痒みを我慢すると、より弱い痒みに敏感になる

 お客様が『カンポアズマ』をレジに持ってきたさいに、寒冷による咳に適していることを伝えると、よく分かっていないようだったが前回も使ったことがあり、喘息もあるというのでそのまま販売した。
 『ダスモック』(清肺湯)も考えたのだけれど、タバコを吸っていないというため、乾燥性の咳に使う『麦門冬湯』と、 体内に熱が篭って出る咳に適応する『五虎湯』も紹介しておいた。
 それと、人間の体は機械ではないし原因が異なる場合もあるので、前に効いたから次も同じ薬が効くとは限らないことを伝えた。

 子供を連れたお客様からアンパンマンの絵柄の『ムヒパッチA』を求められ、『ヒドランパッチ』も案内してみたところ内容の違いを知らないようだったので、『ヒドランパッチ』には局所麻酔が入っていて痒みが強い場合に適していることを説明したところ、強い薬と思われたらしく怖がられてしまった。
 そのうえ、お客様が『マキロンパッチエース』に興味を持たれたのでステロイド剤が入っていて、より炎症が強い場合に用いることを説明すると、また怖がられた。
 今回は『ヒドランパッチ』の購入を決められたが、今度は添加物を気にされたので薬剤を安定させたり日持ちさせたりするためには添加物が入っていない方が安心して使えないことを説明した。
 添加物が体に蓄積されるとして恐怖心を煽る記事などがあるが、ヒ素を飲むと毛髪に痕跡が残るように、ちゃんと人間の体は体外に排泄するのだ。
 薬の主成分や料理の食材ではなく、添加物の方をモリモリ食べるのでなければ、心配はいらないんである。
 また、強い薬を怖がる心理は分かるけれど、例えば痒みを我慢すると体の方は脳に気づいてもらえないと学習して、より弱い痒みに敏感になってしまうから、初期対応は強めの薬の方が良い。
 ただしその強い薬を、良く効くからといって連用してはいけないのだ。
 そうそう、子供からは麻酔って何と訊かれたので、痛みを止める薬だよと説明した。
 子供の疑問には、即座に答えてあげるのが肝要である。
 そしてもう少し大きく育ってきたら、 自分で調べさせるのが良い。
 いつまでも質問に答えてばかりいると、大きくなってから自分探しなんてことを始めてしまうんである。←偏見

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