思ったのか(^_^;)
     それから、お客様から栄養ドリンクについて尋ねられ、以前に風邪薬は病院から処方されたさいに薬剤師から勧められた物が家にあるというのだが銘柄は不明なため、良いとも悪いとも判断がつかない。
     栄養ドリンクは大きく分けて、体に気合を入れるだけのタイプと体を下支えするタイプがあることを説明し、下支えしつつ気管支を潤す効果が期待できる『新ヒストミンゴールド液』を案内したところ購入を決められた。
     そして、漢方薬と現代薬を合わせた『新エスタック錠』(葛根湯加桔梗)の併用を提案し、一緒にお買い上げ頂いた。
     現代薬の成分に咳止めが入っているから、咳による体力の消耗は防げるはずである。
     とにかく体力の温存が必要なので内臓を休ませ、エネルギーを治すほうに集中させるために、本人の食事は量を控えて消化の良い物にするようお話をした。

     お客様が『パブロンエースAX』や『ベンザブロックSプラス』などを見ていて、『プレコール持続性カプセル』をレジに持ってきたのだが、マスクに鼻水が滲みるほどだったため主訴を確認したところ、やはり透明な鼻水が多く出るというお話だった。
     他に症状はないと言うから、風邪薬ではなく鼻炎薬の方が効果的で体への負担も少ないことを説明したのだけれど、風邪薬を希望されたことからベラドンナ総アルカロイドが鼻汁の分泌を抑えることを説明し、『ルルアタックNX』を使っていただくことになった。
     本当のところ市販の風邪薬は、もれなく咳止め成分が入っていて、その成分によっては体がダルくなるから、咳が無いのであれば風邪薬を選ぶ必要は無い。
     そして透明な鼻水は内臓の冷えが原因と考えられるため、体を外からではなく中から温めることが重要なことをお話し、温かい物を積極的に飲むことと入浴を長めにすること、あと半身を厚着するよう勧めた。

     

  • 症状の変化に合わせて使う薬を乗り換える

     お客様から乳酸菌のサプリメントを求められたが、うちのお店には単独の物は無いため『新ビオフェルミンS』と『ラクトファルミンS』を案内した。
     すると、棚に並んでいた『アペテート整腸薬NA』に興味を持たれ、納豆菌が乳酸菌を育てることをお話しすると購入された。
     乳酸菌は胃酸に弱いため腸に届くまでにかなりが死滅してしまうとされており、それを改めて腸で育て直そうという訳だ。
     『ザ・ガードコーワ整腸錠』も同様である。 
     また、乳酸菌の整腸剤では胃酸が出るのを抑える成分が入っていたりするので、整腸剤を飲むことで胃の働きが悪くなるという本末転倒なこともありえるから、服用後の経過観察は結構重要である。

     お客様が『パブロンSゴールドW』をレジに持ってきたさいに咳と鼻の風邪で良いのか尋ねたところ、置き薬にするとのことだったので2日飲んでみて効かなかったら他の薬への乗り換えを検討するようお話したところ興味を持たれた。
     そこで、症状別に容量の少ない物を備えておく方法もあることをお話した。
     すると、風邪の予感がする時に飲める物はという質問が出たので、『葛根湯』を紹介したところ、当初は置き薬にというお話だったが、今回はご主人の咳に使うつもりと分かり、『パブロンSゴールドW』は適応するものの、風邪薬ではなく咳止めを使うことを提案した。
     なにしろ『葛根湯』は上半身を温めて風邪を治すため、咳や喉の痛みには使えない。
     一方で風邪薬には解熱剤や鼻炎薬なども入っており、体の方は起きていない症状の成分についても処理しなければならないため、疲労してしまう可能性を説明した。
     その咳止めとして『ブロン錠エース』と『ブロン錠』を紹介し、この場合も痰が喉に引っ掛かるようであれば前者を、咳をして痰が出るようであれば後者をと説明した。
     同じブランド名でも成分が違い、適応する症状もまた違うんである。
     パッケージを見るだけでは分からなければ、ぜひ尋ねてもらいたいところ。
     そして咳の状態を詳しく確認すると、どうやらカラ咳のようなので、胃炎でも咳になることをお話して上半身を潤す『麦門冬湯』を紹介してみると、少し前は夜中に咳をしていたという。
     夜中の咳は体内に熱が篭って起きるものであるため、そういう場合には『五虎湯』をとを紹介したうえで、その熱により乾燥に変わったと考えられるため『麦門冬湯』を試していただくことになった。
     症状の変化に合わせて、使う薬を乗り換えるのもまた必要なことなんである。
     また、咳自体が喉に負担をかけてしまうので、喉の痛みや咳の症状が出たらその時点で噛まずに食べられる胃に優しく消化に良い食事をするよう伝えた。

     

  • 同じブランド名でも名前の一部が違うと中身も違う

     やや高齢のお客様が『セキトローチ』をレジに持ってきたが咳は無く喉の痛みもせず違和感だけだと言うので、『響声破笛丸』を紹介してみた。
     本日は、そのまま『セキトローチ』をお買い上げいただいた。
     『セキトローチ』は消毒薬と咳止めの他は痰を薄くする成分の3つの成分の組み合わせなので、喉の違和感にどれだけ効果があるかは疑問であるものの、トローチを舐めていれば確かに自分の唾液で喉の具合は少しは良くなるか。

     お客様から、成人の息子さんの咳の相談を受けた。
     数日前から咳が続いてるとのことで、風邪をひいたが尋ねてみたが分からないようだった。
     発熱して体内が乾燥する他に胃炎や逆流性食道炎でも咳になることを説明したところ、知人からは『ブロン錠』を勧められたと言うものの、『ブロン錠エース』と『ブロン錠』のどちらかは、やはり分からない模様。
     両方ともパッケージに「せき・たん」と書いてあるが、喉に痰が引っかかるようであれば『ブロン錠エース』、咳をすると水の様な痰が出るようなら『ブロン錠』という使い分けがあるのだが。
     体内を潤す『麦門冬湯』と患部を冷やす『五虎湯』を紹介したうえで本人に連絡を取ってもらったところ、今度は『ストナ』を頼まれたと言うので、『ストナ去たんカプセル』なのか『ストナプラスジェルS』なのか、同シリーズに幾つかあることを説明し、改めて犯人本人に確認したうえで『ストナプラスジェルS』をお買い上げいただいた。
     『ストナプラスジェルS』となると、熱や鼻炎の症状もあるのだろうか。
     ホントは、直接本人に電話を代わってもらいたかった。
     とにかく、ブランド名はあくまで名前の一部だけなので、前後に他の数字やアルファベットなどが付いていないか、人に伝えるにしろ頼まれるにしろ確認しておいてもらいたいところ。
     同じブランド名でも、中身は縁もゆかりもない成分や効能だったりするので。

     

  • 薬の買い物を頼むときに伝えておいてほしいコト

     お客様が『セキトローチ』を求めて来店した。
     ネットで見たという成人の息子さんから頼まれたのことで、パッケージデザインが違うものの同じメーカーから同じ処方の『セキトローチ』が出ているのでそちらを案内した。
     ただ、肝心の咳の状態については不明で37.5度の発熱があったということから、体内が乾燥してる可能性を説明したうえでお買い上げいただいた。
     しかし、発熱の咳となると『セキトローチ』に入っている鎮咳去痰成分のフェノールフタリン酸デキストロメトルファンと、気道を潤すグアヤコールスルホン酸カリウムだけでは力不足なのではなかろうか。
     解熱剤の入っている風邪薬ではなくあくまで咳止めだけということであれば、『ルキノンせき止め錠』の方が効果的だと思われる。
     頼まれ物だから仕方がないけれど、ネットで見たというのが、ただ見ただけなのか他の物と比べての判断なのかで話が変わってくる。
     できれば薬を指定するのではなく、現在の症状と、いつからか、他に起きている症状は無いのかということを伝えて買い物を頼んで欲しかった。
     お客様には、体内の保湿のためにこまめな水分補給と、豚汁の具材で消化の良い食事をと勧めた。

     やや高齢のお客様が雑貨を購入されるさいに、家にいる娘さんに口内炎の薬を買ってあげようかと言っている声が聞こえたので、口内炎の外用薬には抗炎症系と修復系とがあり、さらに抗炎症型にはより強いステロイド剤があることを説明した。
     口内炎の状況によって使う薬が違うので、本人でないと選ぶのは難しいことを伝えると、「初めて知ったと」言われた。

     お客様から、咳の相談を受けた。
     のどの痛みもあり、昨日からで夜が激しく痰も出るとのことから『ブロン錠』と『ルキノンせき止め錠』を案内し、『五虎湯』も紹介してみたが漢方薬と聞くと嫌そうだった。
     『ルキノンせき止め錠』を選ばれ、『セキトローチ』と一緒に服用して良いか尋ねられ、トローチはあくまで剤形であって成分によって判断することを説明したうえで、併用は不要であることをお話しした。

     

  • 薬の飲み合わせには気を使います

     やや高齢のお客様から、咳をしているご主人に『コンタック』を頼まれたとのことだったが、どの『コンタック』かは分からないというので、一応は『コンタックせき止めST』を案内した。
     咳や鼻水といった単独の症状でも総合の風邪薬を求める人がいるから、同じブランド名で複数の物が発売されている場合には、正確な名称が分からないと困ることが多い。
     ご主人は、ヒューヒューという喘鳴がしてるというお話のため『半夏厚朴湯』を紹介してみたものの、そちらには興味は示されされなかったので、気管支を拡張する『南天のど飴』を紹介すると一緒に購入を決められた。
     ところが、お会計の段になって病院から降圧剤や糖尿の薬などが処方されていると分かり、しかしおくすり手帳を持参されてないので内容は不明だった。
     降圧剤でも薬によって作用機序が違うことを説明し、調剤薬局に相談するよう勧めたところ、すでに『コンタック』を服用したと言うので、継続して良いか問い合わせるようお話しした。
     その『コンタック』にしても、今回の『コンタックせき止めST』かすら分からない訳だが。
     そのため、本日は『南天のど飴』のみをお買い上げいただいた。
     ご主人は、おくすり手帳を家に置きっぱなしにしたうえ、処方された薬を服用した後に車の運転もしてると言うので、おくすり手帳は事故に備えて携帯させるようお話しした。
     それに、降圧剤の中には服用後の車の運転を控えるよう書いてある物もあるはずだから、それも確認するように伝えた。

     やや高齢のお客様が、『麻杏咳止顆粒S』を求めて来店したが、取り扱っていないことを伝えると似たような物をと希望されたので『五虎湯』を紹介した。
     しかし、咳をしている患者はご主人で、そのうえタバコを吸っていて病院では人間ドックで引っかかったことがあるから行きたがらないというお話があったため、繰り返す咳は肺や気道ではなく胃炎や逆流性食道炎の可能性もあることを話ししたうえで、『ダスモック』(清肺湯)を紹介したところ、そちらを使って頂くことになった。
     表に出ている症状はあくまで原因の結果としてであり、原因そのものは医師以外には診断できない以上、病院でまず調べることが必要である。
     ところで、『麻杏咳止顆粒S』が何なのか分からなかったのだが、後で調べたら『麻杏甘石湯』に桔梗と滑石と陳皮を加えたものだった。
     名前に『麻杏』が入ってるから『麻杏甘石湯』の変方だとは予想ついたから似た処方の『五虎湯』を紹介したけど、夜中に咳き込むような熱性の咳に効果のある物で、乾燥性の咳や胃を悪くして起きる咳だと、かえって良くないだろう。
     やはり、適用するかどうかの鑑別が必要である。